15 / 22
15
しおりを挟む
イグナシオ侯爵邸はハロペスの街から暫くにあり、広大な土地に立派な建物だった。
イグナシオ侯爵家がレイルズの皇帝と遠い血縁関係があり、今回の亡命要請を受けまずは国境に近い侯爵邸で保護することになった。
レイルズはヒューブレイン王国と同盟国で、コースリーのやり方に反感を持っていた。
亡命や援護の要請があれば助けるという姿勢を取っているとのことで、レイルズに来たのは大正解だったのだ。
スヴェトラーナと合流が出来てから一家で首都へ向かい、その後の待遇はその時に相談出来るらしい。
イグナシオ侯爵に後見となってもらえるということで、今後のきちんとした待遇が期待できるとヴィクトールはスヴェトラーナとルカに歩きながら説明した。
スヴェトラーナは母親エカチェリーナと弟ゴルジェイが良い待遇で迎え入れて貰えるならこれほど安心できることはないと思った。
自分はレイルズの首都へは一緒には行けない、エカチェリーナとゴルジェイの安心出来る話を歓迎した。
ルカを見るとやはり安心したようにヴィクトールと話をしている。
ルカもこれでスヴェトラーナを連れて行きやすくなると思ってくれるといい。
*****
「スヴェトラーナ!」
「お母様! ゴルジェイ!」
イグナシオ邸のサロンで再会したスヴェトラーナたち親子三人は必死と抱き合い、エカチェリーナとゴルジェイは泣いていた。
ふたりとも綺麗な身支度をしていたので、間違いなく親切にもてなされていることがわかった。
イグナシオ侯爵と侯爵夫人はスヴェトラーナのことも同情を持って迎えてくれた。
「まずはゆっくりするといい。皇帝が亡命受け入れを決定されましたから、この国で生活出来るようしてくれるだろう」
威厳はあるが穏やかな人柄の侯爵に、スヴェトラーナは心からの感謝を伝えた。
付き添った兵士は宮殿を脱出する際ふたり死んだということだったが、侍女も残りの兵士もこの屋敷に滞在していた。
ふたりを失ったのは悲しいことだが、これだけの者が残ってくれていたことを喜んだ。
本当ならここにリサやあの兵士たちががいてくれたらとスヴェトラーナは思った。
そしてリサ達が無事でどこかに逃げていてくれることを願った。
スヴェトラーナが風呂と着替えを用意され客室に向かったので、その間ルカはヴィクトールにここまでの道のりを報告した。
ヴィクトール側の話も聞いたが、ルカたちと同じようなものだった。
残った国民たちは恭順すれば今まで通りの生活を保障するとコースリー側が公布したとのことで、国は落ちたが民の命は助かったと知った。
それでも、これが戦争である以上敗戦国の国民をどれだけ尊重してもらえるかはわからない。
実際、キヌルの街の民は逃げ出し、コースリー兵が好き勝手に略奪などの乱暴を働いているらしいことはヴィクトールが旅の途中の噂で聞いた。
大公妃が野宿を経験し毎日泣いていたと聞き、過酷な経験をしたが無事に逃げ果せたのだから今後は大公を弔い穏やかに生きて欲しいとルカは思った。
ヴィクトールもルカの話を聞いて、スヴェトラーナがこの国で穏やかに生活出来るようになってほしいと思った。
「お前は本当によく頑張ってくれた。わたしの見込みに間違いはなかった」
「団長に感謝します。この旅の経験がこの先の俺の人生を豊かにしてくれます。一生忘れない、経験でした」
「そうか。それでお前はこの後どうするつもりだ? わたしたちは大公妃と共に付いて行きお仕えしたいと決めているが」
「俺も、もう決めています。そのことで隊長にお話があります」
*****
久々の暖かい湯船に心身共に解され、侯爵夫人の用意してくれたドレスは上質でスヴェトラーナがクロフスで着ていたものと遜色がなかった。
夕食も豪華ではあったがまともな食事をしていなかっただろうスヴェトラーナを気遣う内容で、感謝に堪えなかった。
エカチェリーナやゴルジェイと旅の話をし、父ボグダノヴィチを想って祈った。
途中ルカの姿を探すとヴィクトールから他の兵士と労い合っていると聞いたので、後で逢いたいと伝えて貰えるよう頼んだ。
ルカのことが気がかりだった。早くルカとこの先の話をしたかった。
エカチェリーナやヴィクトールにもふたりのことを言わなくてはならないのだから、その話しもしたかった。
エカチェリーナがどう言っても決意は変わらないし、ヴィクトールがルカを叱責して自分が守ると決めていた。
メイドが寝支度の手伝いをすると言ってきたが、スヴェトラーナは断ってルカが来るのを部屋で待っていた。
深夜になってもルカが来ないのでスヴェトラーナに不安が襲う。
ヴィクトールはちゃんと伝えてくれたのだろうか。こんな時間になったからもう来ないのだろうか。
今すぐルカに逢いたい。顔を見ないと落ち着けない。
こんなにも不安になるのはあの引っ掛かりのせいだ。
なにのどこに引っ掛かっているのかはわからないのだが、確実に胸の奥にある。
ルカがちゃんとこの屋敷にいるのかだけでも知りたい。この不安を消して欲しい。
スヴェトラーナは居ても立ってもいられずドアに向かった。
ルカを探しに行こうと思ったのだ。
――コンコン
ノブに手がかかる寸前でドアがノックされた。
スヴェトラーナは止まらずそのまま手を伸ばしドアを開けると、ノックの一瞬後にドアが開いたことに驚いた顔のルカが立っていた。
「ルカ!」
咄嗟に抱きついた。
スヴェトラーナの持つありったけの力でルカにしがみついた。
ルカもまた、スヴェトラーナを受け止め抱きしめた。
「姫様、ドアの前で待っていてくれたんですか?」
「待っていました。遅いから、来てくれないのかと探しに行くところでした」
しがみつき不安を訴えるスヴェトラーナを抱きしめる腕を解き、ルカは見下ろして微笑んだ。
スヴェトラーナが見上げると、今朝と変わらぬ愛しいと伝える仕草で頬を撫でた。
ルカの指の甲が頬を撫でる仕草は優しくて、スヴェトラーナは小さなため息を吐いてルカに微笑みを返した。
引っ掛かりを吹き飛ばして欲しい。この不安を消し去ってほしい。
スヴェトラーナは願うようにルカの目を見つめるのだが、ルカは変わらぬ微笑みのままで口を開いた。
「姫様。報酬を頂きに来ました」
イグナシオ侯爵家がレイルズの皇帝と遠い血縁関係があり、今回の亡命要請を受けまずは国境に近い侯爵邸で保護することになった。
レイルズはヒューブレイン王国と同盟国で、コースリーのやり方に反感を持っていた。
亡命や援護の要請があれば助けるという姿勢を取っているとのことで、レイルズに来たのは大正解だったのだ。
スヴェトラーナと合流が出来てから一家で首都へ向かい、その後の待遇はその時に相談出来るらしい。
イグナシオ侯爵に後見となってもらえるということで、今後のきちんとした待遇が期待できるとヴィクトールはスヴェトラーナとルカに歩きながら説明した。
スヴェトラーナは母親エカチェリーナと弟ゴルジェイが良い待遇で迎え入れて貰えるならこれほど安心できることはないと思った。
自分はレイルズの首都へは一緒には行けない、エカチェリーナとゴルジェイの安心出来る話を歓迎した。
ルカを見るとやはり安心したようにヴィクトールと話をしている。
ルカもこれでスヴェトラーナを連れて行きやすくなると思ってくれるといい。
*****
「スヴェトラーナ!」
「お母様! ゴルジェイ!」
イグナシオ邸のサロンで再会したスヴェトラーナたち親子三人は必死と抱き合い、エカチェリーナとゴルジェイは泣いていた。
ふたりとも綺麗な身支度をしていたので、間違いなく親切にもてなされていることがわかった。
イグナシオ侯爵と侯爵夫人はスヴェトラーナのことも同情を持って迎えてくれた。
「まずはゆっくりするといい。皇帝が亡命受け入れを決定されましたから、この国で生活出来るようしてくれるだろう」
威厳はあるが穏やかな人柄の侯爵に、スヴェトラーナは心からの感謝を伝えた。
付き添った兵士は宮殿を脱出する際ふたり死んだということだったが、侍女も残りの兵士もこの屋敷に滞在していた。
ふたりを失ったのは悲しいことだが、これだけの者が残ってくれていたことを喜んだ。
本当ならここにリサやあの兵士たちががいてくれたらとスヴェトラーナは思った。
そしてリサ達が無事でどこかに逃げていてくれることを願った。
スヴェトラーナが風呂と着替えを用意され客室に向かったので、その間ルカはヴィクトールにここまでの道のりを報告した。
ヴィクトール側の話も聞いたが、ルカたちと同じようなものだった。
残った国民たちは恭順すれば今まで通りの生活を保障するとコースリー側が公布したとのことで、国は落ちたが民の命は助かったと知った。
それでも、これが戦争である以上敗戦国の国民をどれだけ尊重してもらえるかはわからない。
実際、キヌルの街の民は逃げ出し、コースリー兵が好き勝手に略奪などの乱暴を働いているらしいことはヴィクトールが旅の途中の噂で聞いた。
大公妃が野宿を経験し毎日泣いていたと聞き、過酷な経験をしたが無事に逃げ果せたのだから今後は大公を弔い穏やかに生きて欲しいとルカは思った。
ヴィクトールもルカの話を聞いて、スヴェトラーナがこの国で穏やかに生活出来るようになってほしいと思った。
「お前は本当によく頑張ってくれた。わたしの見込みに間違いはなかった」
「団長に感謝します。この旅の経験がこの先の俺の人生を豊かにしてくれます。一生忘れない、経験でした」
「そうか。それでお前はこの後どうするつもりだ? わたしたちは大公妃と共に付いて行きお仕えしたいと決めているが」
「俺も、もう決めています。そのことで隊長にお話があります」
*****
久々の暖かい湯船に心身共に解され、侯爵夫人の用意してくれたドレスは上質でスヴェトラーナがクロフスで着ていたものと遜色がなかった。
夕食も豪華ではあったがまともな食事をしていなかっただろうスヴェトラーナを気遣う内容で、感謝に堪えなかった。
エカチェリーナやゴルジェイと旅の話をし、父ボグダノヴィチを想って祈った。
途中ルカの姿を探すとヴィクトールから他の兵士と労い合っていると聞いたので、後で逢いたいと伝えて貰えるよう頼んだ。
ルカのことが気がかりだった。早くルカとこの先の話をしたかった。
エカチェリーナやヴィクトールにもふたりのことを言わなくてはならないのだから、その話しもしたかった。
エカチェリーナがどう言っても決意は変わらないし、ヴィクトールがルカを叱責して自分が守ると決めていた。
メイドが寝支度の手伝いをすると言ってきたが、スヴェトラーナは断ってルカが来るのを部屋で待っていた。
深夜になってもルカが来ないのでスヴェトラーナに不安が襲う。
ヴィクトールはちゃんと伝えてくれたのだろうか。こんな時間になったからもう来ないのだろうか。
今すぐルカに逢いたい。顔を見ないと落ち着けない。
こんなにも不安になるのはあの引っ掛かりのせいだ。
なにのどこに引っ掛かっているのかはわからないのだが、確実に胸の奥にある。
ルカがちゃんとこの屋敷にいるのかだけでも知りたい。この不安を消して欲しい。
スヴェトラーナは居ても立ってもいられずドアに向かった。
ルカを探しに行こうと思ったのだ。
――コンコン
ノブに手がかかる寸前でドアがノックされた。
スヴェトラーナは止まらずそのまま手を伸ばしドアを開けると、ノックの一瞬後にドアが開いたことに驚いた顔のルカが立っていた。
「ルカ!」
咄嗟に抱きついた。
スヴェトラーナの持つありったけの力でルカにしがみついた。
ルカもまた、スヴェトラーナを受け止め抱きしめた。
「姫様、ドアの前で待っていてくれたんですか?」
「待っていました。遅いから、来てくれないのかと探しに行くところでした」
しがみつき不安を訴えるスヴェトラーナを抱きしめる腕を解き、ルカは見下ろして微笑んだ。
スヴェトラーナが見上げると、今朝と変わらぬ愛しいと伝える仕草で頬を撫でた。
ルカの指の甲が頬を撫でる仕草は優しくて、スヴェトラーナは小さなため息を吐いてルカに微笑みを返した。
引っ掛かりを吹き飛ばして欲しい。この不安を消し去ってほしい。
スヴェトラーナは願うようにルカの目を見つめるのだが、ルカは変わらぬ微笑みのままで口を開いた。
「姫様。報酬を頂きに来ました」
1
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
皇帝とおばちゃん姫の恋物語
ひとみん
恋愛
二階堂有里は52歳の主婦。ある日事故に巻き込まれ死んじゃったけど、女神様に拾われある人のお世話係を頼まれ第二の人生を送る事に。
そこは異世界で、年若いアルフォンス皇帝陛下が治めるユリアナ帝国へと降り立つ。
てっきり子供のお世話だと思っていたら、なんとその皇帝陛下のお世話をすることに。
まぁ、異世界での息子と思えば・・・と生活し始めるけれど、周りはただのお世話係とは見てくれない。
女神様に若返らせてもらったけれど、これといって何の能力もない中身はただのおばちゃんの、ほんわか恋愛物語です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
憧れと結婚〜田舎令嬢エマの幸福な事情〜
帆々
恋愛
エマは牧歌的な地域で育った令嬢だ。
父を亡くし、館は経済的に恵まれない。姉のダイアナは家庭教師の仕事のため家を出ていた。
そんな事情を裕福な幼なじみにからかわれる日々。
「いつも同じドレスね」。「また自分で縫ったのね、偉いわ」。「わたしだったらとても我慢できないわ」————。
決まった嫌味を流すことにも慣れている。
彼女の楽しみは仲良しの姉から届く手紙だ。
穏やかで静かな暮らしを送る彼女は、ある時レオと知り合う。近くの邸に滞在する名門の紳士だった。ハンサムで素敵な彼にエマは思わず恋心を抱く。
レオも彼女のことを気に入ったようだった。二人は親しく時間を過ごすようになる。
「邸に招待するよ。ぜひ家族に紹介したい」
熱い言葉をもらう。レオは他の女性には冷たい。優しいのは彼女だけだ。周囲も認め、彼女は彼に深く恋するように。
しかし、思いがけない出来事が知らされる。
「どうして?」
エマには出来事が信じられなかった。信じたくない。
レオの心だけを信じようとするが、事態は変化していって————。
魔法も魔術も出て来ない異世界恋愛物語です。古風な恋愛ものをお好きな方にお読みいただけたら嬉しいです。
ハッピーエンドをお約束しております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした
おいどん
恋愛
子爵家の令嬢エリーネと伯爵家の次男のノルトが婚約を結んだのは、半年前だった。
真面目で優秀なノルトに相応しい婚約者であろうとするものの、エリーネには自信がなかった。
ある日、遊び人と噂の令嬢べルティーナとノルトが共にいるところを見てしまう。
「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」
「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」
「…今度は、ちゃんと言葉にするから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる