異世界陸軍活動記

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ところで家は?

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 俺が逮捕された後、署では大騒ぎになった。 
 なにせ竜騎士が生きていたと報道があり、この暗い話しかないご時世に一つの希望が降り立ったから。
 国民はその希望にすがるように興奮し、暴動寸前までの熱に当てられた。
 それが今日の今日でその英雄が逮捕されてしまったからだ。そんな事が世間に知れてしまったら一体どうなる事だろう? 

 竜騎士が犯罪を犯したと非難され、せっかく国民に希望が出て来たのにそれが裏切られたと思う気持ちになる国民も出てくるだろうか?
 
 それとも逮捕した警察の方に反感や憎悪が湧くだろうか?

 軍に対し兵士の管理がなっていないと批判が出るだろうか? それとも政府に対してか? どちらにしろこの状況は不味かった

 俺を逮捕したまだ経験の浅い二人の警官は、まるで逮捕してくださいと公園に鎮座していた建造物を見て歓喜した。
 違法で公共の場に建造物を建て、しかも住所不定の男がそこに居たのだ。こんな大きい犯罪を起こした男を逮捕したら今年の賞与は期待できる、出世だって近づくだろう。
 逮捕の旨をを通信用の魔道具で伝え、意気揚々と署に帰ってきた

 その二人の警官はどちらかというと世間の話題には疎い方で、政治の事よりも異性や娯楽にしか興味が無かった。だから竜騎士が帰ってきたという話も興味が無く『ふーん』程度。
 尚且つその二人は夜勤中であり、昼はぐっすりと眠っていたため、ハルツール全土に放送された竜騎士関連のニュースも見ていない。となると竜騎士の素顔など知る由も無かったのだ

 一方、俺を2度も逮捕したベテラン警官は当然竜騎士である俺の事も知っていた。沿道の警備にも当たっていたし、心からその帰還を喜んだ。だが昼の暴動騒ぎで色々仕事が増えてしまい、夜遅くまで残業をしなければならない程だった。
 そしてようやく片付き、日が変わる前に帰れると思っていた矢先、二人の警官が俺を連れてきてしまった

「お前達、余計な事をしてくれたな‥‥‥」
 終わった‥‥‥
 というような顔のままうな垂れ、二人に文句に近い言葉を掛けるベテラン警官

 逆に二人の警官は
「重罪人ですよ! ちゃんと映像も記録してあります」
 先輩の警官の態度にムッときてしまう

「重罪かどうかは裁判で決めるんだ、お前達ではないぞ」
 はぁ‥‥‥と深くため息を付き、ベテラン警官は各所に連絡を入れ始めた

 先輩である警官の諦めにも似た顔を見て、二人は腹立たしく感じたが、時間が経つ事に連れ自分達がした事の重大さに気付いて行く。
 逮捕しただけ、だったら直ぐに対処出来たが、二人は逮捕と同時に本署の方に魔道具で連絡を入れていた。
 それが不味かった。一度通信で連絡を入れてしまうとその罪状が確定されてしまい、次にするのは裁判である。この取り消しに多くの人が動く事になってしまう

 真夜中であるにも関わらず、本署からそして政府から軍からと様々な方面から偉い人達が夜中に出向き手続きを始める事になった。
 確定された罪状を取り消すのは非常に難しい、ハルツールの法律ではそこがややこしくなっており、様々な書類やあらゆるサインを集めなければならない。徐々に大事になる事態に、二人の警官は恐ろしくなりこの先自分達はどうなるのだろうと不安になっていった

 ちなみにこの二人の警官には一切落ち度はない

 この二人の警官が取るべき正しい行動は、常日頃から自分以外の事にも興味を持ち、あの時見つけても色々察して見て見ぬふりをするのが正解だった。もちろん今回の事で二人にお咎めなどは一切ない

 そして朝を迎える前には罪状もきれいさっぱり白紙になり、各方面に迷惑をかけたという罪悪感から元気の無い二人と、朝まで各方面に連絡を入れ走り回ったベテラン警官のうな垂れる姿が俺の前にあった訳である。
 しかもこのベテラン警官、日勤であった為これから寝ずにまた働かなければならない。もしかしたらこれは俺を2度も捕まえたこのベテラン警官に対する罰なのかもしれない






「━━という訳でさ、この騒ぎ要は俺を捕まえた二人の警官が悪いのと、もう1人の人の業だと思うんだ。だから俺は悪くないと思うんだけど、どうかな?」

「あんたが悪い」
 
 車を運転するナタルさんに間髪入れずそう言われてしまった。色々言い訳をしてみたけど結局は駄目だった

「何を長々と言ってると思ったら、最終的にはいい訳ぇ? そんな事より私に何か言う事は無いのかなぁー」
 見た目出来る女の恰好なのに、間の伸びる言い方は昔から変わっていない

「ありがとうございます、助かりました」
 素直に罪を認め、謝る俺は大した器の男だと自分ながらに感心する。
 ただ、今回に関しては俺は悪くない、俺に罪はない、心の奥深くどころか表面でそう思っている

 あえて言わせてもらえば法律が悪い

「よし」
 ナタルさんは満足そうに頷くと大きくあくびをした

 多分夜遅く呼び出されたんだろう
 本当にありがとうナタルさん

 でも、なんでナタルさん?
「所でどうしてナタルが来たの? 来るとすれば軍の関係者かと思ったけど」

「あぁ、それねぇ、私ハヤトの保護者になってるから」

「保護?」

「そぉ、ハヤトの担当になった日から私とミャマーはハヤトの保護者になったのよぉ、つまり母親ね。ちゃんと敬ってよぉー」

「へぇー」
 知らなんだ
「それじゃあもう1人の保護者は何をしているの? 来ないじゃない」
 おっちょこちょいのミャマーさんは迎えには来てない、どこで遊んでいるのやら

「ミャマーはね、今頃あちこち走る回ってるわよぉ、ハヤトが公園にいた経緯を聞いてるからねぇ、多分『財布』の事で色々やってると思う、その他にも必要な届け出とかしなきゃいけないからねぇ」

 あざっす! 父親!

「今日の昼過ぎ辺りには『財布』は使えるようになるはずだからぁ、ちゃんとミャマーにもお礼言っときなさいよぉ」

「うんそうする」

「それにしてもぉ‥‥‥、ハヤトが死んだって聞いた時はビックリしたのよぉ、軍の人もいっぱい死んだっていって国葬になってたしぃ、私もミャマーも葬儀に参列したしねぇ、ついこの間も二人でお墓参りに行ったのよぉ━━」

「‥‥‥」

「━━でも‥‥おかえりなさいハヤト」
 ナタルさんはとても優しい笑顔を俺に向け、俺の頭をポンポン叩いた後、照れ隠しなのか悪戯なのか俺の髪をぐしゃぐしゃにする



「ナタル‥‥‥前見て運転しようよ」

「あっ! ととっ‥‥‥」


 ・・・・・

 ・・・

 車でどこまで連れていかれるのかと思ったら、これから役所に移動してるみたい

「ハヤト住む場所がないんでしょぉ? 今日は役所の宿舎に泊りなよぉ」

「泊まるとこに困ってたから助かるよ」

 俺が最初寝泊まりしていた場所だった。取りあえず今日はそこに寝泊まりする事になりそう。
 役所に着いたら首相に連絡でも入れようかな? 次の家はどこですかって、出来ればスーパーの近くがいいな、歩いて行ける距離でヨロリン♪

 そうだ、スーパーで調味料の買い出ししなきゃ、ラグナに夕飯作ってもらう時必要だからね。あーっ‥‥でも足が無いか、バギーは軍港都市のコントルに置いてきたままだし━━

「ナタルにお願いがあるんだけど」

「んー、何ぃ?」

「役所の車使いたいんだけど、申請してもらえるかな? 後でスーパー行きたいんだけど」

「スーパーなら私が買ってくるけどぉ?」

「いや自分で行くよ、それにナタルだって他にやる事があるんでしょ?」

「車の事はいいけどぉ、ハヤトは今外に出ない方がいいと思うよぉ? 囲まれちゃうから」

 竜騎士絡みで騒ぎになったんだから、今外に出たらまた騒ぎになる事を心配しているんだろう。でもそれは俺には問題ない事だった

「それは大丈夫だよ完璧に変装するから」

「そぉ? 本当に大丈夫?」

「問題なし」

「気を付けてよぉ、ハヤトが外に出るだけで大変な事になるんだからねぇ」

「もちろん気を付けるよ」



 ・・・・

 ・・・

 さて宿舎に到着、ナタルさんは仕事がある為その場で分かれることになった。忙しいなか俺の為に時間を割いてくれたナタルさんには感謝しかない、あとミャマーさんも。
 役所の宿舎故に今の時間帯は誰もいなかった。
 そして懐かしの元俺の部屋へ、たまたまその部屋が開いていたので今回俺が泊まる部屋が俺が寝泊まりしていた部屋だった。
 久しぶりだな‥‥‥と思いつつドアを開けると━━

「え‥‥‥」
 そこには沢山の花束と、『おかえりなさい』と書かれた大きな紙が垂れ下がっていた
「ちょっとぉ」
 こんな事されたら嬉しくなるじゃない

 そして机には手紙の山が積まれていた。この宿舎に住んでいた時、同じくこの宿舎で寝泊まりしていた人達からの手紙だった。
 昨日の今日なのでそれほど長い文章ではなく、短くても心のこもっているのは文章で分かった。
 長い文章では無いので次々と読むことが出来、すべて読み終える頃には俺は笑顔になっていたし、少しウルッときた

 全ての手紙を読み終えると一番下に一枚の紙があり

 『久しぶりにみんなで夕食を取ろう、あの時いた職員は全員集まるから、ちなみにハヤトは強制参加だからな』

 そう書かれていた
「まったく‥‥‥これじゃあ夜遊びにいけないじゃない、しょうがないなぁ」
 言葉ではそういったものの、何となく本当に帰ってきたという気持ちがしていた

「じゃあ首相に連絡しておくか」
 いつまでもこの場所にお邪魔するわけにはいかないので、首相に家の事で聞こうと連絡をしたが‥‥‥

 首相は忙しく、話をする時間が無いと秘書の人に言われ、家の事は聞く事が出来なかった。なら仕方ないと連絡は後にし、スーパーに向かう事にする。
 マシェルモビアで買った調味料は全て使いつくしてしまったので、ハルツールに来るまで調味料一切なしの生活だったのでかなり苦しかった。
 油も無いから炒めても焦げ付くし、ラグナもかなり調理に苦労していた


 ・・・・

 ・・

「車は‥‥あれか」
 使っていい車は出しておくとナタルさんは言っていたので、駐車場に行くと一台の車がキーの付いたままあった。
 でもって今、時の人になってしまった俺はこのままだと囲まれてしまうらしい。だから姿を変えなければならない

「『変化』っと、━━どうかな?」

 初めて使った魔法なので少々不安だったが‥‥

「うん、結構上出来」
 
 初めて使った割にはうまく変身出来たと思う、地球の基準で50歳位のおじさんに変身する事に成功した

「よしっ! 行くか、ラグナ買うリスト頂戴」
 小さな魔法陣から手だけ出し、一枚のメモを手渡してくる、ラグナを召喚したままだと俺だとバレてしまうのでリストを貰う

 アクセルを踏み、車は走り出す。こういったごく普通の行動が日常に戻ってきたと実感させられる。装備が完成し準備が整ったらまたあの戦場に戻らなくてはならない、でも今はそれを忘れ日常を楽しみたいと思う



 ・・・・・

 ・・・・

 その日の夕方、仕事を終えた職員達が宿舎に戻って来る。もう既に宿舎を出ていた元住人達もその日は宿舎に集まり、一緒に俺と食事をする事になった。
 そこにはナタルさんも来ており、そして

「ハヤ゛ト゛ォ゛ー! 無事でよがっだぁぁぁぁ゛ー!」
 泣きながら抱きついてくるミャマーさんもいた
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