お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏

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第80話 ラフドッグでの休暇03

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休暇6日目の朝。

フロントに明日1日来客がある旨を伝えて出発。

広場に集まった序でにお参りし、ピレリさん案内で東海岸に向かった。

メンバーは俺たちと。
ゴーギャン、メドーニャ、ピレリ。

「四人なら関係ないですが、岩場は滑りやすいんで気を付けて」

「はーい」と返事。

「ピレリさんはどうしてそんな場所を?」

「前に死に場所を探してた時にぐうぜ」
メドーニャさんにボコられた。

とても余計な事を聞いてしまった。

「む、昔の事なのに…」
「今も昔もあるかいな!!殴られたいのかい!」

「もう殴ってるし…。す、済みませんでした!」


歩き続ける事1時間。目的地へ到着。

そこは一面の緑と紫の海藻に覆われた岩場。

潮も引掛けのジャストタイミング。
逃してなる物かと、靴を脱いでズボンの裾を捲り上げて突入した。

「俺はヒジキ」
「私は天草」

購入しておいた竹籠と鍬で刈り刈りと。

籠2つが一杯になるまで採取した。

「見た目は似てますが。俺の方は鹿尾菜」
「私の方は天草。指で触ってヌルッとしてるのが特徴です。この滑りが重要なんです」

「根っこは残せばまた来年生えます。茎から上を持ち帰りましょう。収穫時期は2,3ヶ月前から今ぐらいです」
「時期遅れになっても。まだまだこれだけ在りますから
場所を変えながら調整すれば通年で取れますね」

「「「はぁ」」」
感嘆の溜息を漏らす3人。

「ここが知れ渡る前に独占して下さいね」
「バレる前に今日はさっさと退散しましょう。
メドーニャさん。またキッチンお借りしても?」

「ええ。どうぞ」


ルンルンで帰り掛けに檸檬を数個購入。


天草と鹿尾菜を流水でよく水洗い。

天草は天日干し中の隣に網を造設して、並べて干した。

「天草は毎日水洗いと天日干しを繰り返して
紫色が抜け切って薄い緑色に変色するまでが頃合いです。

丁度鰹が硬くなるのと同じタイミングなので来週また来ます」

「鹿尾菜の調理に参りましょー」


キッチンへと移動。

「鹿尾菜は一旦蒸し上げすると長期保存性が高まります。
ここで作った物でも常温で余裕で王都に配送可能です」

「今日は簡単に。生から茹で上げて日干し昆布出汁と魚醤で炊き上げます。ちょっと塩っぱいなと言う時は、こちらの檸檬汁を掛けるのが良いでしょう」

………

配膳も終わり、3人に食べて貰った。

「「「美味い!」」」

「あー蒟蒻はもう配ってしまったし。急いでパンを買って来るわ!」
メドーニャさんが飛んで行った。

急遽買って来た食パンに鹿尾菜の煮付けを挟み、
檸檬を振り掛け、定食屋で購入したタルタルソースをトッピング。

簡単鹿尾菜サンドの出来上がり。

クワンも含めて大絶賛。

「ピクルスと檸檬の酸味。鹿尾菜の塩気が丁度いい」
「少し頂いて帰ろっか」

ゴーギャンさんが驚きの声を上げた。
「これなら直ぐにでも店売り出来ますよ!」

「私たちも知らなかった知識をポンポンと。
二人の知識の幅に目が眩みそう…」

「本当にこの案件。私が貰ってもいいんですか?」

「じゃんじゃん使ってのし上がって下さい。
外で干してる物も含めて、王都に届く日を楽しみに待ってますから」

「だね。あ、話は変わりますが。
明日王都から来客があるので船を使わせて下さい」

「それは全然構いませんが…総師ですか?」

「違います。
ゴーギャンさんとメドーニャさんは知ってる子です」

「素性に気付いても内緒ですよぉ」
フィーネがピレリをチラ見して2人に指を立てた。

「「え!?」」

「俺に何か?」

「それは明日のお楽しみで」

2人がどんな反応をするのか楽しみだ。
何も生まれなかったら残念だが。

キューピット役も中々大変だ。



3人と別れ、シュルツ用の服を買い
町中の雑貨店巡りをした。

「今回のお楽しみの1つ。クラリアさんの店に行ってみようか」
「星砂時計。進化してるかなぁ」


久々に入る店内。

水色の壁には堂々と俺たちのサイン色紙。
「「…」」
その脇には。
「英雄様公認店」と大きな文字が。

「ちょっと。クラリアさん。公認した覚えないけど!」

「あら。スターレン様、フィーネ様。
お久し振りで御座います。

公認…。今更取り下げるなら
私は三日三晩泣き腫らして、最後にはくび」

「物騒な事を言うな!」
「私たちを脅すなんて酷い!」

「では公認で」
笑顔が眩しい。

「まあいいやそれで。星砂時計って新しくなってたりしますか?」

「モチのロンで御座います。
お二人が来店されるのを今か今かとお待ちしておりましたのです!」


カウンター奥の棚から取り出した新商品。

「こちらは硝子部分の透過性を上げ、屈折率を改良。
以前の物と比べ、少ない光量でより落ち砂が輝きます。

お二人に買って頂くまではと。
まだ非売品の形です。

今夜にでもお試しになってから、販売の許可を頂きたいと思います」

「公認…で?」

「それ以外に何か?」

「この商売上手」

「お褒め預かり光栄です。

まずは一セットお渡しします。
またのご来店を信じ、今夜もぐっすりと寝ながらお待ちしております」


完全に術中に嵌められているが、仕方なく受け取った。


「やられたわぁ」
「やられましたねぇ。けどそれだけの自信作なら期待しちゃう」


どれどれ吟味してやろうやないのと。


ディナーの後にサンドイッチで晩酌中に。

部屋の照明を落とし、キャンドルに火を灯した。

「「おぉ~~」」
「クワァァ~」

窓から見える星空にも負けない無数の輝き。
小さな天の川が目の前に広がるようだった。

「悔しいけど」
「負けましたなぁ~」
その輝きに。

これは公認せざるを得ない。




---------------

7日目の朝。

念入りに乱れに乱れたベッドを整え、朝食後。

「自分の家でもないのに来客に気を遣うのは何時振りだったかな」

「…恥ずかしいけど。自業自得ね」

清掃に入って貰っている間に、町を出て西へ向かう畔道から飛び、シュルツを迎えに向かった。

1週間ぶりの我が家のリビングにはシュルツとアローマ
ソプランが居た。

「あ、ソプランなんかあったの?」

「引き渡しまでのお嬢様の付き人だ。アローマもな。

その他大きな動き無し。
強いて言えば、ギークが意外に早く回復してる位だ」

シュルツは既にフィーネの膝の上。

アローマのお茶を頂きながら。
「へぇ。腱切られたのに?」

「執刀したペルシェのお嬢さんが。

あらまあ綺麗な断面。これなら簡単だわって。
ものの数分で全部繋いじまったらしい。

既に恐ろしいお嬢さんだ」

封殺したカーネギを褒めるべきかペルシェさんを褒めるべきか悩むな。

フィーネが自慢気に。
「そうでしょうそうでしょう」

「他になければもう行くけど…。
そうだ。アローマさんに蒟蒻渡しとくよ」

麻袋に入れた蒟蒻玉を手渡した。

「何ですか?この灰色のプニプニは」

「それは蒟蒻って言って、ラフドッグの新商品。
冷蔵庫で冷やしてロロシュさんにショウガ醤油で食べて貰って。きっと喜ぶと思うから」

「シュルツの分は取って置いてね。
多分向こうでも作ってくれてそうだけど」

「はい。畏まりました」


「じゃ。行こっか」
「はい!」



3人とクワンティが飛んだ後。

「忙しいな。何も起きなきゃいいが」
「縁起でもない。何も無い日が無くては休暇ではありませんよ」

ソプランがアローマの唇を強引に奪い。
「本棟に戻るか」
「もう!誰も居ないからって…するなら一言下さい」

「んじゃもう一回」
「も、ん…」




---------------

西の畔道に戻った。

「ここは?」

「町を北に出て少し西に入ったとこ」
「今日は町の入口から入るのよ」

町の入口に立ち、おーおー言うシュルツを真ん中に手つなぎ入町。

礼拝堂で3人でお参り。息災祈願をした。

その足でホテルに戻り、シュルツのイン確認とディナーを追加で頼んだ。

最上階の綺麗に整えられた部屋。

「広いですぅ。景色の最高です」

「テラスは明日朝のお楽しみね。
まずは着替えて日焼け止めを塗ろう」
「はい!」

「先に降りてラウンジで待ってるわぁ」
「「はーい」」



ラウンジでコーヒーを頂きつつ。無意味に索敵。
特に何も無し。

ロイドちゃん、何か感じる。
「特には何も。…水竜様が今日は鮪は1匹だけにして欲しいそうです。あの大食馬鹿の所為で北が絶滅寸前。
南で増やさないといけない。との事です」
りょ、了解です。と伝えて。

後5匹以上獲れるようになるまでにどれ位時間が必要か聞いてみて。
「…大体半年待て。だそうです」
有り難う。次は冬か…。
帝国もその頃には落着くかな。


2人とクワンが降りて来たので、散策スタート。

思い出の浜辺を歩き、市場を見て周り、
メドーニャさんにご挨拶。

「やっぱり!?…シュルツ様。
大きくなられて。何時位振りかしら」

「…あ、思い出しました。メドーニャさん。
お久し振りです。確か六年振りでしょうか」

メドーニャさんの大きな胸に飛び込んで行った。

「あのやんちゃで我が儘言い放題なシュルツ様が、こんなにも成長されて…」
感涙してた。

「へぇ。シュルツってじゃじゃ馬だったんだ」
「あら意外な過去」

「お止め下さい。あの頃は子供だったのです。
今もですが…」


果物コーナーではあれは何これは何。
ドリアンに挑戦しようとしてたのを慌てて止めた。

定食屋さんでお昼。

俺たちの中では外れのない揚げ物店へ。
仲良くミックスフライ定食を頼んだ。

大満足の後も暫く歩く回って、カメノス系列店で酔い止めを買い、シュルツに飲ませた。

「甘いです。林檎のようなお味がします」
「良かったわね。…そう言えば私たちは?」
「俺たちには特性解毒剤があるじゃん。あれ酔い止めも含んでるよ」

「そうだったんだ。気休めだと思ってた」
「元の販売価格は金5枚だぞ」

「…知らないとは恐ろしい」



連絡船に乗って財団の港側へ。

ホテルから出た所からずっと。

「あれは誰だ」
「お二人の隠し子か」
「いや違うだろ」
「総師のお孫さんでは?」
「え!?」

などなど聞こえて来たが俺たちは一切無視。


船の端から身を乗り出して燥ぐシュルツを抱えたり、
ロープで拾ったり楽しかった。

「危ないって言ってるでしょ。聞き分けない子はクルーザー乗せてあげないよ」

「ごめんなさい…」


少ししょんぼりしてたが、そんな雰囲気を吹き飛ばすのも恋の力だった。

素性は明かさずピレリとシュルツを引き合わせた途端。

二人は時を止めたかのように暫く動かなくなり、
互いを見つめ合っていた。

俺たちはハイタッチ。顔を青くするゴーギャンさん。

「どうする?ピレリさんと遊ぶ?船に乗る?」

顔を真っ赤に。
「乗ります!」



恥ずかしそうに駆けて行く少女の背中を目で追いながら
ピレリはゴーギャンに問うた。

「あれは、何方なんですか?」

「その前に答えろ。…惚れたのか?」
「…はい。
もう誰かを好きになる事はないと思ってましたが…。
正直一目惚れです」

盛大に溜息を吐き出すゴーギャン。
「明日にはとんでもない事が起きる。
お二人もノリノリだった。覚悟しておけ。

もう逃げられんぞ」

「ですから誰なのですか?」

「…総師のお孫さんだ…」
「は?」

「第二王子ライザー殿下のフィアンセでもある、
シュルツお嬢様だ」
「へ?」

「後たったの四年しかないぞ」
「な…にが…でしょう」

「王子からお嬢様を奪える猶予は、成人するまでの四年しか無いと言ったんだ」
机を拳で叩いた。

「えぇ…」

「諦めるなら今日しかない。
ご本人を目の前に、お二人にお断りを入れられるのは今日帰って来た時しかないんだ!

しっかりと考えてから、答えろ」

「きゅ、休憩させて下さい…。コーヒー、飲んで来ます」

「うむ。後悔の無い答えを出せ」

「はい…」




---------------

沖に出てから船内でフィーネが着替え始めた。

「今日は1匹だけにして欲しいってさ。
北で減った分、育てないといけないって」

「えぇ…マジかぁ…。結婚式の贈り物にしようかと思ってたのにぃ」

「また他に何か考えよう」

「はーい…」


操舵室の隣の部屋で水色の水着に着替え中も、
ずっとシュルツに見詰められて。
「なーにじろじろ見てるの?」

「え?お姉様…恥ずかしくないのかなって」

「小窓もブラインドしてるし、周りも船居ないし
居るのはスタンだけだよ?」

「それは…そうなのですが」

「デッキに行って海見て来なよ。もう直ぐ本鮪獲りに潜るから」

「本当に素潜りで獲っていたのですね…」
「嘘吐く訳ないじゃない」


本日の出で立ちは、水色のビキニにビスチェ
チョーカーマスクオンリー。

念の為に耳には貝殻。

非常に楽ちん。


程なくして捕獲ポイントに辿り着き、銛を片手にダイブ。



スターレンはシュルツの腰をロープで巻きながら。
目印の釣り糸を垂らした。

「そんなに見てても海の底は見えないだろ」
「うーん。そうなのですが、そうではないと言いますか。
スターレン様はお姉様が心配ではないのですか?」

「心配?もう3度目だし。泳ぎは得意だし。
マスクも付けてるし。…不安な要素ある?」
「クワァ?」

「…何でもありません」

不安がるシュルツの為にソナーで下を確認。
何時もの魚群しか居ない。

そして、索敵しようとした瞬間。

「智哉!下方、深海から何かが来ます!かなり大きい」
「スタン!下からなんか…あ!私の得物!」

ロイドとフィーネの声は略同時に届いた。


巨大な真っ赤が急速接近中。しかも3つ。

「シュルツ!俺の背中に張り付け!
クワンティ!上空待機!
フィーネ!ソラリマ装備で1匹仕留めろ!

敵はデカいの3匹だ!!」

「はい!」
「了解!」
「クワッ!」


穏やかだった波が嘘のように荒れ乱れ渦を巻いた。

その大渦から迫り上がって来た敵対者。

『我らはサーペント。海の覇者』

いやいやそれは水竜様の間違いだろ。

巨大な体躯はそれぞれ10mは優に越える。
全身に真っ白な鱗を称えた巨大な海蛇の姿。

シュルツが眼鏡を掛けて叫ぶ。
「全身素材の宝庫です!出来れば捕獲して下さい!」

初めて見る海の魔物に臆する事無く言い放った。

「フィーネ」
「聞こえたわ。私は後ろ右手の奴。本鮪の恨み!」

「クワンティ!左手奥の奴の眉間を全力で貫け!」
「クワァァ!!」

『我らの領海で』

敵を前に悠長に喋り倒す、敵のリーダーの首をロープで切断。

あれ?意外に柔らかいぞ。

リーダーの首を落としたのと同時。
後ろの右手も両断され、左手の頭も吹き飛んだ。

3体残らず袋に詰め込み完了。


何事も無かったかのように波は静まり、唯一残された魔物の血痕も飲まれて消えて行った。

「あぁ…私たちの本鮪…。一緒に2つに割っちゃった」
「クワァ…」

「さっきのアレ。大昔にここらで暴れてた海蛇ぽかった。
2人共シャワー浴びて来なよ…」

「全身蛇臭い!急ごう、クワンティ」
「クワッ!」

慌ててシャワールームに駆け込む2人を見送り。
「怖かった?」
「全然平気でした。初めて魔物を見たのに…
スターレン様の背中が格好良くて。
お姉様に内緒でキスを…」

「あ!シュルツ!スタンから離れなさい」

「ダメだぞシュルツ。
さっきのピレリさんに嫌われちゃうぞ。いいのか?」

「…それはいけません!」

解り易くて素直なシュルツに癒された。

しっかし何で急にサーペントなんかが現われたんだろ。

首を捻っても解らない事だらけだった。

ふとシュルツの首の宝石が目に入った。
まさかな…。

素材の宝庫。なら一応水竜様にお礼を言うべきか。
「…水竜様が笑って居られます」
確信犯だ!有り難う御座います。


風呂から出たフィーネの怒りのクリア洗浄も終わり、
さっさと帰港。


港に入って早々。ピレリさんがシュルツに話掛け、気合いの籠った赤い顔同士で何やら相談していた。


帰りの連絡船の中で。

「さっきピレリさんと何話してたの?」
「私も聞きたいな」

「今はまだ内緒です。取り敢えず二ヶ月後のお爺様の査察に同行するので、その時ゆっくりとお話をと」

「頑張れよ」
「応援してるから」

楽しくなって来たー。殿下よ…すまぬ。




---------------

礼拝堂でお礼参り。ホテルに帰ってディナー。

気楽な部屋食。

シュルツが喜んで。
「海の幸と山の幸。両方味わえる贅沢。
お二人がラフドッグが好きな理由が解った気がします」

シャンパンとジュースで乾杯。

「サーペントはよう解らんので王都に帰ってから解体しよう。シュルツが見た物ってどんなだった?」

「主に…装飾品と。在庫が僅かな収納袋の材料が見えました。大魔石の属性は水でしたね。
これで上位の収納袋に挑戦出来そうです!」

「おぉいいねぇ。じゃんじゃん使って」
「依頼ばっかり増えちゃってごめん」

「良いのです。お役に立てる事が増えるのも、何かを作るのも楽しいので。

後…蛇肉も一応食材みたいでした。余り食べたいとは思えませんが」


「それはまた追々に」

今夜も星砂時計に火を灯した。

感動するシュルツの瞳に映り込む星々。
それは丸で光溢れる希望のように見えた。



シュルツは何かを考え、口を開いた。
「スターレン様。私もそろそろ…
天使様にお会いしたいのですが…」

あぁ、そろそろ限界か。どうするロイドちゃん。
「そうですね…。二人の魔力量も相当上がりましたし。
またフィーネさんの魔力を使えるなら、数分は問題ありません。
但し。ペリーニャさんにも要求されると思いますが、
出られるかどうかは水竜様次第です。
どうしてかはお察しを」
偏るからか…。そこは状況次第だな。
お許しが貰えたら。
「はい」

「またフィーネの魔力を使っていいなら、数分は行けるって言ってるけど。どうする?」

「私は平気よ」


じゃあ行くよと。シュルツの横に回り、何も無い場所に手を差し出した。

フワリと具現化するロイド。

「…」目を開き、言葉を失うシュルツ。

「初めまして、シュルツさん。
お久し振りです、フィーネさん」

「は…、初めまして!」
「お久し振りです」


フィーネの手を握り、フフっと笑う。
「緊張されているのですか?」
「済みません。手汗が」

「構いませんよ。それでシュルツさん。
何をお話しましょうか」

「…私も。握手を!」

それからロイドはどうして生まれたのかとかの質問が飛ばされ、俺に転生門の向こう側で無理矢理引っ張り出された事を暴露され。

2人とクワンに真っ白なお目目を頂いた。

最後に記念品になりつつある天使の羽根をシュルツとクワンに手渡して戻って行った。

僅かに薔薇の香りを残して。




---------------

翌朝。

テラスから朝焼けと涼しい潮風を堪能。

「他に何か思い残しは無い?」
「…はい。大丈夫です。新しい目標も見付かりましたし。
クワンティの装飾品も製作途中ですから。

小さな羽根は…装飾品に加えましょうか?」
「クワッ!」
自分でバックパックから取り出して、それをシュルツが受け取った。


「背を伸ばしたいなら牛乳を毎日200ccは飲むといいらしいぞ」
「後お魚と海藻類。もう少し待てば王都にも届くようになるから」

「はい!川魚と牛乳を取るようにします」


「朝食食べたら王都に飛びますかね」
「砂時計は必ず買って帰るから待ってて」


早速朝から新鮮な牛乳を飲み、
気持ちの良い帰路を辿った。


2人とクワンで戻って来た後は。
のんびり贈呈品について相談した。

「サーペントのお肉って変わり種もあるけど…」
「味も解らない物をぶっつけでは出せないでしょ」

「蛤の甘露煮も大量に作るとなると時間が掛かる」
「あれなら子供たちにも大人気になっちゃうよね」
「クワァ~」

「あれは自分たち用かなぁ。他には…」
「お鍋の季節でもないし。鮪も獲れないし。
改めて考えると難しいですねぇ」

「昼飯食べながら考えますか」
「名案。私ずっと気になってたお店があるんですが」

ガイドマップを開いて。
「何方ですか?お嬢さん」
「数少ない生食の海胆丼のお店です!」
「クワァ?」

「流石はフィーネさん!俺も何時行こうか悩んでた」
「行っちゃいましょー」


やって来ました、増加した丼物のお店の1つ。

結構な行列。

1時間位並んで入店出来た。

ランチメニューは…。

麦飯をベースに、海胆丼、
海胆と湯引き鱈白子の異種相乗り丼、
湯引き鱈と白子の親子丼。

「真ん中の組み合わせは斬新だな」
「いっそ悩まず3つ頼んじゃおうよ」

んな訳で3つ発注。

トッピングは刻みのり。昆布出汁で薄めた魚醤。

何れもトロトロでフワフワ濃厚。

大満足で退店。


「俺好きだな相乗り丼」
「私も。夏間近に精の付く食べ物って最高だよね」
「クワッ!」

「ん?待てよ…。夏場に精の付く食べ物と言えば」
「…鰻だ!」

良いのが浮かんだと思ってみても。

「売ってなかったな」
「そだねー」

「川釣りの竿持って上流行くか」
「河口付近に居たっけ?」

「全く獲られてないなら河口堰にも生息してるよ」
「取り敢えず1匹釣ってみよう」

大きめの蛸壺、竿、疑似餌、デッキチェアーを購入。

出掛ける前に冒険者ギルドへ寄ってみた。

掲示板にはサーペントの情報は無い。
当然である。大昔に討伐されたのだから。

受付さんにも聞いてみた。

「サーペントを食べる!?正気ですか?
そんな伝承は何処にも無いですし、小生は聞いた事も無いです」

「ですよねぇ~」
「お邪魔しました」

「あの…。お二人は何を釣りに?」

「ちょっと長くて茶色くてヌルヌルした奴を」
「少し上流方面で」

「あれかな。ポイントの地図を書くので少々ロビーでお待ち下さい」

親切な人だ。


糸を巻いた状態で竿を振り振りしながら待った。


「こちらがイールの目撃情報が固まっているポイントです。

まさか、そのイールも食べるとか?」

「目的通りの物なら食べてみようかと」
「焼きますけどね」

「お二人はチャレンジャーですねぇ。
と、兎に角頑張って下さい」

苦笑いで見送りされてしまった。


教わったポイントは、
芋畑を越えて川沿いを北に行った場所。

適度な平場と川の流れが緩やかな所が交差する穴場的なポイントだった。

デッキチェアーを配置して、
キランマージュのお香を焚いた。

「まんま蚊取り線香だね」
「これにエバンシアを配合するだけで…グフフ」

「こんな見晴しがいい場所では絶対嫌よ。
幾ら私でも泣いちゃうよ?」
「しないしない。そこは信じて下さい」

「良かった。クワンティも遊んでおいで。
結構時間掛かると思うから」
「クワッ」

クワンが空に飛んで行くのを見届けて、川に糸を投げた。

川の潺をBGMに静かな時を楽しむ。

水筒に入れた温かいコーヒーを飲み合いながら。


「こう言う時間もいいもんだね」
「当たりが無くてもイライラしない。隣には愛するフィーネさんが居て。後は本でも何か持って来れば良かったか」

「言われてしまった。愛するスタンさんの隣で糸を垂らすだけの時間。綺麗な川。虫の音と野鳥の囀り。
上流に向かえばハイネと王都。

釣り人が嵌る気持ちが少し解ったかも」


静かな時間は流れ続けた。
鰻も含めて他も全くヒット無し。

「疑似餌の大きさミスったかな」
「明日はもっと小さい疑似餌にしよう。
…もう少し上流とか」

「上の方に大きな滝があるらしいから、鰻もそこまでだと思う」
「寧ろその滝を見に行くのは?」

「ブーツで走って半日位だよ?今の季節は…」
「ブーツは止めましょう。ムレムレ必至」

「フィーネの足なら幾らでもな」
後頭部を叩かれた。
「真顔で変な事を言うのは止めなさい。いい加減に怒りますよ」

「さーせん。
帰り掛けに…あ、最寄りの街道まで飛べばいいのか。
一度は走った道だし」
「その手がありましたねぇ。明日はそれで行きましょう。
ちょっと人目は気になるけど」

「餌変えて少しここで粘って駄目だったら上に行こう」
「うん」

今日の所は時間もないのでここでお開き。


「戻ろっか」
「ほい。クワンティ」

「クワッ」

「指笛は?」
「ここでやると他の鳥さんも寄って来そうで」

「ふーん」

片付けをして引き上げた。




---------------

9日目の朝。

朝市で売れ残りの蛤を大量購入。

小さめの疑似餌とお昼の軽食、
ビーチパラソルも購入した。

「ゆっくり出来るのも今日までか」
「明日の完成度次第だねぇ」

鰹節と寒天。それだけでもかなり幅が広がる。
最後まで料理三昧になるかも。

昨日のポイントでセッティング。


時刻は10時手前。

疑似餌を変えたお陰か、30分もしない内に川魚が掛かり始めた。

「爆釣れ」
「フナにマス。虹鱒の塩焼きも魅力的だけど」

魚はキャッチ&リリース。若しくはクワンのお腹。

狙いは飽くまでも鰻。

それ以外は王都でも手に入る。


1時間経過。

トローリングの位置を微妙に変化させて行った結果。

標的がヒットした。

初手を引いたのはフィーネ。

「「デッカい!」」
「クワッ!」

大物も大物。丸々と太った天然鰻。

「これだけでも5人前はあるな。…蛸壺に入らねえ」
「あーどうしよ。リバイブやっちゃう?」

「ちょいまち」
周囲の人影を確認と索敵。

「うわぁ。対岸の木陰に観客多数発見」
「それはまた面倒ね」

「デッカい桶、速攻で買って来るから待ってて」
「逃げない内にお早く」



スタンが飛んで、鰻さんを川辺に作った堀で監視。
しながら対岸の気配を伺った。

敵意は全く感じない。
私たちも有名に成り過ぎて、何処に行っても興味の目を引いてしまう。

ここもギルドの職員さんに教えて貰った場所。
当然他の人たちも知っている。

対岸なので帰れと言う権利も無い。


何をしているかの興味本位だと思われる。

しっかし鰻さんは元気だ。


「お待たせ~」

スタンが買って来たのは…新品のバスタブ。
ちょっと吹いた。

「ちょっと、それはどうかと」
「だって木桶は低いのばっかだったしさ。これしか無かったんだよ」

岸辺にバスタブをドカンと置いて、ロープで水を掬って4分の一位満たした。

「確かにこれなら逃げられないけども」
「大は小を兼ねると申します」

大物の鰻を見詰めながら。

「これって生きたまま袋に入るかな」
「上手くアイテム判定してくれれば」

スタンの袋にバスタブ毎入った!

「お魚はアイテムなの?」
「まー鮪も完全に死んでなくても入ったし。サーペントもクワンが仕留めた奴が絶命寸前だったし。
魚類限定かな」

そうであって欲しいと切に願う。

もう一度バスタブを出現させると、鰻さんは全然元気なままだった。


対岸で響めきが起きてる気がする。


「人目は気になるけど」
「続行しよう。目標大物10匹」

欲張りな気がしても、結婚式が3回もあるんだからそれ位は必要だ。

平和に生きて来た鰻さん。御免なさい!
ちゃんと感謝しながら食べさせて頂きます。


釣れるポイントが判明したので、そこに重点スロー。
お昼までに10匹に到達した。

釣果成績。スタンさん3。私が7。

「釣りのセンスもフィーネの圧勝。俺は海の男に向いてないらしい」

悄気る旦那の肩を叩いてキスをした。
「これで許して」
「全然平気!」実に単純である。


桶と竿を片付け3人でそのままランチ。

ポテサラサンドとポークソテーレタスサンド。
ソースと辛子マヨの組み合わせがベストマッチ。

苦めのコーヒーで後味も良し。

「「幸せ」」
「クワァ」




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幸せなランチも終わり、荷物と備品も片付け終わった頃。

対岸の土手の上で1人の男性が手を振っていた。
どうやら俺たちを呼んでいる様子。

「なんぞ?」
「どうしたのかしら」
「クワ?」


ロープで対岸に渡ると。

「済みません。お二人を見に来た連れの女の子が一人流されてしまいました!」

「「は?」」

どうやら東側の流れは西よりも早く、連れの少女は身を乗り出して静かにポチャリと。

「何やってんの!あんたら泳げないの?」
人の事は言えないが。

「全員…金槌です」んな阿呆な。


今度は別の女性が。
「上流から大きな丸太の大群が!」

「面倒な。クワンティ、上から下流へ。
フィーネ、少女を頼む。
俺は上からの丸太!」

「クワッ」
「服濡らす予定なかったのにぃ」
フィーネから貴重品とポーチを預かり。

クワンは飛び上がり、フィーネは川に飛び込んだ。


「他の人たちは枯れ木を集めて岩場で火を起こして!」

「はい!」


上流からの丸太を退け終わった頃に、少女を抱えたフィーネが戻って来た。

直ぐさまフィーネの超軽量人工呼吸で水を吐かせて事なきを得た。

少女にもバスタオルを与えて。
「女の子じゃなかったら死んでたわよ」
焚き火の脇で不機嫌気味に自分の髪を拭いていた。

男だったら俺だったのかと思いつつ。
「遠目で見るなら見守る。声を掛けるなら対岸に回って直接声を掛ける。泳げないなら渡っちゃ駄目だろ?」

少女は泣きながら。
「ごべんなざい」

「この子の親は」

応援を呼んだのとは別の男性が手を挙げた。
「ちゃんと見てないと。俺たちなんか無視して」

「申し訳ないです…」

「無事みたいだけど。一応これ、解毒剤。
ゆっくり飲んで」

少女はヒグヒグ言いながら飲んだ。

「皆さんは、ラフドッグの?」

「芋畑の農夫です。

昨日お二人が通り過ぎるのを目撃してしまって…。

今日も。出来るだけご迷惑にならないようにと
南の橋から渡ってこちらで、見学してました」

財団の従業員さんたちか。

「今の方が大迷惑ですけど?

今回は何事もなかったんでメドーニャさんには言いませんけど。

今後はこんな無益な事は止めて下さいね」

「はい…。重ね重ね申し訳ないです」

フィーネも。
「交換条件として。
私たちが何を釣っていたかは内緒にしておいて下さい。
それ位は皆さん守れますね」

「はい!」全員の良いお返事を頂いた。


「俺たちはホテルに戻ります。
皆さんは仕事があるならそちらを。
火の後始末はお願いします」

「はい」




---------------

ホテルに戻って風呂から上がったフィーネさん。
「折角ゆっくり滝が見れると思ったのに…
私たちの巻き込まれ体質は異常よ」
むくれている。

新しいシャンパンに熟成リキュールを混ぜて飲み合った。

「まあまあ。終盤か帰りにでも行こう。
滝は逃げたりしないしさ」

「はーい」
「クワァ…」


結局この日は何処にも出掛けず。
テラスに小テーブルとデッキチェアーを置いて
夕焼けに染まる景色を眺め続けた。

「これはこれでいっか」

バスローブのまま伸びをして、覗く胸元や生足が堪りません。

「いいね!」
「どっちの話よ」

「フィーネさん」
「だ、駄目よ。我慢して、お願いだから。もう直ぐディナーでしょ」

据え膳が逃げて行った。
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