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第百九話 2人とも変わったね
しおりを挟む待ち合わせ場所である先程の広間に行くとエルナとクリフがいた。
「久しぶり、2人とも」
「!ケインさん…本当にお久しぶりです。無事で良かった……」
「大袈裟だなぁ…半年ほど前にも会っただろ?」
「でもやっぱり心配だったんですよ。ケインさんいつも無茶するし、ほっといたらどうなることやら」
「うっ…」
思い当たる節はある。この一年半も何度か死にそうになったし………
「まぁ、こうして無事に3人集まれたんですから、リヒトさんでは無いですが、今日は少し豪華にいきましょうか」
「リヒト…といえばさっき冒険者ギルドでリヒトを見たぜ。どうやら勇者パーティーを名乗って、自分達がいなかったら大変な事になってたぞ!とか脅しているみたいだ。僕達の偽物も用意してたけど…どうしよう?」
「そんなの騎士団に報告するに決まっているでしょう?」
「あの…でもそれって一応は事実ですよね?勇者が抜けたとはいえ勇者パーティーであることに変わりないですし、訴えても特に犯罪じゃないですから……」
「うーん……どうしよ」
「放置でも良いでしょうが、このままだと誰かに被害がありそうですね」
「別にさ、騎士団に言わなくても良いんじゃ無い?僕達が勇者パーティーです、って言ってそれを証明すれば良いだけだから」
「証明って…どうやって?」
「……」
「証明する方法が無いですよね?僕達は勇者パーティーを抜けたのですから。エルナさんが勇者とはいえ、今は勇者パーティーでは無いです」
「まぁ……見ず知らずの誰かが傷つくかもしれないってだけだからなぁ……目の前で誰かが困ってたら助けるけど、リヒトが悪いことすると限った話じゃ……」
「いや、絶対するでしょう。あいつ間違いなく悪いことしますよ。でもほっとくしかないですね。僕達が魔王を倒して帰ってこれば、アイツは何もしてなかったとバレるわけですし」
というわけでリヒトの事は一旦無視しようとなった。僕達が魔王を倒したその時に言えば良いだろう。
「そういえば、僕リヒトにホテルに来いって誘われてるんだった」
「行く必要ないでしょう」
「そうですね。あんな奴とホテルとか死んでも御免です」
「まぁ、端から行く気は無いけど。この調子だと街の女の子達が危なく無い?」
「でもそれって握手会に参加してた子を誘ってるんですよね?じゃあ別に良いんじゃ無いですか。好きにさせておけば」
「そうかな……」
結局その件に関しても何もしないという話になる。しかし、それが大きな間違いだったのだ。
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