13 / 14
十三話
しおりを挟む
私はそれから妖精さん達の力を借りて、一瞬でフィガロ王国へと戻った。銀髪さんともう会えない事は少しだけさびしかったけれども、誘拐犯である彼と仲良くなることは出来ない。
別れはあっさりとしたものであったが、銀髪さんは最後に頭を深く下げて、別れを告げてくれた。
アシュタル国の事は取りあえずは片付いたし、四人も怒ってはいないようだったのでかなりほっとした。だから油断していたのだ。
私は疲れ果てていたので早くお風呂に入ってベッドへと行きたいと思っていた。だが、私を待ち受けていたのは、笑顔を張り付けた四人の目の前で正座をすると言う苦行であった。
「えーっと・・あれ、やっぱり怒っていらっしゃる?」
前のように、怖い感じはしないのだけれど、やっぱり笑顔で怒ってるのかと上目使いで見上げると、四人の表情が一瞬揺らぐ。
「卑怯だ・・」
「可愛いからって何でも許されるわけじゃないぞ。」
「だが、許してしまいたくなります。」
「心を鬼にするんだ。そうじゃなきゃ、今回の二の舞だ。」
四人のぶつぶつと言った言葉が聞き取れずに小首をかしげると、目を反らされた。やはり怒っているのだろう。
確かに今回の事は私が悪い部分もあった。それに恐らく私はこの中でも最も年長者。大人の余裕を見せなければならないだろう。
「ごめんなさい。勝手な事をして。皆、怒っているよね?」
そう言うと、四人は両手で顔を覆った。
顔も会わせたくなくなったのだろうかと思うと、少し胸が痛み、この数日間で感じた事を素直に伝えることにした。
たとえビッチだと罵られようとも、心に素直になろうと思う。
恥ずかしい。
心底恥ずかしいが、女は度胸だ。
「私ね・・この数日間皆に会えなくて、寂しかった。それで、やっと気づいたの。私、あの・・・カインのこともライのことも、クレストのことも、エバンのことも・・・その・・・・す・・・すき・・・・になっているの・・その・・今更・・・遅いかもしれないけど。」
震えそうになる声を必至に押し出してそう言うと、大きく息を吐いて、勇気を振り絞って四人を見た。
四人はしゃがみこんで、腕で顔を囲むと、耳まで真っ赤にしながら呻き声を上げている。何というか、男性のこんな姿は初めて見るので、どう思ったのかは理解に苦しむ。
「え?あの・・聞こえた?」
思わずそう尋ねると、四人が何かぼそぼそと言っているのがかすかに聞こえるが、何と言っているのか分からない。
「もう、我慢しなくていいんじゃないか?」
「けど、いきなり四人の相手は無理でしょ。」
「そうですね。疲れているでしょうし・・・」
「あぁ、いいことと思いついた。なら、今回のお詫びってことで・・・ごにょごにょごにょ・・・」
四人の瞳は輝いた。
『名案だ!』
小さな声で四人で何を会話していたのだろうかとルカは眉間にしわを寄せると、四人が優しく私を引き起こすと取り囲むようにして抱きしめてくれた。
みんなで抱き合っていると、おしくらまんじゅうを思い出す。
「許してくれるの?」
私の声に、四人は大きく息を吐くと言った。
「許す。」
「でも、もう絶対に危ない事には首を突っ込まないでね。」
「そうですよ。私達を頼って下さい。私達、それなりに強いですから。」
「そうそう。だけどね、ルカ。無条件に許すことは出来ないから、俺達のお願い事を一つ聞いて。」
四人の言葉に私はこくりと素直に頷いた。自分の為にきっと四人は寝る間も惜しんで様々な所に手を回し、アシュタル国と同盟を結んでくれたのだろう。それはルカにだって分かる。
「私にできる事なら、なんでもする。」
真剣な表情でそう言うと、四人の喉がごくりと鳴った。それと同時に私の背筋には悪寒が走った。
別れはあっさりとしたものであったが、銀髪さんは最後に頭を深く下げて、別れを告げてくれた。
アシュタル国の事は取りあえずは片付いたし、四人も怒ってはいないようだったのでかなりほっとした。だから油断していたのだ。
私は疲れ果てていたので早くお風呂に入ってベッドへと行きたいと思っていた。だが、私を待ち受けていたのは、笑顔を張り付けた四人の目の前で正座をすると言う苦行であった。
「えーっと・・あれ、やっぱり怒っていらっしゃる?」
前のように、怖い感じはしないのだけれど、やっぱり笑顔で怒ってるのかと上目使いで見上げると、四人の表情が一瞬揺らぐ。
「卑怯だ・・」
「可愛いからって何でも許されるわけじゃないぞ。」
「だが、許してしまいたくなります。」
「心を鬼にするんだ。そうじゃなきゃ、今回の二の舞だ。」
四人のぶつぶつと言った言葉が聞き取れずに小首をかしげると、目を反らされた。やはり怒っているのだろう。
確かに今回の事は私が悪い部分もあった。それに恐らく私はこの中でも最も年長者。大人の余裕を見せなければならないだろう。
「ごめんなさい。勝手な事をして。皆、怒っているよね?」
そう言うと、四人は両手で顔を覆った。
顔も会わせたくなくなったのだろうかと思うと、少し胸が痛み、この数日間で感じた事を素直に伝えることにした。
たとえビッチだと罵られようとも、心に素直になろうと思う。
恥ずかしい。
心底恥ずかしいが、女は度胸だ。
「私ね・・この数日間皆に会えなくて、寂しかった。それで、やっと気づいたの。私、あの・・・カインのこともライのことも、クレストのことも、エバンのことも・・・その・・・・す・・・すき・・・・になっているの・・その・・今更・・・遅いかもしれないけど。」
震えそうになる声を必至に押し出してそう言うと、大きく息を吐いて、勇気を振り絞って四人を見た。
四人はしゃがみこんで、腕で顔を囲むと、耳まで真っ赤にしながら呻き声を上げている。何というか、男性のこんな姿は初めて見るので、どう思ったのかは理解に苦しむ。
「え?あの・・聞こえた?」
思わずそう尋ねると、四人が何かぼそぼそと言っているのがかすかに聞こえるが、何と言っているのか分からない。
「もう、我慢しなくていいんじゃないか?」
「けど、いきなり四人の相手は無理でしょ。」
「そうですね。疲れているでしょうし・・・」
「あぁ、いいことと思いついた。なら、今回のお詫びってことで・・・ごにょごにょごにょ・・・」
四人の瞳は輝いた。
『名案だ!』
小さな声で四人で何を会話していたのだろうかとルカは眉間にしわを寄せると、四人が優しく私を引き起こすと取り囲むようにして抱きしめてくれた。
みんなで抱き合っていると、おしくらまんじゅうを思い出す。
「許してくれるの?」
私の声に、四人は大きく息を吐くと言った。
「許す。」
「でも、もう絶対に危ない事には首を突っ込まないでね。」
「そうですよ。私達を頼って下さい。私達、それなりに強いですから。」
「そうそう。だけどね、ルカ。無条件に許すことは出来ないから、俺達のお願い事を一つ聞いて。」
四人の言葉に私はこくりと素直に頷いた。自分の為にきっと四人は寝る間も惜しんで様々な所に手を回し、アシュタル国と同盟を結んでくれたのだろう。それはルカにだって分かる。
「私にできる事なら、なんでもする。」
真剣な表情でそう言うと、四人の喉がごくりと鳴った。それと同時に私の背筋には悪寒が走った。
224
あなたにおすすめの小説
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。
汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。
元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。
与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。
本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。
人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。
そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。
「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」
戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。
誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。
やわらかな人肌と、眠れない心。
静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。
[こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
転生先は男女比50:1の世界!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。
「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」
デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・
どうなる!?学園生活!!
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。
そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!?
貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
下賜されまして ~戦場の餓鬼と呼ばれた軍人との甘い日々~
星森
恋愛
王宮から突然嫁がされた18歳の少女・ソフィアは、冷たい風の吹く屋敷へと降り立つ。迎えたのは、無愛想で人嫌いな騎士爵グラッド・エルグレイム。金貨の袋を渡され「好きにしろ」と言われた彼女は、侍女も使用人もいない屋敷で孤独な生活を始める。
王宮での優雅な日々とは一転、自分の髪を切り、服を整え、料理を学びながら、ソフィアは少しずつ「夫人」としての自立を模索していく。だが、辻馬車での盗難事件や料理の失敗、そして過労による倒れ込みなど、試練は次々と彼女を襲う。
そんな中、無口なグラッドの態度にも少しずつ変化が現れ始める。謝罪とも言えない金貨の袋、静かな気遣い、そして彼女の倒れた姿に見せた焦り。距離のあった二人の間に、わずかな波紋が広がっていく。
これは、王宮の寵姫から孤独な夫人へと変わる少女が、自らの手で居場所を築いていく物語。冷たい屋敷に灯る、静かな希望の光。
⚠️本作はAIとの共同製作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる