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第一章 愛と家族

11. こゝろ - お母様とお父様、ママとパパ、とわたくし Mother and Father & Mommy and Daddy & I

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 ついにその時が来た。聖別の儀セパレーションだ。ここで、おかあさまの望みを叶え、ついに、ついにおかさまにあいしてもらえる。……あぁ……!うれしい。この時をどれほど待ちわびたことか……!
 
 それ以外なにが必要だと言うんだ。わたくしの人生に!お母様の愛情以外になにが!そんなものはない、この幸福に比すれば全てのものは虚しい!あぁ!!歓喜が押し寄せてくる……やっと、やっとだ……!
 
 ……産まれて初めて、おかあさまに――あいしてもらえるんだ!!

 ◇◆◇
  
「おかあさま……。」
 
 アイは大変冷え込む夜だと言うのに、薄い寝巻きのまま彼の身体には大きすぎる枕を両手で何とか抱きかかえたまま、覚束おぼつかない足取りでとたとたと本邸まで歩いていく。
 
 聖別の儀セパレーションの前日に、眠れなくておかあさまに会いにきたのだ。会ってくれないことも、一緒に寝てくれることなど叶わないとは分かっていても。その望みを捨てきれないのだ。莫迦ばかな子供であった。純粋で、愚かな子供であった。

 ◇◆◇
 
 夜の暗闇にびくびくと怯えながら、なんとか母の執務室まで辿り着く、こんな甘ったれたことをしていると父に知れたら必ず拳と『男のくせに』という言葉と拳が飛んでくるので、そのことにも怯えている。その小さな身体には大きすぎる怯えを、今日までいつも抱えてきた。

 ノックをしようとして、やっぱり帰ろうかしらと思って、でもでもと思い直し、やっぱり暗いのが怖くてもう帰れないと途方に暮れていたとき、ドアがゆっくりと開いた。すき間からの光が徐々に広がっていき、よいの闇の中にアイの白い肌を輝かせる。
 
 執務室を出ようとしていたエレクトラが、いるはずのない息子の存在に気づいた。逆光でアイにはエレクトラが、どんな表情をしているか、どんな瞳で自分を見ているかが分からない。ゆっくりとエレクトラが手を動かし始めたので、いつものように殴られると身構えるが、決してそれをかわそうとはしない。余計に機嫌を損なうことが分かっているからだ。

 頬に触れるのは、いつもの様に激しく熱い痛みではなく、やわらかくあたたかい感触。アイの右頬にふれる、エレクトラのあたたかい左手だった。

 ◇◆◇
 
「……どうした、アイ、こんな夜更けに、こんなところで。」
 
 頭に降り注ぐのは穏やかな声。
 
「え、エレクトラさま……。」
 
 おそるおそる右手でエレクトラの服のすそを掴み、何かを言おうとするアイ。
 
「明日は大事な聖別の儀セパレーションだぞ?……眠れないのか?」
 
 触れた手をはじかれることもない。アイは何時いつもと違う扱いに浮かれて、普段なら絶対に口にはできない、自身のけがれた身には過ぎた願いを、言葉にしてしまう。
 
「お、あかあさま、あ……あいは、わたくしは、おかあさまと……その……いっしょに……」
 
 本人の前で、エレクトラさまではなく、おかあさまとよんでしまった、とアイが動転どうてんしているすきに、言葉をかけられる。
 
「おれと一緒に寝たいのか?」
 
「は、はい!」
 
 もうどうにでもなれと、裾をつかむ手にぎゅと力を込めて、アイは勢い込んで答える。
 
「……ふむ。……。」
 
 エレクトラがあごに手をやり何かを考えているが、依然として逆光で何を考えているのかさっぱり分からない。
 
「やはり……だめ、でしょうか……?」
 
 ちらりと、自分より随分と高い位置にあるエレクトラの顔をあおぎ見る。
 
「………………。……。いや、いいだろう。、オマエと寝たことなんてなかったしな。それに、性別が決まるまでは、ゲアーターやシュベスターともよく一緒に寝たもんだ。こい。」
 
 スタスタと振り返らずにあしばやに歩いていくエレクトラを、アイはちいさい歩幅で一生懸命追いかける。
 
「今日はオイディプスもいないし、ちょうどよかったな。アイツに知れたらまたぶっ飛ばされるところだったぞ。」

お話のなかでしか見たことのない、『お父さんには内緒よ』、といってお母さんがナイショで優しくしてくれるという経験に、アイは感動していた。
 
「は、はい、ありがとうございます。」
 
 急に立ち止まった母の背中にぶつかって、母はびくともしないが、アイは尻餅しりもちをついてしまう。
 
「ここだ、ここがおれとオイディプスの寝室。こい。」
 
 アイは産まれて初めて、両親の寝室の場所を知ったのだった。きょうだいのなかで、アイだけが、知らなかった。ほかのきょうだいはよくここで一緒に寝てもらっていたのだと思うと、ちいさな胸がちくりと痛んだ。

 その間にエレクトラがさっと寝巻きに着替ていた。母の仕事服やよそ行きの服以外を見たのは初めてだった。そんなことを考えながら、ベットに座った母を茫然ぼうぜんと見ていると、声をかけられる。
 
「なに突っ立ってんだ?早く来いよ。」
 
 ぽんぽんとベットを叩く音が無音の寝室にやけに大きくひびく。アイは恐る恐る気分を害なさいように大きなベット端に、でも母に近づきたいと言う気持ちとせめぎ合って、人ひとり分の隙間を開けて座った。
 
「明日は大事な日だ。さっさと寝るぞ。」
 
 初めて並んで横たわる母と子。子が望んだことで、母も了承したことなのに、何故かお互い居心地の悪さを感じていた。だからだろう、その気まずい静寂せいじゃくを終わらせるためだろうか、母が話題を作る。

 エレクトラは自分でも信じられないほどアイに対して穏やかな気持ちだった。もしかしたら揺らぐちいさな灯りのみで、2人が薄暗闇のなかにいたのがよかったのかもしれない。やさしい闇が、母の嫌悪するアイの容姿を覆い隠していた。

 ◇◆◇
 
「……あぁ、なんだ。今日はどんな1日だった?」
 
 普通の親子なら何百回と交わすであろう会話も、ふたりにとっては初めてだった。
 
「……本日は、ファントム先生に、儀式を上手く進めるための、さいごのヘルツの講義をして頂きました。」
 
 少しの明かりのもとでやわらかいベッドの上に横たわっていると、アイはふわふわとした気持ちに、エレクトラは落ち着いた心持ちになっていくのを感じていた。そうでなければ、子は怯えずに、母はいからずにこんな会話をすることは不可能だっただろう。
 
「なるほど、アイツもちゃんと仕事をしてるとみえる。」
 
暗闇からお互いの声だけが聞こえる。
 
「ファントム先生とは古い仲なんですよね?」
 
「……。あぁ、ガキの頃からの腐れ縁だ。」
 
春日春日かすがしゅんじつ様から伺ったのですが、おとうさまとエレクトラさま、春日しゅんじつさんとファントム先生、そしてあと1人いらったしゃったと……。」
 
「……そうだな。」
 
「それが誰か春日さんに聞いても、ファントム先生に聞いても、教えてくださらないのです。なぜなのでしょう?」
 
「……さぁな。」
 
「もしかしてそれが、“サクラ”という方なのでしょうか?」
 
 遥かなる静寂しじまが訪れた。アイはしまったと思った。ふわふわと眠気のうちに揺蕩たゆたって、微睡まどろんでいたから、いつもより言葉もかるく、ふわふわと外に出てしまう。
 
「え、エレクトラさま……申し訳ありません。出過ぎた真似をしました……。」
 
 静寂はただ薄暗闇に横たわっている。
 
「サクラってのは、“サクラ・マグダレーナ”、“マグダラのサクラ”のことだ。」
 
 答えてもらえると思ってなかったアイは、呆気あっけにとられる。
 
「あの女は、そうだな……くそに糞を煮詰めたような、だ。生きながらえているのも烏滸おこがましいぐらいの、売女ばいただ。それにあのビッチは人間体アニマだ。それをいいことにいろんな奴と寝て、それで――。

 ……あの罪深き姦淫かんいん女のことを春日しゅんじつもファントムも話したがらねぇわけが分かったか?」
 
「は、はい。」
 
「マグダラのサクラは糞だ。それさえ覚えてりゃあいい。」
 
 アイは母の言葉に、一般論ではなく何かを個人的な感情をみた。そして、おかあさまもを、そのサクラさんにされたんだろうか、と思った。
 
「そんなことより、聖別の儀セパレーションの目的とお前がやるべきことを覚えているだろうな?」
 
「はい。今回の聖別の儀セパレーションの目的は、わたくしの性別が自然に決まるよりも前に、人為的に確定させることです。
 
 そして、儀式の相手にアニマ・アニマとして生きることを了承りょうしょうさせた人間を用意し、わたくしは1番軍事的に有効価値の高いアニムス・アニムスとなります。
 
 そしてこころをもつものプシュケーでありながら、アニムス・アニムスという、象徴的にも武力的にもとなり、お母様がよりその権威と権力を確かなものにすることに人生を捧げることです。」
 
「分かってるならいい。おれにとって使子供になれ。」
 
「はい。」
 
「よし……明日は早ぇんだ。さっさと寝るぞ。」
 
 ベッドの反対側でおかあさまが反対を向いて寝る姿勢に入った気配がした。アイは決してこっちを向いてくださらない母親のおおきな背中を闇のなかでみていた。そして、ほんの少しだけ近づいて、母の方を向いて身体を丸める。決して抱きしめてはくれないと分かっていても、その背中が上下するたびに感じられる、母の息づかいを覚えていたかった。
 
 口では母の気分を害なさい言葉遣いをして、こころのなかでほんとうに伝えたいことばを言う。
 
 「お休みなさいませ、エレクトラ様。」
 
 ――おやすみ……おかあさま。

 ◇◆◇ 

 聖別の儀セパレーションの日が来た。何が起こり、結果がどうなったとしても、決別し、冒険へセパレートという運命は決まっている。

 ◇◆◇

 ――アイくん!なんか私のお父さんとお母さん儀式の直前に私に会いに来るらしくてさー。もう子供じゃないし、恥ずかしいからやめてっていても聞いてくんないの!わが子の晴れ舞台だからって!ありえなくない!本当に恥ずかしいからやめてほしいんだよね~!

 この言葉を聞いたアイは執務室に走った。扉を開けると、父と母が何かを語り合っていたが、アイをみると即座にその話をやめた。エレクトラは夫との話を遮られていら立ったようだったが、アイの前の母はいつでも怒っているので、アイには分からなかった。何をしに来たと問われ、アイは指をもじもじとさせながら、話し始めた。

 ◇◆◇
 
「エレクトラさま、オイディプスさま。……はるひちゃんの家族は 聖別の儀セパレーションの直前に、はるひに会いに来て下さるそうです。もし……もし、宜しければ、もし、可能であれば……本当に、もし宜しければなのですが…………お二人に来て、頂く、というようなことは……あの。」
 
 おもむろにオイディプスが立ち上がり、ゆっくりとアイ近づく。突然視界が揺れる。膝をついてはじめて、頭を殴られたのだと気がついた。暴力振るわれたときに声を立てたり、大袈裟な反応をしないよう身体に染み付いてる、それをすると余計に苛立たせるだけだと経験的に知っているからだ。
 
「……アイ、何を甘ったれたことを言っている。お前は男だろう?そりゃあエゴペーやシュベスターが不安だからついて来てくれと言ったなら俺だってついていくさ、かわいい娘だからな。誰かあの子たちを守ってくれる男が現れるまで、父親である俺が守ってやらねばならんからだ。
 
 でもお前は息子だ。男子たるもの大きな決断をするときも、人生の節目に立ったときでも、1全部背負わないといけない。俺だってそうしてきたし、俺の親父だってそうだ。みんなそうやって生きてきたんだ。それなのに、なんだお前は?、自分でそいつらを守ろうとせずに、親に、誰かにみっともなくすがり付くのか?助けてくれと。」
 
 ――で全部背負わないといけない。誰かを守るときも、大きな決断をするときも、で――
 
 この言葉はアイのこれからの人生を決定づけた。これからの人生、アイは独りで大切なものを守ろうとし、重大な決断をする時も、独りで――この教えがアイの地獄への道をあつらえることになる。

 文字通り、この言葉が、アイを死に追いやるのだった。
 
「……申し訳、ありません。オイディプス様。」
 
 父と息子の話を静観せいかんしてい母が、口をはさむ。
 
「アイ、おれたちが行くことはない、大人にはやることがあって忙しいんだ。2度と甘ったれたことを言うな。そして、昨日の話したように、おれにとって使える息子になるということを、努々ゆめゆめ忘れるなよ。」
 
「はい、必ず。……お忙しいところ余計な御時間を取らせてしまいました。大変申し訳ありません。エレクトラ様、オイディプス様。失礼致します。」

 ◇◆◇ 
 
 アイとはるひの2人は 聖別の儀セパレーションが始まるまでここで待てと言われた、木陰のベンチで涼んでいた。
 
「緊張してる?アイくん。」
 
 気遣わしげにはるひに問われても、アイは上手く言葉を返せない。
 
「は……はいぃ。とても。不安で、――」
 
 ――こわい。
 
 遂に産まれて初めて両親の役に立つことができるのだ。逆にいうと、失敗したら今度こそ一巻の終わりだ。両親に遂に見放されて生きていていい言い訳もなくなってしまう。緊張しないわけがない。自らの生死を分けるのだから。ほんとうはおかあさまに手を握ってほしかった。おとうさまに大丈夫だと背中に触れてほしかった。

 ◇◆◇
 
「「はるひ!」」
 
 勢い込んだ闖入者ちんにゅうしゃがその思考を破る。春日春日かすがしゅんじつと春日ひまりがどっと木陰に入り込んでくる。しゅんじつがはるひをかばっと抱き上げ、ひまりがやさしく手を握る。

 はるひが両親に木陰から陽だまりの方へ引っ張っていかれるのを、アイは影にいながら見ていた。見ていたくなかったが、その太陽の眩しさに目が離せなかった。唯一できたことといえば、眩しそうに目を細めることだけだった。
 
「大丈夫か?緊張してないか?」
 
「ほらほら、お父さんとお母さんがついてるからね、もう安心だからね。」
 
 ――両親がやさしく、心の底からお前が大切なんだという声音で、言葉をかけている。まだちいさなつぼみのために、雲がポケットから水をふらせ、太陽が手から光を分けてあげているように。きっとその水と光は、春日はるひが生まれてから、いや産まれる前からきっと尽きることはないのだろう。
 
 あぁ、眩しいな。目が眩んでしまう。なのに目を離せないのは、わたくしがそれを何よりも求めているからなのでしょう。あぁ、見ていると胸がじくじくする。こんなにもうつくしいものを壊してしまいたいと思うのは、きっとわたくしが醜いからだ。
 
「もー!来ないでって言ったでしょ!って!それに抱っこもやめて!もうそんなに子供じゃないんだって!」
 
「や、やめて……はるひに拒絶された……。」
 
「あらあら、はるひったら照れちゃって~うれしいくせに~つんつんつん!」
 
 父はショックを受けて顔面蒼白がんめんそうはくに、母はかまわずかまい続ける。
 
「もー!ほっぺたツンツンしないで!アイくんも見てるのに恥ずかしいって~!」
 
 綺麗な絵画を眺めていたら、ふいに絵の中の人々がこちらを向いたので、アイは驚いた。
 
「「アイ君(ちゃん)!」」
 
 こちらに2人が気がついたが、アイは木陰からでてその陽だまりを汚すようなことはしたくなかった。動けないでいると、2人が歩み寄ってきてくれる。ほんとうに、やさしい人たちだ。
 
「アイ君、久しぶり、この前会ったときは恥ずかしいところを見せてしまったね。約束通り妻と娘には、内緒にしてくれているかい?」
 
 しゅんじつが照れたように、アイにしか聞こえない声で言う。
 
「ふふっ、はい。大人でも泣きたいときくらいありますものね、わたくしでよければ何時でも胸をお貸ししますよ。」
 
「やめてくれっ!恥ずかしい。俺は人前で泣いたことなどなかったんだがなぁ。君の母性と包容力にやられたと言っておこう。」
 
「うふふっ、ではそのように。」
 
 口元に手を添えて愉快ゆかいそうに笑うアイ。
 
「なになに~?なにアイちゃんとこしょこしょ話してるのよ。はっ!アナタ!さては浮気ね?!はるひ!お父さん貴女のボーイフレンドと浮気してるわよ!」
 
「おとーさん?!……ってかまだボーイフレンドじゃないし!」
 
 ひまりがわざとらしくからかう。
 
「おいおい、滅多めったなことを言うな!はるひが悲しむようなことを俺がするわけがないだろう。それにミルヒシュトラーセ家の子供に手を出したとなると、俺の首が飛ぶ。物理的に。あと春日家も吹き飛ぶ。物理的に。」
 
 しゅんじつが半分冗談。だが半分は真剣な顔で言う。
 
「うーん、でもねぇ~。2人きりで話した日のことを2人してヒミツにしてるみたいだしぃ~?それにアナタ!サクラって女の人のこと私ずっと知らなかったんだけど~?」
 
「うっ……まぁいいじゃないか今その話は。大事なのは今日!今日がはるひとアイ君にとって大事な日だってことだ!」
 
 春日家のさらなる権力獲得のためにも、と心のなかで付け加える。
 
「誤魔化すのがさらに怪しいわね~。まぁ、でもそうね。2人の性別が決まる大切な日だものね。アイちゃん、ここだけの話私人間体アニマなのよ~。」
 
「えっ、そう、だったのですね……!わたくしなんぞにそのような大事な話をしてもよろしいのですか?!」
 
「そうだ!ひまり、お前第2の性の話は禁句タブーだぞ!それに、軽々しく弱みになるようなことを言うな!どこで誰がつけ込んでくるか分からないんだぞ!だからわざわざ 聖別の儀セパレーション不知火陽炎連合れんごうの奴らには見せないで、結果だけを伝える形式をったというのに!」
 
 しゅんじつは性別それが権力闘争のなかで明確な弱点となることを今でも知っているのだった。不知火陽炎連合の話がでて、アイは少し前にかげろうと話したことを思い出した。

 ◇◆◇
 
「アイ様、おれはまだアイ様の 聖別の儀セパレーションの相手がはるひだということに、納得はいっていません。

 ですが、儀式の結果、、1番の弟子はおれだということを覚えていて下さい。どんなことがあってもおれだけは、アイ様の味方です。」
 
「ふふっ、ありがとうかげろう!でも弟子じゃなくて……1番の親友!でしょ?」
 
「あ、アイ様――」

 ――かげろうはああ言ってくれたけど、本当に、そんなことがあるんだろうか。世界で誰よりも味方で、愛してくれる存在の母にすら嫌われるあいが、かげろうになんてあるのだろうか?

 ◇◆◇ 
 
「アイちゃんにだから伝えたのよ。他ならぬはるひの相手だから。アイちゃん……知っているとは思うけど、人間体アニマ獣神体アニムスと違って性別よ。
 
 色んな弱さがあって、身体的にも弱いし、社会的にも弱いわ。獣神体アニムスや誰かに守ってもらわなくちゃすぐに弱っちゃうし、死んじゃうこともあるの。どの性別が相手でも子どもを授かることができるから、“子どもを産む機械”なんていわれて、差別されることも多いわ。だから多くの人は隠すし、みだりに人に伝えたりしない、そうやって自分の身を守っているの。
 
 独りで生きていくのがほんとに、ほんとうに難しい性別よ。……私は運がよくて、しゅんじつが一緒に居てくれたけど……。」
 
 ちらりと愛おしそうに自分の夫を見やる。そしてアイの両の手をしっかりと両手で握って、膝をつき目線を合わせてさとすように続ける。
 
「なんでこんな話を今するか不思議よね……?アイちゃんには知っていてほしいの。ただの人間体アニマでさえこんなに大変なんだから、誰も頼れないアニマ・アニマの苦労なんて計り知れないわ。それこそ人を頼って生きてきた、ただの人間体アニマの私なんかには。
 
 だから、今回の 聖別の儀セパレーションで、はるひがアニマ・アニマになる事になったって、最初に旦那に聞かされたときは、すごく心配だった。アイちゃんにはごめんなさいだけど……反対もしたわ。私と同じような苦労を味わってほしくなかったの。自分の子どもには特にね?
 
 ……でも、しゅんじつが色んなことをして、春日家を大きくしようとしてくれるのは、何も名誉欲や権力欲からじゃないって分かってるの。私はこの人の妻だからね。分かるのよ。私やはるひのことを考えてのことだっていうのは。だから、最後には賛成したの。
 
 それでもやっぱり不安だったわ。だって、自然に生きていれば、獣神体アニムスに、それもアニムス・アニムスにだってなれるかもしれないのに……。
 
 でもアイちゃんが私に、私としゅんじつに会いに来てくれてすごく安心したの。……あぁ、この子だったらきっと、アニムス・アニムスになったって、人間体アニマを差別するような人間にはならないってね。アイちゃんがとっても可愛くて、優しい子だって分かったから。
 
 だから、まず……ありがとう、私たちにアイに来てくれて。高位の貴族がわざわざ下々の貴族のお家にまで来てくれるなんて、普通はありえないのよ……?」
 
「いえ、そんなわたくしは……ただお友達のお父さんとお母さんに会いに行っただけで……。」
 
 ひまりがやさしく微笑む。

 アイの人生に染みついたかげりさえ照らし出すような、そんなひだまりだった。

 ――まぶしさとあつさで人を苦しめる太陽ではなく、明るさとあたたかさで癒す、ひだまりだった。
 
「……ううん。それがすごいのよ。身分なんて気にせずに、ただのお友達になってくれるなんて、そんな人、なかなかいないんだから。
 
 だからね、アイちゃんもし、聖別の儀セパレーションで決定的に、アイちゃんの中の何かが、決定的に変わったとしても、その、アイちゃんの……“こころ”だけは変わらないでいてね。」
 
 アイの胸にでやさしく触れる。大人が自分に触れるときは、殴るときか、けがらわしいものに触るように、左手で触るものだったから、アイには何が起きたか最初分からなかった。

 分からなかったが、分かった。ひまりのことばがこころからの真実であるということが。
 
「……は、はい。はい……!」
 
「そして、はるひがアニマ・アニマになってら、はるひを、私たちの娘を、守ってあげて欲しいの。儀式の前からアイちゃんの身体は獣神体アニムスになっていってるし、はるひの身体も獣神体アニムスになっていっているわ。だから元々、アイちゃんは獣神体アニムスになるように生まれてきて、はるひも獣神体アニムスになる運命だったの。
 
 だからって、自分のせいではるひが大変な思いをする性別になっただなんて思わないでね?……でも、もし、はるひに対して、何かを感じているのなら、単なる儀式の相手としてじゃなく、お互いを助け合う、獣神体アニムス人間体アニマとしての、つがいとしての情を感じているのなら。はるひが人間体アニマになったあと、獣神体アニムスとして守ってあげて欲しいの。
 
 これは“儀式の相手の親としての要求”じゃなくて、“友達のお母さんとしての、ただのお願い”。だから、断ったっていいの――」
 
「分かりました。わたくしが一生をかけてはるひさんをお守りします。お守りすると誓います。」
 
 人の話を遮ることはアイにとってとても恐ろしいことだったが、言わずにはいられなかった。ひまりを安心させずにはいられなかった。
 
「――もとよりそのつもりでした。わたくしなんぞを獣神体アニムスにするために、はるひさんを人間体アニマにしてしまうのですから、それが獣神体アニムスの責任というものです。」
 
 ひまりとしゅんじつは驚き、はるひの瞳は何かを映していた。
 
「「ありがとう、アイ君(ちゃん)……うちの子どもを、どうか宜しくお願いします。」」
 
 夫婦が1人の大人と話すようにアイに伝える。
 
「はい!……必ず……!」

 ◇◆◇

「アイ君、ところでエレクトラとオイディプスは来ないのか?」
 
「……はい。のです。2人とも多忙な方ですから。それに、儀式本番には出席して下さりますし。」
 
 強がりなのか、嘘なのか、なんでそんなことを言ったのかアイ自身にも分からなかった。
 
「そうか……。あいつらとは長い付き合いだ。おおかたオイディプスのやつがまた、『男子たるものは~』とかいい出したんだろう?すまんなアイ君。アイツにも悪気があるわけじゃないんだ。
 
 しかし、俺やオイディプスの様には、男だから、とか女だからとかを気にしてしまうのだよ。
 
 もちろん両性具有者セラフィタがいたり、第2の性がある地域の人からしたらそんな性別が男か女かクソどうでもいいことを気にしてるなんて馬鹿みたいだと思うだろう。でも、やはり生まれた環境というのは絶大なんだ。だから、アイツのことを悪く思わないでやってほしい。」
 
「悪く思うだなんて!お父さまはいつもわたくしに対して、厳しくも、色々なことをお教え下さいます。この世で誰よりも尊敬する人です!」
 
「ほう……子どもにここまで言ってもらえるなんて、アイツも父親冥利みょうりに尽きるだろう。?」
 
「……、はい!」
 
 ――また嘘をついた。どこが嘘でどこがほんとうかあいにも分からない、けど。大事な人たちに嘘をついて生きていく自分は、やはり純白じゅんぱくの陽だまりにいる資格はないのだと思った。
 
「そう言えば、はるひとアイちゃんがつがいになったら、私たちとアイちゃんも家族になるのね!」
 
「え……。」
 
 アイは今いる家族に愛してもらうことばかりで、家族が増えるなんて考えもしなかった。
 
「おおー、確かにそうだなぁ、アイくん、ほら俺のことをお義父さんって読んでみてくれないか?パパでもいいぞ!もう俺の息子みたいなもんなんだし!」
 
「アナタやっぱり……。」
 
 ひまりが夫を白い目で見る。
 
「いやいやいや!はるひはちいさい頃からお父さん呼びだったし。」
 
「おとーさん……。アイくんの前で……恥ずかしい。」
 
「えっ、あの……ぱ……パパ……?」
 
「おう!」
 
 アイはハッとする。これは物語で読んだことがある、と思った。
 
 「知ってます!聞いたことがあります!なかよしな親子はパパって呼んだり、ママって呼んだり!あとあと、手をつないで歩いたりするんですよね!聞いたことあります!」
 
「聞いたことがあるって……アイ君もエレクトラやオイディプスと手をつないだことぐらいあるだろう?」
 
「……!……あ、あります、あります……よ?」
 
「私は?ママでもお義母さんでもいいのよ?」
 
 アイはもしかしたら、親というのはこうゆうものなのかもしれないと思った。本で仲睦なかむつまじい親子の物語は読んだことはあったが、自分が当事者になるなんて考えもつかなかった。


 
 仲良しな家族がでてくる本を何度も何度も繰り返し呼んで、さみしい夜は父と母とそうなることを空想して、自分をなぐさめたものだった。強い絆で結ばれた親子が、お互いを思いやりながら、困難に立ち向かうのが好きだった。まだ、敵ややっつけるべき相手は家族の外にしかいないと思っていた頃だ。

 まさか家族の中にそんなものがいることがあるなんて、それがまさか自分だったなんて考えもしなかった頃だった。
 
「…まま。」
 
「きゃ~!かわいい~!」
 
 ひまり抱っこされる。お義父さん、お義母さんと呼ばなかったのは、はるひと番にはなっても結婚するかなんてまだわからないことだったから。番と人生のパートナー結婚相手は別という考えの人も多いらしいし。

 何よりも、お父さまとお母さまに悪い気がしたのだ。次に2人と相見あいまみえるときに、きっと敷居しきいが高くなって、申し訳が立たないと思った。ほんとうの両親が愛してくれないからといって、別の人にそれを求めるのは、両親にもしゅんじつさん、ひまりさんにも不義理を働いているような心持ちになるのだった。

 ◇◆◇

 自分の両親に可愛がられるアイをみながら、はるひは穏やかではない気持ちだった。本人にはなんでそんな気持ちになるか分からなかったが、多くの感情が複雑に絡み合っての結果だった。

 まず両親をアイに取られるんじゃないかというようなジクジクとした焦燥しょうそう感。そして、アイが好きという恋心。アイの悲しい顔が見たいという欲望。
 
 ――そして、そして、という気持ち。

 アイが、はるひが持つ、“あたたかい家庭”で、“やさしい両親に愛されている”という点に羨望を覚えているように、はるひもアイを羨んでいるのだった。まず“お金持ち”なこと。自分の家が貧乏貴族と莫迦ばかにされているのはまだ子供のはるひにも嫌でも聞こえてくる。
 
 ――貴族のくせに使用人もおらず、自分で料理を作ったているような浅ましさでは品位も育たないと、大好きな母が陰口を言われているのは知っている。母の料理は大好きだし、母のことも愛しているのに、『ご飯ができたよ!』、と母に言われるたびにすこし自らの家を恥じる心が鎌首かまくびもたげるのだった。そのことがほんとうに嫌だった。、何よりも醜く思えた。
 
 だのにアイは、国で1番金持ちのくせに、自分も料理をするんだと母に笑って言った。料理をしなければならないのと、余暇の手遊てすさびに料理を楽しむことが同じだとでもいうように。違う。断じて違う。のと、のは。国で1番高位の貴族の、しかも子供に、自分が“毎日生活のために必死でやっていること”と、“金持ちの道楽”を一緒にされた時の母の気持ちはどんなだっただろう。想像できない、想像もしたくないのだ。姿
 
 お父さんだってそうだ。家族を幸せにするために、必死で地位を求めて、必死でお金を求めている。そんな父が守銭奴しゅせんどや、貴族にあるまじきががめつさだから商人にでもなれと馬鹿にされるのは許せなかった。貴族の地位は金で買えるが、品格は買えなかったようだとのたまわれるのが。
 
 お金や名誉を必死で求める人をつらまえて、がめついなどと言う輩は、本当の意味で困ったことがないのだろう。一度でもお金がなくて困った経験があれば、恥をしのんで、名誉を捨ててでも、お金を工面しなければならない状況になったことがあれば、いや、一度でも“ほんとうの意味で腹をすかしたこと”があるのならば、そんなことは言えないはずだ。
 
 金も地位もという理由だけでこぼれるほどもってるやつらが、嫌いだった。そんなやつらが、金がないことにあえいで必死で金を稼ぐ人間に言うのだ……薄ら笑いをしながら……言うのだ。
 
「そんなに金のことばかり考えて、むなしくならないのか?」
 
 「金よりもっと価値のある事、哲学・思想・文学・自然・神、そして。それこそが“のだから」
 
 ふざけんじゃねぇ。ぶち殺すぞ。自分たちは金持ちの癖に。生まれたときから持ってるくせに。

 哲学にいそししみ、思想にふけり、文学にしたしみ、自然と対話し、神を信じるなんて、金持ちの道楽だ。金と時間に余裕があるからできることだ。
 
 したくないわけじゃないんだよ。金がねぇんだ……そんなことにつぎ込む。時間がねぇんだよ、んなことを考える。いつだって“今日の飯”と“明日の生活”のことを考えなきゃならないからな。そんな未来のことなんて、“10年後の自分の為に”学問にはげめだの、来世のために祈れだの、、明日が今日になってから考えるんだよ。今日は今日のことで手一杯なんだから。

 貴族の御綺麗な御言葉遣いを覚えるのだって苦労したのに。心のなかで口がわりぃことぐらい見逃してくれよ。こちとら平民の出なんだよ。
 
 そして友を大切にすることだって……私たち貧乏人だって友だちを大切にしたい。でも家の金の問題と友がぶつかったとき、金をとるしかないんだよ。したくてしてるんじゃねぇんだよ……そうしなきゃあ飯も食えず死んじまうからだ。友だちを大切にしたい、私たち貧乏人だって、それはほんとのことなんだ。それだけはしんじてくれよ。いくら馬鹿にしたっていい。でもそれだけは……しんじてよぉ。
 
 尊敬する父が金のために上司の子供にへこへことびへつらってる姿なんて見たくなかったよ、私だって。最近お母さんが金もねぇのに、英国系地獄パンドラ人の本を読んでるのだって、ほんとはミーハーだからじゃないなんて知ってるんだ。

 くそたけぇ本なんて高級品を、しかも地獄パンドラ文学の本なんて高級品を、わざわざわたしの友達の母親に頭を下げて借りてるのは、内心虚仮こけにされながら借りてるのは、ホントはむすめの為だって、お父さんの為だって知ってるんだ。
 
 お母さんが貴族じゃあ当たり前の教養の地獄パンドラ文学の話についていけなくて、金持ちの話題を何にも知らなくて、母親の集まりでいつも馬鹿にされて、笑いものにされてるなんて、知ってるんだ。
 
 だってお母さんは泣いてたんだから、むすめの前じゃ何時いつも『楽しんでくるわね』っていって出かけるくせに、『だれだれさんがよくしてくれね』って、『みんな平民の出のお母さんにもやさしくしてくれてね』って……そう、言うくせに。笑って言うくせに。

 ……泣いてたんだ。私を寝かしつけた後に、あの……夜に。お父さんにすがりついて、もう行きたくないってもう耐えられないって、いつもいつもいつも金持ちにしかわからないことをわざと目の前で話されて、馬鹿にされて、自分が教養のない莫迦ばかだと思われるのは仕方ないけど、それではるひあなたまで馬鹿にされるのが許せないって、そういって、泣いてたんだ。わたしの前じゃ泣いたことなんかないのに。
 
 お父さんだって本当は行かせたくないはずなのに。なんどもお母さんに謝って。金もコネもない春日家うちみたいな貧乏貴族がやっていくには、お前にそういう場所にいってもらうしかないんだって、本当に悔しそうに。すぐに俺が春日家の地位を上げて、そんなやつらを黙らせてやるからって、それまでの辛抱しんぼうだからって。親が自分に隠れて泣いてる姿なんて見たい子供がいると思うか?
 
 少しでも話を合わせられるようにって、恥をしのんで頭を下げて、やっと借りた一冊を。その一冊を何度も何度も読み返しているお母さんにアイくんはなんて言った?

 これ見よがしに色んな地獄パンドラ文学者の名前を数え上げて、本なんて一回読んだら捨てるものだとでもいうようにいろんな名前を挙げて、得意げに。あのときのお母さんの気持ちはどんなだっただろう?に、自分がやっとのことで借りた一冊を、軽々しく扱われた大人の気持ちは。は。


 
 娘の前だからって知恵をしぼって、高位貴族の息子にできるだけ対等に話そうとする父親の気持ちは。どんなだっただろう?には、には、想像もつかないだろう?だからあんなに無神経な態度がとれるんだ。気持ちが、“貧しき人々”のこころがわかるなら、言葉を言うわけがない、あんな言葉を。



 ◇◆◇
 
 はるひが何より嫌だったのは、いつもは自分を大事にしてくれる両親が、、急にことだった。

『貴女のお子さんはすばらしいですね、うちのはるひは――』
 
 『――いえいえ、こちらこそうちの娘と仲良くしてくれてありがとう、これからもなかよくしてあげてくれ。』

 お母さんとお父さんが媚びへつらったような顔で、子供じぶんのことを悪く言うのが嫌いだった。はるひにだってそれが他の家族とうまくやる為だなんてことは子供ながらに分かっていた。

 でもそれをされるたび、心に暗い日差しが射すのであった。それをされるたび、が、が、“嘘”であるように感じられるのだった。少しずつ、少しずつ両親への信頼という樹が内側から腐っていくのを感じるのであった。 
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