異世界陸軍活動記

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初等部卒業

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「こっちに来るなー!」
 
 草食動物の用に追われている幼い男の子の後ろから、男の子の2倍近くもある巨体を持つ捕食者が迫りくる、一気に捕まえずじわりじわりと真綿を締めるように、相手が疲れ心が折れる時を待つ、
それは狩りを楽しんでいるよう凄惨な笑みを浮かべながら
 必死に逃げる男の子だが体格の違いから追いつかれるのは間違いないだろう、そいつに何人もの人が犠牲になっている葉が生い茂る木の下では先ほどまで元気だった人たちが倒れているのだ.
 必死に逃げるが捕食者との距離が詰まっていき‥‥‥‥




「はい、タッチ」

 鬼ごっこ中です、鬼が俺一人で全員捕まえるまで終わらないという変則ルール
子供体力を持つ彼らでも、真のアスリートとして開花した自分に勝てるわけでもなく散っていった


「いやーいい仕事をしたなー」
全力で子供たちを追っかけたあとは気分がいい、無双している感が半端ない

「ねぇ、なんで僕だけすぐに捕まえないの?」
じらしにじらされギリギリまでタッチしないことに非難めいた声を上げるケンタ君だが

「楽しいから」
の一言で一刀両断する、
 どっこいしょとベンチに座ると見計らったかのようにコトンちゃんが水の入ったコップを「はい」と差し出してくる、漫画で見たサッカー部のマネージャーみたいだ。

「ありがとう、コトンちゃんは本当に気が利くねぇ(ニッコリ)」
最高の笑顔付きでお礼を言ってみると、エヘヘーと笑いながら隠すように顔を下に向け照れる
 
 以前、「コトンちゃんは将来いいお嫁さんになるね」と言ったことがあって、それから何かと俺の世話を焼きたがる、見ていて可愛いし面白いので今後ともこっちの方向性で行ってみようと思う。
 そしてコトンちゃんの体温で完全にぬるくなった水を飲み干す
隣では水飲み場でガブガブ冷たい水を飲んでいる子供たちに嫉妬する、あっちの冷たい水を飲みたいけどそれが言えない自分の不甲斐なさにガッカリだ。

 こちらに来て3年目を迎えた、心臓にもう問題ないと分かってから毎日のように走った、初等部が休みの日なんかは朝早くに起床して太陽が沈むギリギリまで。
 
 そのころにミャマーささんから2つの贈り物があった1つはお小遣い、この世界ではほとんど現金を持ち歩かない、それ専用の魔法を契約すると自分の体が電子マネーのようになり触れるだけで支払いが完了する、
 
 収入を得たときは自動で加算される、ある程度の年齢になるとこの契約をするが子供達にはまだ不要ということで、硬貨を渡されるこれは商品券や図書カードのようなもので、親がお店で硬貨を購入しそれを子供にお小遣いとして渡している、これでお金の価値や使い方を練習するのだ

 走っている最中の日課も出来た『ダイモ』というゴボウのように細く、バナナのように簡単に皮がむけ、大根の味がする自分が唯一見つけた地球の味のするものだ、それを自宅から持ってきた塩をふりかけ食べながら走る、特にどうしても食べたいと思ってはいないけど、日本への未練なのかなんとなーく食べてしまう
 本来はそういう食べ方をするものではないので、周りの人から変な目で見られているような気がする、あの人はいつも・・・・とか言われてるんだろうな
 ちなみにこの世界では通貨が一種類しかないので、円とかドルとかのような通貨単位が存在しない

 もう一つはお待ちかねの魔法関連
魔法があるということは魔力があるということ、まず各種魔法の専用魔法陣を使って契約
そして魔法を発動するのだが、使い方は2種類、外の魔力を使って発動するか、体の中にある魔力を使うか、

 前者は自分の魔力を使わないので疲れないただし発動までの時間がかかる、時間がかかる原因は散らばっている魔力を集めなければいけないから、その代わりかなり大きな魔法を使える
 後者は、瞬時に発動可能だが体の中のものを使うので疲れる、そして体の中に蓄えて置ける魔力に限りがあるので、大きな魔法を使うには計画が必要、
 
 そこでもらったのが片手に収まる大きさの水晶、これに魔力を通すと光る、一定の魔力を連続で流すことで消費することにより体の中に蓄えて置ける魔力量が増えるのだ、理科の実験でやった乾電池を使って豆電球を光らすやつに何だか似ている、体内の魔力量が多いほど生活するにも便利になるし、職に就いた時ある程度の容量がないとまともに仕事ができない

 それを握りながらコトンちゃんと話をしていると、

「先生鬼ごっこしよー、はいターッチ」

 あろうことかケンタ君がおっぱい先生(巨乳の若い先生)のおっぱいにタッチしたのだ、
鬼ごっこと言ったはずなのに今度はお尻そしてまた胸と連続で触りまくる、それに続けと他の男の子も突撃する、まるで手が触手のようだ

「こらー!」
 先生が怒って捕まえようとしても、ケンタ君以外の男子児童も加わり、見事な連携で凌辱する
 その児童の手と自分の手を同期させあたかも自分が触っているような妄想をする
 
 さすがに切れたおっぱい先生が
「そんなことしてたらグースに食べられちゃうよ!」
群がっていた男の子が蜘蛛の子を散らすように後ずさる

「そっ、そんなのいないしー」
「い、いるわけないよなー」
「別に怖くないしー」

 威勢はいいがかなり腰が引けている、するとおっぱい先生がくるりと俺の方を見て
「あなたはダメよ」
とニッコリ警告してくる、失礼な!俺が何をしたっていうんだ、抗議をすると先生はチラリと俺の手を見る、釣られて見てみる。
おっと、手が何かを包み込むような形になってますね、横から物凄く見られている気がしたのでそちらを見ると、コトンちゃんがムッスリとして睨んでいた
 俺はゆっくりと、コトンちゃんから目を反らした・・


「やー、ハヤト」

「こんにちはミャマー今日はどうしたの?」
 グッドタイミングのミャマーさんが登場し、そそくさとその場を逃げる

「ハヤトも随分言葉も話せるようになったし、そろそろ初等部を卒業させようと思ってね」

「本当ですか?」

「ああ、普段の会話には問題ないし文字の勉強もよくやってる、分からない単語がたまにあるくらいだろう?」

「そうですね、会話や読み書きでさほど苦労はしなくなりましたよ、卒業となると今度は中等部ですかね?」

「中等部高等部には入らないよ、別の場所であと1年勉強してもらう、場所は役所の一室を使ってこの国の社会の仕組み歴史とか、職業に対する知識そして職に就くための必要な知識とかだね、そのあと専門の職に就くための教育施設に入ることになると思う、とりあえずあと1週間は初等部に通ってくれ」

「わかりました」

「それじゃぁ、先生とそのことについて少し話してくるから」
ミャマーさんはそういうと先生と建物内に入っていった、ミャマーさんが建物に入ったのを見送り後ろを振り返った時、ケンタ君たちは口をあけたまま固まっており、コトンちゃんは顔が真っ青になり、目からは涙が流れていた。
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