最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域

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外伝62話 回復の基本

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「ワールズエンドトリニティ!」

「ベンタブラック!」

両者同時に動き出した。

ワールズエンドトリニティは回避不能の高火力魔法である。
威力が固定な代わりに消費する魔力量も威力に対しては低い(それでも絶大な魔力を要するが)というコスパ重視の魔法だ。

当然コスパ重視とはいえ規模が違い過ぎるので、惑星ジムダで最強格と言われている魔法より威力が高いが、それでもガルドならば魔法の熟練度やステータスによってなんとか威力面ではカバー出来る。

結果、ベンタブラックにより、ワールズエンドトリニティの威力は7割型減らす事に成功した。

残りの3割のうち半分は直前で『狂化』を発動し、素手でワールズエンドトリニティのエネルギーに殴りかかって相殺した。

結果、ガルドはワールズエンドトリニティのダメージを1割と少し程度の威力まで減らしたのである。

だが……

「HAHAHA、苦しそうですねガルド」

「かすり傷っすよ?」

「NO、負け惜しみはやめておきなさい。見た所相殺のために殴った右腕は折れているし、内臓もいくつかやられている。肋骨は何本折れてます?まともに立っているのもやっとでしょう?」

「……だとしても、この程度ケインさんの体なら……」

しかし、既にワールズエンドトリニティを喰らってから二十秒は経つが、折れた腕は治らず、体はズキズキと痛む。

「HAHAHA、不思議ですか?ケインの体ならば確かにその程度の怪我、致命傷にはならないし、10秒とあれば元通りでした」

「まさか……」

「YES、そうです。貴方と戦った時にも既にある程度兆しがあったのですよ。ケインの脅威的な回復力の秘訣は『回復の基本』が9999個あるからだと……。『回復の基本』は1秒につき1体力が回復する。そのついでに怪我も治してくれるのですよ」

「俺が魔王だった時の体力は凡そ20万程でした。ケインさんの体力も似た様な物でしょうから10万~15万といったところでしょうね。つまり、あの時のケインさんは秒間9999回復するから怪我は10秒あまりで元通り」

「YES、しかし今はどうです?ワタシと対等に戦う為に貴方達は強くなり過ぎた。予測ですが、『狂化』を含めれば今の貴方の体力は凡そ150万~200万でしょう。全回復するまでにかかる時間は3分かかってしまう。つまり、『回復の基本』で回復するには追いつかなくなっている程、貴方達は強くなってしまった」

「だから……ですか。先程から回復のスピードが遅いのは」

「YES、ついでに言うと、貴方はケインのスキル群を十全に使いこなせてはいない。持ち前の戦闘感のお陰で上手く動いている様には見えますが、ケインと貴方では性別からして違う。男であった貴方が急に女性の体になって上手く動けるわけがありません。それ以前に他人の体では使い勝手が違い過ぎる。『回復の基本』も本来の性能を発揮できていない様ですね」

「クッ……!」

「そういうわけで、さよならです。『ワールズエンドトリニティ』!」

「ヤ、ヤバイ!」

体力がまともに回復しきっていない今、『ワールズエンドトリニティ』を放たれたら防ぐ術は無い。

(縮地!そうだ、縮地で回避すれば……)

「縮地!」

しかし、縮地は発動する事なくガルドはその場に倒れ込む。

「な、なんで……」

「言ったでしょう?貴方はケインの体を使いこなせないと。寧ろ今まで『縮地』が発動出来ていた理由が謎ですよ」

「クソッ!……こんな……ところで」

打つ手は無い。もう数秒もしないうちにワールズエンドトリニティは当たってしまう。

だが、ガルドは最後まで希望を捨てなかった。
何か策はあるはずだと。

結果、彼に語りかける者が1人……

(ガルド、ありがとう)

全てを悟ったガルドは、パーティーメンバー時代の様に笑い、目を閉じた。




………………………………
………………
……



「…………NO、残念です。あと少しで貴方諸共殺れた筈だったのに」

「いや、知らんけどさ、僕達の事舐めてないか?1人なら兎も角、僕等2人を一斉に、ついでに倒そうなんて欲張ったな」

「まあ構いません。貴方が戻った所で状況は変わりません。最終ラウンドです、ケイン」

「そうだな、それだけは同意だ」

拳を握るケイン。

そして、サポートの為ケインの中で魔法を放つ準備をするガルド。

今ここに宇宙の命運を賭けた戦いが終わろうとしていた。










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