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72 「穴 HOLES」
しおりを挟むこんにちは。
今回はちょっと久しぶりに本のご紹介です。
●「穴 HOLES」
ルイス・サッカー作 / 幸田敦子・訳 / 講談社(1999)
少しばかり古いめの本ではありますが、こちらは中学校1年生の国語の教科書(光村図書)でも紹介されているものです。その関係もあって、これまで勤務してきた中学校の図書館にはどこも所蔵しておりました。
内容を簡単にご紹介しましょう。
昔、「あんぽんたんのへっぽこりんの豚泥棒のひいひいじいさん」がとあることで呪いを受けた、と言われているイェルナッツ家。
その時から、代々イェルナッツ家の人々には不幸がつきまとってきたというのです。
主人公である少年、スタンリー・イェルナッツはその四代目。この「スタンリー」という名前も、代々同じ名前が受け継がれています。ですからお父さんもおじいさんもスタンリー・イェルナッツ。
ちなみにこの名前は英語で書けば「STANLEY YELNATS」。
つまり、前から読んでも後ろから読んでも同じ、回文になっています。面白いですね!
さて、その四代目のイェルナッツである少年スタンリーは、ある日ある時「まずい時にまずい場所に居合わせてしまった」ばっかりに、無実の罪に落とされます。そうしてそのまま、砂漠のように干上がった湖にあるグリーン・レイク・キャンプという少年院に送られることに。「グリーン・レイク」なんて言ってますが、周囲はほとんど砂漠ですし、ろくに木もはえていなければ一滴の水もありません。
そこでは収監された少年たちに、カンカン照りの中、毎日毎日、縦横1.5メートルの筒形の穴を掘ることが課せられていました。
ろくに水も与えられず、貧しい食事に大変な重労働。そして親近感をおぼえにくい仲間の少年たち……。スタンリーは疲弊しながらも、必死に穴を掘ることに。
ところで、実はこの少年院の女性所長はなにか秘密を持っているらしいのでした。少年たちに、「なにか変わったものが見つかったら必ず報告するように」という厳命を下しており、なにか見つかると明らかに目の色が変わるのです。
そんな描写の中に、ときおり昔のイェルナッツの昔話がはさまるのですが、それが次第に一つの終息点へ向かっていくにしたがって、所長の秘密と合わせてひとつひとつが貴重な伏線であったことがわかっていく……という、構成のすばらしさが味わえるお話でした。
ラストは十代の子どもたちにとって希望のある展開。
こちらの作品には、「道 ROAD」というサイドストーリー集もあります。
合わせてお勧めしておきますね。
なにかのご参考になりましたら幸いです。
ではでは、今回はこのあたりといたします。
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