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Layer42 電源発生装置
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コーヒーを飲み終わった俺達は、八雲が持ってきたデスクトップパソコンの本体を縦から横に置いたような大きさの機械の前に集まっていた。
「なぁ、八雲。これは何だ?」
「あぁ、これは電源発生装置というものだ」
電源発生装置と呼ばれたそれは、右上の方にデジタル表示板が上下に二つ付いていた。
その横には同じく二つ黒いつまみが付いていた。
デジタル表示板はどちらも赤色でゼロと表示されている。
おそらく横の黒いつまみを回すことで赤色の数字が変化するのだろう。
なんだか、バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくるデロリアンの中に装備されているタイムサーキットみたいだなと俺は思った。
電源発生装置がタイムトラベルをする時刻を設定するための装置でしたってオチはさすがにないか。
タイムサーキットのようなデジタル表示板の少し下には◯と-が記載された黒いON/OFFの電源スイッチが付いていた。
「この電源発生装置の電圧は最大640V、電流は1600Wまでの出力が可能だ」
出力の基準はよくわからないが、とにかく大きそうな出力を出せることができることはわかった。
だって、640Vなんて聞いたことないしな。
たしか一般の家庭のコンセントは100Vだったはずだ。
その6倍以上かよ。
「そんな高い出力を使うことなんかあるのか?」
「様々な実験をしていると必要になる時はある。だから、こうして科学室に備え付けられている。まぁ、この電源発生装置は私がここに来てから買い替えたものだったが。以前にあった電源発生装置では電圧が最大でも100Vまでしか出力できず、物足りなかったからな」
「それはやっぱり、授業で行うような普通の実験では100V以上の電圧が必要じゃないからじゃないのか?」
「そうか? そんなことはないと思うが」
あまり合点がいっていなそうな八雲が答えた。
「買い替えたって……こういうのって結構値段が高いんじゃないんですか?」
「それなりにはするな。何かの賞を受賞した時の賞金を使ったからな」
「え!? そんなにするんですか!?」
立花が驚いて言った。
いったい、その賞金はいくらだったのだろうか?
立花が驚いているところを見るにそれなりの額なのはたしかだろうが、なんだか怖くて聞けない。
「それで先輩は、こんな高い電源発生装置を何に使うんですか?」
「あぁ、それは静電気を擬似的に再現するために使う。静電気の電流は普段の人体抵抗が4000Ωとすると約25Wほどだ。しかし、電流が流れている時間は約0.1ミリ秒しかない。これは脳のシナプス間隙の伝達にかかる時間と同じだな。電流が流れてる時間がこれだけ短いと25Wが計算すると2.5Wになる。だから、2.5Wの電流を電源発生装置から玉宮香六と姫石華の体に流すことによって静電気を擬似的に再現をすることができる」
「静電気を再現するのはわかりましたけど、それで感電死したりしませんよね?」
「大丈夫だ。今回はちゃんと調整してある」
今回って、調整してない時があるのかよ。
「そんなに心配するな、立花後輩。危険が全く無いというのは嘘になるが、玉宮香六と姫石華が死ぬようなことは無い。私が保証する」
科学の天才が俺達の命を保証してくれるらしい。
これ程、頼もしいことはないな。
「そして最後に眼内閃光だが、これは何かを退屈に長時間見たり、まぶたの上辺りに少し圧力をあたえることで起こすことができる」
「え!? 頭ぶつけなくてもいいの!?」
姫石が驚いたように言った。
「あぁ、その必要はない。ぶつけたいのなら私はそれでも構わないが」
「ぶつけたくないから大丈夫! けど、良かった~再現するとか言ってたから玉宮と頭ぶつけなきゃいけないと思ってたから本当に良かったよ! 玉宮、石頭でめちゃくちゃ痛かったし」
「誰が石頭だ。俺だってあんな痛いのはもう御免だ。それにしても眼内閃光って簡単に起こせるもんなんだな」
俺も姫石ほどじゃないが、眼内閃光を再現するにはもう少し複雑な手順が必要だと思っていた。
「まぁ、今は仕組みがよくわかっているから再現するのは安易だな。昔は少々過激的なやり方だったらしいが。あの万有引力を発見したアイザック・ニュートンが眼内閃光を再現するのに、目の後方部を押すための大きな金属ピンを自身の眼窩に刺すというやり方でやったらしいからな」
「マジか……現代で良かったわ」
それではまるで、ロボトミー手術の一歩手前みたいなやり方じゃないか。
「そんなのあたし怖くてできるわけない!」
「私もです。そんなやり方で失明とかにならなかったんでしょうか?」
二人とも想像するだけで自分の目が痛くなったのか顔をしかめている。
「まぁ、大丈夫だったんじゃないか?」
大事なところを適当にするな、八雲。
「昔の人ってすごいですね……」
立花が引き気味に言った。
「とにかく、これで入れ替わりを再現するための全ての条件がクリアできるわけだな?」
「あぁ、そうだ」
「今すぐにでも元に戻す実験は始められるんだな?」
「あぁ、こちらはいつでも可能だ」
八雲の返答を聞いて俺は姫石を見た。
「姫石、いけるか?」
「うん、大丈夫」
俺の問いかけに姫石が力強く首を縦に振った。
「というわけだ、八雲。頼む」
俺の言葉に八雲は軽く頷いて、こう言った。
「では、始めようか」
「なぁ、八雲。これは何だ?」
「あぁ、これは電源発生装置というものだ」
電源発生装置と呼ばれたそれは、右上の方にデジタル表示板が上下に二つ付いていた。
その横には同じく二つ黒いつまみが付いていた。
デジタル表示板はどちらも赤色でゼロと表示されている。
おそらく横の黒いつまみを回すことで赤色の数字が変化するのだろう。
なんだか、バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくるデロリアンの中に装備されているタイムサーキットみたいだなと俺は思った。
電源発生装置がタイムトラベルをする時刻を設定するための装置でしたってオチはさすがにないか。
タイムサーキットのようなデジタル表示板の少し下には◯と-が記載された黒いON/OFFの電源スイッチが付いていた。
「この電源発生装置の電圧は最大640V、電流は1600Wまでの出力が可能だ」
出力の基準はよくわからないが、とにかく大きそうな出力を出せることができることはわかった。
だって、640Vなんて聞いたことないしな。
たしか一般の家庭のコンセントは100Vだったはずだ。
その6倍以上かよ。
「そんな高い出力を使うことなんかあるのか?」
「様々な実験をしていると必要になる時はある。だから、こうして科学室に備え付けられている。まぁ、この電源発生装置は私がここに来てから買い替えたものだったが。以前にあった電源発生装置では電圧が最大でも100Vまでしか出力できず、物足りなかったからな」
「それはやっぱり、授業で行うような普通の実験では100V以上の電圧が必要じゃないからじゃないのか?」
「そうか? そんなことはないと思うが」
あまり合点がいっていなそうな八雲が答えた。
「買い替えたって……こういうのって結構値段が高いんじゃないんですか?」
「それなりにはするな。何かの賞を受賞した時の賞金を使ったからな」
「え!? そんなにするんですか!?」
立花が驚いて言った。
いったい、その賞金はいくらだったのだろうか?
立花が驚いているところを見るにそれなりの額なのはたしかだろうが、なんだか怖くて聞けない。
「それで先輩は、こんな高い電源発生装置を何に使うんですか?」
「あぁ、それは静電気を擬似的に再現するために使う。静電気の電流は普段の人体抵抗が4000Ωとすると約25Wほどだ。しかし、電流が流れている時間は約0.1ミリ秒しかない。これは脳のシナプス間隙の伝達にかかる時間と同じだな。電流が流れてる時間がこれだけ短いと25Wが計算すると2.5Wになる。だから、2.5Wの電流を電源発生装置から玉宮香六と姫石華の体に流すことによって静電気を擬似的に再現をすることができる」
「静電気を再現するのはわかりましたけど、それで感電死したりしませんよね?」
「大丈夫だ。今回はちゃんと調整してある」
今回って、調整してない時があるのかよ。
「そんなに心配するな、立花後輩。危険が全く無いというのは嘘になるが、玉宮香六と姫石華が死ぬようなことは無い。私が保証する」
科学の天才が俺達の命を保証してくれるらしい。
これ程、頼もしいことはないな。
「そして最後に眼内閃光だが、これは何かを退屈に長時間見たり、まぶたの上辺りに少し圧力をあたえることで起こすことができる」
「え!? 頭ぶつけなくてもいいの!?」
姫石が驚いたように言った。
「あぁ、その必要はない。ぶつけたいのなら私はそれでも構わないが」
「ぶつけたくないから大丈夫! けど、良かった~再現するとか言ってたから玉宮と頭ぶつけなきゃいけないと思ってたから本当に良かったよ! 玉宮、石頭でめちゃくちゃ痛かったし」
「誰が石頭だ。俺だってあんな痛いのはもう御免だ。それにしても眼内閃光って簡単に起こせるもんなんだな」
俺も姫石ほどじゃないが、眼内閃光を再現するにはもう少し複雑な手順が必要だと思っていた。
「まぁ、今は仕組みがよくわかっているから再現するのは安易だな。昔は少々過激的なやり方だったらしいが。あの万有引力を発見したアイザック・ニュートンが眼内閃光を再現するのに、目の後方部を押すための大きな金属ピンを自身の眼窩に刺すというやり方でやったらしいからな」
「マジか……現代で良かったわ」
それではまるで、ロボトミー手術の一歩手前みたいなやり方じゃないか。
「そんなのあたし怖くてできるわけない!」
「私もです。そんなやり方で失明とかにならなかったんでしょうか?」
二人とも想像するだけで自分の目が痛くなったのか顔をしかめている。
「まぁ、大丈夫だったんじゃないか?」
大事なところを適当にするな、八雲。
「昔の人ってすごいですね……」
立花が引き気味に言った。
「とにかく、これで入れ替わりを再現するための全ての条件がクリアできるわけだな?」
「あぁ、そうだ」
「今すぐにでも元に戻す実験は始められるんだな?」
「あぁ、こちらはいつでも可能だ」
八雲の返答を聞いて俺は姫石を見た。
「姫石、いけるか?」
「うん、大丈夫」
俺の問いかけに姫石が力強く首を縦に振った。
「というわけだ、八雲。頼む」
俺の言葉に八雲は軽く頷いて、こう言った。
「では、始めようか」
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