22 / 37
18話
しおりを挟む
こちらが順調に進む中、いよいよ王家は焦りを感じたのだろう。
対策を講じるため、動き出し始めた人物がいた……
「ゼブル公爵が、我が領地に来訪した!?」
「はい。ラテシア様にお会いしたいと……」
リガル様からの報告に、私自身も驚いてしまう。
まさかゼブル公爵自らが、敵地といえる我が領地に訪れるなんて……
「要件は?」
「王家との対立の和解協議と共に、フロレイス公爵家の貿易計画への援助を行いたいと」
向こうが折れたような交渉議題。
しかしリガル様からの報告を受けた私は、暫く熟考して油断せぬ事を決めた。
そして指示を告げる。
「リガル様、ゼブル公爵と……話し合いを行います。交渉の席は避けれません」
「承知いたしました。ラテシア様」
「ただ、リガル様には頼みがあるのです」
「頼み?」
「ええ……セリムの腹心であるゼブル公爵の考えを、ルマニア王国全土に伝えてあげましょうか」
微笑み、私が告げた計画。
それを受けて、リガル様は早速準備にとりかかった。
◇◇◇
フロレイス公爵家の応接室へと入る。
そこには報告通り……ゼブル公爵が待っていた。
「話し合いを受け入れてくださり感謝しよう。ラテシア殿」
「断れば交渉から逃げたと吹聴されても、迷惑ですから」
「やはり聡い。君は選択の先を見据え、冷静に判断している……立派だな」
椅子に座り、視線を交わう。
後ろには互いの護衛騎士が数人控えていた。
皆が臨戦態勢で、鎧や兜を身に付けている。
「物騒な話し合いで申し訳ないな、ラテシア殿。同国の貴族とはいえ今は敵地、ゆえに護衛は必要だろう?」
「ええ。護衛がいて始めて、席について話し合いができると承知の上です」
「話が早くて助かる。しかと条件を受けてくれて良かったよ」
「ええ、貴方の条件通り、ここには互いの護衛のみで、人払いも済ませております。ですので本題を……」
「まぁ急かすな。これだから若輩者は焦っていかん。交渉の場が不慣れなのだろうが、それでは失敗を招くぞ」
ゼブル公爵は椅子の背もたれに体重を預け、ギシリを椅子を軋ませる。
そして、余裕の笑みを浮かべて二本の指を出した。
「和解案を提示しよう。こちらが二つ……ラテシア殿へと妥協しよう」
「……」
「和解後に求めるのは技術者共の返還。そして王家への敵対行動の取り消しだ」
ゼブル公爵自らが、交渉の舞台に立つ。
その意味は王家の焦りに他ならない。
ならば、こちらは譲歩は見せぬまま……話し合いを進めよう。
「まずは、そちらが提案する二つの和解案を提示ください」
「分かっている。おい……出せ」
ゼブル公爵が手を鳴らすと、彼のお付きらしい人物がトランクを開く。
中には……多くの書類があった。
「私の領地を貿易路に組み込んで良いという許可証だ。これで貿易計画は大きく発展するだろう?」
「……もう一つは?」
「我が家が、フロレイス公爵家との同盟を組もう。そうなれば私が王家との不仲を取り持ってやる」
「却下です。お帰りください」
当然ながら、彼の和解案だという愚案を受け入れる気は無い。
なぜなら、私が求めるものは何一つないからだ。
「ラテシア殿、意地を張るな。こちらは充分譲歩している。貴殿の相手は王家……失敗の先にあるのは惨いものだぞ。若き女性が受ける罰ではない」
「ゼブル公爵。こちらは貴方の案を受ける気はありません。お引き取りを」
「王妃を下ろされて怒っておるのだろう? 私が陛下に計らい、相応の地位につけるように提言してやるのだぞ?」
「要らぬと言っています! ゼブル公爵!」
「っ!!」
ゼブル公爵を睨みつけ、立ち上がる。
「私が求めるのは、従軍経験者の奪われた土地と富の返還。そして王家が間違いを認める事です!」
「出来るはずがない! すでに土地は貴族の領地として分配している。そして王家が非を認めれば、セリム陛下のお立場は消え失せる」
「もう、そうなっているではありませんか。貴方が入れ知恵したせいでね?」
「……」
ゼブル公爵は苦虫を嚙み潰したように俯く。
だが、再び背もたれに体重を預けながら頬に笑みを刻んだ。
「交渉決裂というのなら、さらに民が苦しむ結果となるのだぞ。ラテシア殿」
「なにを言っているのですか……」
「お前が独立を宣言したせいで、このフロレイス領とルマニア王国間にて防壁を建設する法案が進んでいる」
「っ……」
「建設費のため民には増税を強いるしかない。ルマニア王国の民は貴殿のせいで苦しむだろうな」
下劣な策に反吐がでそうだ。
民をわざと苦しめて、怒りの矛先がこちらに向くように偏向したいのだろう。
「民を苦しめて、貴方に正道はないの?」
「正道だと……?」
「従軍経験者からは土地を奪い、王国民は政略のためなら苦しめる。国の基盤たる皆を苦しめる非道は愚の骨頂です」
「……ふん。若輩者が……小娘はこれだから困る。なにも大局が見えておらん」
苛立ち交じりの舌打ちをして、ゼブル公爵は私を睨む。
その瞳は今までの冷静さを一転して、本気の怒りを交えていた。
「愚民どもに富や、幸福を与えてなんの意味がある!!」
「っ……」
「富むべきは貴族と王家のみ! 選ばれた者だけが国の軸となる事こそが戦争を招かぬ正道だ!」
「なにを言っているの……」
「貴殿は何も分かっていない。民を優遇する社会は危険が潜む。愚民共に富を持てば格差が生まれ、その格差を埋めるため、止まらぬ欲求を肥大化させる。それこそが争いの種だ」
「……」
「争いの種となる欲求を持たせぬため、愚民は等しく平等であればいい。これこそ私が抱く正道! 貴殿が意志を変えぬなら……王国民を更に苦しめる事、なにも心痛まん」
明かされた彼の思想と共に、脅すような物言い。
民を犠牲にする事すらいとわず、王国民を人質にするような言葉。
当然、それが許されるはずもない。
皆に……知ってもらわないとね。
「だ……そうですよ。皆様」
「は? なにを言って……」
私が呟いた途端だった。
応接室に控えていた護衛騎士達が、兜を脱ぐ。
そこには私の護衛であるダウィドがおり、そして他には……
「王国を代表する商家の皆様へ。今の話を聞いてもらいました、ゼブル公爵」
「なっ……」
我が領地に資産援助をしてくれた商家の皆が、一連の全てを聞いていた。
皆、一様に瞳に怒りを交える。
「ゼブル公。我ら商家は一市民から成り上がった者。貴方の言う愚民であり、酷く怒りを覚えますよ」
「な……待て。今のは誤解だ。なにもお前達を含めた訳ではなく」
「関係ありませぬ。貴方のお考えは、しかと王国民に広めます」
商家では王国で起きた事件などを広めるための情報紙も売っている。
それを各商家が、ゼブル公爵の今の流れを伝えれば……民はどうなるか。
「では!! 我らはこの大事件を直ぐに広めます……大売れしそうですな。ラテシア殿、誘ってくださり感謝いたします!」
「待て! 誤解だ! 待つんだ! 話は終わっておら––」
慌ててゼブル公爵が立ち上がるが、時すでに遅く。
商家の方々と入れ違いに、私の本当の護衛騎士が続々とやって来る。
逆上して襲うという選択肢も消してあげれば、ゼブル公爵はようやく罠に嵌められたと気付いて顔を青ざめさせた。
「ぐ……こ、小娘が……若輩者ごときが私を……嵌めおったかっ!!」
「さて、交渉の場に不慣れゆえに分からないのですが。この場で失態を犯したのは……いったいどなたでしょうね?」
微笑みながら問いかけた言葉。
意趣返しの問いかけに、ゼブル公爵は歯ぎしりして私を睨むだけだった。
対策を講じるため、動き出し始めた人物がいた……
「ゼブル公爵が、我が領地に来訪した!?」
「はい。ラテシア様にお会いしたいと……」
リガル様からの報告に、私自身も驚いてしまう。
まさかゼブル公爵自らが、敵地といえる我が領地に訪れるなんて……
「要件は?」
「王家との対立の和解協議と共に、フロレイス公爵家の貿易計画への援助を行いたいと」
向こうが折れたような交渉議題。
しかしリガル様からの報告を受けた私は、暫く熟考して油断せぬ事を決めた。
そして指示を告げる。
「リガル様、ゼブル公爵と……話し合いを行います。交渉の席は避けれません」
「承知いたしました。ラテシア様」
「ただ、リガル様には頼みがあるのです」
「頼み?」
「ええ……セリムの腹心であるゼブル公爵の考えを、ルマニア王国全土に伝えてあげましょうか」
微笑み、私が告げた計画。
それを受けて、リガル様は早速準備にとりかかった。
◇◇◇
フロレイス公爵家の応接室へと入る。
そこには報告通り……ゼブル公爵が待っていた。
「話し合いを受け入れてくださり感謝しよう。ラテシア殿」
「断れば交渉から逃げたと吹聴されても、迷惑ですから」
「やはり聡い。君は選択の先を見据え、冷静に判断している……立派だな」
椅子に座り、視線を交わう。
後ろには互いの護衛騎士が数人控えていた。
皆が臨戦態勢で、鎧や兜を身に付けている。
「物騒な話し合いで申し訳ないな、ラテシア殿。同国の貴族とはいえ今は敵地、ゆえに護衛は必要だろう?」
「ええ。護衛がいて始めて、席について話し合いができると承知の上です」
「話が早くて助かる。しかと条件を受けてくれて良かったよ」
「ええ、貴方の条件通り、ここには互いの護衛のみで、人払いも済ませております。ですので本題を……」
「まぁ急かすな。これだから若輩者は焦っていかん。交渉の場が不慣れなのだろうが、それでは失敗を招くぞ」
ゼブル公爵は椅子の背もたれに体重を預け、ギシリを椅子を軋ませる。
そして、余裕の笑みを浮かべて二本の指を出した。
「和解案を提示しよう。こちらが二つ……ラテシア殿へと妥協しよう」
「……」
「和解後に求めるのは技術者共の返還。そして王家への敵対行動の取り消しだ」
ゼブル公爵自らが、交渉の舞台に立つ。
その意味は王家の焦りに他ならない。
ならば、こちらは譲歩は見せぬまま……話し合いを進めよう。
「まずは、そちらが提案する二つの和解案を提示ください」
「分かっている。おい……出せ」
ゼブル公爵が手を鳴らすと、彼のお付きらしい人物がトランクを開く。
中には……多くの書類があった。
「私の領地を貿易路に組み込んで良いという許可証だ。これで貿易計画は大きく発展するだろう?」
「……もう一つは?」
「我が家が、フロレイス公爵家との同盟を組もう。そうなれば私が王家との不仲を取り持ってやる」
「却下です。お帰りください」
当然ながら、彼の和解案だという愚案を受け入れる気は無い。
なぜなら、私が求めるものは何一つないからだ。
「ラテシア殿、意地を張るな。こちらは充分譲歩している。貴殿の相手は王家……失敗の先にあるのは惨いものだぞ。若き女性が受ける罰ではない」
「ゼブル公爵。こちらは貴方の案を受ける気はありません。お引き取りを」
「王妃を下ろされて怒っておるのだろう? 私が陛下に計らい、相応の地位につけるように提言してやるのだぞ?」
「要らぬと言っています! ゼブル公爵!」
「っ!!」
ゼブル公爵を睨みつけ、立ち上がる。
「私が求めるのは、従軍経験者の奪われた土地と富の返還。そして王家が間違いを認める事です!」
「出来るはずがない! すでに土地は貴族の領地として分配している。そして王家が非を認めれば、セリム陛下のお立場は消え失せる」
「もう、そうなっているではありませんか。貴方が入れ知恵したせいでね?」
「……」
ゼブル公爵は苦虫を嚙み潰したように俯く。
だが、再び背もたれに体重を預けながら頬に笑みを刻んだ。
「交渉決裂というのなら、さらに民が苦しむ結果となるのだぞ。ラテシア殿」
「なにを言っているのですか……」
「お前が独立を宣言したせいで、このフロレイス領とルマニア王国間にて防壁を建設する法案が進んでいる」
「っ……」
「建設費のため民には増税を強いるしかない。ルマニア王国の民は貴殿のせいで苦しむだろうな」
下劣な策に反吐がでそうだ。
民をわざと苦しめて、怒りの矛先がこちらに向くように偏向したいのだろう。
「民を苦しめて、貴方に正道はないの?」
「正道だと……?」
「従軍経験者からは土地を奪い、王国民は政略のためなら苦しめる。国の基盤たる皆を苦しめる非道は愚の骨頂です」
「……ふん。若輩者が……小娘はこれだから困る。なにも大局が見えておらん」
苛立ち交じりの舌打ちをして、ゼブル公爵は私を睨む。
その瞳は今までの冷静さを一転して、本気の怒りを交えていた。
「愚民どもに富や、幸福を与えてなんの意味がある!!」
「っ……」
「富むべきは貴族と王家のみ! 選ばれた者だけが国の軸となる事こそが戦争を招かぬ正道だ!」
「なにを言っているの……」
「貴殿は何も分かっていない。民を優遇する社会は危険が潜む。愚民共に富を持てば格差が生まれ、その格差を埋めるため、止まらぬ欲求を肥大化させる。それこそが争いの種だ」
「……」
「争いの種となる欲求を持たせぬため、愚民は等しく平等であればいい。これこそ私が抱く正道! 貴殿が意志を変えぬなら……王国民を更に苦しめる事、なにも心痛まん」
明かされた彼の思想と共に、脅すような物言い。
民を犠牲にする事すらいとわず、王国民を人質にするような言葉。
当然、それが許されるはずもない。
皆に……知ってもらわないとね。
「だ……そうですよ。皆様」
「は? なにを言って……」
私が呟いた途端だった。
応接室に控えていた護衛騎士達が、兜を脱ぐ。
そこには私の護衛であるダウィドがおり、そして他には……
「王国を代表する商家の皆様へ。今の話を聞いてもらいました、ゼブル公爵」
「なっ……」
我が領地に資産援助をしてくれた商家の皆が、一連の全てを聞いていた。
皆、一様に瞳に怒りを交える。
「ゼブル公。我ら商家は一市民から成り上がった者。貴方の言う愚民であり、酷く怒りを覚えますよ」
「な……待て。今のは誤解だ。なにもお前達を含めた訳ではなく」
「関係ありませぬ。貴方のお考えは、しかと王国民に広めます」
商家では王国で起きた事件などを広めるための情報紙も売っている。
それを各商家が、ゼブル公爵の今の流れを伝えれば……民はどうなるか。
「では!! 我らはこの大事件を直ぐに広めます……大売れしそうですな。ラテシア殿、誘ってくださり感謝いたします!」
「待て! 誤解だ! 待つんだ! 話は終わっておら––」
慌ててゼブル公爵が立ち上がるが、時すでに遅く。
商家の方々と入れ違いに、私の本当の護衛騎士が続々とやって来る。
逆上して襲うという選択肢も消してあげれば、ゼブル公爵はようやく罠に嵌められたと気付いて顔を青ざめさせた。
「ぐ……こ、小娘が……若輩者ごときが私を……嵌めおったかっ!!」
「さて、交渉の場に不慣れゆえに分からないのですが。この場で失態を犯したのは……いったいどなたでしょうね?」
微笑みながら問いかけた言葉。
意趣返しの問いかけに、ゼブル公爵は歯ぎしりして私を睨むだけだった。
6,062
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄はしたいけれど傍にいてほしいなんて言われましても、私は貴方の母親ではありません
すだもみぢ
恋愛
「彼女は私のことを好きなんだって。だから君とは婚約解消しようと思う」
他の女性に言い寄られて舞い上がり、10年続いた婚約を一方的に解消してきた王太子。
今まで婚約者だと思うからこそ、彼のフォローもアドバイスもしていたけれど、まだそれを当たり前のように求めてくる彼に驚けば。
「君とは結婚しないけれど、ずっと私の側にいて助けてくれるんだろう?」
貴方は私を母親だとでも思っているのでしょうか。正直気持ち悪いんですけれど。
王妃様も「あの子のためを思って我慢して」としか言わないし。
あんな男となんてもう結婚したくないから我慢するのも嫌だし、非難されるのもイヤ。なんとかうまいこと立ち回って幸せになるんだから!
【完結】お飾りではなかった王妃の実力
鏑木 うりこ
恋愛
王妃アイリーンは国王エルファードに離婚を告げられる。
「お前のような醜い女はいらん!今すぐに出て行け!」
しかしアイリーンは追い出していい人物ではなかった。アイリーンが去った国と迎え入れた国の明暗。
完結致しました(2022/06/28完結表記)
GWだから見切り発車した作品ですが、完結まで辿り着きました。
★お礼★
たくさんのご感想、お気に入り登録、しおり等ありがとうございます!
中々、感想にお返事を書くことが出来なくてとても心苦しく思っています(;´Д`)全部読ませていただいており、とても嬉しいです!!内容に反映したりしなかったりあると思います。ありがとうございます~!
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果
藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」
結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。
アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。
※ 他サイトにも投稿しています。
初恋の王女殿下が帰って来たからと、離婚を告げられました。
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢アリスは他に想う人のいる相手と結婚した。
政略結婚ではあったものの、家族から愛されず、愛に飢えていた彼女は生まれて初めて優しくしてくれる夫をすぐに好きになった。
しかし、結婚してから三年。
夫の初恋の相手である王女殿下が国に帰って来ることになり、アリスは愛する夫から離婚を告げられてしまう。
絶望の中でアリスの前に現れたのはとある人物で……!?
おかしくなったのは、彼女が我が家にやってきてからでした。
ましゅぺちーの
恋愛
公爵家の令嬢であるリリスは家族と婚約者に愛されて幸せの中にいた。
そんな時、リリスの父の弟夫婦が不慮の事故で亡くなり、その娘を我が家で引き取ることになった。
娘の名前はシルビア。天使のように可愛らしく愛嬌のある彼女はすぐに一家に馴染んでいった。
それに対してリリスは次第に家で孤立していき、シルビアに嫌がらせをしているとの噂までたち始めた。
婚約者もシルビアに奪われ、父からは勘当を言い渡される。
リリスは平民として第二の人生を歩み始める。
全8話。完結まで執筆済みです。
この作品は小説家になろう様にも掲載しています。
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる