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第一章 王子とロバ耳と国際交流と
21、心の準備がッ
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貴族、王族の世界では夜会とお茶会って呼ばれる交流会があるらしい。
簡単に言うとご飯やお酒、お茶などを食べながら、踊ったり、お話をしたりする会。
じゃあ、モアナのお祭りと同じだね。と、思ったんだけど、どうやらご飯を食べて歌って踊るモアナのお祭りとは本質が違うらしい。
モアナの祭りはみんなでわいわい楽しく騒ぐ事が目的で、夜会や茶会は人脈を作ったり、腹の探り合いをするのが目的。
それを初めて聞いた僕の感想は「え?何それ、怖い」。
人脈作りは良いとして、美味しいご飯も楽しい踊りもそっちのけでそんな面倒臭そうな事をしてるなんて、きっと人生損してる。
みんなで歌って踊ってご飯を食べればみんな友達、みんな家族。
そうモアナで教えられてきた僕からしたら考えられない闇の深い世界。
お母さん。お父さん。
そして大王に、第一王子。
僕は今、そんな闇の世界に足を踏み入れようとしてます!!
「おい…、ラニ」
心の中でモアナの家族達と交信していると、皇子がジトッとした目で僕を見てくる。
「早く馬車から降りろ。何時になったら足を地面下ろすんだ、お前は…」
そんな皇子の文句を無視して僕は足元を見る。
綺麗に並べられた薄ピンク色の煉瓦の道は一見、華やかで綺麗だが、騙される事なかれ。これこそが闇の世界へと続く道。
「なんで既に深刻な顔をしてるんだ!?まだ会場にもついてない…」
「僕が今から行くのは戦場だ。エリオットも言ってた。茶会は貴族にとっての戦場だって」
「……お前は今から一体何をしに行くつもりなんだ?お前の今日の目的は立食での食事の作法の実践と顔出しだけの筈だ」
「「…………」」
僕は地面を見たまま、皇子は僕を見て呆れたまま、暫しの沈黙が二人を包んだ。
皇子の言いたい事は分かってる。
往生際が悪いって言いたいんでしょ?
会場の前まで来て、ひよってる僕に!!
本当に午後まで用意に用意を重ねて、やってきました。フィルバート皇子の親族だという公爵のお家。
僕が聞いたのはお家のお庭での茶会。
僕はモアナの正装に身を纏いつつも、ちょっと大きなホームパーティくらいの気持ちでいたんだ。家に着くまでは…。
ついた公爵のお家はお家というよりもお屋敷で、モアナのお城(平家)と同じくらい面積がある。
そしてお庭はお家より面積があるらしい。
これ、ホームパーティとか気軽な奴じゃ絶対ないッ。
初めての実践で使って良いような場所じゃないんだっ…。
「おー、ラニラニも来たんだー」
心の準備がっ…と無駄な抵抗をしていると、突如現れたシルビオがひょいっと僕を簡単に持ち上げる。
ロバ耳なのに猫のように簡単に持ち上げられた僕はストンと薄ピンク色の煉瓦の道に下ろされた…。
「あ、ああ…。心のッ、心の準備がぁあああッ!!」
「なんでラニラニは辿り着く前から追い詰められてるの?」
「分からん」
無駄な抵抗はあっさりとシルビオに打ち砕かれ、呆気なく会場へと連れてかれた。
簡単に言うとご飯やお酒、お茶などを食べながら、踊ったり、お話をしたりする会。
じゃあ、モアナのお祭りと同じだね。と、思ったんだけど、どうやらご飯を食べて歌って踊るモアナのお祭りとは本質が違うらしい。
モアナの祭りはみんなでわいわい楽しく騒ぐ事が目的で、夜会や茶会は人脈を作ったり、腹の探り合いをするのが目的。
それを初めて聞いた僕の感想は「え?何それ、怖い」。
人脈作りは良いとして、美味しいご飯も楽しい踊りもそっちのけでそんな面倒臭そうな事をしてるなんて、きっと人生損してる。
みんなで歌って踊ってご飯を食べればみんな友達、みんな家族。
そうモアナで教えられてきた僕からしたら考えられない闇の深い世界。
お母さん。お父さん。
そして大王に、第一王子。
僕は今、そんな闇の世界に足を踏み入れようとしてます!!
「おい…、ラニ」
心の中でモアナの家族達と交信していると、皇子がジトッとした目で僕を見てくる。
「早く馬車から降りろ。何時になったら足を地面下ろすんだ、お前は…」
そんな皇子の文句を無視して僕は足元を見る。
綺麗に並べられた薄ピンク色の煉瓦の道は一見、華やかで綺麗だが、騙される事なかれ。これこそが闇の世界へと続く道。
「なんで既に深刻な顔をしてるんだ!?まだ会場にもついてない…」
「僕が今から行くのは戦場だ。エリオットも言ってた。茶会は貴族にとっての戦場だって」
「……お前は今から一体何をしに行くつもりなんだ?お前の今日の目的は立食での食事の作法の実践と顔出しだけの筈だ」
「「…………」」
僕は地面を見たまま、皇子は僕を見て呆れたまま、暫しの沈黙が二人を包んだ。
皇子の言いたい事は分かってる。
往生際が悪いって言いたいんでしょ?
会場の前まで来て、ひよってる僕に!!
本当に午後まで用意に用意を重ねて、やってきました。フィルバート皇子の親族だという公爵のお家。
僕が聞いたのはお家のお庭での茶会。
僕はモアナの正装に身を纏いつつも、ちょっと大きなホームパーティくらいの気持ちでいたんだ。家に着くまでは…。
ついた公爵のお家はお家というよりもお屋敷で、モアナのお城(平家)と同じくらい面積がある。
そしてお庭はお家より面積があるらしい。
これ、ホームパーティとか気軽な奴じゃ絶対ないッ。
初めての実践で使って良いような場所じゃないんだっ…。
「おー、ラニラニも来たんだー」
心の準備がっ…と無駄な抵抗をしていると、突如現れたシルビオがひょいっと僕を簡単に持ち上げる。
ロバ耳なのに猫のように簡単に持ち上げられた僕はストンと薄ピンク色の煉瓦の道に下ろされた…。
「あ、ああ…。心のッ、心の準備がぁあああッ!!」
「なんでラニラニは辿り着く前から追い詰められてるの?」
「分からん」
無駄な抵抗はあっさりとシルビオに打ち砕かれ、呆気なく会場へと連れてかれた。
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