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蠱惑の魔剣
策謀と決意
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ノルドの家に一泊し、夜まで目いっぱい遊び尽くしたリコは、満ち足りた笑みを浮かべて立ち上がった。
「帰るね。楽しかった!」
門を出ようとしたその瞬間――ぴょん、とサラが跳ねるように声を上げた。
「私も行く!」
「えっ……うん、いいよ!」
リコが微笑むと、サラも笑顔で頷いた。ふたりは顔を見合わせ、自然と連れ立って駆け出した。
向かう先は、島の高台にそびえる立派な孤児院。リコの帰る場所であり、そしてサラが最近、何度も訪れるもうひとつの居場所だった。
年上のサラが、年下のリコの背を追いかける――そんな光景は、もはや島の日常の一部になっている。
ふたりの軽やかな靴音が、土の道を跳ねるように響き渡り、夕闇の中へと溶けていった。
「ふたりとも、随分と早いな……」
ノルドは感嘆を込めて呟く。
そのときだった。森のほうから、ヴァルの鋭い遠吠えが響き渡った。
「ワオーン!」
魔物の森に単独で散歩に出ていたヴァルが、何かを知らせる合図――。
ノルドの瞳が鋭く光った。
「……何か見つけたな」
足元の土の香りが濃くなり、彼は迷わず森の深みへと駆け込んだ。精霊王の神殿に近い、鬱蒼とした森の中で、ノルドは一人の少女を見つけた。彼女は深い茂みに座り込み、体を震わせていた。
「大丈夫ですか?」
ノルドは声をかける。
「……ああ、ノルド……ちょっと、疲れただけ」
振り返ったのはフィオナだった。顔色は蒼白で、額には薄く汗が滲んでいる。ノルドは躊躇なくポーチからヒールポーションの瓶を取り出し、差し出した。
「これを」
「……ありがとう」
フィオナが薬を口にすると、わずかに表情が和らいだが、ノルドの目はなお鋭く、彼女の言葉を疑いの目で見つめていた。
「それより、カリスさんが入院しました。命の危機だったんです。どうして放って外に出たりしたんですか?」
「放って? そんなこと、してないわ」フィオナは眉をひそめて否定する。
「サラが助けを求めたでしょう? 私は王子の付き添いがあって……それに、何かあったらノルドを頼るように伝えてあった」
「そんな、他人任せなことを……」
ノルドの声は低く、だが揺らぎはなかった。
「ええ……そうね。でも、それが最善だったのよ」
ノルドは目を伏せ、深く息をつく。
あの時、カリスの命をつなぎとめたのは、彼が町の医師ではなくサナトリウムへ連れて行ったからに他ならない。島には頼れる名医はいなかった。町の医師マルカスはダンジョン探索で不在だったのだ。
だからこそ――サルサの診断と処置が、命を救う唯一の手段だった。
そして、サルサのサナトリウムが彼を受け入れてくれたのも、ノルドだからこそ。
彼が誰よりも早く動いたからだった。
「最初から……そのつもりだったんですか?」
「そうよ。私ひとりじゃ、どうにもできなかった。けれど、貴方なら救えると信じていた」
フィオナは静かに立ち上がり、頭を深く下げた。
「本当に、ごめんなさい……カリスは、ようやく救われたの」
ノルドは彼女を見据えながら、小さな問いを口にする。
「……そうでしょうか?」
「ええ。それは、ノルド。貴方次第だけどね」
フィオナの声は低く、まるで預言者のようだった。
※
――数日後。
サルサのサナトリウムから、ノルドへ急ぎの連絡が届いた。
彼は急いで院長室に入ると、すでにマルカス、カノン、セラが揃っていた。
「つまり、そういうことだ。近々、グラシアスからも報告が来るだろう。ノルド、解毒薬を作るかどうかはお前に任せる」
サルサの声は冷静で、しかし重みがあった。ノルドは短く頷いた。
「カリスさんの様子を見ても良いですか?」
「ええ」
セラが案内し、彼女の寝ている部屋へと向かう。
カリスはノルドの顔を見るなり、安堵の笑みを浮かべた。
「全く馬鹿な話よね。魔力過剰で死にかけるなんて……明後日から探索再開よね」
「そうですね。ですが、カリスさんはここで治療を続けるべきです」
「でもそれは許されないわ。ここでの治療費を払うためにも、早く復帰しなきゃ」
ノルドは深い溜息をついた。
自分が彼女を助けることから逃れられないことを――そして、その覚悟を、サルサやセラは知っているのだ。
ノルドは静かに部屋を後にした。
「サルサ様。薬の製法を教えてください」
製薬室の扉を開けた彼は、背中越しに告げる。
「ああ、そう言うと思って、材料はすでに揃えてある。まあ、私じゃ作れんがな。製法は調べて書き留めてある。お前なら、きっともっと良いやり方を編み出すんだろう」
ノルドは素材のひとつひとつを真剣な目で調べ、本を開き、手を動かし始めた。この瞬間、彼にとっては誰の声も届かない。
サルサは静かに製薬室を後にする。ヴァルは一瞥をくれると、無言でセラのもとへと向かっていった。
「天才薬師の神聖な時間だな」
セラはキッチンでノルドの夜食を作りながら、感嘆の声を漏らした。
背負うべき責務と慈悲を、彼は自覚し始めている。
翌朝、薬は完成した。副作用は少なく、体に負担をかけない処方だった。
静かな朝の光が部屋を満たす。
ノルドは置かれた毒玉を手に取ると、ためらうことなく飲み下した。
「何をやってるのよ! ノルド!」
助手……いや、作業を邪魔していた妖精ビュアンが慌てて叫ぶ。
「臨床試験だ。常用しない限り問題はない。だが、これは相当な猛毒だ」
体が熱くなり、呼吸が浅く速くなる。意識はぼんやりとしていく。
「そろそろ、薬を飲んでみる」
震えるノルドの代わりに、ビュアンが薬瓶を彼の口に運んだ。椅子に沈み込み、しばらくしてノルドは静かに立ち上がった。
「うん、成功だ。構造がわかりやすくて助かった。どちらかといえば解毒に主眼を置いた処方だ。驚かせて悪かったね」
「馬鹿ね、そこまでやる必要はないわよ!」
ビュアンは怒りをにじませつつも、どこか誇らしげだった。
「またセラと話すことが増えたわね」
ノルドの周囲を飛びながら、ビュアンは軽口を叩いた。
「帰るね。楽しかった!」
門を出ようとしたその瞬間――ぴょん、とサラが跳ねるように声を上げた。
「私も行く!」
「えっ……うん、いいよ!」
リコが微笑むと、サラも笑顔で頷いた。ふたりは顔を見合わせ、自然と連れ立って駆け出した。
向かう先は、島の高台にそびえる立派な孤児院。リコの帰る場所であり、そしてサラが最近、何度も訪れるもうひとつの居場所だった。
年上のサラが、年下のリコの背を追いかける――そんな光景は、もはや島の日常の一部になっている。
ふたりの軽やかな靴音が、土の道を跳ねるように響き渡り、夕闇の中へと溶けていった。
「ふたりとも、随分と早いな……」
ノルドは感嘆を込めて呟く。
そのときだった。森のほうから、ヴァルの鋭い遠吠えが響き渡った。
「ワオーン!」
魔物の森に単独で散歩に出ていたヴァルが、何かを知らせる合図――。
ノルドの瞳が鋭く光った。
「……何か見つけたな」
足元の土の香りが濃くなり、彼は迷わず森の深みへと駆け込んだ。精霊王の神殿に近い、鬱蒼とした森の中で、ノルドは一人の少女を見つけた。彼女は深い茂みに座り込み、体を震わせていた。
「大丈夫ですか?」
ノルドは声をかける。
「……ああ、ノルド……ちょっと、疲れただけ」
振り返ったのはフィオナだった。顔色は蒼白で、額には薄く汗が滲んでいる。ノルドは躊躇なくポーチからヒールポーションの瓶を取り出し、差し出した。
「これを」
「……ありがとう」
フィオナが薬を口にすると、わずかに表情が和らいだが、ノルドの目はなお鋭く、彼女の言葉を疑いの目で見つめていた。
「それより、カリスさんが入院しました。命の危機だったんです。どうして放って外に出たりしたんですか?」
「放って? そんなこと、してないわ」フィオナは眉をひそめて否定する。
「サラが助けを求めたでしょう? 私は王子の付き添いがあって……それに、何かあったらノルドを頼るように伝えてあった」
「そんな、他人任せなことを……」
ノルドの声は低く、だが揺らぎはなかった。
「ええ……そうね。でも、それが最善だったのよ」
ノルドは目を伏せ、深く息をつく。
あの時、カリスの命をつなぎとめたのは、彼が町の医師ではなくサナトリウムへ連れて行ったからに他ならない。島には頼れる名医はいなかった。町の医師マルカスはダンジョン探索で不在だったのだ。
だからこそ――サルサの診断と処置が、命を救う唯一の手段だった。
そして、サルサのサナトリウムが彼を受け入れてくれたのも、ノルドだからこそ。
彼が誰よりも早く動いたからだった。
「最初から……そのつもりだったんですか?」
「そうよ。私ひとりじゃ、どうにもできなかった。けれど、貴方なら救えると信じていた」
フィオナは静かに立ち上がり、頭を深く下げた。
「本当に、ごめんなさい……カリスは、ようやく救われたの」
ノルドは彼女を見据えながら、小さな問いを口にする。
「……そうでしょうか?」
「ええ。それは、ノルド。貴方次第だけどね」
フィオナの声は低く、まるで預言者のようだった。
※
――数日後。
サルサのサナトリウムから、ノルドへ急ぎの連絡が届いた。
彼は急いで院長室に入ると、すでにマルカス、カノン、セラが揃っていた。
「つまり、そういうことだ。近々、グラシアスからも報告が来るだろう。ノルド、解毒薬を作るかどうかはお前に任せる」
サルサの声は冷静で、しかし重みがあった。ノルドは短く頷いた。
「カリスさんの様子を見ても良いですか?」
「ええ」
セラが案内し、彼女の寝ている部屋へと向かう。
カリスはノルドの顔を見るなり、安堵の笑みを浮かべた。
「全く馬鹿な話よね。魔力過剰で死にかけるなんて……明後日から探索再開よね」
「そうですね。ですが、カリスさんはここで治療を続けるべきです」
「でもそれは許されないわ。ここでの治療費を払うためにも、早く復帰しなきゃ」
ノルドは深い溜息をついた。
自分が彼女を助けることから逃れられないことを――そして、その覚悟を、サルサやセラは知っているのだ。
ノルドは静かに部屋を後にした。
「サルサ様。薬の製法を教えてください」
製薬室の扉を開けた彼は、背中越しに告げる。
「ああ、そう言うと思って、材料はすでに揃えてある。まあ、私じゃ作れんがな。製法は調べて書き留めてある。お前なら、きっともっと良いやり方を編み出すんだろう」
ノルドは素材のひとつひとつを真剣な目で調べ、本を開き、手を動かし始めた。この瞬間、彼にとっては誰の声も届かない。
サルサは静かに製薬室を後にする。ヴァルは一瞥をくれると、無言でセラのもとへと向かっていった。
「天才薬師の神聖な時間だな」
セラはキッチンでノルドの夜食を作りながら、感嘆の声を漏らした。
背負うべき責務と慈悲を、彼は自覚し始めている。
翌朝、薬は完成した。副作用は少なく、体に負担をかけない処方だった。
静かな朝の光が部屋を満たす。
ノルドは置かれた毒玉を手に取ると、ためらうことなく飲み下した。
「何をやってるのよ! ノルド!」
助手……いや、作業を邪魔していた妖精ビュアンが慌てて叫ぶ。
「臨床試験だ。常用しない限り問題はない。だが、これは相当な猛毒だ」
体が熱くなり、呼吸が浅く速くなる。意識はぼんやりとしていく。
「そろそろ、薬を飲んでみる」
震えるノルドの代わりに、ビュアンが薬瓶を彼の口に運んだ。椅子に沈み込み、しばらくしてノルドは静かに立ち上がった。
「うん、成功だ。構造がわかりやすくて助かった。どちらかといえば解毒に主眼を置いた処方だ。驚かせて悪かったね」
「馬鹿ね、そこまでやる必要はないわよ!」
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ノルドの周囲を飛びながら、ビュアンは軽口を叩いた。
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