異世界陸軍活動記

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世界の始まり~神の記録 ①

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 理性を失い、世界の三分の一を無に変えたネクターは、理性を用いたもう1人のネクターにより討伐された。

 それを天界と呼べる場所で見ていた、カネオンを含む4人の神々達‥‥


 ユーサリーは微動だにせずその光景を見た後、その場を後にし


 サーナは自らの子を死に追いやったユーサリーに対し、その目に憎悪の灯を


 マシェルは感情が無い表情をしていたが、その目には悲しみが溢れていた


 そして‥‥



「あ~あ、やっぱりやっちまったか~」

 まるでそうなる事が分かっていたかのようなカネオン


 ネクターが自らの魂を削り、人の子に魔法を与え続けていた時から、カネオンにはこうなる事が予想できた。

 『いずれネクターは人の子に討たれるだろう』と‥‥。

 カネオン以外は気づいてないが、視線をずらすと地上にはひと際頭が肥大した人の子がいる


「アイツらがネクターを殺して食ったんだろうな‥‥」


 自身の子という存在であるネクターを殺されても、カネオンは頭の肥大化した人の子に何かを思う事は無かった。

 これも全てネクターの自業自得だと考えている、だから一度魂をこれ以上切り離すなと忠告をしたのだ。

 人の子は、力のある者には従うが、その者が力を失うと反旗を翻す。この星の子供達ももちろんのこと、他の星の子もそうだ




「それにしても‥‥ユーサリーはこの状況をどうするつもりなのかね?」


 何もない破壊された無の大地、この大地が二度と人が住めなくなると言うのは予想できる。

 ネクターが振りまいた怨念により、この無の大地は死の大地へと変わってしまうだろう。それも未来永劫‥‥。

 文明の進化に当たって、生存できる土地の3分の1が永遠に失われるのは致命的である。このまま時が進んだとしても文明の爆発的な進化は見込めないだろう。

 ただ、それ以前に魔法というものが広まり過ぎているのも致命的ではあるが


「まあそれは後回しだな、とりあえずネクターの魂でも回収しておくか」


 人が死ねばその魂は散らばり、魔力となり世界を循環する。しかしその魂の生きざまに未練があったとしたならば、数年は魂のままこの世をさまよう。

 ネクターの魂は未練があるどころかまさに怨念の塊であり、消えることなどないだろう。それがユーサリーに知れれば魂ごと消滅させよとサーナ、もしくは新しいネクターに命令すると思う。

 そうすればサーナの計画も崩れてしまう。その前にカネオンは魂を回収し、一時的に他の星へと流す計画を立てていた。

 さて行動を━━と思った時、それまで隣にいたマシェルの姿が無い


 一瞬、あれ? と思ったが、まあいいと思い直し、魂だけとなったネクターの方を見た時、空を漂っているネクターの側にマシェルがおり


「え?」


 マシェルはネクターの魂にむかって高く拳を振り上げ


「は? ちょっ」


 ネクターの魂に手に持っていた杭を打ち込んだ


「あっ‥‥」


 杭を打ち込んだマシェルは、何食わぬ顔で戻って来て、そのままどこかへと行ってしまった。

 マシェルはカネオンがしようとしている事を知らないから、そうした行動をしたのだろうが‥‥


「マシェルの奴‥‥目印を付けやがった。俺が管理するからそんな事をしなくても別に良かったのに」


 マシェルがした事は、自身の魂の一部を切り取り、それをネクターの魂に食い込ませることにより、マシェルの魂の力でネクターの魂の消失を防ぐのと、目印的な目的があったと思う。

 そうする事でネクターの魂を見失う事は無いと考えたのだろう


 ネクターの魂はカネオンが他の星に移す予定であったが、そうすればこの星と違い、魂は転生し新しい器を得て生まれ変わる。

 その時無理やり埋め込まれた魂の杭は、その新しい器、つまり肉体にも悪い影響を及ぼすだろう


 カネオンが杭の刺さったネクターの魂に手を向けると、魂は吸い込まれるようにカネオンの手の平へ移動する。

 その杭の刺さったネクターの魂を『どうしようか‥‥』と眺めていたが


「まあいいか」


 適当な性格のカネオンはそのまま杭を抜かず、他の星へと流すことを決めた。

 それをじっと見つめてくるサーナ、この場にはもうカネオンとサーナしかいない。サーナはカネオンに向かい頭を一度下げるとそのままこの場から姿を消した


「はいはい分かってるよ、まったく面倒が掛かる息子だこと‥‥」


 カネオンはめんどくさそうにため息をつくと、カネオンは己の力を使い空間を捻じ曲げ、別の空間と繋げる、するとカネオンの目の前には別の星の姿が現れる。

 その星は最近のカネオンのお気に入りの星であり、しょっちゅう覗いていた星でもあった。

 様々な国が点在し、人の子は戦いに明け暮れ、神という存在がおらず、魔法と呼べる物がない。

 文明が進化するにあたって、とても適した星であった


「その時が来たら呼び出してやるからぁ、それまで元気でなー」


 カネオンはその星へ、手に持っていた魂を投げ入れた
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