18 / 37
15話
しおりを挟む
私に忠義を誓ってくれた従軍経験者を居住地へと招く。
すると彼らは一様に、仮設住居を見て感嘆の声を漏らした。
「住居が建ってる……住む場所が用意されているとは」
「私が私財を出して建てました。仮設ではありますが、国を護った皆様に風もしのげぬ家を提供するのは憚られますから」
「なんと……我らのために……」
強制移住を余儀なくされた人々には、幼子を連れた家族もいる。
厳しい環境に放置など、到底できない。
皆が一様に驚いている中、文官達が住居のリストを配ってくれる。
迅速な対応に感謝していると、小さな影が飛び出した。
「はい、どうぞ」
「っと……君のような子供まで働いているのか?」
「ううん、ディアはね。おねさまのためにがんばるの」
「おねさま?」
「うん。ラテシアおねさまのため」
貴族らしからぬ屈託のない笑顔のディアが、私の手伝いのためにと文官と同じくリストを配ってくれる。
貴族令息とは偉ぶっていると言われるが。
父や母の教育のたまものか、純粋無垢なディアの笑みが緊張していた皆を微笑ませた。
「一か月後には別の地区から残りの従軍者が移住してきます。我ら以上の数ですが、どうする気でしょうか」
尋ねてきたのは、さきほどは私を睨みつけていたダウィドだ。
先程の問答もあって気まずいのか、ずっと私の傍らに跪いている。
「その間に、再び仮設住居を建てます。今度は皆様のお手をお借りするので、対応は間に合うはずです」
今回、強制移住でやって来た皆もすでに圧巻の人数だが、この倍以上が一か月後には来訪する。
なので彼らを人員として雇い、新たな仮設住居を早急に建てていこう。
「費用はどうする気でしょうか。流石に大金、全てを公爵家がまかなうのは……」
「それも大丈夫です。人員の確保と同時に、財源の確保も済んでいます」
ダウィドの問いかけに、私の代わりにリガル様が答えた。
戸惑うタウィドだが、やがて答え合わせするように馬の蹄の音が近づいてくる。
視線を向ければ、幾つもの豪奢な馬車が向かって来ていた。
馬車が停まり、中に居た者達が出てくる。
「リガル様、此度は我らをラテシア様の元へ招致してくださり感謝いたします」
やって来た者達は、歳は様々。
だが皆、身なりは一級貴族にも劣らぬ整えられた衣服。
その正体は……
「各商家の皆様、ご足労を感謝します」
リガル様の言葉通り、彼らはルマニア王国でも名を連ねる商家の方々。
皆が財を成し、商いに関しての知識が最上位の方々の来訪だ。
これも全ては、大臣である賢人––リガル様の手腕。
彼はやはり引き抜いて大正解だった、なにせ今回はこの商家の方々に先行投資をしてもらうのだから。
「ラテシア様からの書状通り。我が商家から援助金を出させて頂こう」
「我が商家からも、是非とも援助させてくだされ」
そう、私は公爵領を他国との貿易街にする事を彼らに伝えている。
遠くない未来にこの地で商いをする際、支度金などの支払い免除の代わりとして、今回の援助という資金提供を受けるのだ。
「無理のあるお願いかと思っておりましたが、各商家の皆様が受け入れてくださり嬉しいです」
「何を言っておられますか。このような勝ち馬に乗らぬ商家がどこにおります」
「勝ち馬……ですか?」
「ええ、ラテシア様。この公爵領が各国との貿易街となれば、土地代や市場価値は飛躍的に高まります。そうなれば多額の支度金が必要となりましょう」
そう言って商家の方が提示した支度金の額。
予想ではあるが、とんでもない金額であった。
「それをこの資金援助で免除されると思えば安上がり。先行投資ですな」
「ふふ、流石ですね。皆様」
「資産は勝ち取る物です。先んじて行動できたものが、多くを得られるのは必然。我らは常に商機を見計らっておりますから」
この公爵領を、彼らにとっても益のある場所と見定めてもらえて良かった。
だからこそ、必ず成し遂げねばと改めて責任を感じる。
そんな折、私の袖がくいっと引っ張られた。
「おねさま、ディア。おしごとてつだってきたよ」
「ふふ、ありがとう……ディア」
「えらい?」
「ええ、すごく偉いわ」
「なら、だっこしてほしいの」
褒めてほしいのだろう。
まだ六歳にも満たぬ子、頑張った証が欲しいのは当たり前だ。
抱っこして頭を撫でてあげると、ディアは「えへへ」と嬉しそうに笑う。
「さて、ディア。お姉様はお仕事があるから。抱っこのままジッとしていられる?」
「うん」
「えらいね。それじゃあ行きましょうか」
ディアを抱っこしながら、改めて皆の様子を見つめる。
会った際は悲観していた多くの人々も、希望を見出して笑みを浮かべ始める。
彼らに帯同していた家族、奥様や子供達も同様だ。
国を護ってくれた皆に、セリムが言っていたような危険な思想などあるはずもない。
必ず、私が彼らを導いてみせる。
「ラテシア様」
ふと、私の傍へとダウィド跪く。
そして、碧の瞳で私を見つめた。
「まずは先程の無礼をお許しください。ここまでの厚遇……皆が感謝しております」
「いえ、皆様にはこれが当然の権利ですよ。ダウィド」
「そして頼みがあるのです。俺の命。どうか貴方の御身を護るために捧げさせてください……ラテシア様」
「っ、かつての戦争の英傑に守ってもらえるならば、心強いです」
「この身。今ここで貴方の配下として忠義を誓います」
ダウィドの誓いに感謝しながら、私はディアを抱いて高台に上がる。
従軍経験者とその家族、多くの人々を見つめた。
「ディア。これから私達が……彼らを導くのです」
「ディア達が?」
「ええ、フロレイス公爵家の誇りのため。そして皆のためにも……」
抱き上げる弟のディアに、私は公爵家としてあるべき姿を見せる。
フロレイス自治領にて、セリムが無駄だと切り捨てた皆を希望に導く、私の責務を教えた。
そんな折、リガル様が私の元へと駆け寄る。
「ラテシア様……来月にはセリム陛下の即位式が始まります。その後は、王家も我らへと相応の対応を見せるはずです。いかがなさいますか?」
セリムにとって、即位式は今最も最重要な式典。
そこで即位して晴れて国王となるのだ……その後に持つ権力は大きく。
我が公爵領とて、彼の采配一つで振り回される。
しかし……その即位式こそが、セリムと私の政争での決め手の一つとなる。
「リガル様……即位式の日、我らも向かいます。それが始まりの狼煙となりましょう」
「え?」
「即位式の場で、我が公爵家の独立を宣言します! セリムの晴れ舞台にて……現王政の不信を大々的に表明するのです!」
式典の場にて、我が公爵家が独立する事実を知らしめよう。
その日、私は完全に王家から離脱する事となる。
正妃からも、側妃からも降りて。
王家に背反し、独立した当主となる。
もうセリムを愛する事の無い私が、この政争の火蓋を切り。
そして、セリム王政の始まりを挫いてみせよう。
すると彼らは一様に、仮設住居を見て感嘆の声を漏らした。
「住居が建ってる……住む場所が用意されているとは」
「私が私財を出して建てました。仮設ではありますが、国を護った皆様に風もしのげぬ家を提供するのは憚られますから」
「なんと……我らのために……」
強制移住を余儀なくされた人々には、幼子を連れた家族もいる。
厳しい環境に放置など、到底できない。
皆が一様に驚いている中、文官達が住居のリストを配ってくれる。
迅速な対応に感謝していると、小さな影が飛び出した。
「はい、どうぞ」
「っと……君のような子供まで働いているのか?」
「ううん、ディアはね。おねさまのためにがんばるの」
「おねさま?」
「うん。ラテシアおねさまのため」
貴族らしからぬ屈託のない笑顔のディアが、私の手伝いのためにと文官と同じくリストを配ってくれる。
貴族令息とは偉ぶっていると言われるが。
父や母の教育のたまものか、純粋無垢なディアの笑みが緊張していた皆を微笑ませた。
「一か月後には別の地区から残りの従軍者が移住してきます。我ら以上の数ですが、どうする気でしょうか」
尋ねてきたのは、さきほどは私を睨みつけていたダウィドだ。
先程の問答もあって気まずいのか、ずっと私の傍らに跪いている。
「その間に、再び仮設住居を建てます。今度は皆様のお手をお借りするので、対応は間に合うはずです」
今回、強制移住でやって来た皆もすでに圧巻の人数だが、この倍以上が一か月後には来訪する。
なので彼らを人員として雇い、新たな仮設住居を早急に建てていこう。
「費用はどうする気でしょうか。流石に大金、全てを公爵家がまかなうのは……」
「それも大丈夫です。人員の確保と同時に、財源の確保も済んでいます」
ダウィドの問いかけに、私の代わりにリガル様が答えた。
戸惑うタウィドだが、やがて答え合わせするように馬の蹄の音が近づいてくる。
視線を向ければ、幾つもの豪奢な馬車が向かって来ていた。
馬車が停まり、中に居た者達が出てくる。
「リガル様、此度は我らをラテシア様の元へ招致してくださり感謝いたします」
やって来た者達は、歳は様々。
だが皆、身なりは一級貴族にも劣らぬ整えられた衣服。
その正体は……
「各商家の皆様、ご足労を感謝します」
リガル様の言葉通り、彼らはルマニア王国でも名を連ねる商家の方々。
皆が財を成し、商いに関しての知識が最上位の方々の来訪だ。
これも全ては、大臣である賢人––リガル様の手腕。
彼はやはり引き抜いて大正解だった、なにせ今回はこの商家の方々に先行投資をしてもらうのだから。
「ラテシア様からの書状通り。我が商家から援助金を出させて頂こう」
「我が商家からも、是非とも援助させてくだされ」
そう、私は公爵領を他国との貿易街にする事を彼らに伝えている。
遠くない未来にこの地で商いをする際、支度金などの支払い免除の代わりとして、今回の援助という資金提供を受けるのだ。
「無理のあるお願いかと思っておりましたが、各商家の皆様が受け入れてくださり嬉しいです」
「何を言っておられますか。このような勝ち馬に乗らぬ商家がどこにおります」
「勝ち馬……ですか?」
「ええ、ラテシア様。この公爵領が各国との貿易街となれば、土地代や市場価値は飛躍的に高まります。そうなれば多額の支度金が必要となりましょう」
そう言って商家の方が提示した支度金の額。
予想ではあるが、とんでもない金額であった。
「それをこの資金援助で免除されると思えば安上がり。先行投資ですな」
「ふふ、流石ですね。皆様」
「資産は勝ち取る物です。先んじて行動できたものが、多くを得られるのは必然。我らは常に商機を見計らっておりますから」
この公爵領を、彼らにとっても益のある場所と見定めてもらえて良かった。
だからこそ、必ず成し遂げねばと改めて責任を感じる。
そんな折、私の袖がくいっと引っ張られた。
「おねさま、ディア。おしごとてつだってきたよ」
「ふふ、ありがとう……ディア」
「えらい?」
「ええ、すごく偉いわ」
「なら、だっこしてほしいの」
褒めてほしいのだろう。
まだ六歳にも満たぬ子、頑張った証が欲しいのは当たり前だ。
抱っこして頭を撫でてあげると、ディアは「えへへ」と嬉しそうに笑う。
「さて、ディア。お姉様はお仕事があるから。抱っこのままジッとしていられる?」
「うん」
「えらいね。それじゃあ行きましょうか」
ディアを抱っこしながら、改めて皆の様子を見つめる。
会った際は悲観していた多くの人々も、希望を見出して笑みを浮かべ始める。
彼らに帯同していた家族、奥様や子供達も同様だ。
国を護ってくれた皆に、セリムが言っていたような危険な思想などあるはずもない。
必ず、私が彼らを導いてみせる。
「ラテシア様」
ふと、私の傍へとダウィド跪く。
そして、碧の瞳で私を見つめた。
「まずは先程の無礼をお許しください。ここまでの厚遇……皆が感謝しております」
「いえ、皆様にはこれが当然の権利ですよ。ダウィド」
「そして頼みがあるのです。俺の命。どうか貴方の御身を護るために捧げさせてください……ラテシア様」
「っ、かつての戦争の英傑に守ってもらえるならば、心強いです」
「この身。今ここで貴方の配下として忠義を誓います」
ダウィドの誓いに感謝しながら、私はディアを抱いて高台に上がる。
従軍経験者とその家族、多くの人々を見つめた。
「ディア。これから私達が……彼らを導くのです」
「ディア達が?」
「ええ、フロレイス公爵家の誇りのため。そして皆のためにも……」
抱き上げる弟のディアに、私は公爵家としてあるべき姿を見せる。
フロレイス自治領にて、セリムが無駄だと切り捨てた皆を希望に導く、私の責務を教えた。
そんな折、リガル様が私の元へと駆け寄る。
「ラテシア様……来月にはセリム陛下の即位式が始まります。その後は、王家も我らへと相応の対応を見せるはずです。いかがなさいますか?」
セリムにとって、即位式は今最も最重要な式典。
そこで即位して晴れて国王となるのだ……その後に持つ権力は大きく。
我が公爵領とて、彼の采配一つで振り回される。
しかし……その即位式こそが、セリムと私の政争での決め手の一つとなる。
「リガル様……即位式の日、我らも向かいます。それが始まりの狼煙となりましょう」
「え?」
「即位式の場で、我が公爵家の独立を宣言します! セリムの晴れ舞台にて……現王政の不信を大々的に表明するのです!」
式典の場にて、我が公爵家が独立する事実を知らしめよう。
その日、私は完全に王家から離脱する事となる。
正妃からも、側妃からも降りて。
王家に背反し、独立した当主となる。
もうセリムを愛する事の無い私が、この政争の火蓋を切り。
そして、セリム王政の始まりを挫いてみせよう。
5,780
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄はしたいけれど傍にいてほしいなんて言われましても、私は貴方の母親ではありません
すだもみぢ
恋愛
「彼女は私のことを好きなんだって。だから君とは婚約解消しようと思う」
他の女性に言い寄られて舞い上がり、10年続いた婚約を一方的に解消してきた王太子。
今まで婚約者だと思うからこそ、彼のフォローもアドバイスもしていたけれど、まだそれを当たり前のように求めてくる彼に驚けば。
「君とは結婚しないけれど、ずっと私の側にいて助けてくれるんだろう?」
貴方は私を母親だとでも思っているのでしょうか。正直気持ち悪いんですけれど。
王妃様も「あの子のためを思って我慢して」としか言わないし。
あんな男となんてもう結婚したくないから我慢するのも嫌だし、非難されるのもイヤ。なんとかうまいこと立ち回って幸せになるんだから!
【完結】お飾りではなかった王妃の実力
鏑木 うりこ
恋愛
王妃アイリーンは国王エルファードに離婚を告げられる。
「お前のような醜い女はいらん!今すぐに出て行け!」
しかしアイリーンは追い出していい人物ではなかった。アイリーンが去った国と迎え入れた国の明暗。
完結致しました(2022/06/28完結表記)
GWだから見切り発車した作品ですが、完結まで辿り着きました。
★お礼★
たくさんのご感想、お気に入り登録、しおり等ありがとうございます!
中々、感想にお返事を書くことが出来なくてとても心苦しく思っています(;´Д`)全部読ませていただいており、とても嬉しいです!!内容に反映したりしなかったりあると思います。ありがとうございます~!
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果
藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」
結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。
アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。
※ 他サイトにも投稿しています。
初恋の王女殿下が帰って来たからと、離婚を告げられました。
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢アリスは他に想う人のいる相手と結婚した。
政略結婚ではあったものの、家族から愛されず、愛に飢えていた彼女は生まれて初めて優しくしてくれる夫をすぐに好きになった。
しかし、結婚してから三年。
夫の初恋の相手である王女殿下が国に帰って来ることになり、アリスは愛する夫から離婚を告げられてしまう。
絶望の中でアリスの前に現れたのはとある人物で……!?
おかしくなったのは、彼女が我が家にやってきてからでした。
ましゅぺちーの
恋愛
公爵家の令嬢であるリリスは家族と婚約者に愛されて幸せの中にいた。
そんな時、リリスの父の弟夫婦が不慮の事故で亡くなり、その娘を我が家で引き取ることになった。
娘の名前はシルビア。天使のように可愛らしく愛嬌のある彼女はすぐに一家に馴染んでいった。
それに対してリリスは次第に家で孤立していき、シルビアに嫌がらせをしているとの噂までたち始めた。
婚約者もシルビアに奪われ、父からは勘当を言い渡される。
リリスは平民として第二の人生を歩み始める。
全8話。完結まで執筆済みです。
この作品は小説家になろう様にも掲載しています。
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる