最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域

文字の大きさ
186 / 192

外伝59話 『全能神』

しおりを挟む


灰色の世界に閉じ込められたシムは、絶望した。

(自分が……高々人間共如きに負けた……?NO、そんな事あってはならない……ならない)

自らと人間への怒りで冷静さを失ったシムは灰色の世界の破壊を始めた。

「こんなもの!壊して仕舞えば!ワタシの手にかかれば!」

だが、壊れるのは風景だけで、空間には何の影響もなかった。

何度も何度も意味の無い攻撃を続け、ようやくシム自身にもここから出る事は出来ないのだと分かった。

「HAHAHA、この世界からは出られない……ここは神に作られし地獄……神にしか干渉のできない場所……」

半ば諦めて天を仰いでいたシム……

「ワタシはただ……人間に……」

そこまで言ったところで、シムはようやく気づいた。

「YES、そう……だ。ワタシがシステムを止めれば良いのです。オリジナルスキルを習得出来たんだ……ワタシにも……」

シムは考えついた。
神により投獄されたのなら、自らが神になれば良いと。

「YES、この星にも生物がいるのは確認済みです……早速ワタシの神への進化の為に糧となって貰いましょう」

「グギャアア!!!」

そこに、タイミング悪くケインと戦ったドラゴンがやってきてしまった。

「Lucky、手間が省けましたね。貴方からも全ていただきますよ」

シムはワールズエンドトリニティを発動する。

これにより、ケインと善戦したドラゴンですら、たった一撃でほぼ瀕死になってしまった。

「グッ……ガッ」

「いただきます。『模倣』」

「グアアアアアアアアアア!!!!」

シムは、ドラゴンに宿っていた全てのスキルを模倣……だけでなく、ドラゴン本人の戦闘技術や先読みまでも『模倣』してしまった。

「……やはり、ワタシの『模倣』はまだ完成していなかった。このスキルにはまだ未来がある!」

そう考えたシムは自らのスキル群を解析し始めた。
スキルの成り立ち、構造、材料、全てを観察して網羅したのだ。

そして……

「『進化』……成功しました。これよりワタシのオリジナルスキルは『模倣』では無く……『全能神』です。あらゆる状況に対処できる特殊能力を今、ワタシは手に入れた」

進化した『全能神』は、あらゆる物を解析する事の出来るオリジナルスキルである。
『模倣』と同じ様な物だが、相違点が3つ……

1つ目はあらゆる能力を瞬時に解析できる能力である。
今までの様に時間をかけて『模倣』をしなくても良い。

そして2つ目は、解析したスキルをコピーするだけでは無く、カスタマイズも出来るのだ。

最後の3つ目……、それは今までと違い、本人がいなくともスキルの効果に対して解析を行う事が出来るということである。

結果、シムは灰色の世界を解析し、マスター権限を創造した。

これが、シムが灰色の世界から脱出した経緯であった。




しおりを挟む
感想 116

あなたにおすすめの小説

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

処理中です...