その愛が過ちであっても、自信満々な婚約者様には呆れました…どうぞ妹と破滅なさって?

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その愛が過ちであっても、自信満々な婚約者様には呆れました…どうぞ妹と破滅なさって?

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「…もう婚約破棄だ。そして、お前を追放する!悪女のお前が居なくなれば、この地は安泰だ。お前が居なくなっても、俺には彼女が居るから心配ない。俺を正しい愛に導いてくれた、彼女が─。」

 そう言って冷たい目で見る、領主でもある私の婚約者。

 何がこの地は安泰よ…この地は間もなく滅びるわ。
 
 そして、何が正しい愛よ…。
 その愛が過ちであっても、自信満々なあなたには呆れました…このままどうぞ、妹と破滅なさって─?

※※※

 私は、この地を守る聖女だった。
 
「またご神託がありましたので、ご報告致します。」

「そうか。しかし君の予言は本当によく当たる。この地が栄えているのも、君のおかげだ。」

「領主様…私、これからもあなたとこの地の為に尽くします。」

 しかし、そんな私の前にある不幸が訪れた─。

「妹が、聖女の力に目覚めた?」

「そうだ。突然神託を受けたと言って、ここを訪ねて来たんだ。」

「領主様、お姉様の力は当てになりません。」

「あ、あなた、何を言い出すの!?」

「この先彼女の神託は当たりません、そう言い切れます。もしこれが当たったら私が本物の聖女様、逆にあなたは聖女失格で宜しいですね?」

 それからだった、私の神託がことごとく外れる様になったのは─。

 するとそれを見た彼は、次第に私の力を疑う様になった。
 
「…やはり君の言う通りだった、あの女はもう駄目だ。」

「外れるだけならいいんです。あの女はあなたとこの地を不幸にすると、そう神託がありました。」

「何!?」

 その後は私がそれをどんなに否定をしても、彼は信じてはくれなかった。
 
 そして今では、全く私の話を聞こうとしない。

「…これで最後にしますから、どうぞ私の話を聞いて下さい。」

「うるさい!俺は今、彼女と話をしているんだ!」
 
「そうよ、お姉様は気が利かないわね!」

「お前の言葉など聞く価値もない、どうせ当たらないんだから。それより俺の話を聞け、お前とは─。」

 そして告げられたのが、あの婚約破棄と追放だった─。

※※※

 私があの地を出て、三ヶ月程経った頃。

 神殿の泉に元婚約者と妹の姿が映し出された。

『頼む、俺たちを助けてくれ!』

『そうよ、あなたが何とかしてよ!』

「無理です。誰がそんな所に行きますか、そんな自然災害が多発する地など。」

 私が予言したのは、あの地が大地震と嵐に襲われた上に、洪水に襲われるというものだった。

「どうせ残っているのはあなたと妹とそれに付き従う者達くらいでしょう?それ以外のあの地の民は、私の予言を聞いてとっくに脱出してます。私を信じず蔑ろにした者たちなど、どうなろうと知りません。」

『お姉様、あなたは何て悪女なの!?』

「その言葉、そっくりあなたにお返しします。私の神託を邪魔していたのは、あなたでしょう?あなたが裏で色々と小細工をしていたから、私の神託が当たらなくなっただけの事。あなたは以前から、彼の事が好きだったものね。どうせ彼を手に入れる為に、私をそうして陥れたのでしょう?」

『お前、本当か!?』

『そ、それは…。』

「あなたにその子を責める資格はありませんよ。私の言葉を全く聞こうともせず、偽りの愛を信じたんですから。それが、この悲劇の結果を生む事になったのです。」

『本当に悪かったよ…だからどうにか、俺だけでも助けろ!』

『ちょっと、私を見捨てる気!?』

「あなたたち…もうそれ以上、醜い姿を晒さないで。私は、今は別の領地で聖女をやって居ます。ですからそこへは行けませんので、二度と助けを求めないで下さい。まぁ…もうしたくてもできないでしょうけど。あなたたちは、もうすぐ─。」

 そして泉には、何も映らなくなった─。

「…領主様、あの地は滅びました。」

「そうか。あの地の善良な民が死ななかったのは、君のおかげだ。あの無能に代わってお礼を言うよ。」

「お礼など、とんでもないです。それは、拾って貰った私が言う事ですわ。」

 領主様は、そんな私をそっと抱きしめた。

「俺は、あの地の神殿で君を見た時からずっと好きだったんだ。あの無能が君の妹に鼻の下を伸ばす横で、君は一生懸命に祈りを捧げていた。その眼差しに、俺は一目惚れしたんだ。どうかこれからもこの地に…俺の傍に居て欲しい。」

「はい、喜んで─。」

 追放先で偶然にも素敵な領主様と出会い、その領地を守る聖女の役目に付く事となった私は…こうして今は、彼の傍で幸せに暮らして居る。

 一方、偽りの愛を信じたあの男は、嘘つきな妹と共に破滅し…あの地と共に、その身を滅ぼす事となったのだ。
 でもそれも、全て自業自得よね─。 
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