アルカディア・クロノクル ゲーム世界に囚われた俺を救うのは、妹か、かつての仲間か

織部

文字の大きさ
24 / 137

フロンティアモード

しおりを挟む

 夕飯は魚料理だった。下ごしらえが丁寧で、ハーブやフルーツで味付けされた淡白な魚が美味しく仕上がっている。

 ルナは「素材が一番」のようで、何もつけずにそのまま味わっていた。

「ご馳走様。今日も美味しかったよ」夕食を終えたアキラは、満腹感に包まれてセレナ達と別れて寝室に入り、横になる。

「美味しそうで羨ましいです。さて、起きてください! すごく重要なお話をしますよ!」ラピスの言葉で、アキラの眠気が一気に吹き飛んだ。

「それでは、フロンティアモードについて簡単に説明しますね。いわゆる町づくりモードです。リーダーとして土地を開拓し、町を大きくしていくモードですよ。町で起きる様々な問題を解決していくことになります」

「全然わからないよ」

「簡単に言うと、アキラさんが住む町を作るモードです」

チュートリアルが流れる。
—ゲーム画面のモードをタップし、フロンティア(F)モードに移行してください—

アキラが指示通りにFモードに切り替えると、画面のメニューが変わった。
—村に名前をつけてください—

「ラピさん、どうしよう?」

「アキラさんの好きな名前でどうぞ。後からでも変更できますよ。」

「空蝉町とか、大寒町とか……」

「……」沈黙が痛い。

「なんとなく思いついただけだよ。じゃあ、候補を出してよ」アキラは耐えきれず、ラピスに頼むことにした。

 ラピスは決してアキラを馬鹿にしていたわけではなかったが、少し動揺しつつも、それを悟られないように言葉を選んだ。

「わかりました。では、エリシオン、アイリシア、水原」

「うーん、水原は町っぽくないし、どこかで聞いたことがある気がする。アイリシアかな」

 ラピスはくすりと笑い、「それは、嫌です」と一言。

「え? なんで? 候補に出したくせに」

「選択肢は3つ出す決まりなので3つ出しました」

「他にも出してよ」

「わかりました。エリシア、エイザリア、アイリスタ」

「どれもよくわからないなぁ……じゃあ、さっきのエリシオンでいいかな。それで、何か意味はあるの?」アキラには特にこだわりがなかったので、実際どれでも良かった。

「仕方ありませんね。まあ、いいでしょう。意味は特にありません」そう言いながら、ラピスは微笑んでいた。

フロンティアモード
エリシオン村

•レベル: 1
•人口: 3
•軍事力(攻): 23(守): 23
•環境: ◯
•文化: 1
•税収: ➖
•建築可能: 無
•ゴールド: 4210G
•保護期間: 90日(保護エリア: 監視塔付近)
   コマンド: ガチャのみ。

「ラピさん、人口が3人って本当?」

「はい、アキラさんと私、そしてセレナです」

「え?」

「冗談です。実際にはアキラさん、セレナ、ルナの3人です。ガチャを引くことで人口は増えますよ。ガチャで手に入れたキャラは翌日に到着するので、どんどん引いてくださいね」

「そうか。セレナみたいなキャラが増えるのかな?」

「それは難しいかも。PSRの排出率は非常に低いので、簡単には出ませんよ。それに、ガチャから出るキャラクターカードには、バトル用の冒険者カードと住民カードが含まれています。詳細はガチャの時に説明しますね」

 フロンティアモード開始ボーナス(1日目)

 • ガチャ10連チケット
 • 村長の家 1軒
 • 緊急食料 10人分
 • 砂糖 一袋 
 • パン30個

「ラピさん、家があるってどういうこと?」アキラは驚いた。

「すごいでしょう。この家が本拠地です。フロンティアモードの進行に必要なコマンドもここで実行します」

「なるほど。でも、今から出すのはちょっとなぁ」机の上には、さっき川から引き上げて来た、冷えたビールがあったからだ。

「明日の朝でも大丈夫ですが、ガチャだけは引いておいてくださいね!」

 アキラはガチャ画面に移動した。最初のガチャの時とは異なり、派手な演出はなく、サクッと引くことになった。

フロンティア住民ガチャ(10連目はSR以上確定)
配布確率

•1.5%: PSR ネームドキャラ(初期キャラ)
•8.5%: SR ネームドキャラ(初期キャラ、10キャラのみ排出)
•60%: R 農民(男女)、工芸職人(男女)、建築職人(男女)
•30%: N 子供(男女)

結果

 N子供(男)R農民(女)R建築職人(男)R建築職人(女)N子供(女)R農民(男)R農民(男)R農民(女)

 SR 狩人 ノクス(女、エルフ)
 SR メイド ステラ(女、人間)
•SR衣装(ノクス用初期衣装)
•SR衣装(ステラ用初期衣装)

「どうですか、この結果は?」アキラがラピスに尋ねる。

「まあ、特に問題はありませんが…女キャラが多いですね」ラピスが少し不満そうに答えた。

「ガチャだから僕が選んでるわけじゃないよ!」

「はいはい。では説明しますね。PSRとSRは冒険者としても使えるバトルカードですが、それ以下のレアリティは戦えません。基本的にレアリティは変わりませんが、子供キャラはレベルがMAXの10になると再抽選でレアリティが変わり、ジョブも自動的に出現します」

「アキラさんとセレナのステータスを見てみてください」

•アキラ: 商人 LV13 / 魔術師 LV8
•セレナ: 調理人 LV12 / 魔法戦士 LV8
•ルナ:

「あ、ステータスが増えてる」

「はい、元々あったのですが、表示されていなかっただけです。ちなみに、職業レベルのMAXは全職種・レアリティで20ですから、アキラさんは商人として一流ですよ。それに、褒めたくはありませんが、セレナもなかなかの腕前ですね」

「だからセレナは料理が上手だったんだね。僕は商人なんてしたことないけど」

「基本的に、本人の適性や趣味がないと職業にはつきにくいですから、どこかで商人に興味があったんでしょうね」

「なるほどね。ところで、仕事レベルが上がるとどうなるの?」

「スキルを取得できるようになります。レベル12からスキルが取得可能ですよ。それと、冒険者のジョブは1つだけですが、職業ジョブは増えます。PSRは3つまで、SRは2つまで増やせると思います」

「そうだね、楽しみだね」アキラは、にこにこしながら寝床に腰掛け、セレナからもらったナッツをつまみに、ビールを飲んでいる。どれだけ理解しているのだろうか?ビールってそんな強いアルコール設定だったっけ?

 そんな事を考えていたら、いつの間にか、アキラが寝落ちしていた。

「全くもう、今日はお疲れ様でした。お休み、アキラ」

 川の流れる音しか聞こえず、森は不気味な静寂さを演出している向こう側で、世界は、静かに動き始めていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

処理中です...