ジ・エンドブレイカー

アックス☆アライ

文字の大きさ
45 / 113
第二章 奪い合う世界

2話 新年度の為に②

しおりを挟む
 朝食の後、日々喜はヴァーサ領へ向かう馬車を待つため、中庭へ顔を出し時間を潰していた。
 中庭ではオレガノがマウロの指導の下、魔導の修練を行っている。
 森でマジックブレイカーに負けて以来、彼女は魔導士としての姿勢を改める様に、自分の専門を持ち、研究に励む様になっていた。
 その変化は、周りに居る者達を驚かせる物であった。
 これまで研究会の最中に、関心を示す事無くあっけらかんとしていたオレガノは、同じ見習い達から叱られる事が良くあった。それでも、持ち前の幼い容姿からか、なんとなく許されていたのだった。
 オレガノの持ち合わせた特徴。良く言えば人柄の様なものであったが、彼女はこの生まれ持った特徴を脱ぎ捨てる様に、自分の髪の毛を短く切り揃えてしまった。
 そして、かつて軍人として大戦に参戦した経験を持つマウロに指導を仰いだのである。
 始めの内は気乗りのしなかったマウロも、オレガノの決意の行動には呆気にとられた。挙句、マウロ以上に動揺していたフェンネルにせがまれ、ローリに泣きつかれ、仕方なく指導に当たる事になったのであった。
 そんなマウロから教えられる魔導。つまり、オレガノが専門に選んだ魔導は、戦闘に関わる技術であった。

 「おう。どっか行くのか?」

 中庭の端で、オレガノの修練の様子を見ていたキリアンとリグラが、近づいて来た日々喜に話しかけた。

 「ヴァーサ領へお使いに。修理に出した洗濯の機械を取りに行くんだ」
 「あのでっかいの、わざわざヴァーサから運んで来るのかよ」
 「クレレ商会から買った物だからね。これから、お祭りの準備で忙しくなるから、早く使えるようにしたいんだ」
 「ふーん」

 キリアンは気の抜けた様な生返事を返した。祭りの事等、特に関心を持ってはいないらしい。
 日々喜は二人の下に佇みオレガノの様子をながめ始めた。
 マウロの実演に合わせ、オレガノは中庭の真ん中に立てられた的に目掛け、魔法陣を展開する。すると、魔法陣から石の飛礫が打ち出され、僅かに弧を描いて的に向かって飛んで行った。そして、飛礫は的の一つにぶつかると、バンッと乾いた音を立てて跳ね返る。

 「あれは、的当ての練習をしているの?」

 日々喜がオレガノの修練を見て尋ねる。

 「いや、魔法陣の引き絞りの練習さ」
 「引き絞り?」
 「ああ、魔法陣を展開した後に、大きさを調節するんだよ」
 「大きさの調節? それをするとどうなるの?」
 「魔導の威力が変わる」

 日々喜の質問にキリアンは適当に答えた。そして、頻りに自分の頭を掻き始めた。その頭はオレガノと同様に短く、とういうより丸坊主になっていた。
 これはオレガノの様に、キリアンにも何らかの変化があったからではない。
 頭にできた傷の治療の為に、キリアンは無理やり丸刈りにされてしまったのである。未だ治りかけのその傷が疼き、痒いのか、キリアンはオレガノの修練の様子に集中しながら、時折、煩わしそうに頭をぼりぼり掻くのであった。

 「威力が変わる?」

 日々喜はそう呟きながら、改めてオレガノの修練の様子を見た。
 オレガノに代わり、今度はマウロが的に目掛けて右手をかざし始めていた。

 「アトラス!」

 マウロがそう言うと、腰に携えたアトラスが空中に浮かび上がり、独りでにページを開く。そして、かざした右手の先には、直径にして五十センチ程の魔法陣が展開された。
 マウロは、伸ばした右手に左手を添える様にすると、それをゆっくりと身体に向けて引っ張る様な行動を取った。すると、左手の動きに合わせる様に、魔法陣がゆっくりとかざした右手に近づき、その大きさを収縮させて行った。

 「アースボルト!」

 頃合いを見て、マウロがそう言うと、魔法陣の中心から勢いよく石の飛礫が飛び出す。
 飛礫は真っすぐ飛んで、的にぶつかった。木切れの割れる様な音を立て、的はバラバラに砕けてしまった。

 「すごい……。威力が変わった」

 キリアンの言っている意味が理解できたようで、日々喜は感心したように呟いた。

 「魔導によってエレメントを動かす力は、込められた魔力に比例するんです」

 リグラが解説を始めた。

 「ですけど、魔力を込めれば込める程、魔法陣自体もそれに比例して大きくなってしまうんです。そうすると、エレメントの生成に割かれる魔力の量も増え、作り出されるエレメントが大きくなってしまう」
 「ああ、そうか。込めた魔力を変えず、魔法陣の大きさを調節すれば、作り出すエレメントの大きさだけを変えられるのか」
 「そう言う事です。大きなエレメントを動かす力で、小さなエレメントを動かす。そうすると、今のマウロさんが見せた様な結果になるんですよ」
 「それが、魔法陣の引き絞りか……」

 日々喜は理解した事を確認する様にオレガノ達の方を見た。マウロの実演に続き、今度はオレガノが挑戦をしていた。
 オレガノはマウロが見せてくれたように、同じくらいの大きさの魔法陣を展開させ、左手を添えた。そして、弓を引き絞る様に、左手をゆっくりと身体に近づけて行く。それに合わせ、魔法陣もゆっくりとオレガノの右手に近づき、その大きさを収縮させた。

 「放て!」

 突然、マウロが号令を出す。オレガノはビクリと身体を震わせた。途端に右手に近づいていた魔法陣が、弦の切れた弓の様に反動を受け遠のいて行った。魔法陣の直径がそれに合わせ、一メートル弱程の広がりを見せた。

 「うわわ、ア、アースボルト」

 オレガノは慌てた様にそう言い放った。
 すると、魔法陣の中心から、人の頭程度の大きさの岩が飛び出し、ドスンと音を立てて地面に落下した。岩はそのまま、勢いの余韻を残す様にゴロゴロと転がり、的にぶつかって止まった。

 「もう! せっかく上手くできてたのに。急に大きな声を出すからビックリしちゃった」
 「ん? ああ、悪い、悪い。つい昔の癖が出てしまって」

 姿勢を改めた。とは言えその時のオレガノは普段通りの反応を示した。マウロはその様子を見て、苦笑しながら謝り続けた。

 「まあ、それでも、今のはかなり良かったよオレガノ」
 「本当!?」
 「ああ、オレガノは呑み込みが早い。才能があるんだろうな。この分なら直ぐにこなせる様になると思うよ」

 マウロの言葉に、オレガノは目を輝かせた。

 「もう一度やるわ。直ぐにできるようになりたい!」
 「まあ、落ち着きなさいオレガノ。少し休憩をしよう」
 「疲れてないわ」
 「それでもだ。続けざまに魔力を消費し続けると、体にその反動が一気に来る事がある。こまめに休憩を挟まなければ駄目だよ」

 マウロにそう言われ、オレガノは渋々納得した。

 「それとねオレガノ。これは学院でも習ったかもしれないけど、魔法陣を垂直に展開させる時は、決して人に向けて展開してはいけない。魔法陣を展開する時は、大きな声で、ハッキリとアトラスと言うんだ。もちろん、魔導の名称もね。周りに居る人間に、自分が何を行使しようとしているのか、ちゃんと伝わるようにしないといけない」
 「はーい。分かってまーす」

 オレガノはそう答えると、さっさと日々喜達の方へと行ってしまった。
 ちゃんと分っているのだろうか、そんな様子でマウロは小さく溜息を着くと、杖を突きながら、オレガノの後を追って行った。

 「お疲れ様オレガノ。最後のは惜しかったみたいだね」

 戻って来たオレガノに日々喜が声を掛けた。

 「ありがとう日々喜。マウロからも直ぐにできるようなるって言われたわ」

 オレガノは自慢げに笑みを返しながらそう言った。

 「割と簡単にできるものなのでしょうか?」

 リグラが尋ねる。

 「コツさえつかめれば直ぐにできると思うわ。リグラも一緒に練習して見ない?」
 「そうですねー……」

 オレガノにそう言われ、リグラは思案する。

 「止めとけ、止めとけ。魔法陣の引き絞り何て、マジで戦闘にしか役に立たないぜ」

 キリアンが口を挟んだ。

 「そうかしら。応用できる事って沢山ある様な気がするけど?」
 「あのなオレガノ。そもそも、魔法陣を垂直に展開するのが、どういう場面なのか想像してみろよ」

 オレガノは首を傾げ、言われた通り想像してみる。キリアンは、そんなオレガノの答えを待たずに言葉を続けた。

 「自分に対峙する者に向けて放つ時だろ? つまり、戦闘の時が殆どなんだよ」
 「ああ、なるほど。言われてみればそうかも」
 「だろ。魔法陣の引き絞りは、その上で威力を高める技術だ。応用の範囲の狭い技術を学ぼうなんて、時間の無駄もいいとこだぜ」

 無駄と言われて、オレガノは怒ったような表情を作った。

 「もう! やる気が無くなる様な事言わないでよ。ちゃんと練習してるのに!」
 「怒るなよ。感じたままを言ったまでさ。それに、自分の専門は慎重に選んだ方がいいって事を俺は言ってるんだよ」
 「大きなお世話。私は、ちゃんと考えて決めているもん」

 オレガノはそう言うと、キリアンから顔を背ける様にそっぽを向いた。

 「はいはい、そーですか」

 子供っぽい態度を取るオレガノに、キリアンは呆れた様に応えた。

 「マウロ! 聞いて頂戴。キリアンが酷い事を言うのよ」

 後から来たマウロにオレガノはそう言いながら、キリアンが自分の修練を無駄と言った事を話し始めた。マウロはそれを聞き、納得した様に頷く。

 「なるほど……。キリアンの言う事にも一理あるね」

 オレガノはあからさまに不満げな表情を見せる。

 「魔導を戦闘に用いると言う事は、俺達が慣れ親しんだ技術が、兵器となって扱われると言う事だ。皆が知っている通り、魔導とはそもそも人の営みを守る為にあると言われている。それが、戦争の道具となると言う事は、とても大きな矛盾を持っている様に、俺には感じられてならない」

 マウロはそう言うと、オレガノの方に向き直る。

 「オレガノ。とても大切な課題だよ。君が戦闘の技術を学び。それを今後、どのように用いて行くのかという事がね」
 「イバラ領を守る為に使うわ」
 「今はそれでいいさ。だけど必ず、君は力の使い道に迷う時が来る。そんな時には、キリアンの言った言葉を思い出してくれ。そして、そこから自分なりの答えをちゃんと出さなくてはいけないんだ。俺はそう思うよ」
 「良く、分からないわ」

 マウロは苦笑すると、再び、今はそれでいいんだ、と言い、今度はキリアンに話し始めた。

 「キリアン。聞いての通り、オレガノのイバラ領を守りたいと言う思いは本物だ。だから、彼女の決めた事を無駄だなんて言わないで上げてくれ」

 キリアンは、少し茶化し過ぎた事を恥じる様に目を伏せた。

 「どんな気持ちで決めたのかって事くらい、俺も分かってますよ」

 キリアンはオレガノと日々喜が森の中で、どっしりとしたデーモン、もといマジックブレイカーにコテンパンに敗北した話を聞かされた。一矢報いる事の出来た自分とは違い、オレガノの中には、自分が白蛇に負けた時に味合わされた悔しさが残っているのだろうと考えていたのだった。

 「さて、オレガノが休んでいる間、皆もやって見るかい?」

 マウロが日々喜達にそう言った。

 「あっ、俺は良いっす。無駄な研究に頭使いたくないんで」

 キリアンは即座に拒否した。

 「まだそんな事言ってる。ずっと、興味有りそうに見てた癖に」
 「へっ! 違ーし!」

 今度はオレガノがキリアンを茶化し返した。

 「それじゃあ、リグラと日々喜。やって見るかい?」

 マウロは日々喜とリグラに尋ねた。
 少し興味を持っていたリグラが、やって見たいと答えると、オレガノが彼女に飛びつき、それならば自分が教えるとリグラの腕を引き始めた。キリアンはその後姿を見送って行く。

 「日々喜はどうする?」
 「僕はどうしようかな。もうすぐサフワンが来ると思うので」
 「まだ、時間はあるだろ?」

 日々喜はマウロに対して、少し曖昧な答えを返し続けた。

 「こいつは魔法陣の展開が、まだ覚束ないんだよ」

 キリアンがマウロにそう言った。

 「そうなのか日々喜?」
 「実は、一度だけしか無いのです」
 「そのアトラスは?」
 「コウミのお友達の借り物です」
 「なるほどな。君の師匠にどういう意図があるかは分からないが、これは事初めからやり直す必要があるかもしれないね」
 「事初め?」

 聞きなれない言葉を日々喜は聞き返した。

 「魔法陣の展開のだよ。始めは誰だってうまく行かない。だから、師が弟子の手を取り展開の仕方を享受するやり方さ。事初めがまだなら、マウロに指導してもらったらいいんじゃないか?」

 キリアンがそう答えると、マウロは少し考え込み始めた。

 「そうだな……。事初めは師と弟子の、あるいは教師と生徒の信頼関係が試される事だ。少しでも邪な気持ちが混じると、それが相手に伝わってしまう。それでもやって見るかい?」
 「やって見ます」

 日々喜はそう答えた。マウロは分かったと頷き返した。

 「それじゃあ、実践する前にちょっと予習をしておこう。日々喜、これをごらん」

 マウロはそう言いながらポケットにしまってあったチョークを取り出し、地面に絵を描き始めた。
 日々喜達の居る中庭の端。通り道にもなるその場所は、黒っぽい色合いの石畳となっている。その為、白いチョークで絵を描くとその色合いが良く映えた。
 日夜研究に勤しむ魔導士達は、こうして思いついた事をそこかしこに書き留めておくものなのだろう。日々喜は以前、ツキモリ・コウイチの研究室を見た時の事を思い出しながらそう考えた。

「いいかい日々喜。魔法陣の展開で最も重要なのは目標と対象の概念だ。これは、展開する魔法陣の位置と向きによって決まって来る。魔導を行使する対象となるエレメント、あるいは、エレメントを生み出す対象となる場所。そこを中心に魔法陣を展開する。そして、エレメントが向かう場所、それが目標となる。展開された魔法陣は必ず目標の方向を向いていなければいけない」

 マウロはそう言うと、球体の投影図の様な物を描いた。

 「初めに意識しなくてはならないのは目標。そこを中心に球体を描く様にイメージする。そして、今度はイメージした球体をスライスする。このスライスされた断面が魔法陣として現れて来る。魔法陣は常に球体の中心、つまり目標の方を向いているんだ」

 マウロは球体の中心から離れた場所に断面を描く。そして、その断面となる円の中心から、球体の中心に目掛け、矢印を引いた。

 「いいかい。ここまでのイメージができれば、目標と対象の定められた魔法陣が自動的に展開される」
 「自動的に? 本当ですか?」
 「そうだ。魔導の行使を強くイメージすればアトラスは必ず応えてくれる。術者の必要とする力に導く、だから魔導なのさ」



 マウロはそう言うと、二、三歩離れた場所にバツ印を描き、その上に一つの石ころを置いた。

 「それじゃあ、実践してみよう。さっき見せたアースボルトの応用だ。あそこに置かれた石ころを腰の高さまで浮かせてみよう」
 「どうすればいいでしょう」
 「右手を目標の方向へかざすんだ。腕の延長線上に、常に球体の中心がある事をイメージしてごらん」

 マウロはそう言うと日々喜の手を取り、石ころの少し上の方へと向けさせた。すると、日々喜は特に何もイメージしていなかったにもかかわらず、マウロのアトラスが空中に浮かび上がり始めた。

 「で、できた?」
 「いいや、日々喜。これは、俺が動かしている。チャートを理解している俺が、君の魔導の行使を手伝ってるんだ。ここからは君一人でやってごらん。さっき話した球体が、かざした手の指先に触れているイメージを持って」

 そう言われ、日々喜は地面に描かれた図を思い起こしながら、空間に球体をイメージした。すると、かざした指先に血流が増した様に、熱がこもり始めたのを感じた。

「イメージ出来たい? それじゃあ、地面に沿って球体をスライスして行く。頭の中での作業になる。ゆっくりゆっくり、徐々に徐々に、断面が顕わになって行く」

 マウロは日々喜の耳元でそう囁いた。すると、まるでその言葉に従うかのように、日々喜の目の前に置かれていた石ころを中心に、淡い光を放ちながら、ぼんやりとした円陣の輪郭が浮き上がり始めた。
 魔法陣だ。
 その現象をじっとながめ続けながら、日々喜は思った。
 自分の身体から、何かとてつもないエネルギーが放出され、右手を通してイメージした球体に送り込まれて行く。球体の中では送り込まれたエネルギーが駆け巡り、やがて球体の断面に沿って、内側に流れ込む様に螺旋を描いて行くように見えた。
 断面上に、淡く光るそのエーテルの輝き。魔法陣を構成する輝く粒子の一つ一つを見て取るほどに、日々喜は集中していたのだ。
 その光、一つ一つは、僅かに点滅を繰り返す。蛍光灯の様に、ディスプレイに映し出される映像の様に、人の目に捉える事が出来ない程の周期速度で点滅し、そのせいで魔法陣は波打っていた。
 それに気が付いた時、魔法陣の中心に置かれていた石ころが、僅かに傾くような動きを見せる。
 途端に、魔法陣からこぼれる様にして、石ころが下に落下して行った。
 日々喜はその現象にぎょっとする。
 気が付けば、辺りが暗がりへと変貌していた。
 直ぐ傍に居たマウロとキリアンの姿が消えていた。中庭で一緒に修練に励んでいたオレガノやリグラの声も聞こえなくなっていた。
 魔法陣が消え、一切の光源が無くなったその暗い場所では、何故か、森林の中にいるかのような、すえた土の臭いと青臭い木々の香りが漂っている。
 そこは、暗い森の中だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...