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【第2部】7章 風と鳥の図書館
21話 ヒロインになりたいのに
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「レイチェルちゃん、お母さんちょっと出かけるから」
「うん……」
「帰るのは夜くらいになるかしらね。お粥作ってあるから、晩はそれ食べてね」
「はーい」
「明日は学校行くのよ」
「分かってるよぉ」
木曜日。わたしは風邪をひいて火曜日から学校を休んでいた。
熱は昨日には下がっていたけど、今日も休んじゃった。……ズル休み。
本は、水曜日にお母さんに返してきてもらった。
月曜日、久々にギルドに作った薬草を売りに行った。その後図書館に行くつもりだったけれど、偶然ギルドマスターがグレンさんの話をしていた。
来週、討伐依頼とかをたくさん取ろうとして、でも相方――カイルに半分くらい却下されたから、依頼キャンセルしにきたって。
わたしに顔を合わせないためだと思った。
トボトボ歩いて近所の公園のベンチで放心状態で座っていた。途中、雨が降ってきたけどどうでもよかった。
そこへグレンさんがやってきた。
そんなに大声出すつもりじゃなかったのに、ヒステリックに泣きわめいてしまった。
何を口走ったか、熱に浮かされて憶えていない。
……嘘。全部憶えている。
見たことないくらい困惑した表情。
何も言わなくなって立ち尽くす彼を横目に、わたしはカバンを抱えて立ち去ろうとした。
グレンさんが何か言葉を発しようと口を少し開けた瞬間に、
「……グレンさんはいっつも、言うことがドライでちゃらんぽらんじゃないですか。『ふーん、大変だな』とか『どうにもならないだろう』とか『俺担任の先生じゃないから』とか! 今回だって、別にそれでいいじゃないですか? ……わたしのことなんて軽く流してください。歩みを止めて、優しい気持ちなんか向けてくれなくたって、いいんですから。じ、時間の浪費、でしょ!?」
泣いてわめきちらしているわたしに彼は何も言わず、ただわたしに傘をさしかけていた。
「レイチェル――」
「放っておいて!!」
わたしは彼の手を払い除け、傘を弾き飛ばした。
傘は藤棚の外にひっくり返って転がり、強くなってきた雨に打たれる。
そのままわたしは、彼の前から逃げ出した……。
◇
「はぁ……」
なんで、あんなに癇癪起こしちゃったんだろう。
おまけにグレンさんの手にある傘を思い切り叩き落として……。
昔からずっと読んできた数々の恋愛小説。
ヒロインはちょっと泣いちゃったりもするけど、もっと凛として強くて、友達や相手の男の子の支えになるの。時には守ってあげたりして。
そういうヒロインみたいになりたいなんて、思ってたのになぁ。
現実はうまくいかない。
わたしを避けるなんてひどい! 確かにそう思ったけど。
「よかった、顔を合わせなくて済みますね」だって。
しかもあんな、彼の言葉を借りて意地の悪い言い方してしまった。性格悪いなぁ。
なんとも思われてなかったかもしれないけど、今回ので印象最悪になったかも……。
どんな顔をしてバイトに行けばいいんだろう。
ひょっとしたら、帰ってこなかったりして。避けられたりして。
……そうなっても、今度はわたしの自業自得だけど。
「……っ」
ああ、ダメだ、また泣いちゃいそう。感情が暴走しちゃうなぁ。
まだ本調子じゃないのかな。ちょっと寝てしまおうかな……。
◇
泣きながら寝床につき、次目を覚ますと夕方。
わたしは窓を背にしてベッドで三角座り。
――こういう時、わたしが物語のヒロインだったら……想い人が会いに来てくれて、それで小石とか窓に投げて呼んでくれたりするんだけどなぁ……。
あとあと、カーテン開けたら偶然想い人が立ってて「奇跡だ! 君が出てくれるかと思って見てたらホントに出てきた」な~んて……。
「!!??」
妄想にふけりながら戯れに開けてみたカーテンを、わたしは即座に閉める。
え? え? 今見えたのって……まさか、まさか。
(に、二度見しちゃう……)
今度はこっそり、窓枠からチラッとカーテンをめくり外を覗き見る。
「う、嘘……!」
二階から見た、窓の外。家のそばに、グレンさんが立っていた。
(な、ななななな、なんで!?)
なんでわたしの家を知って……そしてなんでここへ!? 近所に、ご用事が!?
心臓がうるさいくらい波打つ。
まさかまさか。
わたし、彼のことを考えすぎて白昼夢でも見てる? まだ熱があるのかな?
あまりに驚きすぎて隠れるのも忘れてボケーッとしていたら、何の拍子か上を見上げた彼とガッツリ目線が合ってしまう。
「ひーっ!?」
間抜けな悲鳴を上げてわたしはカーテンをバッと閉め、転げるようにベッドから降りて三角座りで呼吸を整える。
少し深呼吸をしてまたチラッとカーテンから少し顔を出してみると家の前に彼の姿はなく、立ち去ろうと歩みだしているところだった。
「あ……!」
いやだ。待って、待って。
わたしは慌てて玄関へと駆け出した。
「グレンさん!!」
玄関のウッドデッキから、必死で彼を呼び止める。
歩幅が広いからか足早に立ち去ろうとしていたのか、すでにかなり離れてしまっていた。
振り向いた彼は、少し笑みを浮かべてからこちらへ歩いてくる。
「……俺を見て引っ込んだのかと思った」
「す、すみません。あ、あの、どうしてここに、それにわたしの家どうして……」
「転移魔法」
「あ……」
そうだ、グレンさんも転移魔法ができるんだった。『疲れるからあまりやらない』って言ってたけど……。
「あ、あの……えっと」
ああ、どうしよう。頭が真っ白だ。
さっきまであれこれいらないことばかり考えてたのに、大事なことが何一つ考えられず頭が真っ白になってしまう。
「ど、どうして、ここに」
また同じことを聞いてしまった。なんでちっともうまく喋れないんだろう?
「館長から『彼女のお母さんが返しに来た』『風邪ひいて熱を出して学校を2日休んでいるらしい』と聞いて」
「あ……」
「これ……見舞い。いらなかったら捨ててくれ。その時は一応、俺のいない所で」
ちょっと自嘲的に笑いながら彼は小ぶりの花束をわたしに差し出した。
赤、白、オレンジの花。砦の中庭にも植えている――ジニアの花だ。
「捨てたりなんか、しませんよ……きれいです。ありがとうございます」
わたしが花を受け取ると、グレンさんも伏し目がちに笑う。
「……今日も休んでたのか?」
「あ、はい。でも――」
「俺のせいだな。すまない」
「え……」
思わぬ彼の言葉に、喉まで出かかっていた『昨日には治ってて、今日のこれは仮病ですから』というおちゃらけた台詞を引っ込める。
「そんな……わたしが勝手に、こじらせて、勝手に雨に濡れてただけですから」
「……あんなに、泣かせてしまった」
「それは……でも、わたしはグレンさんに八つ当たりして酷いこと言いました。グレンさんわたしを避けようとしてるんだ、ひどいって思って、悲しくて……でもだからって、あんな言い方。ごめんなさ――」
「謝らなくていい。避けようとしていたのは事実だから」
「……どうして」
「ああいうことを言ったから俺はレイチェルの前に現れない方がいいと思って」
「……」
「……というのは建前で、本当は……逃げようとした」
「にげ、る」
「先週……レイチェルに腕を掴まれて、泣きそうな顔で俺を見上げてきて……あんまりまっすぐだったから、俺は怖くなって」
「怖い? 怖いって、わたしが、ですか。どうして? ……そんな、嫌だった」
鼻の奥が痛い。またすぐに泣いてしまいそうになる。
「ちがう……ちがう。すまない、俺は喋るのがうまくない。……何から話せばいいのか」
「聞かせてください……、全部、最後まで聞きます……から」
わたしは彼の手を取り、ぎゅっと握る。彼が飛んでいってしまわないように。
少しの間のあと、彼もわたしの手を握り返してくれる。――大きくて、温かい。
心臓がうるさい。熱が下がったはずなのに体中が熱い。
彼は何も言わず、そしてわたしの方は見ずに微笑を浮かべている。
今、どういう気持ちなんだろう?
わたしも話したいことがいっぱいある。
今度はちゃんとした言葉でちゃんと想いを伝えたいの。
「うん……」
「帰るのは夜くらいになるかしらね。お粥作ってあるから、晩はそれ食べてね」
「はーい」
「明日は学校行くのよ」
「分かってるよぉ」
木曜日。わたしは風邪をひいて火曜日から学校を休んでいた。
熱は昨日には下がっていたけど、今日も休んじゃった。……ズル休み。
本は、水曜日にお母さんに返してきてもらった。
月曜日、久々にギルドに作った薬草を売りに行った。その後図書館に行くつもりだったけれど、偶然ギルドマスターがグレンさんの話をしていた。
来週、討伐依頼とかをたくさん取ろうとして、でも相方――カイルに半分くらい却下されたから、依頼キャンセルしにきたって。
わたしに顔を合わせないためだと思った。
トボトボ歩いて近所の公園のベンチで放心状態で座っていた。途中、雨が降ってきたけどどうでもよかった。
そこへグレンさんがやってきた。
そんなに大声出すつもりじゃなかったのに、ヒステリックに泣きわめいてしまった。
何を口走ったか、熱に浮かされて憶えていない。
……嘘。全部憶えている。
見たことないくらい困惑した表情。
何も言わなくなって立ち尽くす彼を横目に、わたしはカバンを抱えて立ち去ろうとした。
グレンさんが何か言葉を発しようと口を少し開けた瞬間に、
「……グレンさんはいっつも、言うことがドライでちゃらんぽらんじゃないですか。『ふーん、大変だな』とか『どうにもならないだろう』とか『俺担任の先生じゃないから』とか! 今回だって、別にそれでいいじゃないですか? ……わたしのことなんて軽く流してください。歩みを止めて、優しい気持ちなんか向けてくれなくたって、いいんですから。じ、時間の浪費、でしょ!?」
泣いてわめきちらしているわたしに彼は何も言わず、ただわたしに傘をさしかけていた。
「レイチェル――」
「放っておいて!!」
わたしは彼の手を払い除け、傘を弾き飛ばした。
傘は藤棚の外にひっくり返って転がり、強くなってきた雨に打たれる。
そのままわたしは、彼の前から逃げ出した……。
◇
「はぁ……」
なんで、あんなに癇癪起こしちゃったんだろう。
おまけにグレンさんの手にある傘を思い切り叩き落として……。
昔からずっと読んできた数々の恋愛小説。
ヒロインはちょっと泣いちゃったりもするけど、もっと凛として強くて、友達や相手の男の子の支えになるの。時には守ってあげたりして。
そういうヒロインみたいになりたいなんて、思ってたのになぁ。
現実はうまくいかない。
わたしを避けるなんてひどい! 確かにそう思ったけど。
「よかった、顔を合わせなくて済みますね」だって。
しかもあんな、彼の言葉を借りて意地の悪い言い方してしまった。性格悪いなぁ。
なんとも思われてなかったかもしれないけど、今回ので印象最悪になったかも……。
どんな顔をしてバイトに行けばいいんだろう。
ひょっとしたら、帰ってこなかったりして。避けられたりして。
……そうなっても、今度はわたしの自業自得だけど。
「……っ」
ああ、ダメだ、また泣いちゃいそう。感情が暴走しちゃうなぁ。
まだ本調子じゃないのかな。ちょっと寝てしまおうかな……。
◇
泣きながら寝床につき、次目を覚ますと夕方。
わたしは窓を背にしてベッドで三角座り。
――こういう時、わたしが物語のヒロインだったら……想い人が会いに来てくれて、それで小石とか窓に投げて呼んでくれたりするんだけどなぁ……。
あとあと、カーテン開けたら偶然想い人が立ってて「奇跡だ! 君が出てくれるかと思って見てたらホントに出てきた」な~んて……。
「!!??」
妄想にふけりながら戯れに開けてみたカーテンを、わたしは即座に閉める。
え? え? 今見えたのって……まさか、まさか。
(に、二度見しちゃう……)
今度はこっそり、窓枠からチラッとカーテンをめくり外を覗き見る。
「う、嘘……!」
二階から見た、窓の外。家のそばに、グレンさんが立っていた。
(な、ななななな、なんで!?)
なんでわたしの家を知って……そしてなんでここへ!? 近所に、ご用事が!?
心臓がうるさいくらい波打つ。
まさかまさか。
わたし、彼のことを考えすぎて白昼夢でも見てる? まだ熱があるのかな?
あまりに驚きすぎて隠れるのも忘れてボケーッとしていたら、何の拍子か上を見上げた彼とガッツリ目線が合ってしまう。
「ひーっ!?」
間抜けな悲鳴を上げてわたしはカーテンをバッと閉め、転げるようにベッドから降りて三角座りで呼吸を整える。
少し深呼吸をしてまたチラッとカーテンから少し顔を出してみると家の前に彼の姿はなく、立ち去ろうと歩みだしているところだった。
「あ……!」
いやだ。待って、待って。
わたしは慌てて玄関へと駆け出した。
「グレンさん!!」
玄関のウッドデッキから、必死で彼を呼び止める。
歩幅が広いからか足早に立ち去ろうとしていたのか、すでにかなり離れてしまっていた。
振り向いた彼は、少し笑みを浮かべてからこちらへ歩いてくる。
「……俺を見て引っ込んだのかと思った」
「す、すみません。あ、あの、どうしてここに、それにわたしの家どうして……」
「転移魔法」
「あ……」
そうだ、グレンさんも転移魔法ができるんだった。『疲れるからあまりやらない』って言ってたけど……。
「あ、あの……えっと」
ああ、どうしよう。頭が真っ白だ。
さっきまであれこれいらないことばかり考えてたのに、大事なことが何一つ考えられず頭が真っ白になってしまう。
「ど、どうして、ここに」
また同じことを聞いてしまった。なんでちっともうまく喋れないんだろう?
「館長から『彼女のお母さんが返しに来た』『風邪ひいて熱を出して学校を2日休んでいるらしい』と聞いて」
「あ……」
「これ……見舞い。いらなかったら捨ててくれ。その時は一応、俺のいない所で」
ちょっと自嘲的に笑いながら彼は小ぶりの花束をわたしに差し出した。
赤、白、オレンジの花。砦の中庭にも植えている――ジニアの花だ。
「捨てたりなんか、しませんよ……きれいです。ありがとうございます」
わたしが花を受け取ると、グレンさんも伏し目がちに笑う。
「……今日も休んでたのか?」
「あ、はい。でも――」
「俺のせいだな。すまない」
「え……」
思わぬ彼の言葉に、喉まで出かかっていた『昨日には治ってて、今日のこれは仮病ですから』というおちゃらけた台詞を引っ込める。
「そんな……わたしが勝手に、こじらせて、勝手に雨に濡れてただけですから」
「……あんなに、泣かせてしまった」
「それは……でも、わたしはグレンさんに八つ当たりして酷いこと言いました。グレンさんわたしを避けようとしてるんだ、ひどいって思って、悲しくて……でもだからって、あんな言い方。ごめんなさ――」
「謝らなくていい。避けようとしていたのは事実だから」
「……どうして」
「ああいうことを言ったから俺はレイチェルの前に現れない方がいいと思って」
「……」
「……というのは建前で、本当は……逃げようとした」
「にげ、る」
「先週……レイチェルに腕を掴まれて、泣きそうな顔で俺を見上げてきて……あんまりまっすぐだったから、俺は怖くなって」
「怖い? 怖いって、わたしが、ですか。どうして? ……そんな、嫌だった」
鼻の奥が痛い。またすぐに泣いてしまいそうになる。
「ちがう……ちがう。すまない、俺は喋るのがうまくない。……何から話せばいいのか」
「聞かせてください……、全部、最後まで聞きます……から」
わたしは彼の手を取り、ぎゅっと握る。彼が飛んでいってしまわないように。
少しの間のあと、彼もわたしの手を握り返してくれる。――大きくて、温かい。
心臓がうるさい。熱が下がったはずなのに体中が熱い。
彼は何も言わず、そしてわたしの方は見ずに微笑を浮かべている。
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