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ヨハンが部屋から出た瞬間、ヴィレームは立ち上がり彼の後を追おうとする。するとフリュイがピョンと飛び上がり、ヴィレームの背中にペタリと張り付いた。
「……」
キュル。
「あのさ……自分で歩いてくれるかな?僕はフィオナ以外はお断りなんだけど」
キュルゥ~。
急に甘えた声を上げる。フィオナ以外にこんな風に鳴くのを初めて聞いた。
「どれだけ、面倒くさがり屋な訳?」
身体を軽く揺すってみるが、取れない……。確りと貼り付き離れるつもりはないようだ。
「仕方ないな……今だけだからね」
全く現金な奴だ。ヴィレームはため息を吐くとそのまま歩き出した。
気配を消し、ヨハンの後を追う。どんどん屋敷の奥へと進んで行く。彼の行く先は分かっている。フィオナの所だ。
しかし改めてこうやって見ると、余り趣味のいい屋敷ではない。如何にも高価な絵やら置物などが至る所に飾られているが……どれも贋作に見える。中には本物もあるのだろうが、差し詰め上手い事言われて騙されて大金を叩き買ったに違いない。目に浮かぶ様だ。
「……」
ヴィレームは眉根を寄せた。
この中には、フィオナを見世物にして手に入れたお金で、買った物もある筈だ。少し飛躍した考えではあるが、強ち間違っていないだろう。
こんな下らない物の為に、彼女は……。
再び怒りが沸々と湧いてくる。
手を爪が食い込む程に、握り締めた。その時だった。フリュイが急に背中で暴れ出す。
「ちょっ、何して……おい⁉︎」
次の瞬間フリュイは、ヴィレームの背中を蹴り上げ頭を土台にして高く飛び上がり、天井、壁、床へと着地した。そのまま廊下を物凄い勢いで駆けて行く。少し先を歩いていたヨハンをあっという間に追い抜かして行った。
「一体、何なんだ……と言うか」
ヨハンが立ち止まり振り返り、こちらを睨んでいた。それはそうだろう。フリュイの所為で尾行がバレた……。全く碌な事をしない。
「何でついて来てるんだよ。帰れって言ったよね」
「フィオナを残して帰れる訳がないよ。君が彼女を大事だと言うように、僕もまた彼女を大切に思っている。フィオナは僕にとって、唯一無二の、最愛の人だ。諦めるなんて事は何があろうとあり得ない。彼女は、絶対に連れて帰る」
ヴィレームは、冷静且つハッキリと告げる。語尾は無意識に強くなった。
その言葉にヨハンは、苛々した様子で舌打ちをする。
「目障りな奴だな。お前の気持ちなんて、どうだって良いんだよ!姉さんには、僕だけがいればそれで良いんだ!他には必要ない!しつこいんだよ、お前はっ」
瞬間、側に置かれていた陶器の置物が浮き上がり、ヴィレームへ向かって飛んできた。ヴィレームは、擦れ擦れでそれを躱す。置物は壁に当たり粉々に砕けた。目を見張る。簡単なものではあるがこれは……魔法だ。
「驚いた?」
くつくつと笑うヨハンの声が薄暗い廊下に響く。まだ昼間だと言うのに不気味さを感じる。フィオナに感じた魔力とはまた別の禍々しい魔力を彼から感じた。
「……」
キュル。
「あのさ……自分で歩いてくれるかな?僕はフィオナ以外はお断りなんだけど」
キュルゥ~。
急に甘えた声を上げる。フィオナ以外にこんな風に鳴くのを初めて聞いた。
「どれだけ、面倒くさがり屋な訳?」
身体を軽く揺すってみるが、取れない……。確りと貼り付き離れるつもりはないようだ。
「仕方ないな……今だけだからね」
全く現金な奴だ。ヴィレームはため息を吐くとそのまま歩き出した。
気配を消し、ヨハンの後を追う。どんどん屋敷の奥へと進んで行く。彼の行く先は分かっている。フィオナの所だ。
しかし改めてこうやって見ると、余り趣味のいい屋敷ではない。如何にも高価な絵やら置物などが至る所に飾られているが……どれも贋作に見える。中には本物もあるのだろうが、差し詰め上手い事言われて騙されて大金を叩き買ったに違いない。目に浮かぶ様だ。
「……」
ヴィレームは眉根を寄せた。
この中には、フィオナを見世物にして手に入れたお金で、買った物もある筈だ。少し飛躍した考えではあるが、強ち間違っていないだろう。
こんな下らない物の為に、彼女は……。
再び怒りが沸々と湧いてくる。
手を爪が食い込む程に、握り締めた。その時だった。フリュイが急に背中で暴れ出す。
「ちょっ、何して……おい⁉︎」
次の瞬間フリュイは、ヴィレームの背中を蹴り上げ頭を土台にして高く飛び上がり、天井、壁、床へと着地した。そのまま廊下を物凄い勢いで駆けて行く。少し先を歩いていたヨハンをあっという間に追い抜かして行った。
「一体、何なんだ……と言うか」
ヨハンが立ち止まり振り返り、こちらを睨んでいた。それはそうだろう。フリュイの所為で尾行がバレた……。全く碌な事をしない。
「何でついて来てるんだよ。帰れって言ったよね」
「フィオナを残して帰れる訳がないよ。君が彼女を大事だと言うように、僕もまた彼女を大切に思っている。フィオナは僕にとって、唯一無二の、最愛の人だ。諦めるなんて事は何があろうとあり得ない。彼女は、絶対に連れて帰る」
ヴィレームは、冷静且つハッキリと告げる。語尾は無意識に強くなった。
その言葉にヨハンは、苛々した様子で舌打ちをする。
「目障りな奴だな。お前の気持ちなんて、どうだって良いんだよ!姉さんには、僕だけがいればそれで良いんだ!他には必要ない!しつこいんだよ、お前はっ」
瞬間、側に置かれていた陶器の置物が浮き上がり、ヴィレームへ向かって飛んできた。ヴィレームは、擦れ擦れでそれを躱す。置物は壁に当たり粉々に砕けた。目を見張る。簡単なものではあるがこれは……魔法だ。
「驚いた?」
くつくつと笑うヨハンの声が薄暗い廊下に響く。まだ昼間だと言うのに不気味さを感じる。フィオナに感じた魔力とはまた別の禍々しい魔力を彼から感じた。
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