62 / 238
外伝
カノンとローカンによる勝犬投票券購入
しおりを挟む
ローカンとカノンは競犬場の門をくぐった。すでに多くの人々が詰めかけ、場内は熱気に包まれている。門の上には大きく書かれた文字が踊る。
『第100回 アリーマ記念』
売り場の前には巨大な黒板があり、オッズが次々と書き換えられている。
一番人気:ゼファー(単勝オッズ 2倍)
五番人気:ヴァル(単勝オッズ 10倍)
「じゃあ買うか!」ローカンは懐を探りながら悩んだ。「うーん、金貨十枚……」
「何言ってんの?」カノンが冷ややかに言う。「さっき訳のわかんないブレスレットを金貨十枚で買ってたでしょ! 少ないわよ!」
「実は、金貨十枚が持ち金の全てなんだ」
その言葉を聞いて、カノンは呆れたようにローカンを見つめる。そして、ふっと微笑むと、彼の耳元に唇を寄せた。
「それで、警備総長なの?」
艶やかな声が囁きとなってローカンの鼓膜を震わせる。吐息がかかり、ローカンは思わず喉を鳴らした。
「……近づくなよ」
「ふふっ、もちろん銀行にあるんでしょ?」
「持ち歩くと、いつの間にか使っちまうからな」
「あなたは、その方がいいわね」カノンは肩をすくめながら、わざと指先でローカンの袖口をなぞる。その仕草にローカンは顔をしかめた。
その間にも、黒板のオッズが次々と変動する。競犬場の職員が、手に持ったメモを見ながら、チョークで数字を修正していた。
「出走時間まで、あと少しです! 日時計が三を指したら締め切ります!」
鐘が五回鳴り響く。時間が近づくにつれ、鐘の回数は減っていくらしい。焦らせて煽る仕組みだ。最後に一回鳴ると締め切りになる。
すると、ヴァルのオッズが急に変動した。
ローカンが周囲を見渡すと、ヴァルの勝犬投票券を束のように抱えた二人の姿があった。
——一人は、ローカンにペンダントを売ったアクセサリー商人。もう一人は、ノシロだ。
「うーん、あの商人もヴァルに賭けてるぞ!」
「あの商人、やっぱりちょっと変じゃない?」カノンが目を細める。酔っ払っているようにも見えるが、纏っている雰囲気が普通じゃない。
「そうかなぁ、酔っ払ってるだけじゃないか」
彼らが大量に投票したせいで、ヴァルのオッズは一気に下がり、五番人気から二番人気へと跳ね上がった。単勝オッズも三倍にまで下がる。
「こんな短時間でここまで動くか……?」
ローカンは眉をひそめた。
二人はそそくさと袋に詰めるとその場を立ち去る。鐘が四回、三回と鳴るたび、ヴァルのオッズはさらに下がっていった。
「やっぱり、牙狼を買っておこう!」
「狼が出るレースだぞ、記念に!」
「この競犬新聞に書かれていることを信じよう!」
急に登場したヴァルだったが、ミーハーな人気が出てきたらしい。
さらに黒板が書き換えられ、ついにヴァルが一番人気になった。オッズも二倍まで下がってしまう。
「……見るだけにしようか?」ローカンは、つまらなげに呟く。
「ふーん……」カノンは、軽蔑の目を向けた。
「ま、とりあえず並ぶか!」ローカンは仕方なく列に加わったが、ふと横を見る。
「ところで、お前も並んでるけど……金持ってないんじゃないのか?」
「実はね、セラさんが『お金がないと困るだろう』って……」
カノンは懐から、セラにもらった財布を取り出した。
「おいおい、それはダメだろ!」
「どうして?」
カノンはローカンの言葉が理解できないらしく、目を見開いた。
「だって、それ借りた金だろ?」
「——あの牙狼が負けるわけないじゃない? まさか、他に賭けるの? 勝って、セラさんと山分けよ」
再び、カノンが耳元で囁く。指先がローカンの手に触れ、思わず彼はため息をついた。
「ローカン様! ローカン様!」
大声で呼びかけてくる声がする。
この声は——オルヴァ村の村長、クライドだ。彼は正装して立っていた。
「どうしてそこに?」ローカンが声をかける。
「島主様に頼まれまして。多くの村の村長も駆り出されていますよ。投票券場の監視です。そのせいで投票できません。——ところで、ヴァル君、すごい人気ですね」
クライドは、投票券に不正防止の印をつけている。
(やはり、競犬場の悪い噂は本当なのか……)
だが、彼らの警備は競犬場の運営には関与していない。
「……ああ、じゃあ、金貨十枚分、ヴァル単勝で」
ローカンは窓口に声をかける。
「それだけでいいんですか?」
「うるさい!」
それでも、一枚銅貨で券一枚だ。千枚にもなる。
「それでも片手で持てるくらいだな。いったい、ノシロはいくら買ったんだよ!」
鐘が二回鳴る。そして——最後の一回が鳴るはずの時間が過ぎた。
(……待てよ? 最後の鐘が……鳴らない?)
振り返って窓口を見ると、地元の人間と思われる男達が大量にまとめ買いしていた。
「よし、競犬場へ行こう!」
「急がないと!」
珍しく、二人の意見が一致した。
※
ノルドは、カイに頼んでマルカスの使っていた手拭いをもらった。
「だけど、これだけの人数がいると、難しいな。ヴァルがいてくれたら何とかなったんだけどな!」
人混みに酔ってしまい、ノルドは競犬場の中で人の少ない休める場所を探した。
競犬場の内側には、芝生に座り込んでいる人がまばらにいた。
「あそこがいいな。ずっと見渡せるし」
そこには、競犬場の障害物を操作する施設もあった。
「あれ? あんなところで、施設の中を盗み見している人がいる。何を見てるんだろう」
好奇心に駆られ、その人物に近づこうとしたその瞬間——
ファンファーレが鳴り響いた。
シシルナ島の大きな旗が振られ、観客たちが一斉に歓声を上げる。
「いけない、ヴァルを応援しないと!」
ノルドはすぐに目的の芝生エリアに向かった。
犬たちが次々とゲートに入っていく。しかし——
ヴァルは走りもせず、座り込んでいた。
小狼は、ここに来るまでに多くの嫌がらせを受けていた。大量の美味しい餌。その中にある毒薬。わざとぶつかってくる他の犬の調教師達。不自然に落ちて来る荷物。
すっかりやる気を無くしていた。
「全く、ヴァルったら……」
リコ調教師に促され、ヴァルはしぶしぶゲートへと入る。
「そろそろ出番よ、ヴァル。セラ母さんに優勝カップを持って帰りましょう!」
リコのその一言が、ヴァルの心に火をつけ、瞳がきらりと輝いた。
競犬場の貴賓席には、ニコラや島主の姿があった。その両隣には、リジェとメグミの姿も見える。
魔法石を使った音声拡張機が競犬場中に響き渡る。
「第100回 アリーマ記念、まもなくスタートです!」
静寂。
次の瞬間、ゲートが開いた——!
『第100回 アリーマ記念』
売り場の前には巨大な黒板があり、オッズが次々と書き換えられている。
一番人気:ゼファー(単勝オッズ 2倍)
五番人気:ヴァル(単勝オッズ 10倍)
「じゃあ買うか!」ローカンは懐を探りながら悩んだ。「うーん、金貨十枚……」
「何言ってんの?」カノンが冷ややかに言う。「さっき訳のわかんないブレスレットを金貨十枚で買ってたでしょ! 少ないわよ!」
「実は、金貨十枚が持ち金の全てなんだ」
その言葉を聞いて、カノンは呆れたようにローカンを見つめる。そして、ふっと微笑むと、彼の耳元に唇を寄せた。
「それで、警備総長なの?」
艶やかな声が囁きとなってローカンの鼓膜を震わせる。吐息がかかり、ローカンは思わず喉を鳴らした。
「……近づくなよ」
「ふふっ、もちろん銀行にあるんでしょ?」
「持ち歩くと、いつの間にか使っちまうからな」
「あなたは、その方がいいわね」カノンは肩をすくめながら、わざと指先でローカンの袖口をなぞる。その仕草にローカンは顔をしかめた。
その間にも、黒板のオッズが次々と変動する。競犬場の職員が、手に持ったメモを見ながら、チョークで数字を修正していた。
「出走時間まで、あと少しです! 日時計が三を指したら締め切ります!」
鐘が五回鳴り響く。時間が近づくにつれ、鐘の回数は減っていくらしい。焦らせて煽る仕組みだ。最後に一回鳴ると締め切りになる。
すると、ヴァルのオッズが急に変動した。
ローカンが周囲を見渡すと、ヴァルの勝犬投票券を束のように抱えた二人の姿があった。
——一人は、ローカンにペンダントを売ったアクセサリー商人。もう一人は、ノシロだ。
「うーん、あの商人もヴァルに賭けてるぞ!」
「あの商人、やっぱりちょっと変じゃない?」カノンが目を細める。酔っ払っているようにも見えるが、纏っている雰囲気が普通じゃない。
「そうかなぁ、酔っ払ってるだけじゃないか」
彼らが大量に投票したせいで、ヴァルのオッズは一気に下がり、五番人気から二番人気へと跳ね上がった。単勝オッズも三倍にまで下がる。
「こんな短時間でここまで動くか……?」
ローカンは眉をひそめた。
二人はそそくさと袋に詰めるとその場を立ち去る。鐘が四回、三回と鳴るたび、ヴァルのオッズはさらに下がっていった。
「やっぱり、牙狼を買っておこう!」
「狼が出るレースだぞ、記念に!」
「この競犬新聞に書かれていることを信じよう!」
急に登場したヴァルだったが、ミーハーな人気が出てきたらしい。
さらに黒板が書き換えられ、ついにヴァルが一番人気になった。オッズも二倍まで下がってしまう。
「……見るだけにしようか?」ローカンは、つまらなげに呟く。
「ふーん……」カノンは、軽蔑の目を向けた。
「ま、とりあえず並ぶか!」ローカンは仕方なく列に加わったが、ふと横を見る。
「ところで、お前も並んでるけど……金持ってないんじゃないのか?」
「実はね、セラさんが『お金がないと困るだろう』って……」
カノンは懐から、セラにもらった財布を取り出した。
「おいおい、それはダメだろ!」
「どうして?」
カノンはローカンの言葉が理解できないらしく、目を見開いた。
「だって、それ借りた金だろ?」
「——あの牙狼が負けるわけないじゃない? まさか、他に賭けるの? 勝って、セラさんと山分けよ」
再び、カノンが耳元で囁く。指先がローカンの手に触れ、思わず彼はため息をついた。
「ローカン様! ローカン様!」
大声で呼びかけてくる声がする。
この声は——オルヴァ村の村長、クライドだ。彼は正装して立っていた。
「どうしてそこに?」ローカンが声をかける。
「島主様に頼まれまして。多くの村の村長も駆り出されていますよ。投票券場の監視です。そのせいで投票できません。——ところで、ヴァル君、すごい人気ですね」
クライドは、投票券に不正防止の印をつけている。
(やはり、競犬場の悪い噂は本当なのか……)
だが、彼らの警備は競犬場の運営には関与していない。
「……ああ、じゃあ、金貨十枚分、ヴァル単勝で」
ローカンは窓口に声をかける。
「それだけでいいんですか?」
「うるさい!」
それでも、一枚銅貨で券一枚だ。千枚にもなる。
「それでも片手で持てるくらいだな。いったい、ノシロはいくら買ったんだよ!」
鐘が二回鳴る。そして——最後の一回が鳴るはずの時間が過ぎた。
(……待てよ? 最後の鐘が……鳴らない?)
振り返って窓口を見ると、地元の人間と思われる男達が大量にまとめ買いしていた。
「よし、競犬場へ行こう!」
「急がないと!」
珍しく、二人の意見が一致した。
※
ノルドは、カイに頼んでマルカスの使っていた手拭いをもらった。
「だけど、これだけの人数がいると、難しいな。ヴァルがいてくれたら何とかなったんだけどな!」
人混みに酔ってしまい、ノルドは競犬場の中で人の少ない休める場所を探した。
競犬場の内側には、芝生に座り込んでいる人がまばらにいた。
「あそこがいいな。ずっと見渡せるし」
そこには、競犬場の障害物を操作する施設もあった。
「あれ? あんなところで、施設の中を盗み見している人がいる。何を見てるんだろう」
好奇心に駆られ、その人物に近づこうとしたその瞬間——
ファンファーレが鳴り響いた。
シシルナ島の大きな旗が振られ、観客たちが一斉に歓声を上げる。
「いけない、ヴァルを応援しないと!」
ノルドはすぐに目的の芝生エリアに向かった。
犬たちが次々とゲートに入っていく。しかし——
ヴァルは走りもせず、座り込んでいた。
小狼は、ここに来るまでに多くの嫌がらせを受けていた。大量の美味しい餌。その中にある毒薬。わざとぶつかってくる他の犬の調教師達。不自然に落ちて来る荷物。
すっかりやる気を無くしていた。
「全く、ヴァルったら……」
リコ調教師に促され、ヴァルはしぶしぶゲートへと入る。
「そろそろ出番よ、ヴァル。セラ母さんに優勝カップを持って帰りましょう!」
リコのその一言が、ヴァルの心に火をつけ、瞳がきらりと輝いた。
競犬場の貴賓席には、ニコラや島主の姿があった。その両隣には、リジェとメグミの姿も見える。
魔法石を使った音声拡張機が競犬場中に響き渡る。
「第100回 アリーマ記念、まもなくスタートです!」
静寂。
次の瞬間、ゲートが開いた——!
6
あなたにおすすめの小説
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」とやりがい搾取されたのでやめることにします。
木山楽斗
恋愛
平民であるフェルーナは、類稀なる魔法使いとしての才を持っており、聖女に就任することになった。
しかしそんな彼女に待っていたのは、冷遇の日々だった。平民が聖女になることを許せない者達によって、彼女は虐げられていたのだ。
さらにフェルーナには、本来聖女が受け取るはずの報酬がほとんど与えられていなかった。
聖女としての忙しさと責任に見合わないような給与には、流石のフェルーナも抗議せざるを得なかった。
しかし抗議に対しては、「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」といった心無い言葉が返ってくるだけだった。
それを受けて、フェルーナは聖女をやめることにした。元々歓迎されていなかった彼女を止める者はおらず、それは受け入れられたのだった。
だがその後、王国は大きく傾くことになった。
フェルーナが優秀な聖女であったため、その代わりが務まる者はいなかったのだ。
さらにはフェルーナへの仕打ちも流出して、結果として多くの国民から反感を招く状況になっていた。
これを重く見た王族達は、フェルーナに再び聖女に就任するように頼み込んだ。
しかしフェルーナは、それを受け入れなかった。これまでひどい仕打ちをしてきた者達を助ける気には、ならなかったのである。
モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!
あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。
モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。
実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。
あらゆるモンスターへの深い知識。
様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。
自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。
降って湧いた凶悪な依頼の数々。
オースはこれを次々に解決する。
誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。
さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。
やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。
異世界でトラック運送屋を始めました! ◆お手紙ひとつからベヒーモスまで、なんでもどこにでも安全に運びます! 多分!◆
八神 凪
ファンタジー
日野 玖虎(ひの ひさとら)は長距離トラック運転手で生計を立てる26歳。
そんな彼の学生時代は荒れており、父の居ない家庭でテンプレのように母親に苦労ばかりかけていたことがあった。
しかし母親が心労と働きづめで倒れてからは真面目になり、高校に通いながらバイトをして家計を助けると誓う。
高校を卒業後は母に償いをするため、自分に出来ることと言えば族時代にならした運転くらいだと長距離トラック運転手として仕事に励む。
確実かつ時間通りに荷物を届け、ミスをしない奇跡の配達員として異名を馳せるようになり、かつての荒れていた玖虎はもうどこにも居なかった。
だがある日、彼が夜の町を走っていると若者が飛び出してきたのだ。
まずいと思いブレーキを踏むが間に合わず、トラックは若者を跳ね飛ばす。
――はずだったが、気づけば見知らぬ森に囲まれた場所に、居た。
先ほどまで住宅街を走っていたはずなのにと困惑する中、備え付けのカーナビが光り出して画面にはとてつもない美人が映し出される。
そして女性は信じられないことを口にする。
ここはあなたの居た世界ではない、と――
かくして、異世界への扉を叩く羽目になった玖虎は気を取り直して異世界で生きていくことを決意。
そして今日も彼はトラックのアクセルを踏むのだった。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる