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アスランは動けなかった。
そのせいでクロウがどうしたらいいか困っていたことも気が付かなかった。
テイラーに声をかけられ何とか屋敷を出たのも。馬に乗って城に戻り、隠し通路から部屋に戻ったのも。ほとんど無意識でその道程の事を覚えていない。
今、気が付けば自室のソファーで身体を投げ出している。
ミシェルに言われたことは、はっきりと覚えている。
アスランにとっては一世一代の告白だった。
ミシェルを心から愛していると気が付いた。
何に変えてもミシェルが欲しいと思った。
ミシェルを守りながら妻に出来る方法を考えた。
もうこれしかない……と思った。
そしてばっさり、断られた。
『わたしを守るためと言い妃の務めを放棄することを許すような王を、わたしは尊敬することは出来ません。王族としての矜持を捨て国民を顧みない妃となることも、尊敬できない方の妻になることも、わたしには出来ません』
言われたことを思い出しながら、もしミシェルが受け入れてくれていたら自分はどうなっただろうかと考える。
その時は幸せだろう。だが、それを受け入れるような人を愛したのだろうか?
ああ言うミシェルだからこそ、愛した。
そして思い至る。言われた通りだと。
『わたしが陛下の妻になることは、どのような道を作ろうとも出来ないことなのです』
食事の時間ギリギリになっていたことにも気が付かないほど、真剣に考えた。
感情が結果を急ぎ、結局はすべてを壊した。
会えるだけで、話せるだけで嬉しかったあの幸せな時間を……。
「二十七にもなって、なにをやっているんだオレは……」
独り言ちて大きなため息を吐く。
「もうすぐ二十八ですけどね」
頭上から声がして、アスランは飛び起きた。
「テイラー……。いたのか……」
すっかり存在を忘れていた。
「陛下、やっとわたしを思い出しましたね。まったく、ひたすら無視するから傷ついてましたよ」
テイラーが傷ついてなどいないことはその軽い口調でわかる。
アスランは睨んでから、下がっていいという風に手を振った。
が、テイラーは下がらない。
今の状態を面白がられて堪るかとアスランは思ったのだが、テイラーはちゃんと真剣だった。真剣にアスランを心配していた。
「どうしたんです? まさかミシェル殿下にフラれたとか、そんな話しじゃないでしょうね?」
アスランにしてみたら図星を刺されたわけなのだが、テイラーはほとんど確信的に言ったのだった。
「フラれた。ああ、フラれた。はっきりと、断られた」
アスランは天を仰いだ顔を手で覆った。
何でもないような顔なんか出来ない。確実に胸が痛いのだ。
「いいお付き合いなさっていた感じだったのに、なんで急にそんなことに?」
「プロポーズして、断られた」
言わなくても良いことだったが、苦しい胸の内を誰かに聞いてほしい気持ちもあった。
それで少しは楽になりたかったが、そうはならなかった。
「え? プロポーズ? そりゃお断りされますよ。ミシェル殿下は妃になれるはずないじゃないですか」
「外に出さない、別の城に住んでもいい、妻になってくれるだけでいいと言ったんだ……」
「そんな方を妃として国民は認めませんし。わたしも、そんな方とのご結婚は全力で阻止します」
「彼女にも、それが理由で断られた」
「ミシェル殿下がご聡明な方で本当によかった。万が一お互いにのぼせ上がりすぎてご結婚を受け入れられるような方なら、わたしはミシェル殿下になんとしても陛下を諦めるよう説得しなくてはなりませんでした」
ここまで話しをして、アスランはテイラーを見た。
テイラーの言い方に違和感を覚えたからだ。
まるでアスランのミシェルへの好意を良く思っていないような印象だ。
「お前は……彼女のことをよく褒めていたし、オレの気持ちにも気が付いていただろ? それを今まで止めなかったじゃないか?」
テイラーは真剣な顔のままアスランを見返す。
「わたしは陛下がミシェル殿下に恋心を抱いていらっしゃることを知っていましたし、反対どころか応援すらしていました。しかしそれは陛下もミシェル殿下もお立場をしっかりとご理解していらっしゃると信じていたからです。まさか陛下がプロポーズされるような愚かなことをなさるとは、想定外でした」
「愚かだと?」
「率直に申し上げます。陛下がミシェル殿下のような王族として素晴らしい素養を持たれた方とお付き合いなさり良い影響をお受けになるのは素晴らしいことです。しかしミシェル殿下は公に出ることは出来ません。ミシェル殿下が国にお戻りになれば、必ず終わらなければならない。そして陛下がご自身のお立場をご理解なさっているのであれば、それをしっかりと受け止め相応しい妃を選んで将来ご結婚なさることが出来るとわたしは考えておりました。つまり交際には賛成でしたが、ご結婚はまた別の話しということです」
はっきりと、侍従としては当たり前だという風に言うテイラーにアスランは怒りを隠さなかった。
「お前にがっかりした。お前がそんな風に言うなんて」
「陛下はご自身の立場をどのようにお考えですか? 国民に寄り添うなら、妃にはそれ相応の人物でなくてはならないことくらいはご承知のはずでしょう。お怒りになる方が間違っています。ミシェル殿下の方がよほど王族というもの、国王の立場をご理解していらっしゃいます」
正論だ。反論など出来るはずがない。
国王が個人としての感情を走らせるなどしてはいけないことだ。
国母になる妃が国民に寄り添わなくていいなど、そんな女性を選ぶなど許されないのだ。
しかし、行き場の無くした怒りを理不尽にぶつけるしか今のアスランには出来なかった。
「うるさい! 下がれ! お前の顔はしばらく見たくない」
テイラーの顔も見ずに、アスランは部屋を出た。
*****
プロポーズの日から数日が経っても、アスランの気持ちはミシェルでいっぱいだった。
後悔の痛みが胸を締め付けていた。
言わなければまた逢えたのに。
言わなければ、あんなミシェルを…。
もう逢えないのならば、あとミシェルしてあげられることは。
帰国だけだ。
国へ帰してあげることでミシェルも喜ぶだろうし、自分も諦めがつくのではないか。
「陛下。再来週の陛下の誕生祝の舞踏会のことですが」
執務室でもなにも手に付かず窓の外を眺めていたアスランにブロンソンが声をかけた。
あの日以来テイラーとは喋っていない。
朝の挨拶には来るが、支度は第二侍従のトマスが手伝っていた。
テイラーはなにも言わずに黙っている。
アスランも、テイラーに声をかけなかった。
こんなことは初めてだったが、アスランにはまだ時間が必要だった。
テイラーの言ったことが理解出来ない訳ではなかったが、味方になってくれると勝手に思い込んで裏切られたように思えたのだ。
「陛下のお衣装をシャーロット様がご用意くださるとのことで、本日仮縫いにいらっしゃるので午後の時間を空けるようにと」
自分の誕生日のことなどすっかり忘れていた。
少し前までは、この舞踏会をアスランは楽しみにしていた。
毎年祝われるための舞踏会など面倒なだけだったが、今年はミシェルを招待する予定たったからだ。
ミシェルが参加できるよう、無礼講の仮面舞踏会をテイラーと企画したのだ。
仮面を着けていれば誰が誰だかわからない。
その招待も、本当なら一緒の夕食の日にする予定だった。
しかし招待は出来なかった。出来たとしても、もうミシェルは来ないだろう。
そうなれば楽しみでもなんでもない。
むしろそんな企画をしたこと自体がまぬけに思えてくる。
ミシェルと、踊ってみたかった。
そんなことを思う自分が情けなくなるが、仕方のないことだ。ミシェルへの想いは簡単には消えたりしない。
「陛下、聞いておられますか?」
相変わらずの無表情でブロンソンが確認する。
アスランは心の底からどうでもいいという感じで「了承した」と答えた。
「ここ数日上の空でいらっしゃいますが、なにかお心を煩わせるようなことがおありになりましたか?」
「……いや、なにもない」
いつもはいるテイラーもいないし、なにもないことはないとブロンソンもわかっているはずだった。
「それならよろしいのですが。ミシェル殿下もご招待なされたのであれば、殿下の馬車の手配はわたしがしておきましょう」
ミシェルの住む緑の離宮には小さな馬車しかない。ミシェルが出歩かないからだ。
しかし舞踏会に来るのであれば、王女が城に参じるに相応しい馬車の用意が必要になる。
今、ブロンソンからでも誰からでもミシェルの話しを聞きたくはなかった。
わかっている現実を口にするのが嫌だからだが、しないわけにはいかない。
「王女は来ない」
「ミシェル殿下をご招待出来るよう仮面舞踏会にしたのでは?」
「招待しなかった。それだけだ。それよりもお前に相談したいことがある」
アスランはブロンソンに向き直り、今自分がミシェルのために出来ることを決めそれをブロンソンに伝えた。
ブロンソンは黙って話を聞き終わると、「そのように差配致します」とだけ短く答え部屋を出た。
アスランはまた深く椅子に身体を預け、窓の外へ視線を戻した。
重い胸の内がため息と共に出てくれたら楽になるのだが、吐いたところでひとつも楽にはならなかった。
そのせいでクロウがどうしたらいいか困っていたことも気が付かなかった。
テイラーに声をかけられ何とか屋敷を出たのも。馬に乗って城に戻り、隠し通路から部屋に戻ったのも。ほとんど無意識でその道程の事を覚えていない。
今、気が付けば自室のソファーで身体を投げ出している。
ミシェルに言われたことは、はっきりと覚えている。
アスランにとっては一世一代の告白だった。
ミシェルを心から愛していると気が付いた。
何に変えてもミシェルが欲しいと思った。
ミシェルを守りながら妻に出来る方法を考えた。
もうこれしかない……と思った。
そしてばっさり、断られた。
『わたしを守るためと言い妃の務めを放棄することを許すような王を、わたしは尊敬することは出来ません。王族としての矜持を捨て国民を顧みない妃となることも、尊敬できない方の妻になることも、わたしには出来ません』
言われたことを思い出しながら、もしミシェルが受け入れてくれていたら自分はどうなっただろうかと考える。
その時は幸せだろう。だが、それを受け入れるような人を愛したのだろうか?
ああ言うミシェルだからこそ、愛した。
そして思い至る。言われた通りだと。
『わたしが陛下の妻になることは、どのような道を作ろうとも出来ないことなのです』
食事の時間ギリギリになっていたことにも気が付かないほど、真剣に考えた。
感情が結果を急ぎ、結局はすべてを壊した。
会えるだけで、話せるだけで嬉しかったあの幸せな時間を……。
「二十七にもなって、なにをやっているんだオレは……」
独り言ちて大きなため息を吐く。
「もうすぐ二十八ですけどね」
頭上から声がして、アスランは飛び起きた。
「テイラー……。いたのか……」
すっかり存在を忘れていた。
「陛下、やっとわたしを思い出しましたね。まったく、ひたすら無視するから傷ついてましたよ」
テイラーが傷ついてなどいないことはその軽い口調でわかる。
アスランは睨んでから、下がっていいという風に手を振った。
が、テイラーは下がらない。
今の状態を面白がられて堪るかとアスランは思ったのだが、テイラーはちゃんと真剣だった。真剣にアスランを心配していた。
「どうしたんです? まさかミシェル殿下にフラれたとか、そんな話しじゃないでしょうね?」
アスランにしてみたら図星を刺されたわけなのだが、テイラーはほとんど確信的に言ったのだった。
「フラれた。ああ、フラれた。はっきりと、断られた」
アスランは天を仰いだ顔を手で覆った。
何でもないような顔なんか出来ない。確実に胸が痛いのだ。
「いいお付き合いなさっていた感じだったのに、なんで急にそんなことに?」
「プロポーズして、断られた」
言わなくても良いことだったが、苦しい胸の内を誰かに聞いてほしい気持ちもあった。
それで少しは楽になりたかったが、そうはならなかった。
「え? プロポーズ? そりゃお断りされますよ。ミシェル殿下は妃になれるはずないじゃないですか」
「外に出さない、別の城に住んでもいい、妻になってくれるだけでいいと言ったんだ……」
「そんな方を妃として国民は認めませんし。わたしも、そんな方とのご結婚は全力で阻止します」
「彼女にも、それが理由で断られた」
「ミシェル殿下がご聡明な方で本当によかった。万が一お互いにのぼせ上がりすぎてご結婚を受け入れられるような方なら、わたしはミシェル殿下になんとしても陛下を諦めるよう説得しなくてはなりませんでした」
ここまで話しをして、アスランはテイラーを見た。
テイラーの言い方に違和感を覚えたからだ。
まるでアスランのミシェルへの好意を良く思っていないような印象だ。
「お前は……彼女のことをよく褒めていたし、オレの気持ちにも気が付いていただろ? それを今まで止めなかったじゃないか?」
テイラーは真剣な顔のままアスランを見返す。
「わたしは陛下がミシェル殿下に恋心を抱いていらっしゃることを知っていましたし、反対どころか応援すらしていました。しかしそれは陛下もミシェル殿下もお立場をしっかりとご理解していらっしゃると信じていたからです。まさか陛下がプロポーズされるような愚かなことをなさるとは、想定外でした」
「愚かだと?」
「率直に申し上げます。陛下がミシェル殿下のような王族として素晴らしい素養を持たれた方とお付き合いなさり良い影響をお受けになるのは素晴らしいことです。しかしミシェル殿下は公に出ることは出来ません。ミシェル殿下が国にお戻りになれば、必ず終わらなければならない。そして陛下がご自身のお立場をご理解なさっているのであれば、それをしっかりと受け止め相応しい妃を選んで将来ご結婚なさることが出来るとわたしは考えておりました。つまり交際には賛成でしたが、ご結婚はまた別の話しということです」
はっきりと、侍従としては当たり前だという風に言うテイラーにアスランは怒りを隠さなかった。
「お前にがっかりした。お前がそんな風に言うなんて」
「陛下はご自身の立場をどのようにお考えですか? 国民に寄り添うなら、妃にはそれ相応の人物でなくてはならないことくらいはご承知のはずでしょう。お怒りになる方が間違っています。ミシェル殿下の方がよほど王族というもの、国王の立場をご理解していらっしゃいます」
正論だ。反論など出来るはずがない。
国王が個人としての感情を走らせるなどしてはいけないことだ。
国母になる妃が国民に寄り添わなくていいなど、そんな女性を選ぶなど許されないのだ。
しかし、行き場の無くした怒りを理不尽にぶつけるしか今のアスランには出来なかった。
「うるさい! 下がれ! お前の顔はしばらく見たくない」
テイラーの顔も見ずに、アスランは部屋を出た。
*****
プロポーズの日から数日が経っても、アスランの気持ちはミシェルでいっぱいだった。
後悔の痛みが胸を締め付けていた。
言わなければまた逢えたのに。
言わなければ、あんなミシェルを…。
もう逢えないのならば、あとミシェルしてあげられることは。
帰国だけだ。
国へ帰してあげることでミシェルも喜ぶだろうし、自分も諦めがつくのではないか。
「陛下。再来週の陛下の誕生祝の舞踏会のことですが」
執務室でもなにも手に付かず窓の外を眺めていたアスランにブロンソンが声をかけた。
あの日以来テイラーとは喋っていない。
朝の挨拶には来るが、支度は第二侍従のトマスが手伝っていた。
テイラーはなにも言わずに黙っている。
アスランも、テイラーに声をかけなかった。
こんなことは初めてだったが、アスランにはまだ時間が必要だった。
テイラーの言ったことが理解出来ない訳ではなかったが、味方になってくれると勝手に思い込んで裏切られたように思えたのだ。
「陛下のお衣装をシャーロット様がご用意くださるとのことで、本日仮縫いにいらっしゃるので午後の時間を空けるようにと」
自分の誕生日のことなどすっかり忘れていた。
少し前までは、この舞踏会をアスランは楽しみにしていた。
毎年祝われるための舞踏会など面倒なだけだったが、今年はミシェルを招待する予定たったからだ。
ミシェルが参加できるよう、無礼講の仮面舞踏会をテイラーと企画したのだ。
仮面を着けていれば誰が誰だかわからない。
その招待も、本当なら一緒の夕食の日にする予定だった。
しかし招待は出来なかった。出来たとしても、もうミシェルは来ないだろう。
そうなれば楽しみでもなんでもない。
むしろそんな企画をしたこと自体がまぬけに思えてくる。
ミシェルと、踊ってみたかった。
そんなことを思う自分が情けなくなるが、仕方のないことだ。ミシェルへの想いは簡単には消えたりしない。
「陛下、聞いておられますか?」
相変わらずの無表情でブロンソンが確認する。
アスランは心の底からどうでもいいという感じで「了承した」と答えた。
「ここ数日上の空でいらっしゃいますが、なにかお心を煩わせるようなことがおありになりましたか?」
「……いや、なにもない」
いつもはいるテイラーもいないし、なにもないことはないとブロンソンもわかっているはずだった。
「それならよろしいのですが。ミシェル殿下もご招待なされたのであれば、殿下の馬車の手配はわたしがしておきましょう」
ミシェルの住む緑の離宮には小さな馬車しかない。ミシェルが出歩かないからだ。
しかし舞踏会に来るのであれば、王女が城に参じるに相応しい馬車の用意が必要になる。
今、ブロンソンからでも誰からでもミシェルの話しを聞きたくはなかった。
わかっている現実を口にするのが嫌だからだが、しないわけにはいかない。
「王女は来ない」
「ミシェル殿下をご招待出来るよう仮面舞踏会にしたのでは?」
「招待しなかった。それだけだ。それよりもお前に相談したいことがある」
アスランはブロンソンに向き直り、今自分がミシェルのために出来ることを決めそれをブロンソンに伝えた。
ブロンソンは黙って話を聞き終わると、「そのように差配致します」とだけ短く答え部屋を出た。
アスランはまた深く椅子に身体を預け、窓の外へ視線を戻した。
重い胸の内がため息と共に出てくれたら楽になるのだが、吐いたところでひとつも楽にはならなかった。
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