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第三章 iと姉
166. 私は貴女しか知らない 우리는 당신밖에 모른다
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12/24(今日)-1/7まで“毎日更新”します!!!
ーーーーーーーーーーーーー
「……そうよ。だから言ってみて?」
「……ええと、その……チグ神学校で、問題を起こして……転校に追いやられたと……。」
「……ええ、概ねその通りよ。でも私は自分の意思で転校したの。そして起こした問題というのは……友達との関係よ。
――“親友”、とのね。」
「……親友……。」
「ええ、アイ。聴いてくれる?
――私と親友……“ラアル・ファンタジア”と“オトメアンのオルレ”の話を――」
◆◆◆
「でも……宝石も取れて、ページもボロボロになってる……。」
「えへへ……ねっ!……おそろい……!」
◆◆◆
「ラアル王女殿下……私と友達になってくださいませんか……?」
ラアルは少しその切れ長のルビーの眼を見開いたあと、とても嬉しそうに、言った。
「ラアルでいいわよ!私たちもうお友達でしょ!……よろしくね、オルレ!」
◆◆◆
――女を捨てて勉強だけを頑張ってる私に!オシャレしてる片手間で勉強してるアンタに!そんなこと言われたくない!!
◆◆◆
「この期に及んで許してあげる?常に上から目線じゃないと死んじゃう病気なの?ずっと自分の人生をついて回っていつでもそれに苦しめられ続けてきた悩みを!コンプレックスを!貴女はいつも笑い飛ばしたわよね!?
自分にとっては“深刻な悩み”を!“どうでもいいもの”みたいに扱われたらどんな気になるかわからない!?わからないわよねぇ!生まれたときから何でも持ってて悩みなんか1つもなかったラアル王女殿下様にはさぁ!!」
「言わせておけば……!私にだって悩みくらいあるわよ!!でも恵まれた立場にいるから!それを人に見せないようにしているだけ!貴女みたいにいつもいつもウジウジ何かに悩んでいられないの!私は!!王女なんだから!国を背負う責務があるの!この重圧も知らないくせに!!」
◆◆◆
「私はアンタらみたいな、
自然に巡ってくると思っている季節が嫌い!
自ら登ってきたと思っている太陽が嫌い!!
恵まれてるくせに自分の努力のおかげだって嗤うヤツらが憎い!!!」
――それは永遠の訣別の夕暮れだった。
――2人で独りの“永訣の夕”だった。
◇◆◇
「……前にお話してくださったことは……ほんの一部だったんですね……。」
「いえ、アイ……私は貴女に全く同じ話をしたことがあるわ。貴女が死ぬ前にね……多分話した時も女性体で死んだのも女性体だから……記憶の一部が欠落してしまっているんだと思う。」
「……ラアルちゃん……。」
「話を戻すわ……それでチグ神学校からマンソンジュ軍学校に転校してきたの。もう国民共とは関わらないって決めてね。嗤ってもいいのよ?」
「ラアルちゃ――」
「――ラアルさま。」
ツエールカフィー公王様の声を遮ってしまった。重罪だ。だけど、言わなければならないことがある。言いたいことがある。伝えたいことが、ある。
「――ラアルさま。わたくしは貴女しか知りません。わたくしから見た貴女しか。」
「アイ?」
「アイちゃん……?」
アルちゃんが林間学校の前にわたくしに言ってくれたように……。情けは人の為ならずだ。おねえさまは心を教えて下さった時に
『貰ったことがないものは、人に与えられない。』
と仰っていた……。だからせめて“親友”に貰ったものは“番”に返したい。
「――わたくしから見た貴女は誰よりも“うつくしかった”です。貴女が過去にどんな人で何をしたかなんてわたくしには知ったことではありません。」
「アイ……。」
ラアルさまの右の手を両の手で包み込んで、そのルビーの瞳を見つめて、伝う――。
「初めて逢った時、貴女は顔を赤くしたわたくしを心配して下さいました。お友達になろうと仰って下さいました。貴女は初めて逢った時から、わたくしにとっては、天使のような方でした。」
「アイ……。」
「アイちゃん……!」
あの時のアルちゃんのように、できるだけやさしく微笑んでみる。……上手くできてるかな?
「……だから、ラアルさまがどれほど自分を嫌っても、自分の過去を悼んでも……それが“今の”ラアルさまの価値を決める事はあり得ません。
だってわたくしは今のラアルさましか知りません。そしてわたくしの知るラアル・ファンタジアは……。彼女は、とても強く聡明で……この国でいちばんうつくしい御方です。」
「……アイ。ありがとう。ほんとうに……ほんとうに、ありがとう。」
ラアルさまがお礼を言ってくださり、公王様のわたくしを抱きしめる腕の力が少し強くなった気がした。
「……でもね、アイ。気づいてる?おんなじ事を私も貴女に思っているのよ。私は貴女しか知らないわ。
――貴女こそ私の天使なのよ。」
「え……?」
「貴女の過去に何があったとか、聖別の儀前に何があったとか……春日春日と何があったとか。そんなのは知らないわ。
……もちろん、貴女のお母様とどんな関係だとか、何をされてきたとか。私には知りようもない。けど私と出会ってからの貴女なら知ってる。それだけは知ってる。誰よりも知ってる。この世の誰よりも――。
――だってこの世の誰より貴女を見つめてきたのは私なんだから。だから私は貴女が大好きなの。大好きだから見つめてきたし、見つめてきたから大好きなの。
初めて逢った時の事も何一つ忘れずに思い出せる。酷い態度で貴女の教室に乗り込んで、貴女を侮辱してかかろうとした非道い私に、貴女は優しかった。笑顔を……可愛いはにかみをくれたわね。貴女の照れた顔……今でも鮮明に思い出せるわ。あの時私は落ちたのよ。恋に……一番下まで落ちたのよ?
貴女はずっと優しかった。うつくしかった。アルタークに酷い言葉を投げかけた私を優しく諭してくれた。心臓に手をやって、諭してくれた。
学校のみんなにも優しかった。人のために行動して、悩みを持ちかけられたら誰より親身になって聴いて。平民にも人間体にも優しかった。
私もおんなじようなことをしてたつもりで、“神学校の聖女”なんて呼ばれていい気になっていたわ。だけど貴女は決して驕らなかった、得意げに自慢したり、やってあげたんだぞって態度なんてしなかった。
――ただ、当たり前のように他人の幸福を願える“人間”だった。」
「ラアルさま……。わたくしは――」
――それもわたくしの“認識阻害の呪い”のせいかも知れなかったら?
「――だから、大丈夫よ。アイ。家族は生来のものだけじゃないわ。貴女には将来の家族だっているわ。きっと誰かを愛した瞬間から、家族の意味さえ変わってしまうのよ。
ずっと“家族”って言葉を聞いたら思い浮かぶのがお父様お母様と兄弟だったのが……“家族”って聞くと自分と愛する人を思い浮かべる日が来るの。……そして、いつか自分と愛する人とその子供を思い浮かべる日も――。そうやって家族の意味も変わっていくの。」
ルビーの瞳がわたくしを射抜く。
その理由が分からないほど馬鹿ではない。
「……新しい家族。」
「だから、もし貴女が今の家族とうまくいっていなくても……。なんて、私が言えたことじゃないかしらね。……アイ。私はお母様に愛されてる。
だから、貴女の気持ちが分かるなんて絶対に言えない。けど、貴女を愛する事は出来るわ。護ることは出来る。貴女を苦しめる全てのことから。」
「ラアルさま……。なんで――」
――なんでわたくしなんかに、そこまで。
そう言いかけてやめた。だって言葉で行動で心で示してくれているじゃないか。こんなにも。握られてた掌から伝わってくる。慈しみが伝わってくる。
「――ありがとう、ございます。」
「ええ、だからアイ、私に許しを頂戴。……貴女を愛する許可を……貴女を愛する許しを――。」
「……ラアルさまは王女様なんですから、わたくしの許しなんて……。」
「私は今、王女として話しているのではないわ。貴女を愛するただ一人の獣神体として、貴女が愛しくてたまらない、ただ一人の“人間”として――。」
女王様が聴いている。黙って聴いている。
ラアルさまが次に何というか分かった。止めるべきだと分かっていた。“其れ”を言うのを止めないと。止めないと辺境伯派の弱みを公王様に晒す事になる。だから、ミルヒシュトラーセ家の者として止めるべきだと思った……だけど、止めなかった。
だってわたくしは今ただのアイなのだから。
ラアルさまが大好きな、アイなのだから。
「――人間体である貴女の、貴女の番として……貴女を愛しているわ。」
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「……そうよ。だから言ってみて?」
「……ええと、その……チグ神学校で、問題を起こして……転校に追いやられたと……。」
「……ええ、概ねその通りよ。でも私は自分の意思で転校したの。そして起こした問題というのは……友達との関係よ。
――“親友”、とのね。」
「……親友……。」
「ええ、アイ。聴いてくれる?
――私と親友……“ラアル・ファンタジア”と“オトメアンのオルレ”の話を――」
◆◆◆
「でも……宝石も取れて、ページもボロボロになってる……。」
「えへへ……ねっ!……おそろい……!」
◆◆◆
「ラアル王女殿下……私と友達になってくださいませんか……?」
ラアルは少しその切れ長のルビーの眼を見開いたあと、とても嬉しそうに、言った。
「ラアルでいいわよ!私たちもうお友達でしょ!……よろしくね、オルレ!」
◆◆◆
――女を捨てて勉強だけを頑張ってる私に!オシャレしてる片手間で勉強してるアンタに!そんなこと言われたくない!!
◆◆◆
「この期に及んで許してあげる?常に上から目線じゃないと死んじゃう病気なの?ずっと自分の人生をついて回っていつでもそれに苦しめられ続けてきた悩みを!コンプレックスを!貴女はいつも笑い飛ばしたわよね!?
自分にとっては“深刻な悩み”を!“どうでもいいもの”みたいに扱われたらどんな気になるかわからない!?わからないわよねぇ!生まれたときから何でも持ってて悩みなんか1つもなかったラアル王女殿下様にはさぁ!!」
「言わせておけば……!私にだって悩みくらいあるわよ!!でも恵まれた立場にいるから!それを人に見せないようにしているだけ!貴女みたいにいつもいつもウジウジ何かに悩んでいられないの!私は!!王女なんだから!国を背負う責務があるの!この重圧も知らないくせに!!」
◆◆◆
「私はアンタらみたいな、
自然に巡ってくると思っている季節が嫌い!
自ら登ってきたと思っている太陽が嫌い!!
恵まれてるくせに自分の努力のおかげだって嗤うヤツらが憎い!!!」
――それは永遠の訣別の夕暮れだった。
――2人で独りの“永訣の夕”だった。
◇◆◇
「……前にお話してくださったことは……ほんの一部だったんですね……。」
「いえ、アイ……私は貴女に全く同じ話をしたことがあるわ。貴女が死ぬ前にね……多分話した時も女性体で死んだのも女性体だから……記憶の一部が欠落してしまっているんだと思う。」
「……ラアルちゃん……。」
「話を戻すわ……それでチグ神学校からマンソンジュ軍学校に転校してきたの。もう国民共とは関わらないって決めてね。嗤ってもいいのよ?」
「ラアルちゃ――」
「――ラアルさま。」
ツエールカフィー公王様の声を遮ってしまった。重罪だ。だけど、言わなければならないことがある。言いたいことがある。伝えたいことが、ある。
「――ラアルさま。わたくしは貴女しか知りません。わたくしから見た貴女しか。」
「アイ?」
「アイちゃん……?」
アルちゃんが林間学校の前にわたくしに言ってくれたように……。情けは人の為ならずだ。おねえさまは心を教えて下さった時に
『貰ったことがないものは、人に与えられない。』
と仰っていた……。だからせめて“親友”に貰ったものは“番”に返したい。
「――わたくしから見た貴女は誰よりも“うつくしかった”です。貴女が過去にどんな人で何をしたかなんてわたくしには知ったことではありません。」
「アイ……。」
ラアルさまの右の手を両の手で包み込んで、そのルビーの瞳を見つめて、伝う――。
「初めて逢った時、貴女は顔を赤くしたわたくしを心配して下さいました。お友達になろうと仰って下さいました。貴女は初めて逢った時から、わたくしにとっては、天使のような方でした。」
「アイ……。」
「アイちゃん……!」
あの時のアルちゃんのように、できるだけやさしく微笑んでみる。……上手くできてるかな?
「……だから、ラアルさまがどれほど自分を嫌っても、自分の過去を悼んでも……それが“今の”ラアルさまの価値を決める事はあり得ません。
だってわたくしは今のラアルさましか知りません。そしてわたくしの知るラアル・ファンタジアは……。彼女は、とても強く聡明で……この国でいちばんうつくしい御方です。」
「……アイ。ありがとう。ほんとうに……ほんとうに、ありがとう。」
ラアルさまがお礼を言ってくださり、公王様のわたくしを抱きしめる腕の力が少し強くなった気がした。
「……でもね、アイ。気づいてる?おんなじ事を私も貴女に思っているのよ。私は貴女しか知らないわ。
――貴女こそ私の天使なのよ。」
「え……?」
「貴女の過去に何があったとか、聖別の儀前に何があったとか……春日春日と何があったとか。そんなのは知らないわ。
……もちろん、貴女のお母様とどんな関係だとか、何をされてきたとか。私には知りようもない。けど私と出会ってからの貴女なら知ってる。それだけは知ってる。誰よりも知ってる。この世の誰よりも――。
――だってこの世の誰より貴女を見つめてきたのは私なんだから。だから私は貴女が大好きなの。大好きだから見つめてきたし、見つめてきたから大好きなの。
初めて逢った時の事も何一つ忘れずに思い出せる。酷い態度で貴女の教室に乗り込んで、貴女を侮辱してかかろうとした非道い私に、貴女は優しかった。笑顔を……可愛いはにかみをくれたわね。貴女の照れた顔……今でも鮮明に思い出せるわ。あの時私は落ちたのよ。恋に……一番下まで落ちたのよ?
貴女はずっと優しかった。うつくしかった。アルタークに酷い言葉を投げかけた私を優しく諭してくれた。心臓に手をやって、諭してくれた。
学校のみんなにも優しかった。人のために行動して、悩みを持ちかけられたら誰より親身になって聴いて。平民にも人間体にも優しかった。
私もおんなじようなことをしてたつもりで、“神学校の聖女”なんて呼ばれていい気になっていたわ。だけど貴女は決して驕らなかった、得意げに自慢したり、やってあげたんだぞって態度なんてしなかった。
――ただ、当たり前のように他人の幸福を願える“人間”だった。」
「ラアルさま……。わたくしは――」
――それもわたくしの“認識阻害の呪い”のせいかも知れなかったら?
「――だから、大丈夫よ。アイ。家族は生来のものだけじゃないわ。貴女には将来の家族だっているわ。きっと誰かを愛した瞬間から、家族の意味さえ変わってしまうのよ。
ずっと“家族”って言葉を聞いたら思い浮かぶのがお父様お母様と兄弟だったのが……“家族”って聞くと自分と愛する人を思い浮かべる日が来るの。……そして、いつか自分と愛する人とその子供を思い浮かべる日も――。そうやって家族の意味も変わっていくの。」
ルビーの瞳がわたくしを射抜く。
その理由が分からないほど馬鹿ではない。
「……新しい家族。」
「だから、もし貴女が今の家族とうまくいっていなくても……。なんて、私が言えたことじゃないかしらね。……アイ。私はお母様に愛されてる。
だから、貴女の気持ちが分かるなんて絶対に言えない。けど、貴女を愛する事は出来るわ。護ることは出来る。貴女を苦しめる全てのことから。」
「ラアルさま……。なんで――」
――なんでわたくしなんかに、そこまで。
そう言いかけてやめた。だって言葉で行動で心で示してくれているじゃないか。こんなにも。握られてた掌から伝わってくる。慈しみが伝わってくる。
「――ありがとう、ございます。」
「ええ、だからアイ、私に許しを頂戴。……貴女を愛する許可を……貴女を愛する許しを――。」
「……ラアルさまは王女様なんですから、わたくしの許しなんて……。」
「私は今、王女として話しているのではないわ。貴女を愛するただ一人の獣神体として、貴女が愛しくてたまらない、ただ一人の“人間”として――。」
女王様が聴いている。黙って聴いている。
ラアルさまが次に何というか分かった。止めるべきだと分かっていた。“其れ”を言うのを止めないと。止めないと辺境伯派の弱みを公王様に晒す事になる。だから、ミルヒシュトラーセ家の者として止めるべきだと思った……だけど、止めなかった。
だってわたくしは今ただのアイなのだから。
ラアルさまが大好きな、アイなのだから。
「――人間体である貴女の、貴女の番として……貴女を愛しているわ。」
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