6 / 7
side伊織
5
しおりを挟む
ふと、目の前から霜月が消えた。いや、消えたんじゃない。兄に吹っ飛ばされたんだ。だって今俺の前には、グレアを剥き出しにした兄が立っているから。
左を見ると、体制を崩して座り込んでいる霜月が目に映った。げほげほと胸を押さえて苦しそうに咳き込んでいる。俺は大きく目を見開き驚きに声も出せないでいると、強く霜月を睨んでいた兄はギリッと音が聞こえる程強く歯を食いしばった。
「……ふざけるな……、ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!!!!伊織は、僕の弟は、兄の物だ!彼が生まれた時からずっと!」
誰がお前の物だと思いながらも、こんなに近くに上位αのグレアがある為に震えが止まらない。今にも膝から崩れ落ちそうだ。
怖い、立ってなきゃ、助けて、怖い、動け、αは絶対だ、足が震える、怖い、声が出ない、行かなきゃ、嫌だ、怖い、助けて、霜月……。
まるで重力に押し潰されるかのような感覚に、顔が俯き始めた時、俺はどうせならと力を振り絞って重たい口を開いた。
「……あ、……んた、は……、弟の事……なんて、愛してないだろ……」
「………、は?」
ふっ、とグレアが消えた。あまりに突然の事に、俺は驚いて腰がぬけ尻餅をつく。兄は唖然とした表情で、俺を上から見下ろしていた。俺と同じ橙色の髪が、さらりと揺れる。
「伊織、何を言っているんだい?僕は常に貴方を愛しているし、弟としてとても大切にしている。今だってほら!良い香りにしてあげた、制服も与えた、生徒会室への入室も許可したし、伊織に危害は与えていない。僕は伊織を愛している!弟だよ、大切だよ、宝物だよ。僕の、僕だけの……」
「………、お、れは、お前の人形なんかじゃない」
「っ……」
兄が言葉に詰まった様子を見て、俺は彼を警戒しながらズボンについた埃を払いながら立ち上がる。そして軽くなった足で霜月の元へ駆け寄った。未だに苦しそうに座り込んでいる彼の元に膝をつき、手を差し伸べる。
「大丈夫か、霜月。早くここから出よう。あいつも人前なら下手に手出しは出来ないはず」
「伊織が、僕を心配してくれてる……?ゆめ、これ夢かな。だって僕を心配してくれてるって事は、つまり僕に好意を抱いてるって事だよね?可愛いっ、可愛い可愛い伊織!大好きだよぉぉっ♡」
「ぐっ……。い、今はそんな事してる場合じゃないだろ!相も変わらず気色悪いなっ、早く立て」
頬を赤らめはあはあと呼吸を荒くする霜月に若干引きながら、無理矢理彼の手を掴み引き上げる。兄に止められる前に退出しなければと、俺は霜月を引っ張りながら走って生徒会室の扉を開けた。部屋から出て扉を閉めようとした時、絶望したかのような表情で呆然と宙を見つめる兄を、俺は見た。
◇◇◇◇◇
生徒会室に1人残された伊月は、十数分経った後、ようやく言葉を発した。乾いた声だった。
「僕が伊織を人形だなんて思ってるわけがない。だって僕はこんなに伊織を愛しているんだもの」
誰に言う訳でもない。ただの一人言、ただ自分に言い聞かせるような言葉。それはその発言だけに留まらず、彼の口からボロボロと言葉が溢れていく。
「そうだ、そうだよ。綺麗にしてあげたし、壊れないよう守ったし、食事も水分も与えた。ほら、愛してる。誰も異論なんてないはずだ。僕は伊織を愛してる、愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる!!!……そう、愛してる……」
普段なら絶対に上げない大きな声を出し、伊月は麗しの瞳が溢れそうな程目を見開いて崩れ落ちた。しゃがみこむ気力もなく、彼は生徒会室の床に横たわる。掃除されているそこは埃もなく美しいが、生徒会長様が横になる程綺麗でもなかった。そんな事を気にも止めず彼はぼそ、と呟く。
「愛って、何なんだよ……。……ねぇ、教えてよ、伊織……。……いおり……どこ……?……おねがい、ちかくにいて……。おねがい、おねがいだから、ぼくからはなれないで……。………おねがい………」
まるで子供のような小さな声と共に、床に数滴の水が落ちた。
◇◇◇◇◇
生徒会室から出てしばらく走った俺らは、兄が追いかけて来ない事にほっとして保健室に足を運んでいた。高位αに急所を蹴られたんだ、いくら霜月でも人溜まりもないだろう。保健室にはいつもいる養護教諭の先生は居らず、「少し空けます、待っててにゃ♡」と書かれた紙が置かれていた。ちなみに養護教諭は50代前半のおじはんである。αな。
「霜月、取り敢えずそこの椅子に座ってろ。応急手当くらいなら俺でも出来る」
「伊織が優しい……♡困難を乗り越えて2人は結ばれました、的な?でも僕、生徒会長に蹴飛ばされた活躍しかしてないから、惚れてもらえなかっただろうけど。あーー、マジ許さない、あの暴君。離縁した方がいいよ伊織、そんでもって僕の弟になりなよ」
「ならない。それに安心しろ、俺はお前に惚れたから」
「んえー、それはざんね………ん?」
首を傾げた霜月のブラウスをめくりあげ、青アザが出来ている彼の腹にジュッと消毒液を吹き掛ける。「痛ァ!」と声が聞こえたが無視して取り敢えず絆創膏を張っておいた。アザの範囲が広い為、軽く10枚くらいは張っておく。
「ちょ、張りすぎじゃなぁい?伊織。……いやそうじゃなくて!え、今さ、惚れたって言った?伊織が僕に」
「あぁ、言ったな」
「……え……っ?えぇ?!!え、え、え!!ほんとに?!そ、それってもしかしなくても、僕の事好きって事だよね?僕に恋してたって事だよね?!!」
「うるさいな……。そうだよ、お前と同じ気持ちだよ。慧弥」
彼の青色の目を見てそう言った俺に、霜月は白い綺麗な肌をぼっ!と顔を赤くさせた。まるで茹でタコである。
「えっ、なっ、あっ、じゃ、じゃあ!ぼ、僕と、これからも付き合ってくれるって事?」
「そうだって言ってるだろ。俺を愛してくれるお前の側は、心地いいしな」
そう言って、先程の霜月の言葉を思い返す。
お願い、僕を愛して。他でもない、君が。
そう言った彼はきっと、兄とは違って俺を見てくれるんだろう。俺を、愛してくれるんだろう。それを知って思った。好きだ、と。
これでフラれてはざまあないな、と思いながらちらっと恐る恐る霜月の方を見ると、ぷるぷると震えながら涙目でこちらを見つめてきていた。
「……嬉しいっ……。嬉しい嬉しい嬉しい!!!これからも宜しくね!伊織」
ちゅうぅぅぅ♡
霜月の言葉と共に、目の前に付き出された綺麗な顔と、破廉恥な音。
?!?!?!
きっと俺の顔は今真っ赤になっているだろう。こいつ、何の断りもなく!
怒りと恥ずかしさのまま、俺は霜月の頬に自分の手を振りかざしたのだった。
◇◇◇◇◇
『別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた』side伊織編、無事完結です。
これまで読んでくださり、ありがとうございました。
これからも気が向いたら、今度はside慧弥編をポツポツと投稿していく予定ですので、宜しければそちらもご覧ください。
本当にありがとうございました。どうか新作も読んでいただけると幸いです。
左を見ると、体制を崩して座り込んでいる霜月が目に映った。げほげほと胸を押さえて苦しそうに咳き込んでいる。俺は大きく目を見開き驚きに声も出せないでいると、強く霜月を睨んでいた兄はギリッと音が聞こえる程強く歯を食いしばった。
「……ふざけるな……、ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!!!!伊織は、僕の弟は、兄の物だ!彼が生まれた時からずっと!」
誰がお前の物だと思いながらも、こんなに近くに上位αのグレアがある為に震えが止まらない。今にも膝から崩れ落ちそうだ。
怖い、立ってなきゃ、助けて、怖い、動け、αは絶対だ、足が震える、怖い、声が出ない、行かなきゃ、嫌だ、怖い、助けて、霜月……。
まるで重力に押し潰されるかのような感覚に、顔が俯き始めた時、俺はどうせならと力を振り絞って重たい口を開いた。
「……あ、……んた、は……、弟の事……なんて、愛してないだろ……」
「………、は?」
ふっ、とグレアが消えた。あまりに突然の事に、俺は驚いて腰がぬけ尻餅をつく。兄は唖然とした表情で、俺を上から見下ろしていた。俺と同じ橙色の髪が、さらりと揺れる。
「伊織、何を言っているんだい?僕は常に貴方を愛しているし、弟としてとても大切にしている。今だってほら!良い香りにしてあげた、制服も与えた、生徒会室への入室も許可したし、伊織に危害は与えていない。僕は伊織を愛している!弟だよ、大切だよ、宝物だよ。僕の、僕だけの……」
「………、お、れは、お前の人形なんかじゃない」
「っ……」
兄が言葉に詰まった様子を見て、俺は彼を警戒しながらズボンについた埃を払いながら立ち上がる。そして軽くなった足で霜月の元へ駆け寄った。未だに苦しそうに座り込んでいる彼の元に膝をつき、手を差し伸べる。
「大丈夫か、霜月。早くここから出よう。あいつも人前なら下手に手出しは出来ないはず」
「伊織が、僕を心配してくれてる……?ゆめ、これ夢かな。だって僕を心配してくれてるって事は、つまり僕に好意を抱いてるって事だよね?可愛いっ、可愛い可愛い伊織!大好きだよぉぉっ♡」
「ぐっ……。い、今はそんな事してる場合じゃないだろ!相も変わらず気色悪いなっ、早く立て」
頬を赤らめはあはあと呼吸を荒くする霜月に若干引きながら、無理矢理彼の手を掴み引き上げる。兄に止められる前に退出しなければと、俺は霜月を引っ張りながら走って生徒会室の扉を開けた。部屋から出て扉を閉めようとした時、絶望したかのような表情で呆然と宙を見つめる兄を、俺は見た。
◇◇◇◇◇
生徒会室に1人残された伊月は、十数分経った後、ようやく言葉を発した。乾いた声だった。
「僕が伊織を人形だなんて思ってるわけがない。だって僕はこんなに伊織を愛しているんだもの」
誰に言う訳でもない。ただの一人言、ただ自分に言い聞かせるような言葉。それはその発言だけに留まらず、彼の口からボロボロと言葉が溢れていく。
「そうだ、そうだよ。綺麗にしてあげたし、壊れないよう守ったし、食事も水分も与えた。ほら、愛してる。誰も異論なんてないはずだ。僕は伊織を愛してる、愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる!!!……そう、愛してる……」
普段なら絶対に上げない大きな声を出し、伊月は麗しの瞳が溢れそうな程目を見開いて崩れ落ちた。しゃがみこむ気力もなく、彼は生徒会室の床に横たわる。掃除されているそこは埃もなく美しいが、生徒会長様が横になる程綺麗でもなかった。そんな事を気にも止めず彼はぼそ、と呟く。
「愛って、何なんだよ……。……ねぇ、教えてよ、伊織……。……いおり……どこ……?……おねがい、ちかくにいて……。おねがい、おねがいだから、ぼくからはなれないで……。………おねがい………」
まるで子供のような小さな声と共に、床に数滴の水が落ちた。
◇◇◇◇◇
生徒会室から出てしばらく走った俺らは、兄が追いかけて来ない事にほっとして保健室に足を運んでいた。高位αに急所を蹴られたんだ、いくら霜月でも人溜まりもないだろう。保健室にはいつもいる養護教諭の先生は居らず、「少し空けます、待っててにゃ♡」と書かれた紙が置かれていた。ちなみに養護教諭は50代前半のおじはんである。αな。
「霜月、取り敢えずそこの椅子に座ってろ。応急手当くらいなら俺でも出来る」
「伊織が優しい……♡困難を乗り越えて2人は結ばれました、的な?でも僕、生徒会長に蹴飛ばされた活躍しかしてないから、惚れてもらえなかっただろうけど。あーー、マジ許さない、あの暴君。離縁した方がいいよ伊織、そんでもって僕の弟になりなよ」
「ならない。それに安心しろ、俺はお前に惚れたから」
「んえー、それはざんね………ん?」
首を傾げた霜月のブラウスをめくりあげ、青アザが出来ている彼の腹にジュッと消毒液を吹き掛ける。「痛ァ!」と声が聞こえたが無視して取り敢えず絆創膏を張っておいた。アザの範囲が広い為、軽く10枚くらいは張っておく。
「ちょ、張りすぎじゃなぁい?伊織。……いやそうじゃなくて!え、今さ、惚れたって言った?伊織が僕に」
「あぁ、言ったな」
「……え……っ?えぇ?!!え、え、え!!ほんとに?!そ、それってもしかしなくても、僕の事好きって事だよね?僕に恋してたって事だよね?!!」
「うるさいな……。そうだよ、お前と同じ気持ちだよ。慧弥」
彼の青色の目を見てそう言った俺に、霜月は白い綺麗な肌をぼっ!と顔を赤くさせた。まるで茹でタコである。
「えっ、なっ、あっ、じゃ、じゃあ!ぼ、僕と、これからも付き合ってくれるって事?」
「そうだって言ってるだろ。俺を愛してくれるお前の側は、心地いいしな」
そう言って、先程の霜月の言葉を思い返す。
お願い、僕を愛して。他でもない、君が。
そう言った彼はきっと、兄とは違って俺を見てくれるんだろう。俺を、愛してくれるんだろう。それを知って思った。好きだ、と。
これでフラれてはざまあないな、と思いながらちらっと恐る恐る霜月の方を見ると、ぷるぷると震えながら涙目でこちらを見つめてきていた。
「……嬉しいっ……。嬉しい嬉しい嬉しい!!!これからも宜しくね!伊織」
ちゅうぅぅぅ♡
霜月の言葉と共に、目の前に付き出された綺麗な顔と、破廉恥な音。
?!?!?!
きっと俺の顔は今真っ赤になっているだろう。こいつ、何の断りもなく!
怒りと恥ずかしさのまま、俺は霜月の頬に自分の手を振りかざしたのだった。
◇◇◇◇◇
『別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた』side伊織編、無事完結です。
これまで読んでくださり、ありがとうございました。
これからも気が向いたら、今度はside慧弥編をポツポツと投稿していく予定ですので、宜しければそちらもご覧ください。
本当にありがとうございました。どうか新作も読んでいただけると幸いです。
832
あなたにおすすめの小説
僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
縁結びオメガと不遇のアルファ
くま
BL
お見合い相手に必ず運命の相手が現れ破談になる柊弥生、いつしか縁結びオメガと揶揄されるようになり、山のようなお見合いを押しつけられる弥生、そんな折、中学の同級生で今は有名会社のエリート、藤宮暁アルファが泣きついてきた。何でも、この度結婚することになったオメガ女性の元婚約者の女になって欲しいと。無神経な事を言ってきた暁を一昨日来やがれと追い返すも、なんと、次のお見合い相手はそのアルファ男性だった。
彼氏の優先順位[本編完結]
セイ
BL
一目惚れした彼に告白されて晴れて恋人になったというのに彼と彼の幼馴染との距離が気になりすぎる!恋人の僕より一緒にいるんじゃない?は…!!もしかして恋人になったのは夢だった?と悩みまくる受けのお話。
メインの青衣×青空の話、幼馴染の茜の話、友人倉橋の数話ずつの短編構成です。それぞれの恋愛をお楽しみください。
彼はオレを推しているらしい
まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。
どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...?
きっかけは突然の雨。
ほのぼのした世界観が書きたくて。
4話で完結です(執筆済み)
需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*)
もし良ければコメントお待ちしております。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
偽物の運命〜αの幼馴染はβの俺を愛しすぎている〜
一寸光陰
BL
楠涼夜はカッコよくて、優しくて、明るくて、みんなの人気者だ。
しかし、1つだけ欠点がある。
彼は何故か俺、中町幹斗のことを運命の番だと思い込んでいる。
俺は平々凡々なベータであり、決して運命なんて言葉は似合わない存在であるのに。
彼に何度言い聞かせても全く信じてもらえず、ずっと俺を運命の番のように扱ってくる。
どうしたら誤解は解けるんだ…?
シリアス回も終盤はありそうですが、基本的にいちゃついてるだけのハッピーな作品になりそうです。
書き慣れてはいませんが、ヤンデレ要素を頑張って取り入れたいと思っているので、温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる