お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏

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第120話 南両大陸ボーリング調査02

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ホテルのフロントに部下を残して2人で4日程西を旅すると伝えてから東へ出発した。

エリュダンテの口は堅い。しかし情報は何処から漏れるか解らない。要人に越した事は無い。

敵側に気取られなければ襲撃される確率も低くなる。

朝市でたっぷりと食材を買い込み、シャインジーネを西に出て街道を暫く進んだ先の、入り組んだ木陰からティレンズ東の森へと転移した。

マタドルさん宅を訪ねると、着いて早々に。
「準備は出来た。停留所に行くぞ」流れが早い!

ダラダラとお喋りをする気は無い様子。

こちらも寡黙な護衛に徹しよう。

この馬車だと指された先の1台の車両。
「1台だけですか?御者さんは…女性の方?」

「荷室は広い。首都までの治安も道も良い。あの女は度々使っている冒険者だ」

小麦色に日焼けした八重歯が素敵な爽やかな人。

「お早う。今回同行しますスチュワートです」俺の偽名。
「お早う御座います。妻のフィーダーです」嫁の偽名。
センスが有るのか無いのか今一微妙。

鍔の広い麦わら帽子を持ち上げて。
「宜しく。あたいはメイズだ。迷いそうな名前だがどう頑張っても迷えない一本街道だから安心しな」
マタドルさんとは対照的に明るく快活な女性だった。

好みの女性が丸解りです。


出発して早々にフィーネは御者台に移動してメイズと楽しそうにお互いが着ている服の話で盛り上がっていた。

荷室の中には男二人。

餅米の稲穂の甘い香りが消臭剤代わりになっている。

「稲の状態で運ぶんですね」
「精米して俵にすると襲撃される確率が上がる」
ほうほう。野盗対策も兼ねてるのか。

「何なら首都手前まで俺たちの収納袋に入れましょうか?
くすねたりしませんから」
「…そうしてくれ」
一本残らず収納。代わりにレジャーシートを敷いた。
「これで何時でも寝られますね」
「…」
会話が続かず少々気まずい…。

持参したお茶を飲みながら黙って向い合っていると。マタドルさんが妙にソワソワ。

「もしかしてトイレですか?」
「…違う。その、…君らの聖剣を」

「見たい?」
「そうだ」
気になっちゃいますかぁ。

「次の宿場でお見せしますよ」
ここまで来ればフィオグラに入ったも同然。誤解の無いようにメイズにもお披露目しよう。

もしもの場合は強行突入してやる。

犠牲は多少の怪我人だけで済む。俺たちの全力疾走には誰も追い付けない。人間なら。

「俺たちの鳩中に入れていいですか?今、屋根の上に居るんで」
「…妙な鳥臭はそれだったか」
お鼻が良い!嗅覚が犬並だ。

了解を得てクワンを荷室の中に入れた。

「クワッ」
ご挨拶の鳴き声が届き、メイズが驚いていた。
「なんだい!あんたら鳩飼ってたのかい」
「そうなの。家のクワンティ。宜しくね…メイズさん前前」
「おおっと」
そんな声が聞こえて来た。

マタドルさんも自慢の虫眼鏡でクワンを凝視。
「見事な鳩だ。装具もな」
「褒められたぞ~」
「クワァ~」

「人間の言葉を完璧に理解出来る子なんで。変な悪口言うと頭禿げますよ」
天パー頭を抑えながら。
「嫌だ」ちょっと焦っていた。


宿場に入り、荷物を確認しに回り込んだメイズが更に驚いて捨てたのかい!と悲鳴を上げた。

ちゃんと収納してますよと。


小屋に隣接の納屋に馬車を入れてメイズが戻って来た。

久々の自炊で2人をお持て成し。
簡単にアオサと根菜の味噌汁と梅肉サンドですが。

「…美味いな」小っちゃい呟き。
「おーおー。行商中にこんなにいいもん食えるたぁ。
仕事断らなくて良かったぁー」
大きな声で歓喜。
「あんたらいったい何者なんだい。聞かないのが筋なんだがそれでも聞いてみたいねぇ。マタドルさんの知り合いっていやぁ鈍より根暗ばっかでよぉ」
ハッキリと本人の前で。マタドルさんの肩をバシバシ叩いてガハハと豪快に笑ってら。

食事が終わった所で新生ソラリマをお披露目。

2人共言葉を一時失っていた。

「な、なんだい…この、化けもん級の大剣は。鑑定なんて持ってなくても。背筋が寒いよぉ」
「これが、彼らの持つ二世代目の聖剣だ。そう言えば解るだろう」

浮き上がった腰をストンと椅子に戻した。
「…やっと理解出来たよ。そうか、あんたらが。マッハリアでゴッズを両断したって言うシュトルフ夫妻かぁ」
その呼び名は新鮮だ。
「両断したのはスタンだけどねー」
「照れるぜ」

「でも今は南西に居るとか…。ここへ来た。フィオグラに向かってる!あんたらまさか」
「そのまさかっす」
ソラリマを収納して。
「ここまで来れば。2人は降りて貰ってもいいですよ。その分首都での犠牲者が増えますが」
「中枢以外の人は軽傷で済ませる積もりですけどね」

「あたしゃ降りないよ!マタドルさんも同じだよな」
「今更だな。命は捨てる覚悟だ」

「大袈裟ですよ。商業ギルド前まで食い込めれば極短時間で粉砕出来ます。俺たちが降りて荷物を納めたら出来るだけ遠くに離れて下さい」
「助けたい知り合いが居れば一緒に避難して下さいね」

「何人か居るっちゃ居るが…。障壁塗れの首都だよ。本当に出来るのかい?」
「俺たちに掛かればそんなの紙切れです」
「全部ぶっ壊します!」
ハンマーまで持ち上げちゃったよ…。

それにも面白い反応を示してくれたが真顔に戻り。
「あたいらも…。ギルド員も反乱分子も。何もせず言いなりになってた訳じゃないさ。大陸各地から有力者を集めて挑んだ事もある。
そこで、何に敗北したのか知ってるのかい」

「マッハリアから運んだ魔人でしょ。こっちでもそう呼んでるかは知りませんが。合成人魔かな」
「総数と拠点を知っていたら教えて下さい」

「いやそれはあたいたちも知らない。そうかい…そこまで知ってて突っ込むんだね」

「ラザーリアの地下施設では。これまでの年月に対して被検体の数が余りにも少なかったんです。最初は帝国に流れたのかと疑いましたがそうじゃない。だとすると女神教の暗部と繋がっていたこの大陸しかない。
単純明快でしょ」

「だね…」

「供給元が断たれて維持していた薬剤も廃棄しました。
代用品を自作してたとしても。あの劣化は簡単には止められない。強力な力を持って現存しているのは極僅かだと見ています」
「大半が制御し切れずに魔物側に取り込まれていたりして。放って置いても拠点は勝手に自滅します」

「溢れ出て一般人に被害が出ても困るんで。本部を潰した時にうじゃうじゃ湧いてくれると有り難いんですがね」
「首都の郊外なら尚結構」

「流石に都心部ではないと思うよ。そこまでされちゃ幾ら甘い汁で骨抜きされてる公民上流者と言えども…とも言い切れないかぁ。誰かは知らねえが協力者は間違いなく居るからねぇ」

「それもこれも。頭を捕えて吐かせれば解る事だ」
「珍しくマタドルさんと意見が合ったよ。こりゃ明日は雨かしら」

「雨具も準備してますよ」

ぎこちない雰囲気で笑い合う。それでもメイズは底抜けに明るかった。重い雨雲を掻き消すような明るい太陽。そんな言葉がピッタリだった。




---------------

主人の居ない朝。二人切りの朝食。

新婚には似つかわしくない無言の食事。これが初めてでもないのに、間に流れる空気は重苦しかった。

「あいつら居ないと静かだな」
「ええ…。そうですね」

会話は途切れ続かない。

ソプランは気分転換にと妻であるアローマを海辺に連れ出しある提案をした。
「釣りでもするか。何も考えずにボケ-ッと」
突然の提案にアローマはクスリと笑った。
「熟年夫婦みたいですね」

「そうか?結構若いやつもやってるぜ。何処の港でも」
「ソプランも子供の頃は釣りをしていたのですか?」

「自分たちで釣らないと食う物無くて死ぬからな。少ない配給も大人たちに力尽くで奪われて。だから俺もメレスも当時の仲間も必死だったぜ」
「嫌な事を思い出させてしまいましたね」

「いや…。今となっちゃなぁ。いい思い出は一つも無いが特別な思いはねえよ。
殿下の説得でウィンザートに行っただろ」
「ええ」
「あの時実は船降りる時に震えてたんだ。脚が勝手に」

「気付きませんでした。御免なさい」
「恥ずかしいから寧ろ気付かれなくて良かった。
でもよ。見違えるように綺麗になった桟橋とか町中とか見た時、嘘みたいに何も感じなかった。
俺らの知らない新しい町が隣に出来たみたいな感じか。待機してた喫茶店なんて当時じゃ考えられなかったし」

「そうなのですね」
「あいつらは凄えよ。やる事なす事訳が解らねえ事ばっかだが。何もかもが早い。生き急いでいるようにしか見えなかった。でも違った。あいつらあれで普通なんだってよ」

「本当に、信じられませんね。お二人の専属侍女になっている事も。ソプランと結ばれた事も。こうして海を越えて旅をしている事も。半年前まで想像もしていませんでした」
「だよな。あいつらと出会ってまだ一年も経ってないんだぜ。俺が執事だぜ。多分普通の執事じゃねえけど。
自分で自分が信じられねえよ」

海辺の管理棟で借りた疑似餌の釣り竿を二人で離れて並び垂らしていた。

そんな長閑な水入らずの時間に賑やかで少々暑苦しい邪魔者が現われた。

「あーらぁ。ソプラン様にアローマ様ではありませんかぁ。私が懸命に走り回っている時に釣りに興じるとは優雅なものですねぇ」

「ゲッ、モメット」
「今日は」

「ソプラン様酷いぃ。ゲッって口に出さなくても」
「心の声が出た。許せ」
「そう言う言葉は出すものではありませんよ」

「スターレン様も冷たいしぃ。パパに言い付けても逆に私が怒られるしぃ。私ちゃん可哀想」
「うっせえな。その喋り方をまず何とかしろ。で、直接来たって事は何か成果があったのか」

「グスン。…上のお二人にお話に来たんですぅ。そのお二人の姿が見えないんですが?」
「あいつらなら先陣切って俺たち置いて西に向かった」
「水入らずで旅がしたいとのご命令で待機です」

「…それって従者としてどうなのかしら。
まぁ良いですわ。狙っていた海賊船なんですが。残らず解体されてしまっていて。代案を持って参りました」

竿を振り直し。
「お前が気持ち悪い声出すから魚逃げたじゃねえか。
代案って?」
「人の所為にしないで下さいまし!隣町のロメーランの港に停泊中の、ローメインの保有船の残りを直で奪った方が手っ取り早いかなって」

「ど直球じゃねえか。確かに最短で船体名削って海賊旗掲げるだけだもんな」
「はいな♡」

「大抵の事には目を瞑ると。サダハ様の了解も得ていますしね。難航するなら買収も可能です」

「明日。ちょっと見に行ってみるか。どうせ主人夫婦は二日三日帰って来ねえし。自由人に付き合う従者も大変なんだよっと」
又しても食い付き悪く魚に逃げられた。

「明日の午前から。ご案内をお願い出来ませんか?」
「お安い御用で。その積もりで来ました」

「じゃあそっちの準備が出来たらホテルのロビーに直接来てくれ。馬車は要らねえぞ。逆に遅いから」
「まさか…。ソプラン様が私を負んぶで♡」

「バーカ。早く走れる未使用ブーツ貸してやる。本来は王様かペカトーレで献上する予定だった有り難い品だ。文句ねえだろ」
「主様は気前が大変良いので。一度履いてしまえば進呈すると仰って下さいますよ」

「それは楽しみですわ♡…ですがそれなら最初から渡してくれれば」
「依頼した時とは状況が変わったんだよ。察しろ。
最初から派手に動いたら隠密にならねえだろが」
「それもそうですわね」

「今日は適当に。ご一緒に釣りでもしますか?」
「日焼けするのが嫌なので遠慮しますわ。アローマ様も焼けちゃいますよ」
「日焼け止めも。とても日焼けに効くローションも頂いてますのでご心配無く」
「良いですね。私にも貸して下さいな。釣り竿借りて来なくちゃ」
そう告げて走って行った。

「忙しい奴だなぁ。
…ブーツ無くてもあいつ足速くねえか?」
「速いですね…」
元気に高速で移動するモメットの背中を見送った。




---------------

タイラント王都パージェント。

第一区の六区手前の一際大きな屋敷。その敷地から出てラフドッグから引き取って来た番犬の散歩に出掛ける銀髪の少女の姿が在った。

ニーダのお気に入りの犬でその名をチョロと言う。
運悪く南の老婆に去勢されて番が組めないチョロを特に気に入り率先して世話をしていた。

彼女の傍では全く大人しく人懐っこい飼育犬と化し、番犬としての面影は無い。

「良い子でちゅねぇ」ついつい可愛がってしまいチョロが家庭犬に成る日も近そうだ。

この日。ニーダは久々の休暇で羽根を伸ばし、同行を願う従者を押し留めて自由な散歩にチョロを共に出掛けた。

最近自分の身の回りの様子が可笑しい。
妙な違和感を感じていた。

ライザー殿下とのお食事会が過ぎてから…?
いや、もっと前から。

明るく爽やかな殿下。順調に会食を重ね、王宮庭園を二人切りでお散歩したり。行く行くの来年成人を迎えたら。

自分は王子の妃に成るのかも知れない。
それで身の回りが慌ただしくなっている。
なら理解は出来る。

しかしそれでも変だ。とニーダは感じていた。

南方へ出発する前のスターレン様とフィーネ様。ノイツェ御父様も身重のライラ様も。都内に引っ越しを済まされたクラリア様も。誰も彼も絶対に一人で出歩くなと口にしていた。

どうして自分だけが?その違和感は残る。

ライラ様を置いて突然ゴンザ様がロルーゼに向かう行商隊に加わったりと。

カメノス商団のお仕事なら不自然さは無いが…。


チョロのリードを引きながら首を捻り歩いていると。
目前にフードを目深に被った人物が路地曲がりから現われた。

不意の接近に身を返し道を空けてもその人物は自分の前を動かない。チョロも珍しく唸り声を上げ牙を剥き出しにした。

「チョロ、静かに。何方様ですか?」
「ニーダ様ですね」その男性の声に聞き覚えは無い。

「そうですが。お名前は?」
「名乗る程の者ではありません。ライザー殿下の密偵の一人です。東行きの馬車をご用意しました。王都では監視の目が厳しいので息抜きにマッサラでのお散歩のお誘いを言付かりました」
男の言動に違和感を覚え、一旦は断ろうとした矢先。

勢い良くチョロが男に飛び掛かり、腕に噛付いた。
男の手に銀に光る何かが見えた。

「忌々しい!」
男は容赦無くチョロを払い腹を蹴り上げた。
「何をするのです!」

転がるチョロに目を奪われていた隙に。男の動きを見逃して腹部に当て身を受けた。

ニーダの意識はそこで途絶えた。

男はニーダを軽々と担ぎ、チョロを足蹴にすると踵を返して路地裏に走り去ってしまった。


敬愛する主人を目の前で奪われたチョロは。
痛む腹を無視して後を追ったが、二人が消えた路地で匂いが途絶えた。

入念に嗅いでも嗅いでも。主人の匂いも男の臭いも綺麗に消え、チョロは前足で地面を叩いた。

我が家に戻らねばならない。主人を奪われたのにおめおめと。悔しさを噛み砕いてチョロは全力で駆けた。




---------------

ロルーゼ領内での行業中の荷馬車。

御者台で手綱を引くケッペラが呑気に欠伸をした。
「あー眠てえ。早く帰ってイルヤに会いたいぜ」

大きな荷台との中扉を全開にしている為。その叫びは中まで響いた。

「俺だってそうだよ。て皆そうだろ。隊長だけは違うが」
と御者台側に顔を出したのはヒレッツ。

「五月蠅いわ。どうせ俺は帰っても誰も待っちゃいねえがよ!クソッ」
苛立ちの原因はヒレッツの嫌味でも、回りの悪い手元の札の所為でもなかった。

現在は南へ進行中の復路。

王都のアルシェの所まで挨拶に行ったのに結局都合が悪いからと本人に会えず終い。何一つ有益な情報を得られないままで帰路に就いた。

「欲しい情報は得られず。積荷の商品も完売。
ロルーゼは山と海に挟まれてるから期待してたのにタイラントよりも品が悪くて流通もしてないってのはどう言うこった。これじゃ完全手ぶらじゃねえか!」

「落着いて下さいメメットさん。カメノス隊の前で恥ずかしいでしょ。用心して何事も無く帰れるなら寧ろ僥倖。
派手に動き回れないなら致仕方無しですよ」
荒ぶるメメットをゴンザが宥めた。

救援組の面々もゴンザに同調した。
「大事に巻き込まれる前に帰れるのは大いに結構。
シュルツお嬢様を匿ってた時と違って男ばかりでむさ苦しいしな。
さっさと帰って次を練り直すのも一手だと思うがね」

馬車は現在ノルムを越えてサザビラへと向かっている最中で丁度中間点辺りの宿場を目指していた。

御者台のケッペラが伸びをして腰を解した。
「物騒な話してたら敵さん来ちまったぜ!西から、数は…大体五十前後。東側の林道抜けて、海岸寄り目指して迂回する」

舌打ちしながらゴンザは各員の武装を収納袋から乱暴に取り出した。
「口は災いの基ですね、メメットさん」
「俺の所為かよ…。今後は口閉じる」

隊のリーダーを務めるゴンザが追加で叫ぶ。
「弓はまだ早い。充分に引き付け逃げられなくしてから敵首領を炙り出す。
格好の手土産が向こうから来てくれたんだ。手足捥いでも殺すなよ」

メメット行商隊は東に林を抜けた先の開けた場所に着き、馬車を隠して大木を盾に展開した。

この素早い対応に敵首領は驚愕したが、勘付かれては後にも退けない。急造でも五倍の人数を集めた。

簡単に押し潰せると見誤った。

この判断が後の騒乱の勝敗を決する分岐点になるとも知らずに愚者は攻勢に踏み切った。




---------------

一方パージェントのシュルツは。
ミランダとカーネギに見守られながら、せっせと水色の衣服作りに勤しんでいた。

その作業は夕食後まで続けられた。

「お嬢様。そろそろ就寝のお時間です」

「待って下さい。もう少しだけ。後一着で区切りが付きますから」

主にフィーネの服に時間を費やし、あれやこれやとデザインを浮かぶがままに縫い合わせていた。

只でさえ背面部がガラ空きで露出が高い。責めて前面部は凝った物にしようと。

本日最後の一縫いが。
「終わりましたー」

材料となる布はまだまだ豊富。
自分用や身内だけでなく。ペリーニャの分まで手を出し始めて止められなくなってしまった。

シュルツの創作意欲は留まる事を知らない。

作業の疲れと達成感で深い眠りに就いた。

プリタがニーダロストの知らせを持ち、シュルツの寝室に飛び込んだ時には遅く。

ミランダと共に肩を優しく叩いても全く起きず。

この一晩の連絡遅れが、一筋の幸運を招く結果と成ったのだがシュルツは深過ぎる夢の中。

後に聞けばピレリと大きな温泉旅館を切り盛りし、皆を招くと言う幸せな夢であったと言う。
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