最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域

文字の大きさ
156 / 192

外伝29話 魔王ガルドとは

しおりを挟む

空間が歪み出して数分経つが、未だに目的地には着かないようである。

「あの、ルーナさん?あとどれくらいでつきますか?」

「そう焦らないで下さい。私のスキルでは貴方方のと違いに到着まで時間がかかってしまうのです」

「はぁ……そうですか」

「ところで、貴方は魔王ガルドを倒したそうですね」

「え!ああ……まあそうですけど」

「本当ですか?」

「いや、別に1人で倒したわけでは無いですよ。仲間と力を合わせて戦い……」

それを聞いたルーナは少しだけ表情に変化が現れる。しかし、その変化を表に出す前に何か別の魔法を発動しようと、魔法陣を展開させた。

「申し訳ないですがケイン、少しテストさせてもらいましょう」

「え?」

気づくとケインの周りの景色が変わっていた。
そこはかつてケイン達が倒した筈の魔王ガルドの城であった。
憶えている光景と全く同じ……
変化があるのは、エルナとクリフが居ないという事くらいである。

「は?何だよこれ……おい!ルーナさん!これは何ですか!」

「ケインさん……貴方と戦える事に喜びを感じています。覚えてますか?初めて俺達が会った時のこと……」

ガルドは何やら語り始めた。
……が、ケインはそんなことにはほとんど耳を傾けず、考察していた。
多分これはルーナが作った空間である。どうやったらこんなものを作り出せるのか見当もつかないが、先程の口ぶりからしてそうであろう。
敢えて推測するなら過去の世界の再現とか、記憶の世界を作り出す、とかそんな所であろう。テストすると言っていたが、恐らく僕達をルーナが連れて行く場所まで連れて行っていいかを判断しようというのだ。

「……って、聞いてるっすか?ケインさん」

「ん?ああ、悪い悪い。何だっけ?」

「はぁ……、ケインさん、貴方が脳天気なのは知ってますが、こんな魔王とサシで決戦の場面でも考え事するなんて……」

「ごめんって」

「まあ良いや。たしかに俺達の間に言葉は余計……不要だったかもしれないっすね。あの時みたく、剣で語り合いましょう!」

「そうだな……かかってこい」

「ベンタブラック!」

ガルドは初手で奥の手の筈のベンタブラックを発動した。
ケインはこれらの殆どを避けて、致命傷になりかねない物は剣で捌き、かすり傷で済む物は見逃した。

「やっぱ強力だな……」

「まだっすよ。やっぱり甘いですね!黒黒稲光!」

「速っ!」

ガルドの闇魔法を剣に乗っけてレイピアを突き刺す様に突進して来た。
どうやらベンタブラックの方を囮に使ったらしい。
だが、手数が多いのはガルドだけでは無いのだ。
ケインに当たる直前に、後ろからナイフが飛んで来たのだ。
気配を察知したガルドは咄嗟にそれを避けたが、これがダメだった。
ケインがその隙を見逃さず追撃を入れたのだ。

「グッ!……忘れてたっす、投擲の事」

「忘れてもらっちゃ困るな」

「それにしても、随分ダメージが少なく無いか?結構本気で追撃した筈だが……」

見ると、ガルドの体にある傷はかなり少なかった。

「さぁ?何ででしょうか?」

「まあ良いや、さっさと終わらそう」

口ではケインもそう言ったが、この時のケインは結構焦っていた。
何かがおかしい、と。
ケインの実力は前にガルドと戦った時より上がっている。地球で魔物を倒した事によりステータスが軒並み上昇しているのだ。
今はエルナやクリフが居ないが、それでも少し、押し切れない感がする。
ガルドは過去最強の敵ではあったが、命を燃やした状態のガルドなら兎に角、通常状態のガルドは今のケインならもう少し圧倒できる筈だ。
それに、こちらの動きを読んでいる様にも見える。
こちらは一度ガルドと戦っているからその分有利……と思っていたのに、まるでそのアドバンテージを感じさせないのだ。

(まさか……まさかとは思うが、いや、もし本当にそんな事があったら、僕は一体どうすれば……)

戦況は寧ろ、ケインが不利であった……






名前 ケイン

Lv170

体力 134780 / 134780(645)

魔力 252217(605)

筋力 519094(606)

速度 540563(604)

肉体硬度 185973(588)

魔力強度 252233(621)

幸運値 25


スキル
ステータスボード
スキル重複
投擲×9999
縮地×9999
片手剣の基本×9999
身体強化×9999
防御の初心×376
防御の基本×9999
魔法の初心×1503
魔法の基本×9012
回復の基本×9999
大剣の基本×9999
短剣の基本×9999
両手槍の基本×9302
魔星×9999
狂化×9999
筋力上昇×1000
速度上昇×9999
薄膜×9999
体力のギフト×47
力のギフト×151
速さのギフト×260
防御のギフト×150
魔法のギフト×100




称号
ゴブリンキラー
四天王を殺した者
戦乙女
ヴァンパイア狩りの猛者
スライム狩りの猛者
ドラゴン討伐者
脱獄者
偽神
異星人





しおりを挟む
感想 116

あなたにおすすめの小説

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

処理中です...