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王子の婚約者の聖女ですが婚約破棄に…でもこれで苦しみから解放されるので、妹には感謝です。
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聖女の私は、この国の王子の妃に選ばれた。
周りの人々はとても喜び祝ってくれたが…そうでない人物が一人。
それは、私の妹だった。
「どうしてお姉様なのよ…私だって、聖女としてはそこそこの力があるのに!っていうか、妃ならその容姿も重要視されないとおかしいわよね!?」
「王は…それについては、特に仰っていません。私が適任だと…ただそう選ばれただけですから。」
そして私は城の使者によって、神殿から城へと連れて行かれた─。
※※※
「お前の様な地味な女が、俺の妃…?」
「…申し訳ありません。」
「まぁ、お前も王に言われては断れないだろうからな。分かった、妃はお前でいい。だが…愛してやる事はないぞ?俺には、何人か愛人が居るからな。」
そう言ってニヤリと笑う王子に、私は妃の証であるティアラに触れると、一つ溜息を吐いた─。
それから数日後の事だ。
妹が神殿を辞め、私の元を訪ねて来た。
「王子…私はもう、姉の元にしか行き場がないんです。今更神殿には戻れないの…。姉の世話を何でもするので、どうぞここに置いて下さい!」
「あぁ、構わんぞ。美しい女は大歓迎だ!」
妹を気に入った王子は、すぐに彼女を受け入れた。
そして…妹が私の世話係ではなく、王子の愛人になるまでにそう時間はかからなかった。
「王子はね、愛人の中でも一番私が好きだって!それにね…妃にするなら、姉よりお前が良いとまで言ってくれたわ!」
「…そう。」
「だから…お姉様に代わり、私が妃になってあげる!王様は最近体調が悪く表舞台から遠ざかってらっしゃるし、今なら文句は言えないわ。王子も、是非そうしろと言ってるのよ?」
「…分かったわ。ならばこちらに来て?妃の証である、このティアラを授けたいの。」
妹は、期待に満ちた表情でに跪いた。
「…これで、あなたが妃よ。」
私はティアラを外し、妹の頭に乗せた。
あぁ…これで私は、ここを去る事が出来る─。
※※※
「やった…ついに、邪魔者のお姉様を追い出してやったわ!それにしても…このティアラは見事な物ね。私なら、そう簡単に手放さな…痛い!」
私は頭に走った激痛に、その場にしゃがみこんだ。
ティアラが、頭を締め付けて─!?
目を閉じ痛みに耐えれば、頭の中にある情景が浮かんできた。
それは、王子が愛人の一人と抱き合う姿だった。
「その愛人とは、別れたって言ってたじゃない…王子、私を騙してたのね!あ、頭が痛い…頭が割れる!」
すると…王子が女の元を去った途端、頭の痛みは消えた。
私はホッと一息つき、そのティアラを外そうとしたが…何故か外れない。
どうして?
お姉様は、簡単に外してたのに!?
その後も私は、ティアラが与える痛みに何度も襲われた。
そしてその痛みは、いつも王子の不貞行為によって引き起こされるのだ。
「だから、浮気は辞めてって言ってるでしょう!王子のせいで、頭が痛くて仕方ないの!」
「…そんなの知るか!女の癖に…この俺を責めるな!」
※※※
「それで、私にそのティアラを外して貰おうとやって来たのね?でもそれを外したら、あなたは妃でなくなるけど…。」
「もう妃なんて、どうでもいいわよ!この痛みとあの節操なし王子には、もう懲り懲りなのよ~!」
妹は号泣し、私に縋った。
「私はあの時…自身の力を全て使い切り、そのティアラを外したの。そのティアラはね、妃の証とは名ばかり…ある目的で作られた物よ。それは…王子の罪を、妃が代わりに受ける為の転送装置の役割を果たしているの。」
「王子の、罪?」
「知っての通り、あの人は多くの女を弄び捨ててるでしょう?そのせいで、恨みを買ったり呪われたり…。いずれ、この国の王になる者なのにね。それに困った王は、聖女である私を妃に迎えそのティアラを付けさせる事で、王子の罪を浄化しようと考えたの。」
「なんて身勝手な…。」
「でしょう。私もその痛みには苦しめられたわ。まぁ…聖女の修業よりはマシだったけど。あれだけの厳しい修行に耐えたから、痛みも我慢できたし…何より外す事ができたたのよ。でも…修行をサボってたあなたには、それは無理ね。もう諦めて、一生それを頭に乗せてるしかないわ。」
「そ、そんなの嫌─!」
結局妹はティアラを外す手立てが見つからず…迎えに来た城の使者に連れられ、泣く泣く城へと戻った。
そして今も王子の元で、その痛みに苦しんでいるらしい。
妹はその痛みのせいで体が弱り、ご自慢の美貌もすっかり失われ…今はもう王子に見向きもされずにいる。
そんな王子に恨みを持った妹は、自身の聖女の力を使い密かに王子を呪い殺そうとしていると聞くが─。
妹の身体が壊れるのが先か、王子がこの世を去るのが先か…。
まぁ…あの国を出て好きな方の元へ嫁いだ私には、どちらが先に身を滅ぼそうが構わないけどね─。
周りの人々はとても喜び祝ってくれたが…そうでない人物が一人。
それは、私の妹だった。
「どうしてお姉様なのよ…私だって、聖女としてはそこそこの力があるのに!っていうか、妃ならその容姿も重要視されないとおかしいわよね!?」
「王は…それについては、特に仰っていません。私が適任だと…ただそう選ばれただけですから。」
そして私は城の使者によって、神殿から城へと連れて行かれた─。
※※※
「お前の様な地味な女が、俺の妃…?」
「…申し訳ありません。」
「まぁ、お前も王に言われては断れないだろうからな。分かった、妃はお前でいい。だが…愛してやる事はないぞ?俺には、何人か愛人が居るからな。」
そう言ってニヤリと笑う王子に、私は妃の証であるティアラに触れると、一つ溜息を吐いた─。
それから数日後の事だ。
妹が神殿を辞め、私の元を訪ねて来た。
「王子…私はもう、姉の元にしか行き場がないんです。今更神殿には戻れないの…。姉の世話を何でもするので、どうぞここに置いて下さい!」
「あぁ、構わんぞ。美しい女は大歓迎だ!」
妹を気に入った王子は、すぐに彼女を受け入れた。
そして…妹が私の世話係ではなく、王子の愛人になるまでにそう時間はかからなかった。
「王子はね、愛人の中でも一番私が好きだって!それにね…妃にするなら、姉よりお前が良いとまで言ってくれたわ!」
「…そう。」
「だから…お姉様に代わり、私が妃になってあげる!王様は最近体調が悪く表舞台から遠ざかってらっしゃるし、今なら文句は言えないわ。王子も、是非そうしろと言ってるのよ?」
「…分かったわ。ならばこちらに来て?妃の証である、このティアラを授けたいの。」
妹は、期待に満ちた表情でに跪いた。
「…これで、あなたが妃よ。」
私はティアラを外し、妹の頭に乗せた。
あぁ…これで私は、ここを去る事が出来る─。
※※※
「やった…ついに、邪魔者のお姉様を追い出してやったわ!それにしても…このティアラは見事な物ね。私なら、そう簡単に手放さな…痛い!」
私は頭に走った激痛に、その場にしゃがみこんだ。
ティアラが、頭を締め付けて─!?
目を閉じ痛みに耐えれば、頭の中にある情景が浮かんできた。
それは、王子が愛人の一人と抱き合う姿だった。
「その愛人とは、別れたって言ってたじゃない…王子、私を騙してたのね!あ、頭が痛い…頭が割れる!」
すると…王子が女の元を去った途端、頭の痛みは消えた。
私はホッと一息つき、そのティアラを外そうとしたが…何故か外れない。
どうして?
お姉様は、簡単に外してたのに!?
その後も私は、ティアラが与える痛みに何度も襲われた。
そしてその痛みは、いつも王子の不貞行為によって引き起こされるのだ。
「だから、浮気は辞めてって言ってるでしょう!王子のせいで、頭が痛くて仕方ないの!」
「…そんなの知るか!女の癖に…この俺を責めるな!」
※※※
「それで、私にそのティアラを外して貰おうとやって来たのね?でもそれを外したら、あなたは妃でなくなるけど…。」
「もう妃なんて、どうでもいいわよ!この痛みとあの節操なし王子には、もう懲り懲りなのよ~!」
妹は号泣し、私に縋った。
「私はあの時…自身の力を全て使い切り、そのティアラを外したの。そのティアラはね、妃の証とは名ばかり…ある目的で作られた物よ。それは…王子の罪を、妃が代わりに受ける為の転送装置の役割を果たしているの。」
「王子の、罪?」
「知っての通り、あの人は多くの女を弄び捨ててるでしょう?そのせいで、恨みを買ったり呪われたり…。いずれ、この国の王になる者なのにね。それに困った王は、聖女である私を妃に迎えそのティアラを付けさせる事で、王子の罪を浄化しようと考えたの。」
「なんて身勝手な…。」
「でしょう。私もその痛みには苦しめられたわ。まぁ…聖女の修業よりはマシだったけど。あれだけの厳しい修行に耐えたから、痛みも我慢できたし…何より外す事ができたたのよ。でも…修行をサボってたあなたには、それは無理ね。もう諦めて、一生それを頭に乗せてるしかないわ。」
「そ、そんなの嫌─!」
結局妹はティアラを外す手立てが見つからず…迎えに来た城の使者に連れられ、泣く泣く城へと戻った。
そして今も王子の元で、その痛みに苦しんでいるらしい。
妹はその痛みのせいで体が弱り、ご自慢の美貌もすっかり失われ…今はもう王子に見向きもされずにいる。
そんな王子に恨みを持った妹は、自身の聖女の力を使い密かに王子を呪い殺そうとしていると聞くが─。
妹の身体が壊れるのが先か、王子がこの世を去るのが先か…。
まぁ…あの国を出て好きな方の元へ嫁いだ私には、どちらが先に身を滅ぼそうが構わないけどね─。
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