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外伝42話 ツンデレ
しおりを挟む「どうやら決めてくれたみたいだね」
「うわっ!いたのか……」
何故か鈴木は僕の立っていた地面の中から登場すると、嬉しそうな顔で語る。
「実の所言うと、来たのはたった今だったんだけど……まあそんな事はどうでもいいや。アタシ達に手を貸してくれてありがとう、ケイン」
「別に……アンタの為に戦う訳じゃないから。あくまで強い敵と戦うのは楽しいからってだけで」
「ふーん…………ツンデレ?」
「違うわ!」
「ケイン……鈴木さんと随分仲良くなられてますね」
「どこがだよ!?」
「あはは、今のケインさん、エルナさんやガルドさんと話してた時みたいですよ」
「クリフ!?そんな事ないって!」
「はい、先程までのビビリっぷりが嘘のようです」
「ルーナさんまで!?というかビビってない!」
「………」
「マレトさんは何か?」
「…………」
「何もないんかい」
すると、鈴木は思い出したかのように手を叩いた。
「あっ、そうだ。アタシがここに来たのは別に素直になれないツンデレを見に来た訳じゃないんだった」
「殴るぞ」
「ケイン、今の君は強い。あのジムダの千年の歴史を見ても恐らく最強……」
「何だよ急に」
「でもね、君は僕やルーナには勝てない」
「まあ……認めたくないけど、認めざるを得ないでしょうねそれは」
「システムは、僕やルーナ程ではないが、それに近い実力を持っている」
「……冗談はやめてほしいなぁ」
「冗談じゃないよ。今のケインでも良い勝負はするだろうが、勝つのは無理だ。君達で言うところのステータス。エルナは凡そ10万から20万。オルトメキナは30万。ケインは50万くらいだ。狂化込みなら150万。それをシステムに当てはめるとしたら100万って所だろう」
「通常時の僕の2倍か……。エルナがいないと狂化をフルで使えない事を考えると、20%の発動で大体70万。クソッ!戦闘経験と宿地や投擲で差を埋めるしかないか」
「それだけじゃない、システムは全てのスキルの仕組みをアタシが与えた。そしてそれらを理解している。だから、この世に存在するオリジナルスキルを除いた全てのスキルが使える上、それらが重複する。ケインみたいに同じスキルまで複数持てたりはしないけどね」
「でも……それってつまり、僕の適性ランクより上のスキルも重複するって事だよな?………きつ……」
「でも、ケインが全てのEランクスキル、Fランクスキルを取得出来れば勝てる。だから、この場にルーナの力で魔物を作りだして……」
「そういえば、ルーナを利用したってアスタルテ達が言ってたけど、あれは何だったんだ?」
「ああ、えーっと……何だっけ?」
「しっかりして下さい鈴木様」
「ルーナー説明頼む」
「仕方ないですね。アスタルテは私に鈴木様のお力になる為に、地球に魔物を生み出してくれと言ったのです」
「えっ、魔物を作り出すなんて事出来るんですか?魔王以外には不可能だと思ってました」
エルナが驚いた顔で聞く。
「ええ、そもそもあのスキルの原型は私の『人工量産型創造生命体生成』ですから」
「アスタルテは何て言ってルーナさんに協力させたんですか?」
「アスタルテは、何故鈴木様が強者を求める為に魔王と勇者という仕組みを作ったのか、それについては知りませんでしたが、鈴木様が強者を求めているという事実だけは知っていましたから」
「あーなるほど」
「地球でも惑星ジムダと同じ様に魔物を発生させ、それで自力でオリジナルスキルに覚醒してくれる人がいれば……と。恥ずかしながら口車に乗せられました」
「でも、そんなのおかしくない?ジムダは兎も角、地球は実験場じゃないんだからそんな簡単に存在しない筈の魔物を生み出しちゃったら……」
「ええ。そこは重々承知してました」
「なのに……何故?」
「実は……」
躊躇いながら話すルーナさん。
しかし、随分言いにくそうだ。何か事情があったのだろうか?
「鈴木様をビックリさせちゃおうと……サプライズになるぞ、と言われてしまい……鈴木様の喜ぶ顔が見たくて……」
「おい」
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◇
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