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王都への旅に向けての買い出し 3
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……で、俺達は武器屋にやって来た。
「よう、ダグラス。コイツに合う剣と、コイツが使う杖、その他飛び道具が欲しいんだが……オススメはあるか?」
ギルアスさんは店に入るとカウンターにいた強面のおじさん……ダグラスさんにそう言った。
「ギルアスか……いきなり来たと思えば子守りの仕事か?」
「ちげぇよ。コイツらの武器を買いに来ただけだ。」
「そうかよ。で、武器だったな。……杖はこれでどうだ?嬢ちゃん、ちょっと試してみな。」
「ふぇ?は、はい。」
ダグラスさんから30cmくらいの杖を受け取ったエレンさんは小さな火を杖の先から出した。
「…スゴい……杖ってこんなに魔法が使いやすくなるんだ……」
エレンさんが杖を凝視しながら呟いた。
「よし、ダグラス。これ、いくらだ?」
「銀貨5枚……と言いたいところだが、生憎それは貰い物でな。売るんじゃなく、譲るぞ。」
「いいのか?」
「ああ、お前なら問題ないさ。……で、次は剣だったな。」
ダグラスさんは顎に手を当てながら、剣を並べている棚を見る。だが……俺は一つ、気になってる剣があるんだよな。
「あ、あの……ギルアスさん……あの剣は何ですか?」
俺はさっきまでダグラスさんがいた、カウンターの隣に置いてあった木箱の中にある剣を指さした。
「ん?あぁ…あれな。なぁ、ダグラス。あの剣はなんだ?」
「ギルアス?あの剣?……あぁ、あれか。あれは呪いの装備だな。絶対触るなよ。あの剣、呪いの装備のくせに持ち主を選びやがる。触れると体が燃えて死んだヤツがいたらしい。」
「お前、またそんな物騒な物を……まぁ、そういうことだ。分かったな?ヒビキもスイも絶対に触るなよ?」
「はぁい!」
……ギルアスさんがそう言うが、俺は何故かその剣に惹かれるものがあった。だから、なんとなく、剣に近づく。
「おい!ヒビキ!お前人の話聞いてたか!」
そう言って俺に近づくギルアスさんをダグラスさんが手で制した。
「待て、ギルアス。この感じ……」
剣の目の前に来ると、何故か意識は確実にあるのに、ボーッとして視界が歪んだ。誰かに指示されたわけでもないのに、剣を持てと……そう言われてる気がした。
スッと手を伸ばし、俺は剣の柄を握る。
すると、剣から黒い影が伸びて俺を包み込む。悪い物ではないような気がして、特に抵抗もせずに受け入れた。
「ヒビキ!?大丈夫か!?」
目眩がして、俺はそのまま意識を手放した。
気が付くと、俺は真っ暗な空間にいた。
……暗くて夢とは正反対だな……
――汝、我の力を欲するか?――
突然、目の前に現れた黒い狼がそう問いかけた。
「我の力って……どんな力なんだ?」
――ほう…我の力を知らずに剣に触れたか……良かろう。我の試練に打ち勝てば、我の所有者と認めよう――
「は?し、試練?」
試練って…何をするんだ?
――試練は汝の魂を見て決める。しばし待て――
魂?じゃあ人によって試練の内容は違うってことか?
――……ほう?これは……名は?――
「響だ。」
――ヒビキか……ふむ…前言撤回しよう。試練はなしだ。無条件で我の力を使うことを許可しよう――
「いいのか?」
――構わん。好きにするといい。……して、汝はこの世界の者ではないな?――
魂を見て分かったのか?だから試練がなくなったのかもな。
「あぁ。別の世界出身だ。」
――ふむ…何故この世界に来た?――
「……勇者召喚に巻き込まれて、邪魔だから口止め料を渡されて、追い出されたんだ。」
――ほう…それは災難だったな。我も昔、邪悪なものと間違われこの剣に封印されたのだ――
「邪悪なものと間違われた?」
――うむ、これでも神の使いで来たのだがな――
「神の使い?」
――ああ、そうだ。だが、そうは言っても、もう済んだことだ。汝が気にすることでもなかろう――
「まあ…それもそうだな。」
――……さあ、もう行け。汝の仲間が心配するだろう。あの光の中に入ると外に出れる――
そう言って現れたのは白く輝く光だった。
「分かった。」
――礼を言われることはしていない。……レヴィン…我の名だ。用がある時は我の名を呼ぶといい。手伝えることがあれば手伝おう――
「ありがとう。……じゃあ、またな。レヴィン。」
俺は真っ暗な空間に出来た白い光に足を踏み入れた。
「……知らない天井だ……」
次に気が付くと、俺はどこかのベッドに運ばれたようで見たことのない部屋にいた。誰もいないし……どうしたらいいんだ?ちなみに「知らない天井だ」っていうのは一回言ってみたかっただけだったりする。
ガチャリ
…と、部屋のドアが開く。
「ヒビキ!良かったぁ……大丈夫?何か変なとこない?」
部屋に入ってきたのはエレンさんで、安堵した表情で聞いてきた。
「えと…特に何もないです。」
「良かったぁ……もう!ビックリしたんだから!あれだけ触るなって言われてたでしょ!」
「う……す、すみません……」
「ホントに心配したんだから!呪いの装備って言われてたでしょ!」
「はい……」
……みたいな感じでエレンさんのお説教は少しの間、続いたのだった……
「よう、ダグラス。コイツに合う剣と、コイツが使う杖、その他飛び道具が欲しいんだが……オススメはあるか?」
ギルアスさんは店に入るとカウンターにいた強面のおじさん……ダグラスさんにそう言った。
「ギルアスか……いきなり来たと思えば子守りの仕事か?」
「ちげぇよ。コイツらの武器を買いに来ただけだ。」
「そうかよ。で、武器だったな。……杖はこれでどうだ?嬢ちゃん、ちょっと試してみな。」
「ふぇ?は、はい。」
ダグラスさんから30cmくらいの杖を受け取ったエレンさんは小さな火を杖の先から出した。
「…スゴい……杖ってこんなに魔法が使いやすくなるんだ……」
エレンさんが杖を凝視しながら呟いた。
「よし、ダグラス。これ、いくらだ?」
「銀貨5枚……と言いたいところだが、生憎それは貰い物でな。売るんじゃなく、譲るぞ。」
「いいのか?」
「ああ、お前なら問題ないさ。……で、次は剣だったな。」
ダグラスさんは顎に手を当てながら、剣を並べている棚を見る。だが……俺は一つ、気になってる剣があるんだよな。
「あ、あの……ギルアスさん……あの剣は何ですか?」
俺はさっきまでダグラスさんがいた、カウンターの隣に置いてあった木箱の中にある剣を指さした。
「ん?あぁ…あれな。なぁ、ダグラス。あの剣はなんだ?」
「ギルアス?あの剣?……あぁ、あれか。あれは呪いの装備だな。絶対触るなよ。あの剣、呪いの装備のくせに持ち主を選びやがる。触れると体が燃えて死んだヤツがいたらしい。」
「お前、またそんな物騒な物を……まぁ、そういうことだ。分かったな?ヒビキもスイも絶対に触るなよ?」
「はぁい!」
……ギルアスさんがそう言うが、俺は何故かその剣に惹かれるものがあった。だから、なんとなく、剣に近づく。
「おい!ヒビキ!お前人の話聞いてたか!」
そう言って俺に近づくギルアスさんをダグラスさんが手で制した。
「待て、ギルアス。この感じ……」
剣の目の前に来ると、何故か意識は確実にあるのに、ボーッとして視界が歪んだ。誰かに指示されたわけでもないのに、剣を持てと……そう言われてる気がした。
スッと手を伸ばし、俺は剣の柄を握る。
すると、剣から黒い影が伸びて俺を包み込む。悪い物ではないような気がして、特に抵抗もせずに受け入れた。
「ヒビキ!?大丈夫か!?」
目眩がして、俺はそのまま意識を手放した。
気が付くと、俺は真っ暗な空間にいた。
……暗くて夢とは正反対だな……
――汝、我の力を欲するか?――
突然、目の前に現れた黒い狼がそう問いかけた。
「我の力って……どんな力なんだ?」
――ほう…我の力を知らずに剣に触れたか……良かろう。我の試練に打ち勝てば、我の所有者と認めよう――
「は?し、試練?」
試練って…何をするんだ?
――試練は汝の魂を見て決める。しばし待て――
魂?じゃあ人によって試練の内容は違うってことか?
――……ほう?これは……名は?――
「響だ。」
――ヒビキか……ふむ…前言撤回しよう。試練はなしだ。無条件で我の力を使うことを許可しよう――
「いいのか?」
――構わん。好きにするといい。……して、汝はこの世界の者ではないな?――
魂を見て分かったのか?だから試練がなくなったのかもな。
「あぁ。別の世界出身だ。」
――ふむ…何故この世界に来た?――
「……勇者召喚に巻き込まれて、邪魔だから口止め料を渡されて、追い出されたんだ。」
――ほう…それは災難だったな。我も昔、邪悪なものと間違われこの剣に封印されたのだ――
「邪悪なものと間違われた?」
――うむ、これでも神の使いで来たのだがな――
「神の使い?」
――ああ、そうだ。だが、そうは言っても、もう済んだことだ。汝が気にすることでもなかろう――
「まあ…それもそうだな。」
――……さあ、もう行け。汝の仲間が心配するだろう。あの光の中に入ると外に出れる――
そう言って現れたのは白く輝く光だった。
「分かった。」
――礼を言われることはしていない。……レヴィン…我の名だ。用がある時は我の名を呼ぶといい。手伝えることがあれば手伝おう――
「ありがとう。……じゃあ、またな。レヴィン。」
俺は真っ暗な空間に出来た白い光に足を踏み入れた。
「……知らない天井だ……」
次に気が付くと、俺はどこかのベッドに運ばれたようで見たことのない部屋にいた。誰もいないし……どうしたらいいんだ?ちなみに「知らない天井だ」っていうのは一回言ってみたかっただけだったりする。
ガチャリ
…と、部屋のドアが開く。
「ヒビキ!良かったぁ……大丈夫?何か変なとこない?」
部屋に入ってきたのはエレンさんで、安堵した表情で聞いてきた。
「えと…特に何もないです。」
「良かったぁ……もう!ビックリしたんだから!あれだけ触るなって言われてたでしょ!」
「う……す、すみません……」
「ホントに心配したんだから!呪いの装備って言われてたでしょ!」
「はい……」
……みたいな感じでエレンさんのお説教は少しの間、続いたのだった……
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