179 / 253
番外編【新年の目標】6一緒に食事(梨々花視点)
しおりを挟む
昼休憩中に、倉敷さんと話す機会があった。なぜか、倉敷さんとはなかなか休憩時間が合わず、ゆっくりと話すことができたのは初めてかもしれない。しかし、途中で河合さんが割り込んできて、途中で話は終わってしまった。とはいえ、収穫はあった。
「さっそくだけど、今日の夕方は空いてる?善は急げというでしょ。もし予定がないのなら、一緒にファミレスでご飯でもどう?」
「今日ですか?急ですけど、予定は特にないので大丈夫です」
いきなり予定を入れられたが、私は実家暮らしなので、母親に連絡を入れたら問題はない。母親に連絡を入れ、私は河合さんからの夕食の誘いを喜んで受けることにした。ちなみに当間くんは残業があるらしいので、ちょうどよかった。
その日の退勤後、私と河合さんは会社近くのファミレスで一緒に夕食を取っていた。倉敷さんにはもう少し、旦那さんのことを聞きたかったが、コミュ障な感じの地味女性と一緒に食事はしたくない。それならいっそ、倉敷さんと仲のよい、河合さんと食事をした方がよい。そう考えて誘ったのだが、まさか話した当日に一緒に夕食を取るとは思わなかった。
夕方の時間は、ファミレスは家族連れやカップルでにぎわいを見せていた。しかし、運よく席がひとつ空いていたので、私たちは待つことなく席に案内された。向かい合って座り、お互いに食べたいものを注文する。寒い季節になってきて、メニューには鍋系が多い。私は味噌煮込みうどん、河合さんはもつ鍋を注文した。
「やっぱり、梨々花ちゃんは天然じゃないんだね?」
「河合さんこそ」
お互いに女子受けするメニューは頼まなかった。男性がいないのに、キャラを作る必要はない。河合さんも私と同じ部類の人間だ。私がぶりっ子の天然キャラじゃないことをすぐに見破った。
「それで、私に聞きたいことがあるんでしょ?答えられる範囲で答えてあげるよ」
タッチパネルで注文を終えたところで、河合さんが話を切り出した。何から聞いたらいいだろうか。悩んで末、一番気になったことを聞くことにした。
「じゃあ、聞きますけど、倉敷さんの旦那さんは本当にイケメンなんですか?」
河合さんなら、倉敷さんと親しいので写真などを見たことがあるかもしれない。
「イケメンかどうかでいうと、かなりのイケメンだよ。でも、梨々花ちゃんみたいな人から猛アタックを受けて大変な目に遭っているから、望み薄だと思うよ」
「べ、別に私は倉敷さんの旦那さんを寝取ろうなんて」
思っていない。そう口にしようとしたが、最後まで言葉が口から出てこなかった。心の奥底では狙っていることを否定できなかったからだ。当間という現在の恋人がいて、可愛がられているはずなのに。
「梨々花ちゃんがどう思っていようと私には関係ないけど、忠告はしておくよ」
先輩を傷つけるようなことはするな。
河合さんが急に真面目な顔で何を言いだしたかと思えば、予想外の発言だった。そこまで倉敷さんに肩入れする理由が気になった。
「実を言うとね、先輩の旦那のおおたかっちは」
私の元カレなんだよ。
「元カレ?」
しかし、河合さんはさらに驚くべき発言をした。驚きすぎて、彼女の言葉を反芻する。もし、その言葉が本当だとしたら、彼女の先ほどの言葉は矛盾している。元カノジョと現ヨメが仲良くしているのも意味がわからない。河合さんは私の困惑した様子を見て、笑っている。
「そりゃあ、普通に考えれば、私と先輩の関係って変だと思うよね?でもさ、私と先輩、おおたかっちの三人は結構、仲良しなんだ」
「信じられない」
「信じる、信じないは自由だよ。でも、さっき言ったように、私は先輩のことを大切に思っているの。だから、先輩を傷つける行為、つまり、おおたかっちを奪うような行為は見過ごせないわけだ」
まあ、おおたかっちを紗々さんから奪うことはできないけど。
ぼそりとつぶやかれた言葉には絶対の信頼があった。奪うような行為をしたところで、意味がないと言われている気がした。
「み、未練とかはないんですか?」
「未練ねえ」
思わず、口から出た言葉に自分でも笑ってしまう。未練がないからこそ、現ヨメの倉敷さんと仲良くできているのだ。河合さんの言葉には元カレに対する未練が全く感じられない。むしろ、今は倉敷さんに好意があるように見える。いや、好意と言うより、執着に近い。
「それで、私がおおたかっちを梨々花ちゃんに紹介しようと思ったわけなんだけど」
『オマタセシマシタ。注文したメニューをお受け取り下さい』
話していたら、注文したメニューが配ぜんロボットによって運ばれてきた。慌ててロボットに載った料理をテーブルに移動させる。役目を終えたロボットはそのまま、厨房へと戻っていく。
「冷めないうちに食べようか」
「そうですね」
『いただきます』
話はそこでいったん中断となった。私たちは食事を開始した。
「さっそくだけど、今日の夕方は空いてる?善は急げというでしょ。もし予定がないのなら、一緒にファミレスでご飯でもどう?」
「今日ですか?急ですけど、予定は特にないので大丈夫です」
いきなり予定を入れられたが、私は実家暮らしなので、母親に連絡を入れたら問題はない。母親に連絡を入れ、私は河合さんからの夕食の誘いを喜んで受けることにした。ちなみに当間くんは残業があるらしいので、ちょうどよかった。
その日の退勤後、私と河合さんは会社近くのファミレスで一緒に夕食を取っていた。倉敷さんにはもう少し、旦那さんのことを聞きたかったが、コミュ障な感じの地味女性と一緒に食事はしたくない。それならいっそ、倉敷さんと仲のよい、河合さんと食事をした方がよい。そう考えて誘ったのだが、まさか話した当日に一緒に夕食を取るとは思わなかった。
夕方の時間は、ファミレスは家族連れやカップルでにぎわいを見せていた。しかし、運よく席がひとつ空いていたので、私たちは待つことなく席に案内された。向かい合って座り、お互いに食べたいものを注文する。寒い季節になってきて、メニューには鍋系が多い。私は味噌煮込みうどん、河合さんはもつ鍋を注文した。
「やっぱり、梨々花ちゃんは天然じゃないんだね?」
「河合さんこそ」
お互いに女子受けするメニューは頼まなかった。男性がいないのに、キャラを作る必要はない。河合さんも私と同じ部類の人間だ。私がぶりっ子の天然キャラじゃないことをすぐに見破った。
「それで、私に聞きたいことがあるんでしょ?答えられる範囲で答えてあげるよ」
タッチパネルで注文を終えたところで、河合さんが話を切り出した。何から聞いたらいいだろうか。悩んで末、一番気になったことを聞くことにした。
「じゃあ、聞きますけど、倉敷さんの旦那さんは本当にイケメンなんですか?」
河合さんなら、倉敷さんと親しいので写真などを見たことがあるかもしれない。
「イケメンかどうかでいうと、かなりのイケメンだよ。でも、梨々花ちゃんみたいな人から猛アタックを受けて大変な目に遭っているから、望み薄だと思うよ」
「べ、別に私は倉敷さんの旦那さんを寝取ろうなんて」
思っていない。そう口にしようとしたが、最後まで言葉が口から出てこなかった。心の奥底では狙っていることを否定できなかったからだ。当間という現在の恋人がいて、可愛がられているはずなのに。
「梨々花ちゃんがどう思っていようと私には関係ないけど、忠告はしておくよ」
先輩を傷つけるようなことはするな。
河合さんが急に真面目な顔で何を言いだしたかと思えば、予想外の発言だった。そこまで倉敷さんに肩入れする理由が気になった。
「実を言うとね、先輩の旦那のおおたかっちは」
私の元カレなんだよ。
「元カレ?」
しかし、河合さんはさらに驚くべき発言をした。驚きすぎて、彼女の言葉を反芻する。もし、その言葉が本当だとしたら、彼女の先ほどの言葉は矛盾している。元カノジョと現ヨメが仲良くしているのも意味がわからない。河合さんは私の困惑した様子を見て、笑っている。
「そりゃあ、普通に考えれば、私と先輩の関係って変だと思うよね?でもさ、私と先輩、おおたかっちの三人は結構、仲良しなんだ」
「信じられない」
「信じる、信じないは自由だよ。でも、さっき言ったように、私は先輩のことを大切に思っているの。だから、先輩を傷つける行為、つまり、おおたかっちを奪うような行為は見過ごせないわけだ」
まあ、おおたかっちを紗々さんから奪うことはできないけど。
ぼそりとつぶやかれた言葉には絶対の信頼があった。奪うような行為をしたところで、意味がないと言われている気がした。
「み、未練とかはないんですか?」
「未練ねえ」
思わず、口から出た言葉に自分でも笑ってしまう。未練がないからこそ、現ヨメの倉敷さんと仲良くできているのだ。河合さんの言葉には元カレに対する未練が全く感じられない。むしろ、今は倉敷さんに好意があるように見える。いや、好意と言うより、執着に近い。
「それで、私がおおたかっちを梨々花ちゃんに紹介しようと思ったわけなんだけど」
『オマタセシマシタ。注文したメニューをお受け取り下さい』
話していたら、注文したメニューが配ぜんロボットによって運ばれてきた。慌ててロボットに載った料理をテーブルに移動させる。役目を終えたロボットはそのまま、厨房へと戻っていく。
「冷めないうちに食べようか」
「そうですね」
『いただきます』
話はそこでいったん中断となった。私たちは食事を開始した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結保証】存在しないことにされていた管理ギフトの少女、王宮で真の家族に出会う 〜冷遇された日々は、王宮での溺愛で上書きします〜
小豆缶
恋愛
「願った結果を、ほんの少しだけ変えてしまう力」
私に与えられたギフトは、才能というにはあまりにも残酷な自分も人の運命も狂わせるギフトだった。
そのあまりの危うさと国からの管理を逃れるために、リリアーナは、生まれたことそのものが秘匿され、軟禁され、育てられる。
しかし、純粋な心が願うギフトは、ある出来事をきっかけに発動され、運命が動き出す。
二度とそのギフトを使わないと決めて生きてきたのよ
だが、自分にせまる命の危機ーー
逃げていた力と再び向き合わなければならない状況は、ある日、突然訪れる。
残酷なギフトは、リリアーナを取り巻く人たちの、過去、未来に影響し、更には王宮の過去の闇も暴いていく。
私の愛する人がどうか幸せになりますように...
そう、リリアーナが願ったギフトは、どう愛する人に届くのか?
孤独だったリリアーナのギフトが今、王宮で本当の幸せを見つけるために動き始める
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
女性が少ない世界でVTuberやります!
dekoma26+ブル
恋愛
ある日朝起きてキッチンに行くとそこには知らない男性たちが! …え、お父さん⁉
なぜか突然女性の少ない世界に来てしまった少女がVTuberをしたり、学校に通ったりするお話。
※恋愛大賞ラストスパートなので24日火曜~27日金曜日まで連日投稿予定!
参加してるみんな!あと少し頑張ろうね!(>▽<)/作者ブル
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ
猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。
当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。
それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。
そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。
美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。
「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」
『・・・・オメエの嫁だよ』
執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝🌹グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
そう名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
✴️設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
✴️稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる