美しいと皆に称賛される姉により、虐げられてきましたが…運命は私に味方しました。

coco

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美しいと皆に称賛される姉により、虐げられてきましたが…運命は私に味方しました。

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「あなたのお姉様、相変わらずお綺麗ね。あんな方が姉だなんて、本当に羨ましいわ。」

 とあるパーティー会場にて、私はいつものように姉への称賛を黙って聞いていた。
 当の姉は、たくさんの殿方に囲まれその相手をするのに忙しく、そんな私を気にも留めない。

 確かに、姉は美しい。
 綺麗に着飾り、気品溢れる女性といえよう。

 でも、それは表向きの姿。
 家に帰れば…妹の私の前では、いつも醜い姿を晒してばかり─。

「疲れた~…そのドレス、片づけておいて。」

「…えぇ。」

 私は床に落ちたドレスを拾い上げた。
 するとその下から、探していたイヤリングが出て来た。

「私の物を勝手に使わないで、使ったのならちゃんと返してくれなきゃ…。」

「うるさいわね。文句を言う暇があるなら、さっさと部屋の掃除をして!」

 自分の部屋くらい自分で掃除してよ…こんなゴミだらけの汚い部屋には、うんざりだわ。

 姉が綺麗なのは見える所だけ…見えない所はこんなにも汚い。
 だけど外面がいいから、姉が本当は汚くてだらしなくてぐうたらだなんて、誰も分かってくれない。

 私はそう思っていた、ある人物と出会うまでは─。

※※※

 その日、私は姉に言われ家の周りを掃除していると…薄汚れた身なりをした青年が、家の塀にもたれグッタリとしていた。
 
 気になった私は彼に声をかけ、家の中に入れて、休ませる事にした。

「ちょっとぉ、そんな汚いゴミを連れ込まないでよ!」

「でも…困ってる方を見捨てるなんて事は出来ませんよ。」

「そこまで言うなら、あなたが彼の面倒を見なさいよ!?ついでに、私の部屋も綺麗にしておいてね。」

「お姉様の部屋なのだから、ご自分が掃除したらいいのに…。」

「私は着飾るので忙しいの!あなたは婚約者どころか恋人も居ないんだし、暇でしょう?」

 聞く耳を持たない姉に、私はもう何も言わずそれに従った。

 そんな私を、その青年がじっと見つめている事も知らず─。

※※※

 それから暫くして…彼の身体もすっかり良くなった頃、私は姉に大事な話があると伝えた。

「私…もうあなたの言いなりになって、あなたに尽くすのは辞めます。私は、この家を出ますから。」

「ど、どういう事!?」

「私、彼と婚約する事にしたので。」

 私の隣には、あの時助けた青年が居た。

「た、確かにその男は、身綺麗にしたらとんでもない美形だったけど…でもそんな、どこの馬の骨とも分からないような─」

「俺は、ここより遥か北にある国の第二王子。城の中のいざこざに巻き込まれ、この地まで逃げていたが…もうそれも片付いた。だから、彼女と一緒に城へ帰還しようと思ってね。これまで彼女を傍で見て来たけど…彼女はとても心が優しく、いい子だという事がよく分かった。だがそのせいで、ここに居ては姉の君に一生飼い殺しにされてしまうとも。」

 すると王子という言葉に、姉の態度がガラリと変わり…突然猫なで声で、王子に媚り始めた。

「いやですわ…飼い殺しだなんて。私、あなたが王子と知ってたら、喜んで世話をしましたのに…。こう見えて、私は家庭的で…男に尽くす女なの。それにこの美しさでしょう?あなたの妃には、その子より私の方が─」

「君が美しい…?実は…俺の目には魔力が宿って居てね。君の真実の姿もちゃんと見えてるよ。この家をもう出るんだし…彼女に魔力を使わなくていいよ?」

 彼は、私の方を向いてこう言った。
 私はコクリと頷き、姉に近づいた。

「お姉様…あなたは見えない所は汚くだらしのない、ぐうたらな女。なのに見た目は綺麗で居たいと、私にそれを叶えるよう強要してきた。でも…この方は何もかもお見通しです。それに私は、ここを出てあなたと縁を切る。だから、もうこんな事に意味は無い─。」

 その瞬間綺麗な姉は消え失せ、豚のようにブクブクと太り肌は薄汚れ悪臭を放つ巨体の女が姿を現した。

「嫌、見ないで─!」

「私に身の回りの世話をさせ、ろくに動かず食べて寝てばかりだからそんな体になるのよ?せめてこれからは、自分の体を清潔にする事くらいは心がけてね─。」

※※※

 その後、私は彼と共に家を出て…彼の国へと帰還した。

 王子を救った上に、魔力持ちの妃が来てくれたと、彼や彼の両親、国の民たちに感謝され、私はとても大事にされている。

 一方、本来の姿に戻った姉は、その汚さと醜さから皆に嫌われ、嘲笑われるようになってしまった。
 私が居なくなった事で姉はますます不潔さに磨きがかかり、ゴミの中で一人寂しく暮らしているらしい。

 見えない所が汚いだけで済んでいた姉は、とうとう見える所まで汚く醜い女に成り下がってしまったようね─。
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