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身を守る為に
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この世には、一度生を受けてしまったらどうしても手に入れられないものがある、
持って生まれた才能だ。
◆
大陸南側中央にあるハルツール国の首都サーナタルエ、軍人を養成する学校がある、陸軍と海軍、この二つの軍の兵を育てるための学校だ、
陸軍とは、軍の花形であり軍人を目指す物ならばまずここに憧れる、しかし陸軍に入るには魔法の才能が必須であり、魔法の才能がなければ、よほどのことがない限り陸軍に入ることは出来ない、その中でも召喚者と呼ばれる者たちは、その中でもエリートの分類に入る、そのせいか召喚者はプライドが高い。
海軍とは、必要な魔法契約が出来なかった者が入る場所だ。
陸軍と違って戦闘が殆ど無いに等しい、つまり戦死者が殆ど出ない、海軍で大きな戦闘がおこったのは今まででたった2回だけ、最後の1回は300年前だったとか、なので彼らのことを「金食い虫」「無契約者」などとののしるものも中にはいる。
花形と呼ばれる陸軍は海軍を下に見ており、海軍も陸軍疎んでいる所がある。しかし、お互いに必要だということは認識しているので、表立って対立することは無い
陸がいなければ攻め入れられる、海がいなければ離島を守れない
陸の場合は4年間ここの軍学校で訓練するが、海の場合は1年間ここで勉強をして、残りの3年間を軍港のある「コントル」へ行き、そこで訓練に励む。
ただし、軍学校の段階で陸と海に属している者たちもいる、それは空だ、竜が絶滅し竜騎士が無くなったことで竜の代わりとして作られたのが
「竜翼機」
飛行機の翼の後ろ部分を切り取ったような外見の翼を持ち、飛ぶときはそこから風を出し飛ぶ、その風を補助翼のように使うことで、地球の航空機ではあり得ないような機動力を持っている、ただし速度はあまり出ず時速450kmほど、飛んでいるとき翼から出る風が透明な翼のように見えることからこの名前が付いた。
空に振り分けられるのは必要な魔法契約が1つもしくは2つしか出来なかった者
彼らは軍学校で4年間過ごしそのあと陸か海への配属が決定する、陸の場合は索敵魔法の範囲外の偵察、海の場合は空母などに配属になり戦闘や索敵をこなす
空に振り分けられて入る者が殆どだが、自ら空に配属を願う者もいる
「おいハヤト、午前は終わったんだろ? 一緒に食堂に行こうぜ」
「ああ、いいよ」
俺に話しかけてきたのは「バール・エリネル」竜騎士に憧れ自ら空に志願した。
◆
入学初日、自分の恥ずかしいパネルの前で固まっていると
「君がこの召喚主なのか!?少し、少しだけでいいから話を聞かせてくれよ!」
そう言ってズルズルと引きずられていったのが始まりで、それ以来バールとはよく話をするようになった、
当初彼は、どれだけ自分が竜騎士に憧れているか愛しているか、毎日昼食時になると事細かく話してくる、数300の敵にたった一騎で突っ込んで行ったとか、その戦い方はまるで断罪者のようだとか、楽しそうに説明してくる、
俺はというと「う・・うん、そう・・だね、ホントだねハハハ・・」少し居心地の悪い感じがしてた、周りに人がいようとお構いなしだからだ。
一通り自分の話をし終わって満足したのか、
「ハヤトの世界ではどうなってるんだ?」
この時期になると俺が他の世界から来たということが、証拠はほとんど無いけど、どうやら本当らしいというのが広まっていたので、バールはそのことを聞いてきた。
あまり詳しくはないのだけど、俺の知っていることを色々と話した
自分の国は島国だからこの世界の軍とは違い、海軍の方が重要視されるということ、魔法や召喚獣が一切なく、この世界ではほとんど使えない武器として有名な銃が兵士の主な武器ということ
そして何となく歴史の授業で覚えた、硫黄島の話や特攻隊の話もバールは最初楽しそうに聞いていたが、歴史の授業で覚えた話をしている所辺りで目が充血しだし涙を拭きながらパナンを食べていた、涙を流しながら食事をすると味が分からなくなるよね。
この話を聞いているのはバールだけではなく、周りで食事をしている人たちも、手は止めてはいないが耳だけはこちらの話を聞いている、鼻をすすっている人もいるな、別世界の話とかに興味があるんだろう。
そうなるとちょっとだけいたずら心が沸いてくる
「兵士の中にはね、戦闘中目を潰されて視界が無くなった人がいるんだけど『たかが目をやられただけだ』って言ってね、相手の気配を感じて目が見えなくても相手を討ち取ったりとか、『お願いします!自分の歌を聴いてもらえませんか!?』とか言い出して、歌で戦争を終わらせたりする人もいたんだよ、あとはね300の兵で100万の軍に勝ったりとか」
「す、凄いよそれ! ハヤトの世界の軍も凄いじゃないか!?」
聞き耳を立てていた人もザワザワしだす
嘘は言ってない
そんなこんなでバール・エリネルとは仲良くなった
◆
「随分疲れてるようだなハヤト」
「剣技の指導がキツイんだよね」
昼食のパナンをそのままにして、椅子にぐったりと寄りかかっている俺にバールが聞いてきた
「召喚隊の方に入っときゃ良かったのに、先行隊の方なんかに志願するからだよ」
「他の人とは召喚獣が違うから合わないんだよ」
「旗印みたいな感じでもいいって言われたんだろ?やったことのない剣技なんかするよりはよっぽどいいだろうに、召喚隊の後ろの方でデンと構えてればいいんだよ」
「イヤだよー、子守されてるみたいじゃん」
召喚科にも大きく分けて2種類ある、召喚隊と呼ばれ「戦術兵器」のように扱われる部隊だ、
主に中・大規模な戦闘になると出番になる、召喚者自体の数も少ないためとても大事にされる、食事は豪華、装備品は一級品、常に後方にいるため陸軍での死傷率は極めて低い。
VIP待遇のせいか召喚隊にいるものはプライドがやたら高い
一方先行隊はというと前線に赴き他の兵士たちと一緒に行動する、召喚契約は出来たが召喚できる召喚獣の数が、極めて少ない者がこちらに所属される、扱いとしては「戦車」に近いだろうか、
戦車を歩兵が守るように、召喚者を周りの兵士たちが守るという形になる
召喚者一人いるだけで作戦の成功率が上がり、なにより隊の生存率が格段に上がるなので召喚者はかなり重宝され大事に扱われる
というわけで先行隊志望の軍学校卒業生がいると、隊同士での取り合いが始まる、
ただし大体は軍学校4年目に実戦経験を積むために、一時的に仮入隊したところにそのままお世話になる事が多いという。
「おい、まーた話し方が子供っぽくなってるぞ」
バールが鼻を鳴らすような笑い方をしてくる、子供っぽい話し方を直そうと努力はしているが、たまに出てしまう
「んん゛っ・・・そのうち直るさ」
そう言って今日の昼食初めてのパナンを口にする
「一生直らな気がするがな」
笑顔のバール、彼はいつもニコニコして幸せそうにしている、いつも笑っているからこっちも話しやすいんだろう、
俺とバールのように所属する科が違っても話をしているのはまず珍しい、陸なら陸で、海なら海で固まっているから、召喚科はその科以外の人と話をしている所など見たことない。
いつも二人で笑い話などをしているせいか俺とバールの話に入ってくる者も多い、特に海の連中が来ることが多いかな?かなり仲良くなっている「体づくりや学科ばかりでつまらないよ」なんて話をしてくる、
こうしてる時が一番落ち着くような気がする
『リーンゴーン リーンゴーン』
「「「「はぁ・・・・」」」」
何人かのため息が聞こえる、昼休憩が終わりこれから午後の部になるからだ
「行きますかー・・・」
「だな、ハヤトは次何だよ?」
「次も剣技さ」
「大変だなぁーま、がんばれよ」
「そっちもな」
食堂にいた者たちはそれぞれの場所に移動していった
◇
ここで銃はあまり意味がない、魔法を使った方が早いから、銃より魔法の方が命中率が高いから、威力があるから、となると銃に代わる武器が必要となる、それが剣だ、
ドガン!!ドザザッ!
「いッてぇぇ・・ェ・」
斬撃を刀で受けようとしたら体ごと吹っ飛ばされてしまった
「ほら! 早く立て! 次が来るぞ」
「いや! ちょっと待ってください! 少し休みましょう!」
「そう言って待つ敵がいると思うか!」
お馴染みのやり取りの後、剣技の先生はそう言って3発の炎弾を飛ばしてきた
「ふぁっ!?」
泣きそうになるのを我慢してこちらも2発の炎弾を出し先生の3発の内2発を相殺する、そして水弾を最後の炎弾に当て爆発させる、爆発した瞬間、『風』魔法を使い強風を当て、先生がいる所に爆風を流す、
これを目くらましにして安全な場所に・・・は既に先生が立っていた
「甘いわ!」
下から切り上げる一撃を放ってきた
ガツン!
「ギャフン!!」
今年の召喚者は『召喚隊』が豊作らしい、数全体でみるといつもと変わらないものの、
契約出来た召喚獣の数が5体以上の者が、俺以外全員らしい。
毎年3,4人は2体から3体の者がいて先行隊に振り分けられるのが、今年は俺一人だけ先行隊志望のため、こうして先生とマンツーマンで指導されている
「ここに来て初めて剣技とか始めたんですからもうちょっと手加減してくださいよ、怪我したらどうするんですか?」
「練習用の刀で怪我なんかするはずないだろう、手加減何かしないしお前ももっとガンガン来い」
「魔法での怪我はありでしょうよ」
練習用の刀は、当てても怪我はしない。
ただし痛みだけはしっかりと伝わるようにできている不思議な刀である、そして今は両刃の剣よりも片刃の刀の方が主流になっている。
「しかしあれだな、最後の風の使い方はよかったぞ、爆風を相手に向かわせるのは初めて見たからな、ただ俺は炎弾を3発打った後その場にはもういなかったからな、お前は炎弾を消すことに気をとられていたから分からなかったろうが」
「全く気づきませんでしたよ、しかも逃げた先にいるし」
「当たり前だろお前とは年期が違うんだよ、いいか?お前は生き延びることだけを考えろ、他の兵士ってのは子供のころから訓練したりしているんだ、つい最近始めたお前とは格が違う、
刀で対抗しようと思うな、魔法をもっと使え、相手から必ず距離を取れ、先制して魔法を使って相手の攻撃をしようとする場所を潰せ」
「ハイ!」
先行隊に入る召喚者に求める剣技とは必ず生き残ること、なので相手を倒すことよりも相手の攻撃から守るための剣技が必要になる、隊が全滅しかけた時などは攻撃に使っていた召喚獣を、逃げるために使わなければならない、例え仲間を犠牲にしても召喚者は必ず生き延びることが義務とされている。
「よし! 休んだことだしもう一本いくぞ」
「‥‥‥‥はい!」
「今、間があった━━「頑張りますやります!」 そ、そうか、では行くぞ」
「ういっす!」
◇
自分の部屋のベッドに倒れこむ、頭に乗っていたポッポが窓枠へと飛び移る
「ベッドよぉ! 私は帰ってきたー!」
辛い剣技が終わり今日もやり遂げた、という喜びを感じる
横になるだけで気持ちいい
明日は召喚科の皆との訓練かー
午前は座学、午後は実践的な訓練になる、剣技と違い体を使わないからいい骨休みになる
ここで学ぶことはすべてこの後の人生で必ず必要になる物ばかり、怠けず一日一日を大事にして過ごし、軍人として立派に成長していかなくてはいけない、
軍学校に入ってからはこのように思うことが多くなった、責任感というのも出てきたのだろう、この国に助けてもらったということも関係しているのかもしれない
「ポッポーまた朝にお願いねー」
「クルル」
明日に備えるべく、ポッポに目覚ましをお願いして一瞬で眠りについた。・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
「くるっぽー!!」
「ふぇぇっ!?」
今さっき寝たというのにポッポに起こされ、窓の外を見るともう朝になっていた。ベッドから体を起こし、目と口を半開きにした状態で明るくなっていく外を見ている
「はぁぁぁぁ‥‥‥‥辞めたい」
軍学校に入ってからは、朝になるとこう思うようになっていた。
持って生まれた才能だ。
◆
大陸南側中央にあるハルツール国の首都サーナタルエ、軍人を養成する学校がある、陸軍と海軍、この二つの軍の兵を育てるための学校だ、
陸軍とは、軍の花形であり軍人を目指す物ならばまずここに憧れる、しかし陸軍に入るには魔法の才能が必須であり、魔法の才能がなければ、よほどのことがない限り陸軍に入ることは出来ない、その中でも召喚者と呼ばれる者たちは、その中でもエリートの分類に入る、そのせいか召喚者はプライドが高い。
海軍とは、必要な魔法契約が出来なかった者が入る場所だ。
陸軍と違って戦闘が殆ど無いに等しい、つまり戦死者が殆ど出ない、海軍で大きな戦闘がおこったのは今まででたった2回だけ、最後の1回は300年前だったとか、なので彼らのことを「金食い虫」「無契約者」などとののしるものも中にはいる。
花形と呼ばれる陸軍は海軍を下に見ており、海軍も陸軍疎んでいる所がある。しかし、お互いに必要だということは認識しているので、表立って対立することは無い
陸がいなければ攻め入れられる、海がいなければ離島を守れない
陸の場合は4年間ここの軍学校で訓練するが、海の場合は1年間ここで勉強をして、残りの3年間を軍港のある「コントル」へ行き、そこで訓練に励む。
ただし、軍学校の段階で陸と海に属している者たちもいる、それは空だ、竜が絶滅し竜騎士が無くなったことで竜の代わりとして作られたのが
「竜翼機」
飛行機の翼の後ろ部分を切り取ったような外見の翼を持ち、飛ぶときはそこから風を出し飛ぶ、その風を補助翼のように使うことで、地球の航空機ではあり得ないような機動力を持っている、ただし速度はあまり出ず時速450kmほど、飛んでいるとき翼から出る風が透明な翼のように見えることからこの名前が付いた。
空に振り分けられるのは必要な魔法契約が1つもしくは2つしか出来なかった者
彼らは軍学校で4年間過ごしそのあと陸か海への配属が決定する、陸の場合は索敵魔法の範囲外の偵察、海の場合は空母などに配属になり戦闘や索敵をこなす
空に振り分けられて入る者が殆どだが、自ら空に配属を願う者もいる
「おいハヤト、午前は終わったんだろ? 一緒に食堂に行こうぜ」
「ああ、いいよ」
俺に話しかけてきたのは「バール・エリネル」竜騎士に憧れ自ら空に志願した。
◆
入学初日、自分の恥ずかしいパネルの前で固まっていると
「君がこの召喚主なのか!?少し、少しだけでいいから話を聞かせてくれよ!」
そう言ってズルズルと引きずられていったのが始まりで、それ以来バールとはよく話をするようになった、
当初彼は、どれだけ自分が竜騎士に憧れているか愛しているか、毎日昼食時になると事細かく話してくる、数300の敵にたった一騎で突っ込んで行ったとか、その戦い方はまるで断罪者のようだとか、楽しそうに説明してくる、
俺はというと「う・・うん、そう・・だね、ホントだねハハハ・・」少し居心地の悪い感じがしてた、周りに人がいようとお構いなしだからだ。
一通り自分の話をし終わって満足したのか、
「ハヤトの世界ではどうなってるんだ?」
この時期になると俺が他の世界から来たということが、証拠はほとんど無いけど、どうやら本当らしいというのが広まっていたので、バールはそのことを聞いてきた。
あまり詳しくはないのだけど、俺の知っていることを色々と話した
自分の国は島国だからこの世界の軍とは違い、海軍の方が重要視されるということ、魔法や召喚獣が一切なく、この世界ではほとんど使えない武器として有名な銃が兵士の主な武器ということ
そして何となく歴史の授業で覚えた、硫黄島の話や特攻隊の話もバールは最初楽しそうに聞いていたが、歴史の授業で覚えた話をしている所辺りで目が充血しだし涙を拭きながらパナンを食べていた、涙を流しながら食事をすると味が分からなくなるよね。
この話を聞いているのはバールだけではなく、周りで食事をしている人たちも、手は止めてはいないが耳だけはこちらの話を聞いている、鼻をすすっている人もいるな、別世界の話とかに興味があるんだろう。
そうなるとちょっとだけいたずら心が沸いてくる
「兵士の中にはね、戦闘中目を潰されて視界が無くなった人がいるんだけど『たかが目をやられただけだ』って言ってね、相手の気配を感じて目が見えなくても相手を討ち取ったりとか、『お願いします!自分の歌を聴いてもらえませんか!?』とか言い出して、歌で戦争を終わらせたりする人もいたんだよ、あとはね300の兵で100万の軍に勝ったりとか」
「す、凄いよそれ! ハヤトの世界の軍も凄いじゃないか!?」
聞き耳を立てていた人もザワザワしだす
嘘は言ってない
そんなこんなでバール・エリネルとは仲良くなった
◆
「随分疲れてるようだなハヤト」
「剣技の指導がキツイんだよね」
昼食のパナンをそのままにして、椅子にぐったりと寄りかかっている俺にバールが聞いてきた
「召喚隊の方に入っときゃ良かったのに、先行隊の方なんかに志願するからだよ」
「他の人とは召喚獣が違うから合わないんだよ」
「旗印みたいな感じでもいいって言われたんだろ?やったことのない剣技なんかするよりはよっぽどいいだろうに、召喚隊の後ろの方でデンと構えてればいいんだよ」
「イヤだよー、子守されてるみたいじゃん」
召喚科にも大きく分けて2種類ある、召喚隊と呼ばれ「戦術兵器」のように扱われる部隊だ、
主に中・大規模な戦闘になると出番になる、召喚者自体の数も少ないためとても大事にされる、食事は豪華、装備品は一級品、常に後方にいるため陸軍での死傷率は極めて低い。
VIP待遇のせいか召喚隊にいるものはプライドがやたら高い
一方先行隊はというと前線に赴き他の兵士たちと一緒に行動する、召喚契約は出来たが召喚できる召喚獣の数が、極めて少ない者がこちらに所属される、扱いとしては「戦車」に近いだろうか、
戦車を歩兵が守るように、召喚者を周りの兵士たちが守るという形になる
召喚者一人いるだけで作戦の成功率が上がり、なにより隊の生存率が格段に上がるなので召喚者はかなり重宝され大事に扱われる
というわけで先行隊志望の軍学校卒業生がいると、隊同士での取り合いが始まる、
ただし大体は軍学校4年目に実戦経験を積むために、一時的に仮入隊したところにそのままお世話になる事が多いという。
「おい、まーた話し方が子供っぽくなってるぞ」
バールが鼻を鳴らすような笑い方をしてくる、子供っぽい話し方を直そうと努力はしているが、たまに出てしまう
「んん゛っ・・・そのうち直るさ」
そう言って今日の昼食初めてのパナンを口にする
「一生直らな気がするがな」
笑顔のバール、彼はいつもニコニコして幸せそうにしている、いつも笑っているからこっちも話しやすいんだろう、
俺とバールのように所属する科が違っても話をしているのはまず珍しい、陸なら陸で、海なら海で固まっているから、召喚科はその科以外の人と話をしている所など見たことない。
いつも二人で笑い話などをしているせいか俺とバールの話に入ってくる者も多い、特に海の連中が来ることが多いかな?かなり仲良くなっている「体づくりや学科ばかりでつまらないよ」なんて話をしてくる、
こうしてる時が一番落ち着くような気がする
『リーンゴーン リーンゴーン』
「「「「はぁ・・・・」」」」
何人かのため息が聞こえる、昼休憩が終わりこれから午後の部になるからだ
「行きますかー・・・」
「だな、ハヤトは次何だよ?」
「次も剣技さ」
「大変だなぁーま、がんばれよ」
「そっちもな」
食堂にいた者たちはそれぞれの場所に移動していった
◇
ここで銃はあまり意味がない、魔法を使った方が早いから、銃より魔法の方が命中率が高いから、威力があるから、となると銃に代わる武器が必要となる、それが剣だ、
ドガン!!ドザザッ!
「いッてぇぇ・・ェ・」
斬撃を刀で受けようとしたら体ごと吹っ飛ばされてしまった
「ほら! 早く立て! 次が来るぞ」
「いや! ちょっと待ってください! 少し休みましょう!」
「そう言って待つ敵がいると思うか!」
お馴染みのやり取りの後、剣技の先生はそう言って3発の炎弾を飛ばしてきた
「ふぁっ!?」
泣きそうになるのを我慢してこちらも2発の炎弾を出し先生の3発の内2発を相殺する、そして水弾を最後の炎弾に当て爆発させる、爆発した瞬間、『風』魔法を使い強風を当て、先生がいる所に爆風を流す、
これを目くらましにして安全な場所に・・・は既に先生が立っていた
「甘いわ!」
下から切り上げる一撃を放ってきた
ガツン!
「ギャフン!!」
今年の召喚者は『召喚隊』が豊作らしい、数全体でみるといつもと変わらないものの、
契約出来た召喚獣の数が5体以上の者が、俺以外全員らしい。
毎年3,4人は2体から3体の者がいて先行隊に振り分けられるのが、今年は俺一人だけ先行隊志望のため、こうして先生とマンツーマンで指導されている
「ここに来て初めて剣技とか始めたんですからもうちょっと手加減してくださいよ、怪我したらどうするんですか?」
「練習用の刀で怪我なんかするはずないだろう、手加減何かしないしお前ももっとガンガン来い」
「魔法での怪我はありでしょうよ」
練習用の刀は、当てても怪我はしない。
ただし痛みだけはしっかりと伝わるようにできている不思議な刀である、そして今は両刃の剣よりも片刃の刀の方が主流になっている。
「しかしあれだな、最後の風の使い方はよかったぞ、爆風を相手に向かわせるのは初めて見たからな、ただ俺は炎弾を3発打った後その場にはもういなかったからな、お前は炎弾を消すことに気をとられていたから分からなかったろうが」
「全く気づきませんでしたよ、しかも逃げた先にいるし」
「当たり前だろお前とは年期が違うんだよ、いいか?お前は生き延びることだけを考えろ、他の兵士ってのは子供のころから訓練したりしているんだ、つい最近始めたお前とは格が違う、
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「ハイ!」
先行隊に入る召喚者に求める剣技とは必ず生き残ること、なので相手を倒すことよりも相手の攻撃から守るための剣技が必要になる、隊が全滅しかけた時などは攻撃に使っていた召喚獣を、逃げるために使わなければならない、例え仲間を犠牲にしても召喚者は必ず生き延びることが義務とされている。
「よし! 休んだことだしもう一本いくぞ」
「‥‥‥‥はい!」
「今、間があった━━「頑張りますやります!」 そ、そうか、では行くぞ」
「ういっす!」
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自分の部屋のベッドに倒れこむ、頭に乗っていたポッポが窓枠へと飛び移る
「ベッドよぉ! 私は帰ってきたー!」
辛い剣技が終わり今日もやり遂げた、という喜びを感じる
横になるだけで気持ちいい
明日は召喚科の皆との訓練かー
午前は座学、午後は実践的な訓練になる、剣技と違い体を使わないからいい骨休みになる
ここで学ぶことはすべてこの後の人生で必ず必要になる物ばかり、怠けず一日一日を大事にして過ごし、軍人として立派に成長していかなくてはいけない、
軍学校に入ってからはこのように思うことが多くなった、責任感というのも出てきたのだろう、この国に助けてもらったということも関係しているのかもしれない
「ポッポーまた朝にお願いねー」
「クルル」
明日に備えるべく、ポッポに目覚ましをお願いして一瞬で眠りについた。・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
「くるっぽー!!」
「ふぇぇっ!?」
今さっき寝たというのにポッポに起こされ、窓の外を見るともう朝になっていた。ベッドから体を起こし、目と口を半開きにした状態で明るくなっていく外を見ている
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