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外伝49話 追いかけっこ
しおりを挟むシムはワールズエンドトリニティを発動した……筈だった。
本来の効果を発揮していれば、ワールズエンドトリニティによってルーナの体は高エネルギー体によって引き込まれ、敗北していたはずだ。
だが、そうはらなかった。
地に膝をついていたのはシムの方である。
「why?……どうして……?何をしたのですか?ルーナ!」
ルーナは微笑みながら答える。
「別に何も?私は特別な事は何一つしていません。いえ、それどころか指一本動かしていない。勿論スキルもね」
「why……?」
「説明してあげるのも面倒ですね。ですが一言だけ。そのスキル達は私が1000年かけて習得し、我が物にしたのです。触れて『模倣』したからといって、私のように扱えると思いましたか?」
「Sit……成る程、いくらワタシでもあなたが持つオリジナルスキルを習得していきなり使いこなすのは無理……ですか」
「ええ、仮に使いこなせたとしても私には『スキル制御』がある。このスキルはスキルをコントロールするだけでは無く性能を120%増しでスキルを使えるようにしてくれるのです」
「Oh……絶体絶命というやつですね」
「分かったら諦めなさい」
「But……あなたはミスを犯した。ワタシにはもう一つ切り札がある」
「何?」
その瞬間、シムは全速力で逃げ出した。
「なんのつもりです?……このまま逃すとでも!」
それにルーナも続いて追いかけて行った。
「流石の速さですね。ですが、いずれ追いつきますよ」
「……Ifワタシが逃げ切れば勝ちです」
「……なんの話ですか?」
危険を察知したルーナは追うか止まるか迷った。
明らかにシムには何らかの策がある。
口ではあんな事を言ったが、ルーナはシムを評価している。
今のこの世界で自分とまともに戦えるのは間違いなく神鈴木とシムの2人だけである。
否、あるいは……ケインがもしかするとそうかもしれない。
単純な能力値ならルーナの方が上だが、シムは絡めて使いである。
何をしてくるかわからない。
最大限警戒するならば追うべきか?
それとも止まってケインと合流すべきか?
迷った結果、ルーナは追いかける事を選択した。
シムはこう言ったのだ。
逃げ切れば勝ち……と。
ならば追いついてしまえば、シムの策にハマる事もない。
そう判断した結果である。
それに距離もジリジリと近づきつつある。
このまま追いつければこちらの勝ちだ。
だが、この追いかけっこは意外な形で終わる事になる。
ルーナの前を走るシムをケインが先回りして捕まえたのだ。
「Why!?何故貴方がここにいるのですか!?理解不能!ワタシの計算では追いつけない筈……」
「『縮地』さ。僕の事を勘定に入れなかったのは間違いだったようだな」
「ケイン、ナイスです。さあ、シムにトドメを指しますよ」
そう言ってルーナは近づいた。
そのルーナを見てシムは笑った。
「……?何がおかしいのです」
「why……?何故でしょう。……嬉しいのかもしれないですね。ここまで上手くいってしまった事が」
危険を感じたケインはすぐさまシムを離して縮地しようとする。
「But……もう遅い!」
シムはケインに触れると『転移』を発動した。
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