契約期間終了なので婚約破棄です、契約の更新はありませんよ?

coco

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契約期間終了なので婚約破棄です、契約の更新はありませんよ?

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婚約破棄こんやくはきとは、どうしてだ!」
 
 目の前の男ははげしく動揺どうようし、私につかみかかった。

「あなたとの婚約は、契約けいやくですから。」

「契約だと?一体いったい、どういうことだ!」

「私はある方から依頼いらいされ、あなたの人柄ひとがらを知る為にあなたと婚約したまでの事。契約期間きかんが終了すれば、あなたとの関係は解消かいしょうよ。」

「そんな…一体誰なんだ、その依頼者って言うのは!?」

「名前は言えないけど、簡単になら教えてあげる。あなたの、本当の婚約者になるはずの方からよ。あなたが真面目まじめ誠実せいじつな方か、知りたいって言われてね。でもあなた、全然駄目ぜんぜんだめね。私知ってますよ、あなたが年下の可愛かわいい女の子と浮気うわきしてるの。依頼者には、報告済ほうこくずみです。随分ずいぶんお怒りでしたよ、浮気癖のある男と婚約なんてできるかって。」

「だったら、契約期間更新こうしんだ!婚約破棄なんてされたら、体裁ていさいが悪いだろう。周りにも、もうすぐ結婚するって報告済みなんだよ。それでまかせてもらえたプロジェクトだってあるんだよ、ファミリー向け商品しょうひんの…なのに婚約破棄になったら、全部パーだ!」

「知らないわよ、そんな事。契約の更新こうしんはありません。彼が、迎えに来ますので─。」

※※※

『…というわけで、その男の元へ行くわ。』

『契約期間は2ヶ月か…そんなに、君と会えないのはつらいな。しかも、相手があの男とは…。』

『あの男には指一本触ゆびいっぽんふれさせないから、大丈夫だいじょうぶよ。…2ケ月経ったら、むかえに来て?』

※※※

 私のかたを掴み、はげしくさぶる男。

「おい、その手をはなせ。」

「だ、誰だよお前は!」

「…お前、この顔を見て、何か思い出さないか?」

「え…お前、俺の後輩こうはいだった、いやでもあいつは、もう死んで…?」

「俺はあいつの兄だ。お前に仕事を奪われミスを押し付けれられたせいで、自ら死を選んだあいつのな。今度はお前が奪われるばんだ…彼女も、仕事もな。」

「あなたの浮気は、匿名とくめいであなたの会社に報告済みよ。もうすぐ調査が始まって、あなたはプロジェクトから外されるでしょう。自分がしてきたことが、自分を破滅はめつさせるのよ。これをに、あらためることね。」

「次の仕事、らくに見つけられると思うな。お前が本来ほんらい婚約するはずだった方は、ある財閥ざいばつのお嬢さんだ。お前の話は、多くの人が知るところとなるだろう。」

 私の期間限定の婚約者だった男は、その場で泣きくずれた─。

※※※

「俺の復讐に、君まで巻き込んでごめん。」

「ううん、婚約者のあなたの力になりたかったから…。それに、あやまるのは私の方よ。私、約束破っちゃた。あいつに、触れられたわ。だから、早く忘れさせて…?」

 彼は私を抱きしめると、そっとキスを落とした─。

※※※

 この婚約は、契約です。
 期間が終了すれば、関係は解消して下さい。
 ちなみに、契約期間の更新はありません。
 
 そう依頼を受け、あいつと婚約した私。

 まさかその男が私の婚約者の復讐相手だったとは、思わぬ幸運こううんだったわ。

 あの男は自滅じめつし、社会的制裁しゃかいてきせいさいを受ける。

 そして復讐を果たした私たちは…これから、幸せに生きていくわ─。
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