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番外編【新しい扉を開く】1百合の魅力
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「大鷹さん、百合ってどう思いますか?」
夕食時、私は最近はまった新たなジャンルについて大鷹さんに質問する。今日の夕食は鮭のホイル焼きと味噌汁だ。アルミホイルで包んでフライパンで蒸すため、ヘルシーで気に入っている。箸を止めて、大鷹さんの返答を待つ。
「ユリ、ですか?」
大鷹さんは、もともとは普通の男性だった。私と結婚したことで腐男子となってしまったが、はたして【百合】なるものを知っているだろうか。もし知らなかったら、そこから説明しなくてはならない。
「花のユリ、という訳ではなさそうですね。エエト、あまり詳しくはないのですが、確か、女性同士の恋愛、ということで良かったでしょうか?」
しかし、私の心配は杞憂に終わった。どうやら、腐男子として生きているうちに学んでいたようだ。だとしたら、私の話を聞いて意見をくれるだろう。
「その通りです。私は今、その女性同士の恋愛にはまりました。このことを誰かに話したくて仕方なかったのですが、大鷹さんが百合という言葉を知っているのなら、話は早いです」
昔の私は、同じ同性愛の話しでもBL(ボーイズラブ)にしか興味がなかった。早い話、性行為における問題で、物理的にひとつになれないことが好きになれない要因だった。恋愛において、全年齢向けでもない限り、大人向けの話しには必ずと言っていいほど性行為が付随する。
「でも、僕は実際に百合作品を読んだことはないですけど……」
「問題ありません。ただ、私の話を聞いて、百合の魅力を知ってもらえたらと思いまして」
不安そうな大鷹さんに大丈夫だと大きく頷いて安心させる。もし、百合に興味を持ってくれたらそれでいい。ダメだったら、まあ、一人寂しく百合作品を愛でるしかない。
「それで、百合作品の魅力ですけど、まず、BL作品にはない、純愛がありますね。単純に性欲だけに囚われない、純粋な愛があると思います。それから、女性同士にしか出せない、ねっとりとした雰囲気。男同士では出せない、妖艶さが素晴らしい!」
「はあ」
大鷹さんはあいまいに頷くが、気にすることはない。きっと、大鷹さんも私のおすすめ作品を読むことで、新たな性癖に目覚めるに違いない。
「とはいえ、私がいくら百合についての魅力を語ったところで、大鷹さんには何のことだかわかりませんよね?実際に読んでみたほうがいいです」
「紗々さんのおすすめなら、ぜひ読んでみたいところですが……」
ここで、大鷹さんが口を挟む。神妙な顔をしているが、何か問題でもあるのか。私がこういった話をすることを大鷹さんが嫌がることはない。むしろ、最後までしっかりと話を聞いてくれることが多い。
「女性同士、の恋愛なら、最近、現実でもあったような気がするなと思いまして」
「はあ?そんな身近に同性愛者が転がっているわけ」
「いや、僕の見間違いかもしれませんし、確証はないのですが」
なんと、大鷹さんがここで爆弾発言をした。多様な恋愛観が認められる中、同性愛はまだまだ世間全体には認められていない。誹謗中傷に晒されないようにこっそりと生きている人も多いだろう。それなのに、大鷹さんはその同性愛者を見つけたと言っている。いったい、どこの誰なのか。気になって、大鷹さんの顔をじいと見つめてしまう。
大鷹さんは私の視線に耐え切れず、茶碗に盛られたコメをかき込む。そして、しっかりと飲み込んでから話し出す。
「エエト……。これはプライバシーの問題になるかもしれないので、僕が口にしていいのかわかりませんが」
「そ、そうですね。勝手に他人の恋愛事情をばらすなんて、いけないことですね」
「ですが、すでに公表済みのものなら、紗々さんも知っている人がひとりいます」
大鷹さんは彼が見つけたという性愛者については語らなかった、もし、私が同性愛者の立場だったら、他人に自分の性癖が広められるのは嫌だ。同性愛者でなくても、他人にばらされるのは嫌だろう。
「とはいえ、案外、身近にいるので探してみたらすぐに見つかると思いますよ。例えば、きらりさんなんかは、男性も女性も両方が恋愛対象です。知っているでしょう?大輔さんと結婚はしていますが、弟の亨の奥さん、李江さんのことが好きでしたし」
「確かに……」
大鷹さんの言葉に納得する。しかし、大鷹さんの親戚に変わった人が多いというだけで、私の周りにはそのような人はいないはずだ。
「話を中断させてしまってすみません。それで、紗々さんのおすすめの百合作品を教えてください」
「ああ、それなら、最近読んだ作品だと、悪役令嬢系の話になるのですが……」
私は大鷹さんにおすすめの作品を教えるのだった。
夕食時、私は最近はまった新たなジャンルについて大鷹さんに質問する。今日の夕食は鮭のホイル焼きと味噌汁だ。アルミホイルで包んでフライパンで蒸すため、ヘルシーで気に入っている。箸を止めて、大鷹さんの返答を待つ。
「ユリ、ですか?」
大鷹さんは、もともとは普通の男性だった。私と結婚したことで腐男子となってしまったが、はたして【百合】なるものを知っているだろうか。もし知らなかったら、そこから説明しなくてはならない。
「花のユリ、という訳ではなさそうですね。エエト、あまり詳しくはないのですが、確か、女性同士の恋愛、ということで良かったでしょうか?」
しかし、私の心配は杞憂に終わった。どうやら、腐男子として生きているうちに学んでいたようだ。だとしたら、私の話を聞いて意見をくれるだろう。
「その通りです。私は今、その女性同士の恋愛にはまりました。このことを誰かに話したくて仕方なかったのですが、大鷹さんが百合という言葉を知っているのなら、話は早いです」
昔の私は、同じ同性愛の話しでもBL(ボーイズラブ)にしか興味がなかった。早い話、性行為における問題で、物理的にひとつになれないことが好きになれない要因だった。恋愛において、全年齢向けでもない限り、大人向けの話しには必ずと言っていいほど性行為が付随する。
「でも、僕は実際に百合作品を読んだことはないですけど……」
「問題ありません。ただ、私の話を聞いて、百合の魅力を知ってもらえたらと思いまして」
不安そうな大鷹さんに大丈夫だと大きく頷いて安心させる。もし、百合に興味を持ってくれたらそれでいい。ダメだったら、まあ、一人寂しく百合作品を愛でるしかない。
「それで、百合作品の魅力ですけど、まず、BL作品にはない、純愛がありますね。単純に性欲だけに囚われない、純粋な愛があると思います。それから、女性同士にしか出せない、ねっとりとした雰囲気。男同士では出せない、妖艶さが素晴らしい!」
「はあ」
大鷹さんはあいまいに頷くが、気にすることはない。きっと、大鷹さんも私のおすすめ作品を読むことで、新たな性癖に目覚めるに違いない。
「とはいえ、私がいくら百合についての魅力を語ったところで、大鷹さんには何のことだかわかりませんよね?実際に読んでみたほうがいいです」
「紗々さんのおすすめなら、ぜひ読んでみたいところですが……」
ここで、大鷹さんが口を挟む。神妙な顔をしているが、何か問題でもあるのか。私がこういった話をすることを大鷹さんが嫌がることはない。むしろ、最後までしっかりと話を聞いてくれることが多い。
「女性同士、の恋愛なら、最近、現実でもあったような気がするなと思いまして」
「はあ?そんな身近に同性愛者が転がっているわけ」
「いや、僕の見間違いかもしれませんし、確証はないのですが」
なんと、大鷹さんがここで爆弾発言をした。多様な恋愛観が認められる中、同性愛はまだまだ世間全体には認められていない。誹謗中傷に晒されないようにこっそりと生きている人も多いだろう。それなのに、大鷹さんはその同性愛者を見つけたと言っている。いったい、どこの誰なのか。気になって、大鷹さんの顔をじいと見つめてしまう。
大鷹さんは私の視線に耐え切れず、茶碗に盛られたコメをかき込む。そして、しっかりと飲み込んでから話し出す。
「エエト……。これはプライバシーの問題になるかもしれないので、僕が口にしていいのかわかりませんが」
「そ、そうですね。勝手に他人の恋愛事情をばらすなんて、いけないことですね」
「ですが、すでに公表済みのものなら、紗々さんも知っている人がひとりいます」
大鷹さんは彼が見つけたという性愛者については語らなかった、もし、私が同性愛者の立場だったら、他人に自分の性癖が広められるのは嫌だ。同性愛者でなくても、他人にばらされるのは嫌だろう。
「とはいえ、案外、身近にいるので探してみたらすぐに見つかると思いますよ。例えば、きらりさんなんかは、男性も女性も両方が恋愛対象です。知っているでしょう?大輔さんと結婚はしていますが、弟の亨の奥さん、李江さんのことが好きでしたし」
「確かに……」
大鷹さんの言葉に納得する。しかし、大鷹さんの親戚に変わった人が多いというだけで、私の周りにはそのような人はいないはずだ。
「話を中断させてしまってすみません。それで、紗々さんのおすすめの百合作品を教えてください」
「ああ、それなら、最近読んだ作品だと、悪役令嬢系の話になるのですが……」
私は大鷹さんにおすすめの作品を教えるのだった。
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