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プロローグ
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月明かりに照らされた横顔。
褐色の肌の鍛え上げられた筋肉質の身体を惜しげもなくさらし、ブランテーを片手に窓辺で月を眺める美丈夫。
太陽神ように神々しい彼がまるで愛おしい人を想うように月を眺める姿に嫉妬する。
切れ長の鋭い瞳が酒精のせいなのかひどく艶っぽく潤んで見えた。
今日出逢ったばかりだというのにどうしょうなく惹かれてしまうのは、何故なのだろう。
命の恩人だから?それとも……。
全てを奪われてこの国に奴隷同然の扱いで差し出された王女アリアは、亡くなった母の言葉を思い出した。
もしこの先どうしょうもなく惹かれた人がいたら、後先考えず、飛び込みなさい。
地位も名誉もかなぐり捨てて良いと思える人と出逢える機会など、ほとんどないのだからと。
明日には会えなくなってしまうこの人とせめて一夜共に過ごしたい。
それが、ヤケになっているのか、それとも本能からなのかアリアにはわからない。だけど……。
アリアは勇気を振り絞って彼に囁いた。
「今宵、あなたの妻にしてくださりませ。」
驚きに目を見開いた彼の腕に囚われる。
肉食獣のような凶暴さを内に秘めた瞳で見つめられて、きつくきつく抱き締められた。
「幸せにしよう。私の番。」
掠れた低音で耳元に囁かれた。
全ては月だけが見ていた。
褐色の肌の鍛え上げられた筋肉質の身体を惜しげもなくさらし、ブランテーを片手に窓辺で月を眺める美丈夫。
太陽神ように神々しい彼がまるで愛おしい人を想うように月を眺める姿に嫉妬する。
切れ長の鋭い瞳が酒精のせいなのかひどく艶っぽく潤んで見えた。
今日出逢ったばかりだというのにどうしょうなく惹かれてしまうのは、何故なのだろう。
命の恩人だから?それとも……。
全てを奪われてこの国に奴隷同然の扱いで差し出された王女アリアは、亡くなった母の言葉を思い出した。
もしこの先どうしょうもなく惹かれた人がいたら、後先考えず、飛び込みなさい。
地位も名誉もかなぐり捨てて良いと思える人と出逢える機会など、ほとんどないのだからと。
明日には会えなくなってしまうこの人とせめて一夜共に過ごしたい。
それが、ヤケになっているのか、それとも本能からなのかアリアにはわからない。だけど……。
アリアは勇気を振り絞って彼に囁いた。
「今宵、あなたの妻にしてくださりませ。」
驚きに目を見開いた彼の腕に囚われる。
肉食獣のような凶暴さを内に秘めた瞳で見つめられて、きつくきつく抱き締められた。
「幸せにしよう。私の番。」
掠れた低音で耳元に囁かれた。
全ては月だけが見ていた。
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