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第74話 進展
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一九三八年三月十八日。
ドイツ軍は、ポーランド方面の制圧を完了しつつあった。イギリスの介入虚しく、ダンツィヒはドイツによって占領され、ワルシャワにはハーケンクロイツの旗がはためいていた。
「素晴らしい結果だ。東方生存圏が必要な我々にとって、これ以上の戦果はないだろう」
ヒトラーは嬉しそうに報告を聞く。
「しかし、ポーランド政府はさらに東の方へ逃げ、今は新生ロシア帝国領内にて亡命政府を樹立しています。新生ロシア帝国を国家承認した我が国としては、手を出すわけにはいかないかと」
「なに、その時はロシア帝国を攻め込めばよい。何も不可侵条約を結んだわけではあるまい」
「その通りですが……」
外務大臣は少し不満を感じたが、それを表に出さずに席に座った。
「さて、フランス方面はどうなっている?」
ヒトラーの問いに、陸軍総司令官が立ち上がって答える。
「現在動いている部隊では、パリに向かうアイン軍団とリヨンに向かうツヴァイ軍団があります。アイン軍団は少々戦線が膠着しているようですが、ツヴァイ軍団はリヨンの制圧に成功したとの報告を受けています。リヨンにて休息を取ったのち、パリ方面に向けて進軍する予定です」
「よろしい。諸君らの働きに感謝する。首都であるパリを陥落させれば、フランスを手中に収めたのと同義。フランスを落とせば西ヨーロッパは我々の物だ。さらにスペインの反乱軍を支援しやすくなり、より我々の結束は強固になっていくだろう」
「総統。そのスペイン内戦のことで、小さいながらも報告がございます」
空軍総司令官兼国家元帥であるゲーリングが手を上げる。
「なんだね?」
「現在のスペイン内戦は、反乱軍が優勢であり、もう間もなく終結するものと思われます」
「そうかそうか……。それならそれで良い。スペインもこちら側になれば、後は楽な戦争になるだろう」
そういってヒトラーは悦に入る。
「陸軍からは以上です」
陸軍総司令官は席に座る。それに呼応するように、海軍総司令官が立ち上がった。
「海軍からの報告です。現在、最新鋭の戦艦を建造中ですが、これが佳境に入ったところです。この戦艦が完成すれば、イギリス海軍の戦艦など我々の敵ではありません」
「うむ。そうなれば、ドーバー海峡は我がドイツの海になるだろう」
それを言ったヒトラーは、あることを思い出す。
「ゲーリング君、そういえばイギリス本土への爆撃は可能かね?」
「はい。現在占領した全ての滑走路を、爆撃機が使用できるように改造しています」
「都市爆撃は数が重要だ。今後も気を抜くことなく進めたまえ」
「もちろんです」
ヒトラーは席を立ち、壁にあるナチス・ドイツの国章の前に立つ。
「我がドイツは、世界の中心になる。そのためには、まずヨーロッパを支配せねばならない」
そういってヒトラーは不気味に笑う。
「私が全てなのだ。そのためには、使えるものは全て使わせてもらう」
「となると、あの少女もですか?」
ゲーリングが尋ねる。
「……あぁ、あの転生者か。もちろんだ。しかし、今や使い物にもならないだろう。ヤツがいなくとも、私は完璧に指示できる。この世界は我がドイツの物となるのだ」
ヒトラーの不気味な笑い声と、それを賞賛する閣僚の拍手が響き渡った。まるで悪の帝国のように。
ドイツ軍は、ポーランド方面の制圧を完了しつつあった。イギリスの介入虚しく、ダンツィヒはドイツによって占領され、ワルシャワにはハーケンクロイツの旗がはためいていた。
「素晴らしい結果だ。東方生存圏が必要な我々にとって、これ以上の戦果はないだろう」
ヒトラーは嬉しそうに報告を聞く。
「しかし、ポーランド政府はさらに東の方へ逃げ、今は新生ロシア帝国領内にて亡命政府を樹立しています。新生ロシア帝国を国家承認した我が国としては、手を出すわけにはいかないかと」
「なに、その時はロシア帝国を攻め込めばよい。何も不可侵条約を結んだわけではあるまい」
「その通りですが……」
外務大臣は少し不満を感じたが、それを表に出さずに席に座った。
「さて、フランス方面はどうなっている?」
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「現在動いている部隊では、パリに向かうアイン軍団とリヨンに向かうツヴァイ軍団があります。アイン軍団は少々戦線が膠着しているようですが、ツヴァイ軍団はリヨンの制圧に成功したとの報告を受けています。リヨンにて休息を取ったのち、パリ方面に向けて進軍する予定です」
「よろしい。諸君らの働きに感謝する。首都であるパリを陥落させれば、フランスを手中に収めたのと同義。フランスを落とせば西ヨーロッパは我々の物だ。さらにスペインの反乱軍を支援しやすくなり、より我々の結束は強固になっていくだろう」
「総統。そのスペイン内戦のことで、小さいながらも報告がございます」
空軍総司令官兼国家元帥であるゲーリングが手を上げる。
「なんだね?」
「現在のスペイン内戦は、反乱軍が優勢であり、もう間もなく終結するものと思われます」
「そうかそうか……。それならそれで良い。スペインもこちら側になれば、後は楽な戦争になるだろう」
そういってヒトラーは悦に入る。
「陸軍からは以上です」
陸軍総司令官は席に座る。それに呼応するように、海軍総司令官が立ち上がった。
「海軍からの報告です。現在、最新鋭の戦艦を建造中ですが、これが佳境に入ったところです。この戦艦が完成すれば、イギリス海軍の戦艦など我々の敵ではありません」
「うむ。そうなれば、ドーバー海峡は我がドイツの海になるだろう」
それを言ったヒトラーは、あることを思い出す。
「ゲーリング君、そういえばイギリス本土への爆撃は可能かね?」
「はい。現在占領した全ての滑走路を、爆撃機が使用できるように改造しています」
「都市爆撃は数が重要だ。今後も気を抜くことなく進めたまえ」
「もちろんです」
ヒトラーは席を立ち、壁にあるナチス・ドイツの国章の前に立つ。
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「……あぁ、あの転生者か。もちろんだ。しかし、今や使い物にもならないだろう。ヤツがいなくとも、私は完璧に指示できる。この世界は我がドイツの物となるのだ」
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