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索敵任務
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「走れ!」
クロノ隊長が叫び、全員が駆けだした
『潜伏・隠蔽』解除の弾丸が複数放たれ、タウロンの『探知』魔法によりその全ての位置を把握する
「敵3個小隊!」
中隊と思われていたが、その場にいたのは3つの小隊だけだった。そして作戦道り俺が全ての敵に向かって魔法を放つ。
解除の弾丸によりその姿は晒され空から敵の位置は分かっている。召喚獣のポッポが目にしている景色を自分の目に写し、ピンポイントで敵に直撃させようとするが、自分がいる場所から見るのと、上空から見る景色は違う。
敵に当たったのは放ったの魔法の3割程だった
外したか? 仕方ない!
『潜伏・隠蔽』が解除されるまで気づかなかった敵には、大した『探知』の魔道具が無かったようだ。だから奇襲もうまく行ったが、それ故に最初の魔法を外しまくったのは痛い
「「わ゛ぁぁぁぁぁあ゛!!」」
大声を出し敵に突撃するクロノ隊、自分達の場所が分かってしまう行為だが、これも作戦の内。敵兵はその声のした方に反射的に魔法を放つが、そこは俺の『水』魔法の派生である『湿気』魔法の範囲。
目に見えない魔法の壁に遮られ、敵から放たれた魔法は全て爆発し、煙幕のように自分達の姿を隠す
「今!」
「はいよ!」
このニーアの言葉が味方への合図になる
俺の合図で隣で走っていたニーアが、俺が人工魔石に強めに付与した『照明』魔法の弾丸を、魔法がぶつかりあった余波で出来た煙幕の奥に打ち込む
皆一斉に目を閉じる、そして━━
激しい光が放たれた
「う゛っっっ!」
思わず声が漏れしっかり目を閉じていたはずが、瞼越しでも目が眩むほどの光が眼球を襲う。煙幕がカーテンの役目をしてくれると思ったが、カーテンどころかほぼガラス窓だった。
逆に眩しくなってる気がする
しかも敵の全ての位置を把握する為自分は、空を飛んでいるポッポの視界と共有していた為、共有していた右目でその光を直視してしまう。
間抜けすぎて笑えないが、直ぐにマイナのペンダントが発動し、光で視力を失った右目を回復させた。
煙幕の中を走り抜けるが、敵は突然の奇襲と激しい光により混乱に陥り闇雲に魔法を放っていた。
だが俺が前に詰めたことにより、展開している『水』魔法も敵の居場所を飲み込み、魔法を発動した瞬間爆発を起こす。
その爆発を目がやられてしまっている敵は、相手からの攻撃と捉え、更に魔法を放ちその瞬間自爆していた
あちこちで爆発による煙幕により視界が遮られる中、煙幕の中ではマシェルモビア兵士の悲鳴と爆発音だけが響く。
クロノ小隊は突撃の際に出していた声を一切止め、爆発音と敵の悲鳴だけを頼りに煙幕の中で接近戦に持ち込む。
だが上空から見る視界では煙幕の後ろには無傷の者がいて、既に撤退を開始していた。
『照明』で目をやられなかった者達だろう、やられている味方がいる中、撤退を開始している一団を率いている者はさぞかし優秀なのか、それともただ臆病者なのか?
多分優秀なのだろう、そんな優れた隊長は何とかして今ここで仕留めたい。そんな優秀な人間をここで見失っては後々後悔する!
「突破しろ!」
煙幕の中、光で目をやられた者など後で何とでもなる、それよりもこの部隊を率いている頭と対空砲だ。それだけはここで破壊、もしくは鹵獲しておかなければ。
煙幕を抜けると敵部隊は既に背中を見せており、それとは逆に2門の対空砲の砲身がコチラを向いていた
「知ってた!」
上から丸見えだよ、味方諸共吹っ飛ばす気でいる!?
瞬時に『火』魔法を発動させ、わざと爆発させる。それで出来た煙幕を目くらましにし、裏に魔力を凝縮した『土』魔法で大きな壁を作り、更に『硬化』『耐壁』を付与、堅固な壁を一瞬で作り出し、その壁の左右からクロノ小隊はすり抜け肉薄する。
直後に放たれる2門の対空砲は、まだ仲間が苦しんでいる煙幕の場所を目指し発射させた。だがその裏には堅固が壁があり、そして自分達はもうそこにはいない。
2発3発と連続で誰もいない壁に撃ち続けられる砲弾の左右をクロノ小隊は駆け抜ける
「逃げた部隊を追え!」
逃げた敵兵は約10人程、追撃とばかりにその地上から目視できる兵士達に射速の速い『雷』魔法を放ち、2門の対空砲に直ぐ振り向く
悪いけど一人は死んでもらう
その2門とも自走の出来ない操縦者が丸見えの対空砲だった。2人の操縦者の内一人はまだ煙幕で先が見えない先にある壁に撃ち続け、もう1人は俺に気付いていた
その操縦者が最後に思ったのは『あっ━━』だろうか?
黄色に輝き、十文字に分かれた槍を振るうと、槍先が奇麗に首の下を通る。そのまま倒した操縦者を通り過ぎ大股で約10歩、もう一つの対空砲の操縦者に向かい駆ける
こいつは捕える!
右手を伸ばしそこから『土』魔法で大きな手を作り出す、それで捕まえようとするが、寸前で操縦者が気づく。
真横から迫ってくる敵に対空砲の回転では追いつけないと思ったのか、操縦席を降りようとするが、その前に俺の魔法で作った手が届いた
捕まえ━━
操縦席から降りた時、体勢も変わったので完全に捕える事は出来ず、操縦者の右腕だけが魔法の手から逃れてしまった。
そしてその操縦者は、その右手で首に掛けていた魔石らしきものを引きちぎり━━
何のためらいも無く
自爆した
「ッッ━━!!!」
相手を捕縛するために作った『土』魔法の手が、操縦者の自爆の衝撃と共に俺に襲い掛かって来た。そこそこの硬度で作ったため、防具を着こんでいてもかなりの衝撃が襲う
「うっ‥‥まさか、自爆とは」
自爆で受けたダメージで防具が破損し、爆破での怪我も負ったが、防具は『修復』魔法を付与していたので直ぐに元通りになり、怪我はマイナのペンダントで直ぐに治癒してゆく
「そこまでの覚悟でこの場所に来たのか」
操縦者の体は爆散し、所々に肉片が飛び散っている。全くためらいも無く命を絶った兵士のいた場所を一瞥し
「後でタグでもさがしてやるか」
逃げた残りの兵士を追いかけて行く
◆◇
「すみません中尉、敵を取り逃がしました」
後を追いかけてゆくと、少し大きな商店の前でクロノ小隊は集まっていた
俺は上空から敵の動向を見ていたが、自爆の件で見ていなかった時間帯もある。その時に逃がした兵士だろうと思ったが、クロノ小隊長は
そうではない
と首を横に振る。俺はこの商店の中に敵兵がまとめて入って行ったのは知っている。そういうのを『逃がした』のではなく『追い詰めた』と言うのではないだろうか?
「それが‥‥私が直接見た訳ではないのですが」
小隊長は二人の部下に目をやると、その内の一人が
「敵兵は逃げたのですが‥‥実は直接見た私達も信じがたいというか、見間違いだと思う気持ちもあるのですが‥‥」
じゃあ見間違いなんじゃない? 俺見てるよ、この中に入ったのと言いたいのをぐっとこらえ
「ですが?」
「━━敵兵は。移転門を使い移動し、その直後移転門は消失しました」
「‥‥?」
「‥‥」
そのまま黙り込む二人の兵士
「‥‥俺のこと馬鹿にしてる?」
「ち、違います!」
「俺は初等部しか出て無いし、普通の知識とかかけている所があるけれど、流石に移転門が無い場所で移転門を使って逃げたってのは可笑しいでしょ? その後消失したなんて━━」
学歴コンプレックスを発動という訳では無いのだけれど、その見たという二人が急に突拍子もない事を言いだしたので、何を言っているのか理解できなかった。敵を逃がしたから嘘をついているのでは? と疑った
「そ、そんな事はありません。わ、私達は━━」
慌てる二人。
そして自分でも部下の言っている事を信じられないのか、部下の二人を見つめるクロノ小隊長。
ハラハラと見守るニーアと、何故か一人鼻血を流しているタウロン。
そして他の隊員達
「逃がしたのなら別に逃がしたでそう報告すればいいじゃない? 別に怒りはしないし、その後本部に連絡して、包囲食滅すればいいだけなんだからさ。
第一、移転門ってかなり大きいよ? こんな小さな場所にあるがはずが無いし、それに移転門は太古の昔に女神が作り出した物だろ? それ位初等部卒の俺でも知っているよ? その女神しか作れない物を人が━━━━」
人が‥‥‥‥
‥‥
‥‥ああ
なるほど
「その話、信じましょう」
「「「えっ!?」」」
一転して言っている事が変わった俺に、クロノ小隊全員の声がそろう
「それは間違いなく移転門だったんだね?」
「え、あ、はい、間違いないと思います」
「と思う? でも移転門だと思ったんでしょ?」
「はい、私達が見たのは移転門かと‥‥」
「では通常の移転門との相違は?」
「‥‥私達が思う限りは‥‥その大きさと‥‥敵が通った直後に消えたという事でしょうか‥‥」
「クロノ小隊長は本部に報告を」
「は、はい了解しました」
「敵は間違いなく簡易的な持ち運び可能の移転門を敵は持っている。だが万が一そうではなかった場合もある為、この町そして周囲を索敵します」
「「了解」」
「タウロンにはコレを━━」
『収納』から元うさ耳の形をした『探知』専用の天然魔石を取り出し、鼻血を出した後があるタウロンに渡した。ついでに『洗浄』魔法をかけてあげる。
「怪我でもしたの?」
取りあえず聞いてみるが、タウロンは受け取った天然魔石を持ったまま微動だにしない。
代わりにニーアが
「ハヤトが弾避けに作った壁に一人だけ顔からぶつかったんだってさ、どんくさいよね? 闇とか見てる暇があったら目の前を見た方がいいよ」
辛らつな言葉を投げつける
なるほどね、所で念を押してタウロンに言っておく
「言っておくけど貸すだけだからね? あげた訳ではないから後でちゃんと返してね」
俺の最後の財産と言ってもいい、首相からねだって買ってもらった天然魔石。お金に困ったら売ろうと思っている。
一度天然魔石を仕込んだ『探知』用の杖を取られた経験から念を押しておく
うさ耳の探知魔道具だったはずが、その片方をトルリに渡してしまったから、あるのは一本のフランスパンの形をした魔石になってしまった。
そのフランスパンを抱え、無言のタウロンに少し不安になる俺だった
◆◇
その後遅れてやってきた俺の部隊員達
「ハヤト大丈夫だったの!?」
車から降りるなり駆け付け、心配してくれるコトン
「問題ないよ」
その後レンダルとケンタ君が駆けつけ、竜騎士隊の任務を告げる
「竜騎士隊は任務の変更、このガッチに留まり周囲の警戒に当たる」
「「了解」」
と言うレンダル、ケンタ君二人と俺の左側に付き頷くコトン
軍本部が言い渡したのはガッチの町の警戒だった。クロノ小隊と後から来る部隊でこの周囲の大規模な索敵に当たる事になる
今回、敵の対空砲がこのハルツールの奥深くまで潜り込めた理由が分かった気がする。通常対空砲など運んでる最中にバレないはずがない、しかも自走式ではなく固定式だった。
どうやって運んできたのか? という疑問。
間違いではないだろう、マシェルモビアは持ち運びが可能な移転門を持っている。それを使い対空砲を運んだのだろう。
ハルツールの内側に入ってきた部隊は確認出来ただけで3個小隊、もっといるかもしれないが、それでもかなり大きな数を気付かれずに入れて来た。
多分だがマシェルモビアはもっと少数で入り込み、移転門を使って味方を招き入れたのだろう
それによりほんの1人でも入り込んでしまったら、本当に取り返しのつかない事になってしまう。
『潜伏・隠蔽』よりも強力な『天使の隠れ家』のような魔道具の件もあり、ハルツールは当初の予定が狂い、根本から索敵に力を入れなければならなくなった。
それにより、ブレドリアとロメの攻略にも遅れが出るようになった
◆◇◆◇
「じゃあいい子にしててね」
マシェルモビア軍の軍団長を務めた経験もあるトルリ・シルベは、今日戦地に向けて出立する事になる。
旦那の手を握りながら、もう一つの手を向けてくる我が子に笑みを浮かべその手を取ってあげる。
「気を付けてね」
「うん」
トルリは軍を辞めようとしたが軍はそれを却下。今はハルツールを完全に落とす絶好の機会だとしトルリの退役を認めなかった。
なまじマシェルモビアの闇を知り過ぎたのと、指揮官としてかなり優秀な為だった
それと同時期に聞こえてきたのが、ウエタケ・ハヤトの軍への復帰だった
トルリと夫はハヤトとマイナを心配していた。2度目の訪問で大量に調味料などを買い込んだ為、暫くは来ないだろうと思っていたが、それ以降、何の音沙汰もないままだった。
初めてハヤト夫婦と夫を引き合わせた際、少しの心配があった。
夫は今は住宅の営業をしているが、元は軍人、当然ハヤトの姿も知っていた。
だが、夫はその事については言わず一切触れてこなかった。ただトルリの古い友人として見てくれていた。
我ながら良い男性と出会ったと考えている
ハヤトが来なくなってから心配はしていたが、生きているというだけで少しホッとしてる‥‥でも、何故今頃になってハルツール軍に? 妻のマイナは一体どうしたのか? もし、例えもし戦場で会えるなら‥‥いや、彼はその時敵として自分を見るのだろうか?
━━違うだろう、前にもあったように彼は、ハヤトは私を戦友として見てくるだろうその時にでも‥‥
「そうだトルリ」
夫が思い出したかのように
「ん?」
「会えたらまた家に遊びに来てって言っといてよ」
「━━━うん! 言っておく」
◆◇
マシェルモビアの軍本部の奥深くにある牢獄、そこにはハルツールの捕虜や詳しくは言えない実験体の他に、一人の勇者が捕らえられていた。味方を殺した為その中にいた
その勇者と呼ばれていた男は、一人の竜騎士に囚われすぎ、友人もそして恋人及び自分自身も失った男だった。彼は暗い牢獄の中、ただ体を鍛えるか叫ぶか暴れるか‥‥ずっとそうしてその中で生きていた。もう生きている意味も無いと
「出ろ、勇者フロルド」
彼を監視している男に何年振りかに『勇者』と呼ばれる。フロルドはいつも顔を見せる監視者を睨め付ける
「ウエタケ・ハヤトが軍に復帰した」
監視者の突然の言葉、そして久しぶり‥‥何年振りかに聞いたその人の名前
「えっ‥‥」
「お前にはその相手をしてもらう」
「‥‥あ、っ‥‥あの人が生きて‥‥‥そっ、そんな‥‥本当にあの人が!?」
「ああ、仕事だ」
生きる目的を得たフロルドはその目から大粒の涙を流す
「あの人が生きていたなんて‥‥女神よ感謝します」
◆◇◆◇
ガッチの町周囲の索敵に追われ、日々を過ごす。
内部に入り込まれ、一人でも入れたら危険と判断したハルツール軍は、徹底した策略のやり直しに迫られた。背後にも気を付けなければならないが、前から来る敵にも気を張らなければならない。
索敵の仕事とは結構心に来るもので、常に気を張り、緊張状態が続く
竜騎士隊は日中の索敵を受け持ち、まだガッチの町から出てはいない
夜間になった今でも召喚獣は上空から辺りを警戒しているが、今の所は問題なし。もう日付が変わり今日になっているが、今日は日中の索敵で神経が尖っているせいか眠れず、夜に外に出ていた
「やあ」
鈴の音の声を持つ一人の女性、もう何年も会っていない天使がその場に舞い降りた
「やあ」
天使の挨拶をそのまま返す
「いつもみたいに歓迎はしてくれないのかい? 今日は女性の恰好出来たんだけどさ」
俺が以前買ってあげた服を着て天使は佇む
「ああ、可愛いよネクター」
クロノ隊長が叫び、全員が駆けだした
『潜伏・隠蔽』解除の弾丸が複数放たれ、タウロンの『探知』魔法によりその全ての位置を把握する
「敵3個小隊!」
中隊と思われていたが、その場にいたのは3つの小隊だけだった。そして作戦道り俺が全ての敵に向かって魔法を放つ。
解除の弾丸によりその姿は晒され空から敵の位置は分かっている。召喚獣のポッポが目にしている景色を自分の目に写し、ピンポイントで敵に直撃させようとするが、自分がいる場所から見るのと、上空から見る景色は違う。
敵に当たったのは放ったの魔法の3割程だった
外したか? 仕方ない!
『潜伏・隠蔽』が解除されるまで気づかなかった敵には、大した『探知』の魔道具が無かったようだ。だから奇襲もうまく行ったが、それ故に最初の魔法を外しまくったのは痛い
「「わ゛ぁぁぁぁぁあ゛!!」」
大声を出し敵に突撃するクロノ隊、自分達の場所が分かってしまう行為だが、これも作戦の内。敵兵はその声のした方に反射的に魔法を放つが、そこは俺の『水』魔法の派生である『湿気』魔法の範囲。
目に見えない魔法の壁に遮られ、敵から放たれた魔法は全て爆発し、煙幕のように自分達の姿を隠す
「今!」
「はいよ!」
このニーアの言葉が味方への合図になる
俺の合図で隣で走っていたニーアが、俺が人工魔石に強めに付与した『照明』魔法の弾丸を、魔法がぶつかりあった余波で出来た煙幕の奥に打ち込む
皆一斉に目を閉じる、そして━━
激しい光が放たれた
「う゛っっっ!」
思わず声が漏れしっかり目を閉じていたはずが、瞼越しでも目が眩むほどの光が眼球を襲う。煙幕がカーテンの役目をしてくれると思ったが、カーテンどころかほぼガラス窓だった。
逆に眩しくなってる気がする
しかも敵の全ての位置を把握する為自分は、空を飛んでいるポッポの視界と共有していた為、共有していた右目でその光を直視してしまう。
間抜けすぎて笑えないが、直ぐにマイナのペンダントが発動し、光で視力を失った右目を回復させた。
煙幕の中を走り抜けるが、敵は突然の奇襲と激しい光により混乱に陥り闇雲に魔法を放っていた。
だが俺が前に詰めたことにより、展開している『水』魔法も敵の居場所を飲み込み、魔法を発動した瞬間爆発を起こす。
その爆発を目がやられてしまっている敵は、相手からの攻撃と捉え、更に魔法を放ちその瞬間自爆していた
あちこちで爆発による煙幕により視界が遮られる中、煙幕の中ではマシェルモビア兵士の悲鳴と爆発音だけが響く。
クロノ小隊は突撃の際に出していた声を一切止め、爆発音と敵の悲鳴だけを頼りに煙幕の中で接近戦に持ち込む。
だが上空から見る視界では煙幕の後ろには無傷の者がいて、既に撤退を開始していた。
『照明』で目をやられなかった者達だろう、やられている味方がいる中、撤退を開始している一団を率いている者はさぞかし優秀なのか、それともただ臆病者なのか?
多分優秀なのだろう、そんな優れた隊長は何とかして今ここで仕留めたい。そんな優秀な人間をここで見失っては後々後悔する!
「突破しろ!」
煙幕の中、光で目をやられた者など後で何とでもなる、それよりもこの部隊を率いている頭と対空砲だ。それだけはここで破壊、もしくは鹵獲しておかなければ。
煙幕を抜けると敵部隊は既に背中を見せており、それとは逆に2門の対空砲の砲身がコチラを向いていた
「知ってた!」
上から丸見えだよ、味方諸共吹っ飛ばす気でいる!?
瞬時に『火』魔法を発動させ、わざと爆発させる。それで出来た煙幕を目くらましにし、裏に魔力を凝縮した『土』魔法で大きな壁を作り、更に『硬化』『耐壁』を付与、堅固な壁を一瞬で作り出し、その壁の左右からクロノ小隊はすり抜け肉薄する。
直後に放たれる2門の対空砲は、まだ仲間が苦しんでいる煙幕の場所を目指し発射させた。だがその裏には堅固が壁があり、そして自分達はもうそこにはいない。
2発3発と連続で誰もいない壁に撃ち続けられる砲弾の左右をクロノ小隊は駆け抜ける
「逃げた部隊を追え!」
逃げた敵兵は約10人程、追撃とばかりにその地上から目視できる兵士達に射速の速い『雷』魔法を放ち、2門の対空砲に直ぐ振り向く
悪いけど一人は死んでもらう
その2門とも自走の出来ない操縦者が丸見えの対空砲だった。2人の操縦者の内一人はまだ煙幕で先が見えない先にある壁に撃ち続け、もう1人は俺に気付いていた
その操縦者が最後に思ったのは『あっ━━』だろうか?
黄色に輝き、十文字に分かれた槍を振るうと、槍先が奇麗に首の下を通る。そのまま倒した操縦者を通り過ぎ大股で約10歩、もう一つの対空砲の操縦者に向かい駆ける
こいつは捕える!
右手を伸ばしそこから『土』魔法で大きな手を作り出す、それで捕まえようとするが、寸前で操縦者が気づく。
真横から迫ってくる敵に対空砲の回転では追いつけないと思ったのか、操縦席を降りようとするが、その前に俺の魔法で作った手が届いた
捕まえ━━
操縦席から降りた時、体勢も変わったので完全に捕える事は出来ず、操縦者の右腕だけが魔法の手から逃れてしまった。
そしてその操縦者は、その右手で首に掛けていた魔石らしきものを引きちぎり━━
何のためらいも無く
自爆した
「ッッ━━!!!」
相手を捕縛するために作った『土』魔法の手が、操縦者の自爆の衝撃と共に俺に襲い掛かって来た。そこそこの硬度で作ったため、防具を着こんでいてもかなりの衝撃が襲う
「うっ‥‥まさか、自爆とは」
自爆で受けたダメージで防具が破損し、爆破での怪我も負ったが、防具は『修復』魔法を付与していたので直ぐに元通りになり、怪我はマイナのペンダントで直ぐに治癒してゆく
「そこまでの覚悟でこの場所に来たのか」
操縦者の体は爆散し、所々に肉片が飛び散っている。全くためらいも無く命を絶った兵士のいた場所を一瞥し
「後でタグでもさがしてやるか」
逃げた残りの兵士を追いかけて行く
◆◇
「すみません中尉、敵を取り逃がしました」
後を追いかけてゆくと、少し大きな商店の前でクロノ小隊は集まっていた
俺は上空から敵の動向を見ていたが、自爆の件で見ていなかった時間帯もある。その時に逃がした兵士だろうと思ったが、クロノ小隊長は
そうではない
と首を横に振る。俺はこの商店の中に敵兵がまとめて入って行ったのは知っている。そういうのを『逃がした』のではなく『追い詰めた』と言うのではないだろうか?
「それが‥‥私が直接見た訳ではないのですが」
小隊長は二人の部下に目をやると、その内の一人が
「敵兵は逃げたのですが‥‥実は直接見た私達も信じがたいというか、見間違いだと思う気持ちもあるのですが‥‥」
じゃあ見間違いなんじゃない? 俺見てるよ、この中に入ったのと言いたいのをぐっとこらえ
「ですが?」
「━━敵兵は。移転門を使い移動し、その直後移転門は消失しました」
「‥‥?」
「‥‥」
そのまま黙り込む二人の兵士
「‥‥俺のこと馬鹿にしてる?」
「ち、違います!」
「俺は初等部しか出て無いし、普通の知識とかかけている所があるけれど、流石に移転門が無い場所で移転門を使って逃げたってのは可笑しいでしょ? その後消失したなんて━━」
学歴コンプレックスを発動という訳では無いのだけれど、その見たという二人が急に突拍子もない事を言いだしたので、何を言っているのか理解できなかった。敵を逃がしたから嘘をついているのでは? と疑った
「そ、そんな事はありません。わ、私達は━━」
慌てる二人。
そして自分でも部下の言っている事を信じられないのか、部下の二人を見つめるクロノ小隊長。
ハラハラと見守るニーアと、何故か一人鼻血を流しているタウロン。
そして他の隊員達
「逃がしたのなら別に逃がしたでそう報告すればいいじゃない? 別に怒りはしないし、その後本部に連絡して、包囲食滅すればいいだけなんだからさ。
第一、移転門ってかなり大きいよ? こんな小さな場所にあるがはずが無いし、それに移転門は太古の昔に女神が作り出した物だろ? それ位初等部卒の俺でも知っているよ? その女神しか作れない物を人が━━━━」
人が‥‥‥‥
‥‥
‥‥ああ
なるほど
「その話、信じましょう」
「「「えっ!?」」」
一転して言っている事が変わった俺に、クロノ小隊全員の声がそろう
「それは間違いなく移転門だったんだね?」
「え、あ、はい、間違いないと思います」
「と思う? でも移転門だと思ったんでしょ?」
「はい、私達が見たのは移転門かと‥‥」
「では通常の移転門との相違は?」
「‥‥私達が思う限りは‥‥その大きさと‥‥敵が通った直後に消えたという事でしょうか‥‥」
「クロノ小隊長は本部に報告を」
「は、はい了解しました」
「敵は間違いなく簡易的な持ち運び可能の移転門を敵は持っている。だが万が一そうではなかった場合もある為、この町そして周囲を索敵します」
「「了解」」
「タウロンにはコレを━━」
『収納』から元うさ耳の形をした『探知』専用の天然魔石を取り出し、鼻血を出した後があるタウロンに渡した。ついでに『洗浄』魔法をかけてあげる。
「怪我でもしたの?」
取りあえず聞いてみるが、タウロンは受け取った天然魔石を持ったまま微動だにしない。
代わりにニーアが
「ハヤトが弾避けに作った壁に一人だけ顔からぶつかったんだってさ、どんくさいよね? 闇とか見てる暇があったら目の前を見た方がいいよ」
辛らつな言葉を投げつける
なるほどね、所で念を押してタウロンに言っておく
「言っておくけど貸すだけだからね? あげた訳ではないから後でちゃんと返してね」
俺の最後の財産と言ってもいい、首相からねだって買ってもらった天然魔石。お金に困ったら売ろうと思っている。
一度天然魔石を仕込んだ『探知』用の杖を取られた経験から念を押しておく
うさ耳の探知魔道具だったはずが、その片方をトルリに渡してしまったから、あるのは一本のフランスパンの形をした魔石になってしまった。
そのフランスパンを抱え、無言のタウロンに少し不安になる俺だった
◆◇
その後遅れてやってきた俺の部隊員達
「ハヤト大丈夫だったの!?」
車から降りるなり駆け付け、心配してくれるコトン
「問題ないよ」
その後レンダルとケンタ君が駆けつけ、竜騎士隊の任務を告げる
「竜騎士隊は任務の変更、このガッチに留まり周囲の警戒に当たる」
「「了解」」
と言うレンダル、ケンタ君二人と俺の左側に付き頷くコトン
軍本部が言い渡したのはガッチの町の警戒だった。クロノ小隊と後から来る部隊でこの周囲の大規模な索敵に当たる事になる
今回、敵の対空砲がこのハルツールの奥深くまで潜り込めた理由が分かった気がする。通常対空砲など運んでる最中にバレないはずがない、しかも自走式ではなく固定式だった。
どうやって運んできたのか? という疑問。
間違いではないだろう、マシェルモビアは持ち運びが可能な移転門を持っている。それを使い対空砲を運んだのだろう。
ハルツールの内側に入ってきた部隊は確認出来ただけで3個小隊、もっといるかもしれないが、それでもかなり大きな数を気付かれずに入れて来た。
多分だがマシェルモビアはもっと少数で入り込み、移転門を使って味方を招き入れたのだろう
それによりほんの1人でも入り込んでしまったら、本当に取り返しのつかない事になってしまう。
『潜伏・隠蔽』よりも強力な『天使の隠れ家』のような魔道具の件もあり、ハルツールは当初の予定が狂い、根本から索敵に力を入れなければならなくなった。
それにより、ブレドリアとロメの攻略にも遅れが出るようになった
◆◇◆◇
「じゃあいい子にしててね」
マシェルモビア軍の軍団長を務めた経験もあるトルリ・シルベは、今日戦地に向けて出立する事になる。
旦那の手を握りながら、もう一つの手を向けてくる我が子に笑みを浮かべその手を取ってあげる。
「気を付けてね」
「うん」
トルリは軍を辞めようとしたが軍はそれを却下。今はハルツールを完全に落とす絶好の機会だとしトルリの退役を認めなかった。
なまじマシェルモビアの闇を知り過ぎたのと、指揮官としてかなり優秀な為だった
それと同時期に聞こえてきたのが、ウエタケ・ハヤトの軍への復帰だった
トルリと夫はハヤトとマイナを心配していた。2度目の訪問で大量に調味料などを買い込んだ為、暫くは来ないだろうと思っていたが、それ以降、何の音沙汰もないままだった。
初めてハヤト夫婦と夫を引き合わせた際、少しの心配があった。
夫は今は住宅の営業をしているが、元は軍人、当然ハヤトの姿も知っていた。
だが、夫はその事については言わず一切触れてこなかった。ただトルリの古い友人として見てくれていた。
我ながら良い男性と出会ったと考えている
ハヤトが来なくなってから心配はしていたが、生きているというだけで少しホッとしてる‥‥でも、何故今頃になってハルツール軍に? 妻のマイナは一体どうしたのか? もし、例えもし戦場で会えるなら‥‥いや、彼はその時敵として自分を見るのだろうか?
━━違うだろう、前にもあったように彼は、ハヤトは私を戦友として見てくるだろうその時にでも‥‥
「そうだトルリ」
夫が思い出したかのように
「ん?」
「会えたらまた家に遊びに来てって言っといてよ」
「━━━うん! 言っておく」
◆◇
マシェルモビアの軍本部の奥深くにある牢獄、そこにはハルツールの捕虜や詳しくは言えない実験体の他に、一人の勇者が捕らえられていた。味方を殺した為その中にいた
その勇者と呼ばれていた男は、一人の竜騎士に囚われすぎ、友人もそして恋人及び自分自身も失った男だった。彼は暗い牢獄の中、ただ体を鍛えるか叫ぶか暴れるか‥‥ずっとそうしてその中で生きていた。もう生きている意味も無いと
「出ろ、勇者フロルド」
彼を監視している男に何年振りかに『勇者』と呼ばれる。フロルドはいつも顔を見せる監視者を睨め付ける
「ウエタケ・ハヤトが軍に復帰した」
監視者の突然の言葉、そして久しぶり‥‥何年振りかに聞いたその人の名前
「えっ‥‥」
「お前にはその相手をしてもらう」
「‥‥あ、っ‥‥あの人が生きて‥‥‥そっ、そんな‥‥本当にあの人が!?」
「ああ、仕事だ」
生きる目的を得たフロルドはその目から大粒の涙を流す
「あの人が生きていたなんて‥‥女神よ感謝します」
◆◇◆◇
ガッチの町周囲の索敵に追われ、日々を過ごす。
内部に入り込まれ、一人でも入れたら危険と判断したハルツール軍は、徹底した策略のやり直しに迫られた。背後にも気を付けなければならないが、前から来る敵にも気を張らなければならない。
索敵の仕事とは結構心に来るもので、常に気を張り、緊張状態が続く
竜騎士隊は日中の索敵を受け持ち、まだガッチの町から出てはいない
夜間になった今でも召喚獣は上空から辺りを警戒しているが、今の所は問題なし。もう日付が変わり今日になっているが、今日は日中の索敵で神経が尖っているせいか眠れず、夜に外に出ていた
「やあ」
鈴の音の声を持つ一人の女性、もう何年も会っていない天使がその場に舞い降りた
「やあ」
天使の挨拶をそのまま返す
「いつもみたいに歓迎はしてくれないのかい? 今日は女性の恰好出来たんだけどさ」
俺が以前買ってあげた服を着て天使は佇む
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