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ヴァルシュタイン領で暮らし始めてから、一週間が過ぎた。
最初の数日は慣れない環境に緊張していたけれど、使用人たちは驚くほど私に親切で、屋敷の中は想像していたよりも穏やかだった。
――ただ、一つを除いては。
それは、公爵様の距離感だ。
朝、食堂に入ると、彼は必ず私が座る席の椅子を引き、自ら紅茶を注いでくれる。
廊下ですれ違えば、私の歩調に合わせて並び、手が触れそうなほど近くを歩く。
しかもその視線は常に私を追っていて、まるで護衛か、あるいは……。
そんなある日の朝食後。
食器を片付けようと立ち上がった私を、低い声が呼び止めた。
「リディア」
「はい?」
「昨日は眠れたか?」
「ええ……暖炉のおかげで」
「ならいい。……だが、毛布が足りないかもしれん。あとで部屋にもう一枚運ばせよう」
毛布は十分すぎるほどあったけれど、否定する間もなく彼は使用人に指示を出してしまう。
その姿を見て、隣にいた執事が苦笑した。
「公爵様は、ご婦人の快適さに関しては非常に……過保護でして」
「過保護……?」
「失礼ながら、リディア様がここに来てからの公爵様は、以前よりもずっと……人間らしくなられました」
人間らしく――その言葉が気になったが、すぐにアレクシスが視線を向けてきたため、それ以上は聞けなかった。
昼過ぎ、書庫で本を読んでいると、扉がノックされる。
「入れ」
低い声とともに扉が開き、アレクシスが入ってきた。
いつも通りの黒い外套ではなく、今日は軽装のシャツ姿だ。
普段よりも近く感じる距離に、思わずページをめくる手が止まった。
「何を読んでいる?」
「……この国の歴史書です。まだ分からないことが多くて」
「ふむ。……なら、俺が教えてやろう」
そう言って彼は私の隣に腰を下ろした。
机を挟まず、椅子を寄せてきたので、肩と肩が触れそうになる。
紙の匂いに混じって、彼の体温と淡い香りが伝わってきて、心臓が落ち着かない。
アレクシスは私の手元の本を取り上げ、指先でページをなぞる。
節のある長い指が、さらりと紙を滑り、文字の上で止まった。
「この戦は十年前、俺が初めて総指揮を執ったものだ」
「……そうだったのですね」
「敵軍を壊滅させたが……あまりいい思い出ではない」
その横顔は淡々としているが、どこか寂しげだった。
戦場でどれほどの血が流れたのか――想像するだけで胸が痛くなる。
私が言葉を探していると、不意に彼がこちらを見た。
「……その顔、やめろ」
「え?」
「同情の目だ。俺はそれが嫌いだ」
鋭い声だったが、私を責めているというより、自分を守っているように感じられた。
私はゆっくり首を振る。
「同情じゃありません。ただ……」
「ただ?」
「……あなたが、そんなに寂しい顔をするのが、嫌なだけです」
一瞬、沈黙が落ちる。
アレクシスの灰色の瞳がわずかに見開かれ、そして、ふっと息を漏らす。
「……お前は、変わっている」
「よく言われます」
そう答えると、彼の口元がほんの少しだけ緩んだ。
けれどその笑みは一瞬で消え、彼はまたいつもの冷たい声に戻る。
「……本を読むなら、もっと明るい場所でにしろ。目を悪くする」
それだけ言い残し、去っていった。
残された私は、胸の奥がほんのり温かくなっていることに気づき、戸惑いながら本を閉じた。
夜。
部屋で髪をほどき、寝る準備をしていた時、再び扉がノックされた。
「誰ですか?」
「俺だ」
アレクシスの声に驚き、慌てて外套を羽織る。
扉を開けると、彼は銀のトレイを持って立っていた。
その上には温かいミルクと、小さな焼き菓子。
「厨房に頼んだ。……眠りやすくなる」
「わざわざ……ありがとうございます」
「礼はいい。飲め」
促されて口をつけると、ふわりと優しい甘みが広がる。
温かさが喉を通り、体の芯まで染み込んでいくようだった。
「……美味しいです」
「ああ」
その短い返事の後、彼は少しだけ私を見つめた。
何かを言いかけたような、その視線。
だが結局何も言わず、「おやすみ」とだけ残して去っていった。
翌朝、廊下を歩いていると、侍女のミーナが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「リディア様! 今日の昼食、公爵様とご一緒に外でお召し上がりになるそうですよ」
「外で……?」
「はい、領地の花園で! 公爵様がお手ずからご案内されるなんて、滅多にないことです」
胸が高鳴るのを感じながら、私は頷いた。
花園は城の裏手に広がっていた。
まだ春には早いはずなのに、温室から運ばれた花々が一面に咲き誇っている。
中央の石造りのテーブルには、色とりどりの料理とワイン。
「……すごい景色です」
「気に入ったなら、いつでも来い」
そう言って椅子を引いてくれるアレクシス。
向かいに座るはずの彼が、なぜか私の隣に腰を下ろす。
「向かいじゃなくて……?」
「お前の顔が見えにくい」
不意に耳まで熱くなった。
冷酷と呼ばれる公爵が、こんなことを言うなんて。
その後も彼は皿に料理を取り分け、ナプキンがずれれば自然に直してくれる。
まるで……恋人のように。
「……公爵様」
「なんだ」
「……どうして、私にここまで?」
答えは、やはりすぐには返ってこなかった。
けれど彼は低く囁く。
「……理由はまだ言えない。だが一つだけ覚えておけ」
「……?」
「俺はお前を、二度と手放さない」
その言葉に、胸が強く締めつけられる。
理由も未来もわからないのに、不思議と――怖くなかった。
……そのときだった。
花園の外れに、馬に乗った伝令兵が駆け込んできた。
「公爵様! 急報です!」
アレクシスの表情が一瞬で鋭さを取り戻す。
彼は立ち上がり、私に短く言った。
「部屋に戻れ。……必ず迎えに行く」
そう言い残し、彼は伝令兵とともに花園を去っていった。
胸の奥に残る温もりと、広がる不安。
私はまだ知らない。
――この出来事が、私と公爵様の関係を一気に動かすことになることを。
最初の数日は慣れない環境に緊張していたけれど、使用人たちは驚くほど私に親切で、屋敷の中は想像していたよりも穏やかだった。
――ただ、一つを除いては。
それは、公爵様の距離感だ。
朝、食堂に入ると、彼は必ず私が座る席の椅子を引き、自ら紅茶を注いでくれる。
廊下ですれ違えば、私の歩調に合わせて並び、手が触れそうなほど近くを歩く。
しかもその視線は常に私を追っていて、まるで護衛か、あるいは……。
そんなある日の朝食後。
食器を片付けようと立ち上がった私を、低い声が呼び止めた。
「リディア」
「はい?」
「昨日は眠れたか?」
「ええ……暖炉のおかげで」
「ならいい。……だが、毛布が足りないかもしれん。あとで部屋にもう一枚運ばせよう」
毛布は十分すぎるほどあったけれど、否定する間もなく彼は使用人に指示を出してしまう。
その姿を見て、隣にいた執事が苦笑した。
「公爵様は、ご婦人の快適さに関しては非常に……過保護でして」
「過保護……?」
「失礼ながら、リディア様がここに来てからの公爵様は、以前よりもずっと……人間らしくなられました」
人間らしく――その言葉が気になったが、すぐにアレクシスが視線を向けてきたため、それ以上は聞けなかった。
昼過ぎ、書庫で本を読んでいると、扉がノックされる。
「入れ」
低い声とともに扉が開き、アレクシスが入ってきた。
いつも通りの黒い外套ではなく、今日は軽装のシャツ姿だ。
普段よりも近く感じる距離に、思わずページをめくる手が止まった。
「何を読んでいる?」
「……この国の歴史書です。まだ分からないことが多くて」
「ふむ。……なら、俺が教えてやろう」
そう言って彼は私の隣に腰を下ろした。
机を挟まず、椅子を寄せてきたので、肩と肩が触れそうになる。
紙の匂いに混じって、彼の体温と淡い香りが伝わってきて、心臓が落ち着かない。
アレクシスは私の手元の本を取り上げ、指先でページをなぞる。
節のある長い指が、さらりと紙を滑り、文字の上で止まった。
「この戦は十年前、俺が初めて総指揮を執ったものだ」
「……そうだったのですね」
「敵軍を壊滅させたが……あまりいい思い出ではない」
その横顔は淡々としているが、どこか寂しげだった。
戦場でどれほどの血が流れたのか――想像するだけで胸が痛くなる。
私が言葉を探していると、不意に彼がこちらを見た。
「……その顔、やめろ」
「え?」
「同情の目だ。俺はそれが嫌いだ」
鋭い声だったが、私を責めているというより、自分を守っているように感じられた。
私はゆっくり首を振る。
「同情じゃありません。ただ……」
「ただ?」
「……あなたが、そんなに寂しい顔をするのが、嫌なだけです」
一瞬、沈黙が落ちる。
アレクシスの灰色の瞳がわずかに見開かれ、そして、ふっと息を漏らす。
「……お前は、変わっている」
「よく言われます」
そう答えると、彼の口元がほんの少しだけ緩んだ。
けれどその笑みは一瞬で消え、彼はまたいつもの冷たい声に戻る。
「……本を読むなら、もっと明るい場所でにしろ。目を悪くする」
それだけ言い残し、去っていった。
残された私は、胸の奥がほんのり温かくなっていることに気づき、戸惑いながら本を閉じた。
夜。
部屋で髪をほどき、寝る準備をしていた時、再び扉がノックされた。
「誰ですか?」
「俺だ」
アレクシスの声に驚き、慌てて外套を羽織る。
扉を開けると、彼は銀のトレイを持って立っていた。
その上には温かいミルクと、小さな焼き菓子。
「厨房に頼んだ。……眠りやすくなる」
「わざわざ……ありがとうございます」
「礼はいい。飲め」
促されて口をつけると、ふわりと優しい甘みが広がる。
温かさが喉を通り、体の芯まで染み込んでいくようだった。
「……美味しいです」
「ああ」
その短い返事の後、彼は少しだけ私を見つめた。
何かを言いかけたような、その視線。
だが結局何も言わず、「おやすみ」とだけ残して去っていった。
翌朝、廊下を歩いていると、侍女のミーナが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「リディア様! 今日の昼食、公爵様とご一緒に外でお召し上がりになるそうですよ」
「外で……?」
「はい、領地の花園で! 公爵様がお手ずからご案内されるなんて、滅多にないことです」
胸が高鳴るのを感じながら、私は頷いた。
花園は城の裏手に広がっていた。
まだ春には早いはずなのに、温室から運ばれた花々が一面に咲き誇っている。
中央の石造りのテーブルには、色とりどりの料理とワイン。
「……すごい景色です」
「気に入ったなら、いつでも来い」
そう言って椅子を引いてくれるアレクシス。
向かいに座るはずの彼が、なぜか私の隣に腰を下ろす。
「向かいじゃなくて……?」
「お前の顔が見えにくい」
不意に耳まで熱くなった。
冷酷と呼ばれる公爵が、こんなことを言うなんて。
その後も彼は皿に料理を取り分け、ナプキンがずれれば自然に直してくれる。
まるで……恋人のように。
「……公爵様」
「なんだ」
「……どうして、私にここまで?」
答えは、やはりすぐには返ってこなかった。
けれど彼は低く囁く。
「……理由はまだ言えない。だが一つだけ覚えておけ」
「……?」
「俺はお前を、二度と手放さない」
その言葉に、胸が強く締めつけられる。
理由も未来もわからないのに、不思議と――怖くなかった。
……そのときだった。
花園の外れに、馬に乗った伝令兵が駆け込んできた。
「公爵様! 急報です!」
アレクシスの表情が一瞬で鋭さを取り戻す。
彼は立ち上がり、私に短く言った。
「部屋に戻れ。……必ず迎えに行く」
そう言い残し、彼は伝令兵とともに花園を去っていった。
胸の奥に残る温もりと、広がる不安。
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