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30 貸出カード返却作業
しおりを挟むこんにちは。
昨今の新型コロナウイルス発生に関連して、皆さまも現在様々に影響を受けていらっしゃることと推察します。直接の影響が出ている皆様、まことにお疲れ様です。
こちらは公立の中学校ということで、ご多分に漏れずやっぱりもろに影響を受けることになりました。
何がと言って、なによりも3年生に関する様々な活動に関することです。
うちの場合はその少し前にインフルエンザによる2年生の学級閉鎖がすでにあったりもして、先生方が余計に大慌てという事態に。
私が配属されるまでは学校司書のいなかった学校なので、これまではなされていなかったことなのですが、こちらでは3月に卒業していく3年生のため、毎年この時期にはそれぞれの生徒の貸出カードを封筒に入れ、司書からのメッセージを添えてお返しするようにしています。
事前準備としては、まずは3年生に本を貸出しできる最終日と、「この日までには必ず返してください」というデッドラインを周知します。基本的には図書委員からクラスでお知らせをしてもらい、先生方には私から「司書だより」を通じてお知らせしています。
もちろん、本をなかなか返してこない生徒への督促状も出し、最終的には担任の先生にもご協力いただいて、ご家庭の協力も仰ぐ場合があります。なんといっても公費を使って購入している本なので、あまり安易に「どこにいったかわかりません」等々で紛失されたままになるのを許すわけにはいかないからです。
教育の現場ということもあり、これは将来的に公共図書館 (そのほかの公共施設もですが)を利用するときの心構えをかたちづくる、という意味もあることだと思っています。
みんなのものである図書館の本を、安易な気持ちで雑に扱って紛失する、大切にしないという態度のまま卒業してほしくはないものです。
準備する物品としては、まず人数分の封筒。これは百均などで事前に購入しておきます。同様に、封をするためのシールなども購入します。
また、一緒に封入する図書館からの卒業生へ向けてのメッセージカード。これは基本的にはこれまでの図書館への協力や利用のお礼や、卒業をお祝いする言葉、それから図書館キャラクターをカラーで印刷したものにしています。うちでは桜の花の飾り枠を入れて、なるべく華やかなものにしています。
封筒の表には「ご卒業おめでとうございます」「〇〇学校図書館」と「さん」も入れた宛名カードを貼りつけ、あとは苗字を書き込めばよい状態にしておきます。
あとは3年生の名簿をコピーして、クラスごとに切り分けておきました。
なお、3学期になってからでは意外とせわしくて作業がはかどらない場合もあるので、私は2学期のうちにこれらの準備を終えています。
さて、ここから1、2年生の図書委員の出番になります。
担当の先生方と相談をして、放課後に集まってもらえる日を決め、図書委員に集まってもらいます。3年生には一応内緒という形にしていますし、受験前の大切な時期なので、3年生の参加はありません。
目標は大体30分ぐらいで、3年生すべての封筒を作り上げることです。
これが今年はなんと、2年生がちょうどインフルエンザのための学年閉鎖にあたってしまい、1年生しか作業に集まれないという事態になってしまいました。
2年生がいれば去年同じ作業をした子も何人かいるので、かなりスムーズに作業できると踏んでいたのですが、期待を大いに裏切られる事態に。
ともかくも、当日は集まってくれた1年生のみで作業を開始。
流れ作業の形も決まっていて、十分に事前準備はしてあるので、あとは名簿を確認しながら宛名を書き、貸出カードとメッセージカードを入れ、シールで封をするだけになっています。
1年生ということで、みんな未体験の作業だったわけなのですが、みんな一生懸命やってくれて、なんとか時間内で半分は終了。あとは翌週出てくるはずの2年生に任せよう、ということになっていました。
ところが、です。
そこでこのコロナによる休校騒ぎだったのです。夕方になり、学校が翌週から休校になるかもしれないというニュースに接して、私も思わず青ざめました。
翌週からいきなり休校になってしまうと、当然3年生の卒業式もできるかどうか不透明になります。もしもそこからずっと休みということになれば、もう3年生にカードを返す機会がなくなってしまう恐れがあります。
翌朝、私は30分早く出勤しました。とにかく一人ででも作業の残り半分を終わらせて、午前中のうちにカードを入れた封筒すべてを担任の先生のお手元に返さなくてはならないと思ったからです。
それで、職員室で図書館担当の先生にその旨をお話ししました。
するとすぐに、
「あっ、じゃあ朝の読書の時間、1年生の図書委員集めましょうか?」
と申し出てくださいました。
まさに渡りに船です。
「えっ、いいんですか? ありがとうございます! それはぜひ、お願いします!」
ということで、すぐに先生方が動いてくださいました。
集まってくれた図書委員たちは、前日にすでに作業していたので非常に素早く仕事をしてくれ、なんと残りを17分程度で完了してくれたのでした。
まさに電光石火。奇跡的なことでした。
出来上がったときには、ひとりでみんなに拍手喝采してしまいました。役割を果たし終えた1年生の図書委員たちは、誇らしげな、また恥ずかしそうな顔をしながら1時間目の授業に向かっていきました。かれらにとってもとてもよい経験になったのではないかなと思います。
私はさっそく、出来上がった封筒の山をクラスごとに大きな茶封筒にいれ、担任の先生方のお机に置かせていただきました。
はあ、やれやれです。
あとはお昼の開館さえできれば、図書館でのいつもの作業をすればいいだけ。
と、思っていたら。
お昼の開館で、3年生の生徒たちがいつもよりもたくさんやってきてくれました。そしてなんと、3年生の図書委員さんは「つづれさんへ」(※ 本名は「つづれ」に置き換えております・笑)というメッセージを綴じた冊子を持ってきてくれたのです。こんなのをもらったのがはじめてで、びっくりするやら嬉しいやら。
メッセージには「つづれさんがいてくれて、本を読むのが好きになりました」「つづれさんが来てくれてから、図書館がすごくきれいになってびっくりしました」と、嬉しい言葉がいっぱいでした。
中には「半年も本を返すのが遅れていても、返したとき優しくしてくれてうれしかったです」なんていう子も(笑)。
ほかにも直接「これまでありがとうございました」とお礼を言ってくれる子もいました。本当に嬉しかったです。
コロナウイルスの影響で、もしも来週から休みになれば図書館にも来られないし私にももう会えないと心配してきてくれた……ということのようでした。ずっと図書委員を頑張ってくれていた子には、私からもいっぱいの心からのお礼を伝えました。
流行病のこと自体は喜べないわけなのですが、本当に学校司書をやっていてよかったなと思った日でした。
全国的にとても難しい時期ですが、どうかみなさんも予防にお気をつけて、ご健勝にお過ごしください。
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