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五話
しおりを挟むお茶会は王城の美しい薔薇の咲きほこる庭で行われる準備がなされいた。
侍女たちは浮足立ち、王城の庭に集まる面々に感嘆の声を漏らす。
第二王子であり、青い瞳と美しい金色の髪を持つ。アレックス・チェルダー。そしてその婚約者であり、公爵令嬢であるエメラルダ・ジェイエン。彼女は豊かな赤髪を美しく結いあげ、真珠をあしらっている。二人が並ぶだけで、まるで宮廷の花が咲きほこっているようだと言われるほどに柔らかな雰囲気と、美しさが際立っている。
その隣の席には宰相の息子である侯爵家シオン・グリドラとその婚約者である子爵令嬢ミリー・オロゴン。眼鏡を掛ける二人には知的な印象があるが、今日は微笑を携え柔らかな雰囲気を出している。
そんな二人とは正反対なのが騎士団長の息子である侯爵家ジャック・ラズドとその婚約者である侯爵家令嬢であるレイラ・モーガン。いつもは笑顔一つ見せない二人である。ジャックは黒目黒髪でありその逞しい体躯から令嬢達には近寄りがたいと言われ、レイラも冷たい冷ややかな印象からか嫌煙されがちだ。
そんな中、ひょうひょうとした様子なのは魔術師長の息子であり、その魔術の腕は国一と言われる公爵家ヒューズ・ランドンとその婚約者である侯爵家令嬢エマ・トーレスト。この二人は異色の婚約者と言われ、お互いに紫色の瞳を持つ、代々魔術師を生み出す家庭に育った婚約者同士であった。
あまりにも美しい面々。
右を見ても左を見てもキラキラとしたオーラがまき散らされている。
そんな八名がうきうきとした様子で待ち構えているものだから、一体誰が来るのだろうかと、事情など詳しく知らない侍女達は浮足立っている。
けれど、そこに現れた令嬢を見て、皆が息を飲む。
「ほ・・本日はお招きいただき、あ・・ありがたき光栄に・・ごじゃいましゅ。」
緊張から舌を噛む男爵家令嬢ソフィア・アレイスター。
可愛らしいふんわりとした外見は庇護欲をそそる。しかも大きな瞳はうるうると潤み、体も小刻みにぷるぷると震えている。
猛獣達はその可愛らしいウサギの様子を見て、皆がごくりと息を飲んだ。
そして、八人全員で一週間がかりで選んだドレスはソフィアにぴったりであり、ソフィアの可愛らしさをさらに際立たせていた。
八人はぷるぷると震えるソフィアを見つめた後に、悶絶するようにそれぞれがうつむき、耐える。
「・・可愛すぎるだろう・・」
「ダメ・・もう。」
「限界だ。・・・」
「素敵すぎますわ。」
「あぁ・・良い。」
「きゃわいい・・」
「何て素晴らしい・・・」
「天使だわ。」
ぷるぷると震えるソフィアにはそんな言葉は聞こえない。ただただ猛獣に狙われるウサギの如く震えている。
レスリーはその様子を見つめながら呟いた。
「学園にいた時よりも、重症化している・・・・」
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