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第一章 王子とロバ耳と国際交流と
5、チェンジでっ!!(食い気味に)
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国の2トップと学長が完全にお手上げ状態の中、ライモンド先生がそう誰よりもまともな意見を出す。
普段はオネェキャラ全開なのに誰よりも男らしく場を仕切っていた。
「そうですね。つい、あの大王が襲来するかもっと考えたら頭が痛くて…」
「そうだな。つい、あの大王と隣国とゴタゴタするのが嫌だったもので…」
「そうじゃな…。まだ後4年はワシの首も繋がっておる。もうちょっと長生きしたかったな……」
一人まだ諦めムードなのはさておき。
ゴホンッと咳払いをしてサフィールさんがバツが悪そうに「君は悪くないです。御免なさい」と僕の頭を撫でた。
いや、大王達の件については100パー僕達が悪いです。
「耳の件については呪術、伝承、病気、各方面から当たりましょう。その間、ラニくんにはそのロバ耳が周囲にバレないように隠してもらう事になりますが、いいですね?」
「はいっ。がんばりますッ!! 僕もバレて学園で浮いた存在になりたくないですから!!」
「そうですね。それは学生にとって一大事ですね。…でも、安心してください。きちんとバレないサポートという形で当事者にも責任を取らせますから」
「ん?…当事者??」
当事者とは?と、こてんっと首を傾げるとバンッと蹴り破る勢いで後ろの扉が開いた。
驚き、ロバ耳なのに僕は脱兎の如く、ライモンド先生の横に逃げた。
「父上ッ!!! 何故、俺がモアナの末端の王子の世話なんてしなければいけないんですかッ。護衛を付ければ済む話でしょうッ!!!!」
キィーーンッと大きな声に鼓膜が揺れて痛くて耳を塞ぐ。
恐る恐るライモンド先生を盾にしつつ覗くと皇帝と同じ翡翠色なのに皇帝よりも吊り上がったキツそうな目が皇帝を睨んでいた。
その顔を見た瞬間、ゲッと言いそうになったのを必死に飲み込んだ僕は偉い。
そこにいたのは昨日、図書館で男爵令息に壁ドンをかましていた第三皇子フィルバートだった。
あちらも気付きギロリとこちらを見た。ガン飛ばされてるみたいで怖かったがそれよりも……。
「あっ、結構です。自分でなんとかします」
この皇子と関わる方が嫌。という気持ちが怖いより上回った。
このロバ耳は《イベント》の結果。
つまり、巻き込み事故。これ以上、ストーリーの登場人物に関われば、下手すれば僕もストーリーに巻き込まれかねない。
モブがストーリーに巻き込まれるのは転生モノのテッパンだと前世の記憶が告げている。
なので、お断りします。皇子いらないんで護衛とチェンジで!!
「はぁ!?」
「これまでも1年間、知らぬ土地でも1人でやってこれたので皇子の助けはいりません」
「なんでお前が断ってるんだ!?」
「僕にだって拒否権はある」
「あんに俺が嫌だと言いたいのかッ」
当たり前だ。
なんで男が男とラブロマンスを繰り広げるBLの世界観にこれ以上巻き込まれなきゃいけない!?
勝手によろしくやってて。
僕は転生モノの世界観であってもモブであり続けるッ。
「お前なんて知るかッ」
「いいもんッ。僕だって願い下げだもん!!」
「「ふんっ」」
「私を挟んで喧嘩をしないで頂戴…」
…こうして、当事者の1人であるフィルバート皇子がサポートに付くという話は決裂となり、次の日……。
「いにゃあぁあああ!!?」
「オイッ、コラ、待て!!!」
何故か断った筈のフィルバート皇子に追われていた。
普段はオネェキャラ全開なのに誰よりも男らしく場を仕切っていた。
「そうですね。つい、あの大王が襲来するかもっと考えたら頭が痛くて…」
「そうだな。つい、あの大王と隣国とゴタゴタするのが嫌だったもので…」
「そうじゃな…。まだ後4年はワシの首も繋がっておる。もうちょっと長生きしたかったな……」
一人まだ諦めムードなのはさておき。
ゴホンッと咳払いをしてサフィールさんがバツが悪そうに「君は悪くないです。御免なさい」と僕の頭を撫でた。
いや、大王達の件については100パー僕達が悪いです。
「耳の件については呪術、伝承、病気、各方面から当たりましょう。その間、ラニくんにはそのロバ耳が周囲にバレないように隠してもらう事になりますが、いいですね?」
「はいっ。がんばりますッ!! 僕もバレて学園で浮いた存在になりたくないですから!!」
「そうですね。それは学生にとって一大事ですね。…でも、安心してください。きちんとバレないサポートという形で当事者にも責任を取らせますから」
「ん?…当事者??」
当事者とは?と、こてんっと首を傾げるとバンッと蹴り破る勢いで後ろの扉が開いた。
驚き、ロバ耳なのに僕は脱兎の如く、ライモンド先生の横に逃げた。
「父上ッ!!! 何故、俺がモアナの末端の王子の世話なんてしなければいけないんですかッ。護衛を付ければ済む話でしょうッ!!!!」
キィーーンッと大きな声に鼓膜が揺れて痛くて耳を塞ぐ。
恐る恐るライモンド先生を盾にしつつ覗くと皇帝と同じ翡翠色なのに皇帝よりも吊り上がったキツそうな目が皇帝を睨んでいた。
その顔を見た瞬間、ゲッと言いそうになったのを必死に飲み込んだ僕は偉い。
そこにいたのは昨日、図書館で男爵令息に壁ドンをかましていた第三皇子フィルバートだった。
あちらも気付きギロリとこちらを見た。ガン飛ばされてるみたいで怖かったがそれよりも……。
「あっ、結構です。自分でなんとかします」
この皇子と関わる方が嫌。という気持ちが怖いより上回った。
このロバ耳は《イベント》の結果。
つまり、巻き込み事故。これ以上、ストーリーの登場人物に関われば、下手すれば僕もストーリーに巻き込まれかねない。
モブがストーリーに巻き込まれるのは転生モノのテッパンだと前世の記憶が告げている。
なので、お断りします。皇子いらないんで護衛とチェンジで!!
「はぁ!?」
「これまでも1年間、知らぬ土地でも1人でやってこれたので皇子の助けはいりません」
「なんでお前が断ってるんだ!?」
「僕にだって拒否権はある」
「あんに俺が嫌だと言いたいのかッ」
当たり前だ。
なんで男が男とラブロマンスを繰り広げるBLの世界観にこれ以上巻き込まれなきゃいけない!?
勝手によろしくやってて。
僕は転生モノの世界観であってもモブであり続けるッ。
「お前なんて知るかッ」
「いいもんッ。僕だって願い下げだもん!!」
「「ふんっ」」
「私を挟んで喧嘩をしないで頂戴…」
…こうして、当事者の1人であるフィルバート皇子がサポートに付くという話は決裂となり、次の日……。
「いにゃあぁあああ!!?」
「オイッ、コラ、待て!!!」
何故か断った筈のフィルバート皇子に追われていた。
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