嫌いなあいつの婚約者

みー

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1話

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 とりあえず一日目の学校を無事に終えて家に帰ってきた。
 
 慣れない世界のせいか、どっと疲労感が襲ってくる。

 部屋に着くと、用意されていたアフタヌーンティーを楽しむ。

 香りがよく癖のない紅茶と甘さが控えめのクッキーは絶妙にマッチする。

 紅茶が無くなる頃には疲れも大分癒されて、そういえばとこの屋敷を散策することにした。庭に出ると噴水があって、庭師までいて、今までいた自分の住んでいた世界とはスケールが違いすぎる。
 一体、どんな職に就けばこんな豪邸に住めるのだろうかと、まじまじと建物を見た。

 そんなことをしているとあっという間に空は暗くなって、夜の食事を済ませてお父さんを待つ。

 もちろん婚約の話をするためで、とりあえず、といったところ。20時を少し過ぎたとき、ようやくお父さんの姿を確認することが出来た。

 メイドに部屋を案内してもらい、意を決してお父さんの部屋の扉を開けた。

「お父……様」

 で、呼び方はいいのかしら。

 こんな風に呼んだことなんて当たり前にないから、なんだか歯痒い。

「どうした?」

 これで合っていたみたい。

「あの、婚約のことなんだけれど……」 

「なんかあったか?」

「どうしても、彼じゃないとだめかしら?」

「うむ…………涼くんが嫌なのか?」

 そう、はっきりと聞かれるとこちらも本当のことを言いづらくなる。

「いや、その…………」

 誕生日パーティに発表したってことは、そう簡単には婚約を破棄なんて、世間的にも絶対に良くないのは分かっている。

 今ここで拒否するのは良くないかもしれないと、ふと頭に浮かぶ。

 もう少し冷静になって、この涼との結婚を阻止する方法を色んな方向から考えなくちゃ。

「ううん、やっぱり、なんでもないわ」

「そうか。もしなんかあったら言うんだぞ?」

「ありがとう」

 とりあえず、涼が誰かに片思いをしているかもしれないということを調査していこう。

 涼の方から、婚約を解消したいと申し出があれば、もちろんそれに私は同意しなんとかしてお父さんにお願いすればいい。

 きっと、分かってくれるはず。

 部屋に戻って、大きなベッドに身体を預けた。

 自分が思っていたよりも随分と疲れていたのか、瞼はすぐに閉じて夢の中へと飛び立った。





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