最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域

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外伝27話 スクリット

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地球でケイン達の戦いに意外な決着がついていた時、惑星ジムダの方でも意外な展開が起きていた。
宇宙船に乗ってクリフとエルナを連れて帰ろうとしていたスクリット……その前に突如として現れた存在がいたのだ。
身長は150センチ程しかなく、髪が長くて肌は青白い。いかにも不健康な風貌だが、整った顔立ちである。


「何者だ……?どうやってここに入ってきた?」

「……………」

「おい、聞いているんだ。反応くらいしたらどうだ?」

「…………」

「馬鹿にしているのか?」

「……」

「もう良い!消えろ」

スクリットは手を目の前に翳すと黒い靄を黙りこけている男に向けて飛ばした。
黒い靄が彼を襲うとその後にはグジュグジュの何かが出てきた。

「これで良い……邪魔者には悪いが居なくなって……」

スクリットが何気無く振り返るとそこには先ほど殺したと思っていた長髪の男がいるでは無いか。

「どういう……」

その言葉を最後まで言い終える前に、彼は消えて無くなっていた。

「………」

しかし、スクリットを倒した?筈の男は特に喜ぶでも無く悲しむでも無く、かといって泣く訳でも無く、相変わらず表情も変わらず終始話すことは無かった。
その様子をずっと見続けていたエルナとクリフは訳が分からない……という目をしていた。

「なん…なんだ」

「あの人は一体……」

「……」

相変わらず無言なまま長髪の男は近づいてきて2人の前で立ち止まるとじっと動かなくなった。

「………」

「くっ……」

スクリットを倒したからと言って必ずしも味方という保証は無いのだ。
だが、相手の能力の得体が知れ無さすぎる。
無闇に動いて敵対する方が余程危険だ。
今は敵の敵は味方であると信じるしか無い。

しかし、よく分からないまま膠着状態が続いてしまい、そのまま3分が経過した。
エルナとクリフも一体いつまでこの状況が続くのか?と思いはじめた頃、ようやく長髪の男が口を開けた。

「マ……レ……」

「稀?」

「………………ト」

「と?」

長髪の男は首を一生懸命縦に動かした。

「な…………まえ」

「なまえ?……ああ!名前!貴方の名前はマレト!」

「………………」

勢いよく首を振り始めた。どうやら正解らしい。

「……僕………みか、……た」

「そうですか……それは良かった。マレトさん、貴方に幾つか質問があります。先程見せていただいたあの力は一体なんですか?それと、どうやってここに来たのですか?あと、何故私たちを助けてくれたのですか?そもそも、貴方は一体何者なのですか?」

エルナから質問をされまくって、マレトは目をぐるぐる回してしまった。そして終いには泣き出してしまう。

「うわーーん……ふぐっ……母さん……うぅ……」

その様子を見てそこそこ引いた2人はこの人にはなるべく優しくしようと思ったのだった。



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