最弱スキルも9999個集まれば最強だよね（完結）

外伝25話 魔力

「教えてみろ、その推測を」

「簡単なことさ……そもそもオリジナルスキルの取得、これはきっと魂が動いた時にだけ取得できるスキルだ」

「いや待て、お前達の星の住人は1人残らずオリジナルスキルを……」

「そこが間違いなんだよ。僕達の星でもみんな自然に取得する訳じゃない。『神官』のオリジナルスキルを持つ人間に適性の義を行なってもらう必要がある」

「そうか……適性の儀、恐らくそれ自体が……」

「「スキルなのか！」」

ケインとアスタルテは、意外と馬が合うようである。こんな出会い方でなければクリフやエルナの様に良い仲間になれていたかもしれない。
しかし、残念ながら今は敵同士。スキルの仕組みを知れたところで仲良くなれるわけでもなかった。

特に、自分の渾身の一撃が止められた上にことごとく魔法が無効化されてる圭吾は面白くなさそうだ。遂に抑えていた感情を吐き出してしまう。

「アスタルテ様！おいらはまだやれます！恭弥の野郎と戦わせて下さい！」

「待て、そう焦るな。彼の能力を知ってからでも遅くは……っておい！やめろ圭吾！」

アスタルテの言葉を聞く前に圭吾は残る魔力の大半をナイフに込めて放った。
ナイフは一直線に恭弥に向かって行く……が、やはりナイフの威力は恭弥に当たった瞬間に弱くなってしまった。
しかし、恭弥がナイフを受け止めた時、既に圭吾は次の手を取っていた。
恭弥がナイフに気を取られている間に後ろに回り込み、魔法を唱えていたのだ。

「これで終わりだ！『バレルシューター』！！！」

恭弥は背中でもろにバレルシューターを受けてしまう……が、やはりダメージを受けた様子はない。

「何で……何でだよ！」

「多分だが、俺のオリジナルスキル魔力吸収は、魔力を含んだ物から魔力を吸収して自分の物に出来るんだ」

要するに、魔術や魔法などの攻撃は殆ど恭弥には通用しない……と言う事である。
更に、無効化される度に恭弥の魔力まで回復すると言うおまけ付きである。

「おいらと相性最悪じゃないか」

「諦めろ、お前に勝ち目は無い」　

「……要は、お前に魔力を使わせなけりゃ良いんだろ？」

圭吾は通常攻撃に切り替えた。
腐ってもアスタルテの選んだ人間なだけあり、近接戦闘も中々いける。
恭弥はリーチの短い武器を警戒して距離を取っている。
膠着状態になったかに思われた……

「さぁ、これでまだ勝負は五分五分だ！」

「諦めの悪い奴め……これで終わりだ」

恭弥は、そう言うと魔術を行使する。

「『ウォーターカッター』！」

残り魔力の無い圭吾には防ぐ術も無く、まともにくらい動けなくなってしまった。

「畜生……すみませんアスタルテ様」

「チッ、仕方がないな。あとは僕達に任せておけ」

こうして、恭弥と圭吾の戦いは恭弥の勝ちで終わった。
……だが、それはケイン達にとって良いことばかりでは無かったようだが……