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外伝12話 神の使い
しおりを挟む「恭弥!早く起きて!恭弥!」
「起きて下さい!恭弥さん!」
「まったく……今日は休日じゃん。もう少し寝させてよ」
「それどころじゃない!テレビ見てみろ」
「テレビ……?」
テレビを見てみるとニュースがやっていた。
「速報です。街の中に突如謎の化け物が現れました……。この化け物は今までのと大きく違い、強さが桁外れです。物語などで出てくるドラゴンに酷似しており、被害は甚大……」
「ドラゴンが…また出たみたいだ」
「た、助けに行かなきゃ……」
「だから恭弥を起こしたんだ。このニュースに映ってる場所は何処だ?すぐ僕が『縮地』で飛ぶから教えてくれ」
「えっと、これは渋谷だ。岐阜からだとかなり遠いけど……」
「方向と距離は?」
「東に300kmほど」
「分かった……それじゃあ行ってくる」
そう言ってケインは縮地を使おうとしたが、そこでテレビの画面に映っていたドラゴンに異変が起きる。
どうやら誰かがドラゴンの腕を刎ねたようだ。
「と、突然ドラゴンが苦しみ始めました……一体何が起こっているのでしょうか?」
見ると、ドラゴンの前に高身長の男が立っていた。
「へへっ……アスタルテ様に祝福を……」
男は怒り狂ったドラゴンに大きな腕で押し潰されそうになる……が、そうはならなかった。
なんと、潰されたはずの男はいつの間にかドラゴンの上に立っていたのだ。
「あいつ……今ケインと同じ能力を使ったよな?」
「いや……テレビ越しだから断言は出来ないけど、あいつが使ったのは僕の宿地とは少し違う。縮地は多少のタイムラグがあるが、あいつにはそれが無かった……つまり、完全な瞬間移動だ」
「それって、ケイン以上に強い……ってこと?」
「分からない。流石にそれはないと思う。でも、一つ一つの剣技も僕の故郷でめちゃくちゃ強かった騎士団並み……いや、それ以上だ。単なる戦闘力はこの星に来てから会った誰よりも強い」
「もしかして……ケインの星から来た人じゃないの?」
「その可能性は否定出来ない」
気付くとテレビの中の男はドラゴンを倒し終えていた。そして、カメラの前に来て笑い、そして叫んだ。
「テレビの前の者どもよ。俺は神の使いだ。貴様らにもあのお方の配下の末席に加えてやろう」
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