私に婚約破棄を告げ、お金持ちの令嬢を選んだ婚約者ですが…彼女の家はすぐに没落します。

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私に婚約破棄を告げ、お金持ちの令嬢を選んだ婚約者ですが…彼女の家はすぐに没落します。

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 私はある日突然、婚約者に別れを告げられた。

「実は俺には、密かに付き合って居る美しい女が居てな…。しかも彼女は、俺に裕福な暮らしをさせてくれると約束してくれた。だから…俺と婚約破棄してくれ。」

「…あなた、本気なんですか?」

「あぁ、だから俺を引き留めようとしても無駄だ。それに、彼女の事を悪く言ったとしても、貧乏令嬢のお前では、ただの僻みにしか聞こえんな。」

「私が、貧乏…?」

「お前は、いつも同じような地味なドレスを着ているし…身に付けているアクセサリーだって、そんな汚い石が嵌め込んであって…。どうせ安物しか買えないんだろう?」

 そして、彼は私の元から去って行った。

 そう…あなたは、これがただの汚い石に見えて居たのね─。
 
※※※

 俺は婚約者と別れ、大喜びでこの家にやって来た。

「流石だな…この屋敷は、豪華で一流の品ばかり備えてある。そして、今君が纏うドレスもアクセサリーも…全てが美しい君にピッタリの一流品だ!」

「もう…そんなに褒められたら、私、照れてしまいますわ。こんな宝石、私の家にはいくらでもありますから…後であなたにもお見せしましょう。」

 彼女は、この領地一の金持ちと噂される家の娘だ。

 そんな彼女に気に入られ、求愛され…いずれは、婚約者になって欲しいとまで言われている。

 でもそれを父に離したら、激しく叱られ…今すぐ元婚約者のあいつに詫びに行け…復縁をして貰えるよう頭を下げて来いと言われた。

 全く…誰がそんな馬鹿な事するか。
 
 だから俺は、自分からそんな愚かな父親と…あの家と縁を切ってやった。

 まぁ、あの家には弟が居るから…俺が居なくても、どうにかなるだろうしな。

 しかしそれから暫くして…彼女の家の様子がおかしくなった。

 使用人がどんどん減って行き、家にあった調度品や貴金属が消えて行き…彼女のドレスも…そう言えば、いつも同じ物を着ているな…。
 これは、一体どうしてしまったったと言うんだ─!?

 そんなある日、彼女の屋敷に突然男たちが押しかけて来た。

「この家は、もう人手に渡った。お前たちは出て行け。」

 聞けば、彼女の家は事業が上手く行かなくなり、多額の負債を抱え…没落寸前だと言うではないか。

「そんな大事な事、どうして黙っていた!」

「あなたが悪いのよ…!あなたがあの石を汚い何て言うから…だから彼女の家は、私の家にあの石を売ってくれなくなったのよ!」

 そして俺は、彼女や彼女の両親から詰め寄られ…この責任を取れと言われてしまったのだ─。

※※※

「…そういう事だから、俺を助けてくれ!」

「…。」

「まさか。お前が身に付けている石が魔石で、宝石よりも価値があったなんて…。お前の家が持つ山で採れた魔石を、彼女の家が加工し販売していたが…俺がその魔石を貶し彼女を選んだ事が原因で、その取引を中止してしまうとは…。このままじゃ彼女も、その両親も…何より、俺が一番困る!だって俺は、自分から実家との縁を切ってしまったし…頼ろうにも頼れないんだ。」 

「そんなの、自業自得です。大体、あなたは身勝手です。自分から私を捨てておきながら、私に助けを求めるなど…。そんな人だから、この魔石が汚い色に見えるのよ。」

「え…?」

「この魔石は、見る者の心を映すのです。これが汚く見えたという事は、あなたの心が汚いという事…。そんな人、助ける価値はないわ。」

「お、俺を馬鹿にしやがって─!」

「彼女に手を出すな!」

 元婚約者が私に襲い掛かろうとする直前…部屋に一人の青年が入って来て、私を庇ってくれた。

「誰だ!?」

「彼は、私の幼馴染です。彼は婚約破棄された私の事を心配し、これまで随分支えてくれました。そして、今もこうして守ってくれた。私たちは今一緒に住んでいて、とても幸せに暮らして居るの…だから、もうあなたと関わりたくないんです。」

「そ、そんな…。」

 こうして彼は、私の幼馴染によって家から放り出された。

 そして私から許しを得るどころか、お金も借りて来られなかった彼は、彼女からこっぴどくフラれた挙句…役立たずは要らないと、奴隷としてどこかへ売られてしまったらしい。

 まぁ…彼は顔だけは良いから、それなりの金額にはなったかも知れないけれど…彼女の家が、また以前のようなお金持ちに戻れるだけのお金には当然ならないわ…。

 そう思うと、彼と彼女…どちらも不幸のどん底に叩き落とされてしまったという事ね─。
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