162 / 303
第160話 タイラント組の帰国
しおりを挟む
展開が急過ぎて追い付けない。
安心して下さい、俺もです。
レイルとプリドラの邂逅は後回しに。ごり押し進んだ約2週間。
いやぁ朝から晩まで忙しかった。
ほぼ毎日ピエール、内務大臣に就任したノドガ、関与無しで失脚を免れたデブル、元老院代表のソーヤンとオシオイス、国防長のレオハイン、現場復帰したマリスなど。
クワンジアのTOPを集めた会議、打ち合わせ、交渉の連続でした。
「ここまでお膳立てしたんですから後は自分たちでやって下さいよ。待たせてる人も大勢居るんですから。もう帰らせて下さい」
「お願いします…」
フィーネもゲッソリ萎え気味。
基本他力本願なピエール君が本性を曝け出し。
「ここまでされたからには結果も見て行け。いや責任を取れ。途中で帰っても召還状を送り続けるぞ」
「勘弁して下さい。いったい何時までですか」
「そうだな…。最低でも骨子が上がるまでだ」
各部の基盤再構築案が出揃うまでか。
「「ハァ…」」
各部門の調整段階に突入し、与えられた休日には。突然ヤーチェ隊の面々が宿舎をご来訪。
「まだ帰ってなかったの?てか俺に用事って何?」
十中八九、レイル関連だろうけど。
「露骨に嫌そうな顔をしないでくれ。俺たちも何か役に立てるかと構えていたのに。介入する前に片付けられてしまって繋がりが持てなかったんだ。後出しで悪いが」
「そう言うのはもっと早く言ってくれないと。人身売買組織潰すのに人手足りなかったんだから」
「いやぁ済まん」
「私たちに協力する見返りは何ですか?ヤーチェさんたちに提供出来る情報なんて殆ど持ってないと思うんですが」
「それなんだが…。東大陸で、愛しのシュライツ様♡」
5人揃って急にデレた。キモい!
「と失踪前に接触しなかっただろうか」
豹変の振れ幅が凄い。レイルが嫌がる訳だ。
「した、と言ったら」
「いったい何を話したのか聞きたい」
「別段何も。南西の鼠狩りをしていたら領域を荒らすとは何事かと現われて。変な組織に追われてますよって助言したら仲良くなって。ちょっとした料理をお城で提供したら号泣し出して。何が有ったかのかは聞かなかったけど」
「俺たちで潰そうと思ってた奴らか。確かシュライツ様の生血が欲しいとか何とか」
「多分同じだね」多分じゃなく正解。
「あの後別れてからは会ってないんです。お城から姿を消したと言う噂は聞きましたが」
「真実はどうだか知らないけど。一説に依ればヤーチェたちが付き纏ったからじゃないかって聞いたよ?それを俺たちの所為にするとか、無いわぁ」
「無いわよねぇ」
「いやいや別に疑っている訳ではないんだ。只最後のお姿を知りたかった。それとフィーネ嬢が付けている香水に付いても」
香水に目を付けてたのね。そりゃ盲点だった。
「薔薇の香水の事?これはタイラントのカメノス商団本部で作って貰った特注品ですよ」
「おぉそうなのか!薔薇の香りだったのか。以前に嗅いだシュライツ様の香りに良く似ていたものでな。飾る石碑と共にお供えしたくて探していたんだ」
「成程。でもこれは特注で非売品なので1瓶だけならお譲りしますが…。何かメリットは?」
「有り難い。こちらから出せるのは金銭、ではないのだろうし。何か欲しい物は無いか」
特に無いんだよなぁ。
「じゃあ、東大陸に居座る闇組織の残党の情報集めと。来年に最宮に潜ろうとしてるんだけど。順番待ちを回避する方法とか知らないかな」
「残党の情報は大陸の仲間が集め始めている所。それはいいとして順番待ち回避か…」
「やっぱ難しい?」
「裏技が無い事も無い。かなり難しいが」
「それってどんな」
「ここだけの話。ギルド本部の認可を受けられれば順番を無視出来るらしい。らしいと言うのは誰もやった事が無いからだ。他の冒険者が納得する唯一の方法。
本部の認可と同義。聖剣の了承を得る事だ。それにはまず聖剣を起こしてご機嫌を伺わないといけない。噂話では寝起きが頗る悪いそうだ。だから望みは薄いな。本部の人間でないと対話すら不可能でもあるし」
先にギルド本部行けばいいんだな。
「解った。挑戦してみるよ。交換条件は情報集めだけでいいや。そうと決まれば話は早い。転移で東大陸まで送り届けるよ。ヤーチェたちの拠点は何処?」
「いいのか!交渉してみるもんだな。俺たちの拠点はマスカレイドの町に在る。しかし、馬は運べるのか。かなり気性が荒い血統なんだが」
「馬用の目隠しをすれば大丈夫。それに」
「それに?」
奥の部屋に居たクワンを呼び。
「この子は普通の鳩より賢くて。人間の会話も殆ど理解してる。飛ぶ前に馬を説得して貰えばいいのさ」
「クワッ!」
「ほぉ羨ましいな。直ぐに準備する」
「ヤーチェとバリンの賞金合わせれば半分位は払えるかもね。滅多に生まれないらしいけど」
「そんなにか!?値を聞くと更に神々しく見えるな」
「クワァ」
鳩胸を張って見せた。
ヤーチェ隊を早朝のマスカレイドに送り、序でに朝市で蕎麦粉を購入して宿舎で蕎麦を捏ねた。
フラーメを招いて笊蕎麦を食べながら。
「これが東の蕎麦かい。小麦よりも何と言うか香ばしい」
「お粗末様です」
今回姉の為に捏ねたアローマが自慢顔。
一方レイルは清々した顔で。
「やっと変態共が帰ったか。これで漸くと羽を伸ばせるぞい」出すなよ。
「高名なヤーチェ隊が変態?あの噂は本当なんだね」
「知らぬ方が幸せですよ、姉さん」
「じゃあ聞かない。それより何時頃タイラントに帰れるんだい。ヤンとも和解出来たし。私は何時でもいいよ」
出来たんかい。ヤンは心が広いな。
「明後日に素案が上がるらしいから。その合意が取れ次第かな。大半の移住希望も通ったし。根回ししといて最後にグリムゾルテ寄って終わり」
ここまで来るのに長かったなぁ…。
頃合い的にはタイラント方面の雨期も明けている。休暇も夏に被りそう。船の返却も有るからラフドッグで過ごせるかも。じゃなくてそうしよう。
「ヤンの勧誘は何時行くんだ」
「お昼も食べたし。今から行こっか」
「大人数で押し掛けるのも迷惑だから私はレイルとお買い物でもしてるわ」
「そうじゃの。話を為ねば成らぬ者も居るしのぉ」
レイルがフィーネのバッグを見て目を細めた。
そっちは任せて勧誘に行こう。ソラリマを見せた時のヤンの反応が楽しみだ。
---------------
スタンたちが勧誘に出掛けた後も部屋に残り、テーブルの上で檻に巻いた布を解いた。
過呼吸気味に生きを吹き返す全裸のミニチュア女。今の姿は全身蛇皮女だが。
「あぁ…。死ぬかと思った。こんな拷問を咄嗟に思い付くとは何たる非道」
レイルが睨み付ける。
「五十年振りに姿を見せたかと思えば。上級魔族に転生していたとは。娘を謀ったのはお前か」
「これはこれは懐かしの吸血姫。私は餌で誘っただけよ。本編を考案したのは相方。貴方からの連絡を受け、確認するだけの積もりだったのに。油断したわ」
「私に構ってないでさっさと帰れば良かったじゃない」
「吸血姫が付近に居なくて土産に出来そうな貴様が目の前に現われたのだ。誰だって飛び付く…。餌に釣られたのは私だったようね」
「餌にされた自覚は無いけど?」
「西に送った彼奴では足りぬか。手打ちに出来ぬ理由でも有るのかえ。薬が切れる前に娘を解放為ねば。後悔するのはお前たちじゃぞ」
「重々承知してるわよ。あれで済めば私たちも万々歳。既に相方が交渉に入ってる頃。済まない理由を話しても貴方たちには理解出来ないわ」
「話さねば理解も何も無いであろう。吐かねば一生出られぬぞ」
「どうせ遅かれ早かれこの世界は滅び行く運命。何処に逃げたって一緒。ならこの中の方が安全かも知れない」
「逃げる、て邪神から?」
「そうよ。全部あのアホ勇者が悪い。声を掛ける相手を間違えたの。異界の創造神の筈だったのに。寄りにも寄って破壊神の方に声掛けたんだもの」
「話を聞いて興味を持ってしまったか。本に愚かじゃて」
「傍迷惑な話ね。それの何処が理解出来ないの?元人間の曲して私たちを馬鹿にしてる?レイルも居るから両方の意味で」
「じゃな」
「あんたらの理解力の方が異常よ。普通驚く所よ」
「滅亡の話はアノヒハからスタンが聞いてる。何かの冗談かと思ったけどホントみたいね」
事前に聞いてなきゃ驚いたかも。
「神が所望する物を集めてみたけど足りない。あれだけじゃまだ」
「石英?それとも黒竜様の鱗?あー解った。誰かを人質に取ってスタンや魔王様に取りに行かせようって魂胆ね」
「…」
レイルが爆笑。私は失笑。
「成程のぉ。これは愉快じゃ。自分たちで取りに行けば良かろう。手を出さねば邪魔はせぬ」
「元勇者の代わりにアノヒハで異界からの転生者の魂なら揃った訳よね。だったらもう少しじゃない。精々頑張って手に入れなさいよ」
檻からは「「出さんがな!」」
「ちょ…」
「喚かれるのも煩わしい。妾が腕によりを掛けて従魔に代えてやろうぞ」
「いいわね。追加の檻は潜って取ればいいし。そのまま預かって。持ってるのも気持ち悪いもん」
「ま、待って!」
断末魔に似た叫びを唱え、プレドラはレイルの影に吸い込まれた。
「さ、お買い物行こ。お土産沢山買わなくちゃ」
「忙しいのぉ」
ルンルン気分でレイルと腕を組みながら部屋を出た。
少しずつ道を塞いで行けば邪神教は自滅の一途。最後に来る破壊神の召喚を阻止すれば私たちの勝利。
アザゼルを聖剣で倒せばスタンの使命も終わる。何て解り易い!
---------------
何でも捕えたプレドラが全裸で露出狂だそうで対応はレイルと2人だけでいいとフィーネが強く推したのでクワンもグーニャも連れてヤンの工房を訪ねた。
レイルが居るなら変な事にはならない。レイルと変な事になったらどうしよう…。
まあいっか!
「頼もー、頼もー」
「道場破りか!」
慌てて出て来たヤンは少し窶れているように見えた。
「ど、どうされました。スターレン様」
「久し振り。どうしたはこっちの台詞だ。元気無さそうに見えるぞ。夏風邪か?」
「い、いえ別に。昨晩そこの乱暴者と朝まで、色々と」
説得、昨日まで掛かったみたいだな。
「乱暴者って随分な言い草ね。自分だってたのっ」
「何を言ってるんだ人前で!」
慌ててフラーメの口を塞いでいた。
仲良き仲良き。仲直り出来て良かった。
「所でヤン。折り入って話が有るんだが。店閉められる?」
「用事は、終わったのですか」
「大体な。後は調整が幾つかとタイラントの根回しで何度か往復する」
「そうでしたか…」
店内を振り返り。
「今のお客が捌けたら閉めます。商品でも見てお潰しを」
まだ語りが固いなぁ。
接客の邪魔するのはいかん。大人しく店内の陳列を見て回った。
各種武器。一般的な鋼鉄製で㞕無く手に馴染む。握りもカスタム出来るのか。兵士時代の経験が生きてるな。
雑貨具コーナー?お!料理用の片刃ナイフだ。長物は無く女性でも安心サイズ。ピーラーとか特注出来そう。
包丁に似た物はタイラントでも一部しか取扱が無くて研磨修繕とか困るんだよなぁ。
是非来て貰おう。もうデニーロ師匠は置いといて。
これは決定事項だ。
1人で商品片手にフンフン唸っていると。何やら新たな客が入店して声を荒げていた。
「おい、フラーメ!大会終わったら戻って来るんじゃなかったのかよ」
「煩いわね。そんな約束してないし。仕事で連むのはあれっきりでしょ」
あぁ、ラザーリアで襲って来た連中の1人だ。名前は…何だっけ。
「店内ではお静かに。お話は外で。他のお客様のご迷惑ですよ」
アローマの注意指導が飛び、男は摘まみ出された。
外も見たい。が、商品ももっと見たい。…商品見よ。
店内の客も直ぐに消え、ヤンが声を掛けて来た。
「丁度予約客も居ないんで閉めますね」
「先々には予約入ってる?」
「いいえ。若輩の打った物なんてフラーメ以外誰も買いません。さっきの客も冷やかしで。騒ぐ迷惑な客が来るだけです」
窓越しに外を眺めて。
予約が無いのは都合が良い。
「料理用道具も扱ってるんだな」
「あの手この手と試行錯誤の毎日ですね。宜しければお持ち帰り下さい」
「ちゃんと買って帰るよ。話終わったら…。て何だよあいつ鬱陶しいな。粘っても無駄だろ」
「あーあの人。フラーメの冒険者仲間のメンドルフですね。大会が終わってからと言うもの。ほぼ毎日あんな感じで」
あ、フラーメに投げ飛ばされた。
店裏の自宅に招かれ、こちらからお茶を出し勧誘話を切り出した。
「返答は急がない。考えたいなら商業ギルド経由で手紙を送って欲しい」
「願っても無い話。ですがこんな経験不足の若輩がスターレン様のお役に立てるかどうか。それに店も開いたばかりで工房も放し難くて」
「店や工房の中身は俺がそっくりそのまま運ぶ。思い入れが有るなら建物丸毎でもいい。兎に角一度考えてくれないかな」
「私に武器を打てと」
「最初はその意味で誘う積もりだった。でも店の商品見て気が変わった」
「変わられた?」
「これからの時代は何処かで戦争が起きない限り平和に向かう。魔物は居るから需要は有るが武器の店は徐々に縮小化されて行く。そこで生き残るのは料理用器具やナイフを扱う店だと考える」
「生活に役立つ道具、ですか」
「直ぐに方針転換しろ何て言わない。そっちの方面を拡充してみないか。俺と一緒に、タイラントで」
腕組みして真剣に悩んでいる。
「フラーメはもう行くと決めたのかい?」
「予想してた通りメンドルフたちが纏わり付いて来たし。昔から決めてたんだ。妹を見付けたら何を差し置いてもそこへ向かうって。ヤンと別れる事になったとしても」
「姉さん…。重いです」
「重い?痩せようか?」
それは違う。
ヤンは小さく溜息を吐き。
「頑固だからなぁフラーメは。今後はもっと相談して欲しい。そんなに頼りないか?」
「頼りない」
額でテーブルにキスをした。
「そ、そんなハッキリ言わなくても!」
「冗談さ。私はヤンの真面目さと優しさが好きなんだ。ひ弱なあんたが従軍した時は帰って来ない事も覚悟した。でも帰って来てくれた。今度は私を傍で見ていてくれない?」
「勝手だな。二度目の浮気は許さないぞ」
「あれは浮気じゃないって」
「まあまあ。その話は二人切りで。引っ越す方向で受け取っていいの?」
「はい。明日から廃店手続きに入ります。量は多くないですが、発注した砂と石はどうしたら良いですか」
「ここから転配頼んだら輸送費が嵩むし行商の負担が増すよな。…ギルドに解約金多目に支払って国に納入して貰おうか。何時でも取りに来られるし」
「ではそれも一緒に決済しましょう。明日何時でも良いのでもう一度来て頂けますか」
「午前中に来るよ。じゃ、お待ち兼ねの」
未装備のソラリマをテーブルの上にズデンと置いた。
「「おぉ…」」
この状態と進化版は初見のヤンとフラーメが息を呑んだ。
「目映いばかりに神々しい。素の状態がこれですか」
「お嬢が瞬間装備してた時も驚いたが。この姿も凄いねぇ」
「「触っても?」」
「いいよって答える前に触るな。俺と嫁さん以外は持ち上げられないから無理して持つなよ」
「触れられるだけでも光栄です。一時でもこれを目指そうと夢見た自分が恥ずかしい」
「そもそも金属じゃないしな」
驚くばかりの2人を見て笑ってしまった。
一つの戦いを終えた。絡み合った撚り糸を解くような戦いが結末を迎えた。
しかしこれで終わった訳じゃない。クワンジア内の残党も完全には消えてはいない。それでも明るい未来。平和な未来への道筋はピエールに提案出来たと自負をする。
さあ、我が家へ帰ろうか。
安心して下さい、俺もです。
レイルとプリドラの邂逅は後回しに。ごり押し進んだ約2週間。
いやぁ朝から晩まで忙しかった。
ほぼ毎日ピエール、内務大臣に就任したノドガ、関与無しで失脚を免れたデブル、元老院代表のソーヤンとオシオイス、国防長のレオハイン、現場復帰したマリスなど。
クワンジアのTOPを集めた会議、打ち合わせ、交渉の連続でした。
「ここまでお膳立てしたんですから後は自分たちでやって下さいよ。待たせてる人も大勢居るんですから。もう帰らせて下さい」
「お願いします…」
フィーネもゲッソリ萎え気味。
基本他力本願なピエール君が本性を曝け出し。
「ここまでされたからには結果も見て行け。いや責任を取れ。途中で帰っても召還状を送り続けるぞ」
「勘弁して下さい。いったい何時までですか」
「そうだな…。最低でも骨子が上がるまでだ」
各部の基盤再構築案が出揃うまでか。
「「ハァ…」」
各部門の調整段階に突入し、与えられた休日には。突然ヤーチェ隊の面々が宿舎をご来訪。
「まだ帰ってなかったの?てか俺に用事って何?」
十中八九、レイル関連だろうけど。
「露骨に嫌そうな顔をしないでくれ。俺たちも何か役に立てるかと構えていたのに。介入する前に片付けられてしまって繋がりが持てなかったんだ。後出しで悪いが」
「そう言うのはもっと早く言ってくれないと。人身売買組織潰すのに人手足りなかったんだから」
「いやぁ済まん」
「私たちに協力する見返りは何ですか?ヤーチェさんたちに提供出来る情報なんて殆ど持ってないと思うんですが」
「それなんだが…。東大陸で、愛しのシュライツ様♡」
5人揃って急にデレた。キモい!
「と失踪前に接触しなかっただろうか」
豹変の振れ幅が凄い。レイルが嫌がる訳だ。
「した、と言ったら」
「いったい何を話したのか聞きたい」
「別段何も。南西の鼠狩りをしていたら領域を荒らすとは何事かと現われて。変な組織に追われてますよって助言したら仲良くなって。ちょっとした料理をお城で提供したら号泣し出して。何が有ったかのかは聞かなかったけど」
「俺たちで潰そうと思ってた奴らか。確かシュライツ様の生血が欲しいとか何とか」
「多分同じだね」多分じゃなく正解。
「あの後別れてからは会ってないんです。お城から姿を消したと言う噂は聞きましたが」
「真実はどうだか知らないけど。一説に依ればヤーチェたちが付き纏ったからじゃないかって聞いたよ?それを俺たちの所為にするとか、無いわぁ」
「無いわよねぇ」
「いやいや別に疑っている訳ではないんだ。只最後のお姿を知りたかった。それとフィーネ嬢が付けている香水に付いても」
香水に目を付けてたのね。そりゃ盲点だった。
「薔薇の香水の事?これはタイラントのカメノス商団本部で作って貰った特注品ですよ」
「おぉそうなのか!薔薇の香りだったのか。以前に嗅いだシュライツ様の香りに良く似ていたものでな。飾る石碑と共にお供えしたくて探していたんだ」
「成程。でもこれは特注で非売品なので1瓶だけならお譲りしますが…。何かメリットは?」
「有り難い。こちらから出せるのは金銭、ではないのだろうし。何か欲しい物は無いか」
特に無いんだよなぁ。
「じゃあ、東大陸に居座る闇組織の残党の情報集めと。来年に最宮に潜ろうとしてるんだけど。順番待ちを回避する方法とか知らないかな」
「残党の情報は大陸の仲間が集め始めている所。それはいいとして順番待ち回避か…」
「やっぱ難しい?」
「裏技が無い事も無い。かなり難しいが」
「それってどんな」
「ここだけの話。ギルド本部の認可を受けられれば順番を無視出来るらしい。らしいと言うのは誰もやった事が無いからだ。他の冒険者が納得する唯一の方法。
本部の認可と同義。聖剣の了承を得る事だ。それにはまず聖剣を起こしてご機嫌を伺わないといけない。噂話では寝起きが頗る悪いそうだ。だから望みは薄いな。本部の人間でないと対話すら不可能でもあるし」
先にギルド本部行けばいいんだな。
「解った。挑戦してみるよ。交換条件は情報集めだけでいいや。そうと決まれば話は早い。転移で東大陸まで送り届けるよ。ヤーチェたちの拠点は何処?」
「いいのか!交渉してみるもんだな。俺たちの拠点はマスカレイドの町に在る。しかし、馬は運べるのか。かなり気性が荒い血統なんだが」
「馬用の目隠しをすれば大丈夫。それに」
「それに?」
奥の部屋に居たクワンを呼び。
「この子は普通の鳩より賢くて。人間の会話も殆ど理解してる。飛ぶ前に馬を説得して貰えばいいのさ」
「クワッ!」
「ほぉ羨ましいな。直ぐに準備する」
「ヤーチェとバリンの賞金合わせれば半分位は払えるかもね。滅多に生まれないらしいけど」
「そんなにか!?値を聞くと更に神々しく見えるな」
「クワァ」
鳩胸を張って見せた。
ヤーチェ隊を早朝のマスカレイドに送り、序でに朝市で蕎麦粉を購入して宿舎で蕎麦を捏ねた。
フラーメを招いて笊蕎麦を食べながら。
「これが東の蕎麦かい。小麦よりも何と言うか香ばしい」
「お粗末様です」
今回姉の為に捏ねたアローマが自慢顔。
一方レイルは清々した顔で。
「やっと変態共が帰ったか。これで漸くと羽を伸ばせるぞい」出すなよ。
「高名なヤーチェ隊が変態?あの噂は本当なんだね」
「知らぬ方が幸せですよ、姉さん」
「じゃあ聞かない。それより何時頃タイラントに帰れるんだい。ヤンとも和解出来たし。私は何時でもいいよ」
出来たんかい。ヤンは心が広いな。
「明後日に素案が上がるらしいから。その合意が取れ次第かな。大半の移住希望も通ったし。根回ししといて最後にグリムゾルテ寄って終わり」
ここまで来るのに長かったなぁ…。
頃合い的にはタイラント方面の雨期も明けている。休暇も夏に被りそう。船の返却も有るからラフドッグで過ごせるかも。じゃなくてそうしよう。
「ヤンの勧誘は何時行くんだ」
「お昼も食べたし。今から行こっか」
「大人数で押し掛けるのも迷惑だから私はレイルとお買い物でもしてるわ」
「そうじゃの。話を為ねば成らぬ者も居るしのぉ」
レイルがフィーネのバッグを見て目を細めた。
そっちは任せて勧誘に行こう。ソラリマを見せた時のヤンの反応が楽しみだ。
---------------
スタンたちが勧誘に出掛けた後も部屋に残り、テーブルの上で檻に巻いた布を解いた。
過呼吸気味に生きを吹き返す全裸のミニチュア女。今の姿は全身蛇皮女だが。
「あぁ…。死ぬかと思った。こんな拷問を咄嗟に思い付くとは何たる非道」
レイルが睨み付ける。
「五十年振りに姿を見せたかと思えば。上級魔族に転生していたとは。娘を謀ったのはお前か」
「これはこれは懐かしの吸血姫。私は餌で誘っただけよ。本編を考案したのは相方。貴方からの連絡を受け、確認するだけの積もりだったのに。油断したわ」
「私に構ってないでさっさと帰れば良かったじゃない」
「吸血姫が付近に居なくて土産に出来そうな貴様が目の前に現われたのだ。誰だって飛び付く…。餌に釣られたのは私だったようね」
「餌にされた自覚は無いけど?」
「西に送った彼奴では足りぬか。手打ちに出来ぬ理由でも有るのかえ。薬が切れる前に娘を解放為ねば。後悔するのはお前たちじゃぞ」
「重々承知してるわよ。あれで済めば私たちも万々歳。既に相方が交渉に入ってる頃。済まない理由を話しても貴方たちには理解出来ないわ」
「話さねば理解も何も無いであろう。吐かねば一生出られぬぞ」
「どうせ遅かれ早かれこの世界は滅び行く運命。何処に逃げたって一緒。ならこの中の方が安全かも知れない」
「逃げる、て邪神から?」
「そうよ。全部あのアホ勇者が悪い。声を掛ける相手を間違えたの。異界の創造神の筈だったのに。寄りにも寄って破壊神の方に声掛けたんだもの」
「話を聞いて興味を持ってしまったか。本に愚かじゃて」
「傍迷惑な話ね。それの何処が理解出来ないの?元人間の曲して私たちを馬鹿にしてる?レイルも居るから両方の意味で」
「じゃな」
「あんたらの理解力の方が異常よ。普通驚く所よ」
「滅亡の話はアノヒハからスタンが聞いてる。何かの冗談かと思ったけどホントみたいね」
事前に聞いてなきゃ驚いたかも。
「神が所望する物を集めてみたけど足りない。あれだけじゃまだ」
「石英?それとも黒竜様の鱗?あー解った。誰かを人質に取ってスタンや魔王様に取りに行かせようって魂胆ね」
「…」
レイルが爆笑。私は失笑。
「成程のぉ。これは愉快じゃ。自分たちで取りに行けば良かろう。手を出さねば邪魔はせぬ」
「元勇者の代わりにアノヒハで異界からの転生者の魂なら揃った訳よね。だったらもう少しじゃない。精々頑張って手に入れなさいよ」
檻からは「「出さんがな!」」
「ちょ…」
「喚かれるのも煩わしい。妾が腕によりを掛けて従魔に代えてやろうぞ」
「いいわね。追加の檻は潜って取ればいいし。そのまま預かって。持ってるのも気持ち悪いもん」
「ま、待って!」
断末魔に似た叫びを唱え、プレドラはレイルの影に吸い込まれた。
「さ、お買い物行こ。お土産沢山買わなくちゃ」
「忙しいのぉ」
ルンルン気分でレイルと腕を組みながら部屋を出た。
少しずつ道を塞いで行けば邪神教は自滅の一途。最後に来る破壊神の召喚を阻止すれば私たちの勝利。
アザゼルを聖剣で倒せばスタンの使命も終わる。何て解り易い!
---------------
何でも捕えたプレドラが全裸で露出狂だそうで対応はレイルと2人だけでいいとフィーネが強く推したのでクワンもグーニャも連れてヤンの工房を訪ねた。
レイルが居るなら変な事にはならない。レイルと変な事になったらどうしよう…。
まあいっか!
「頼もー、頼もー」
「道場破りか!」
慌てて出て来たヤンは少し窶れているように見えた。
「ど、どうされました。スターレン様」
「久し振り。どうしたはこっちの台詞だ。元気無さそうに見えるぞ。夏風邪か?」
「い、いえ別に。昨晩そこの乱暴者と朝まで、色々と」
説得、昨日まで掛かったみたいだな。
「乱暴者って随分な言い草ね。自分だってたのっ」
「何を言ってるんだ人前で!」
慌ててフラーメの口を塞いでいた。
仲良き仲良き。仲直り出来て良かった。
「所でヤン。折り入って話が有るんだが。店閉められる?」
「用事は、終わったのですか」
「大体な。後は調整が幾つかとタイラントの根回しで何度か往復する」
「そうでしたか…」
店内を振り返り。
「今のお客が捌けたら閉めます。商品でも見てお潰しを」
まだ語りが固いなぁ。
接客の邪魔するのはいかん。大人しく店内の陳列を見て回った。
各種武器。一般的な鋼鉄製で㞕無く手に馴染む。握りもカスタム出来るのか。兵士時代の経験が生きてるな。
雑貨具コーナー?お!料理用の片刃ナイフだ。長物は無く女性でも安心サイズ。ピーラーとか特注出来そう。
包丁に似た物はタイラントでも一部しか取扱が無くて研磨修繕とか困るんだよなぁ。
是非来て貰おう。もうデニーロ師匠は置いといて。
これは決定事項だ。
1人で商品片手にフンフン唸っていると。何やら新たな客が入店して声を荒げていた。
「おい、フラーメ!大会終わったら戻って来るんじゃなかったのかよ」
「煩いわね。そんな約束してないし。仕事で連むのはあれっきりでしょ」
あぁ、ラザーリアで襲って来た連中の1人だ。名前は…何だっけ。
「店内ではお静かに。お話は外で。他のお客様のご迷惑ですよ」
アローマの注意指導が飛び、男は摘まみ出された。
外も見たい。が、商品ももっと見たい。…商品見よ。
店内の客も直ぐに消え、ヤンが声を掛けて来た。
「丁度予約客も居ないんで閉めますね」
「先々には予約入ってる?」
「いいえ。若輩の打った物なんてフラーメ以外誰も買いません。さっきの客も冷やかしで。騒ぐ迷惑な客が来るだけです」
窓越しに外を眺めて。
予約が無いのは都合が良い。
「料理用道具も扱ってるんだな」
「あの手この手と試行錯誤の毎日ですね。宜しければお持ち帰り下さい」
「ちゃんと買って帰るよ。話終わったら…。て何だよあいつ鬱陶しいな。粘っても無駄だろ」
「あーあの人。フラーメの冒険者仲間のメンドルフですね。大会が終わってからと言うもの。ほぼ毎日あんな感じで」
あ、フラーメに投げ飛ばされた。
店裏の自宅に招かれ、こちらからお茶を出し勧誘話を切り出した。
「返答は急がない。考えたいなら商業ギルド経由で手紙を送って欲しい」
「願っても無い話。ですがこんな経験不足の若輩がスターレン様のお役に立てるかどうか。それに店も開いたばかりで工房も放し難くて」
「店や工房の中身は俺がそっくりそのまま運ぶ。思い入れが有るなら建物丸毎でもいい。兎に角一度考えてくれないかな」
「私に武器を打てと」
「最初はその意味で誘う積もりだった。でも店の商品見て気が変わった」
「変わられた?」
「これからの時代は何処かで戦争が起きない限り平和に向かう。魔物は居るから需要は有るが武器の店は徐々に縮小化されて行く。そこで生き残るのは料理用器具やナイフを扱う店だと考える」
「生活に役立つ道具、ですか」
「直ぐに方針転換しろ何て言わない。そっちの方面を拡充してみないか。俺と一緒に、タイラントで」
腕組みして真剣に悩んでいる。
「フラーメはもう行くと決めたのかい?」
「予想してた通りメンドルフたちが纏わり付いて来たし。昔から決めてたんだ。妹を見付けたら何を差し置いてもそこへ向かうって。ヤンと別れる事になったとしても」
「姉さん…。重いです」
「重い?痩せようか?」
それは違う。
ヤンは小さく溜息を吐き。
「頑固だからなぁフラーメは。今後はもっと相談して欲しい。そんなに頼りないか?」
「頼りない」
額でテーブルにキスをした。
「そ、そんなハッキリ言わなくても!」
「冗談さ。私はヤンの真面目さと優しさが好きなんだ。ひ弱なあんたが従軍した時は帰って来ない事も覚悟した。でも帰って来てくれた。今度は私を傍で見ていてくれない?」
「勝手だな。二度目の浮気は許さないぞ」
「あれは浮気じゃないって」
「まあまあ。その話は二人切りで。引っ越す方向で受け取っていいの?」
「はい。明日から廃店手続きに入ります。量は多くないですが、発注した砂と石はどうしたら良いですか」
「ここから転配頼んだら輸送費が嵩むし行商の負担が増すよな。…ギルドに解約金多目に支払って国に納入して貰おうか。何時でも取りに来られるし」
「ではそれも一緒に決済しましょう。明日何時でも良いのでもう一度来て頂けますか」
「午前中に来るよ。じゃ、お待ち兼ねの」
未装備のソラリマをテーブルの上にズデンと置いた。
「「おぉ…」」
この状態と進化版は初見のヤンとフラーメが息を呑んだ。
「目映いばかりに神々しい。素の状態がこれですか」
「お嬢が瞬間装備してた時も驚いたが。この姿も凄いねぇ」
「「触っても?」」
「いいよって答える前に触るな。俺と嫁さん以外は持ち上げられないから無理して持つなよ」
「触れられるだけでも光栄です。一時でもこれを目指そうと夢見た自分が恥ずかしい」
「そもそも金属じゃないしな」
驚くばかりの2人を見て笑ってしまった。
一つの戦いを終えた。絡み合った撚り糸を解くような戦いが結末を迎えた。
しかしこれで終わった訳じゃない。クワンジア内の残党も完全には消えてはいない。それでも明るい未来。平和な未来への道筋はピエールに提案出来たと自負をする。
さあ、我が家へ帰ろうか。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる