浪費癖の激しい女は嫌いだと私を捨てた婚約者は、義妹を選びましたが…今では後悔してます。

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浪費癖の激しい女は嫌いだと私を捨てた婚約者は、義妹を選びましたが…今では後悔してます。

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 ある日私は、婚約者に大事な話があると呼び出された。

「お前とは、もう婚約破棄する。」

「ど、どうしてです!?」

「それは…お前の浪費癖だ!」

「私の…?」

「お前…次から次に、ドレスを買い込みすぎだ!いや…ドレスだけでなく、靴や髪留めもだ!お前の様な浪費癖の激しい女が妻になったら、俺はとんでもなく苦労する事になるだろう。そんなの、お断りだからな。」

「あの…これはそういうのではなく─」

「自分で買ったんじゃ無いと言うなら…男にでも貢がせたんだろう?俺は知って居るんだ…。お前は、地味な癖にとんでもない男好きで…欲しい物を、男に貢がせているんだって事を─!」

 何を、言ってるの…?
 一体何の根拠があって、私が殿方に貢物をさせて居るなど─。

「とにかく、お前とは別れる!俺の気持ちは、既に固まって居るんだ!」

 そう言って、彼は私の元を去って行った。

 それから、暫くして─。

「彼と、婚約…?」

「そうなのよ、お姉様。彼が、どうしても私を婚約者に迎えてたいって…。まぁ、彼は美形だし…家柄も申し分ないし…私、その話をお受けしようと思って。」

「そ、そう…。」

「何だか、お姉様のお相手を私が奪っちゃったみたいだけど…悪く思わないでね?」
 
 そう言って、上目遣いで私を見つめるのは…この地に戻って来た義妹だった。

 彼女はとても可愛らしく、そして愛嬌のある性格で…すぐに、この地の殿方を虜にした。

 ひょっとして…彼が急に心変わりしたのは、私の浪費癖という理由以外に、この子の事があったからじゃ─。

「お姉様…怒ってる?」

「そういう、訳じゃ─。」

※※※

「…それで、お姉様に報告したんだけれど…何だか、落ち込んでたみたい。もしかして…まだあなたに未練があるのかも。」

「ハハハ…あいつが今更復縁を求ても、俺が靡く訳ないじゃないか。地味な癖に男に貢がせ、おまけに浪費癖が激しい女などもう要らないよ。」

 良かった…。
 彼ったら、私の言った事をすっかり真に受けてるわね。

 お姉様が、男に貢がせる悪女というのは…私が付いた真っ赤な嘘だ。

 私はこの彼を手に入れる為に、そんな嘘を付いて見せた。

 でも…お姉様がどうして毎日、違うドレスを着る事が出来たのか…。
 だって、お姉様のドレスは─。

 そう疑問に思いつつも…私はすぐにそんな事を忘れ、彼との仲に溺れて行った。

 そして、私と彼は正式に婚約し…それを祝う、パーティーの日を迎えた。

 一応、お姉様の事は招待したけど…恥ずかしくて、きっと出席はしないはず…。

 そう、思って居たのに…なのに、どうしてあんな姿で─!

「お前…そんなドレスも持って居たんだな?どうせまた、男に媚を売って買わせたんだろう!?」

 そんな姉の姿を見た彼が、姉に突っかかって行く。

「私はそんな事はしません!」

「じゃあ、どうしてそんな高価な物が買えるんだ!いくらお前でも、そうそう服を買い替える金など─」

「このドレスは…元は俺の妹の物だ。それを、彼女に譲っただけの事─。」

※※※

「お前が…?お前、この女とどういう関係だ?」

「俺は、彼女の幼馴染だ。」

「これまでの服は…皆、彼の妹達や、お姉様から譲り受けた物です。何せ私は…自分のドレスを、全て失ってしまいましたから。」

「な、何でそんな事に…?」

「それは…全て、そこに居る妹のせいです。」

「何!?」

「妹が私のドレス借りる振りをして、次から次に売りに出してしまったんです。返して欲しいと言っても、一向に戻って来なくて…。それを幼馴染である彼に話したら…家にあるドレスを、全て私に譲ってくれたんです。」

「俺の家は…俺以外、全て女の姉妹ばかりだからな。しかも、それを知った俺の母まで自分の友人達に声をかけ…着なくなったドレスを彼女にあげて…それこそ彼女は、毎日が着せ替え人形状態だった。」

「じゃあ、男に貢がせたというのは…?」

「妹がついた嘘ですよ。むしろ…男に貢がせ罰を受けたのは、その子の方です。」

「お、お姉様…余計な事言わないでよ!」

「その子は、留学先の学園で男子生徒達を虜にし…そして彼らに、色んな物を貢がせた。それが余りにエスカレートして…ついに、退学させられてしまった。それで、こちらに戻って来たのです。そして今になり、その貢いだお金を返せと彼らに迫られたらしく…それで、私のドレスを売ったという事が判明したのです。」

「そ、そんな…。」

「私は、どうしてこの子があんな事をしたか…漸く納得がいきました。私…あなたみたいな子は、もう妹として見る事は出来ません。お父様も言ってました…恥晒しのお前とは、もう縁を切ると─。」

「えぇ!?」

 義妹は、私の言葉に放心状態となった。

「彼女は、堅実で真面目な女性だ。そんな事も分からず、あっさり妹の嘘に騙されるとは…何て愚かな男だ。彼女とは正反対の、そんな悪女を選んで…お前はこの先、さぞや苦労するだろうな。」

 そして…幼馴染の言葉に、元婚約者はガクリとその場に崩れ落ちたのだった─。

※※※

 幼馴染の言葉通り…元婚約者は、婚約早々に苦労をする事となった。

 というのも…妹の婚約者が、名家で金持ちの男と知った被害者達が、次々と彼の元に押し寄せ…一気に金の返済を迫ったからだ。
 すると、その勢いに恐れをなした彼は…妹の代わりに、泣く泣くお金を払った。

 そのせいで、財産はすっかり底を付き…破産寸前だそうだ。

 そして義妹は…この状況に怒った彼により、どこかの娼館に売り飛ばされ…それきり行方知れずとなった。

 一方、私はというと…幼馴染の家に迎えられ、彼のお母様やお姉様に可愛がられ、妹達とも仲良く過ごしている。

 というのも…今回の事がきっかけで、私は幼馴染と婚約する事になったからだ。

 実は、あの後私と二人きりになった時…彼は私の事を、好きだと…婚約者に迎えたいと、そう告白してくれたのだ。

 今まで、彼の事はただの幼馴染としか思って居なかったけれど…義妹や元婚約者から私を助けてくれたり、私の良い所を見つけてくれた彼に、私は次第に惹かれて行き…そして、彼の気持ちに応える事にしたのだ。

 こうして、彼の家族に大事にされ…そして彼に愛され…私は今、毎日がとても幸せだ─。
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